10月4日に発表されたXiaomiのニューモデル、「Xiaomi 12T」の実機レビューです。同時発表されたXiaomi 12T ProとはCPUやカメラ、スピーカーの仕様が異なっていますが、こちらの(Proがつかない)12Tも高い性能のスマートフォンです。
なお、レビュー機はXiaomi Mi Storeよりサンプル提供していただきました。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございます。
・美しい筐体デザイン
・重量級ゲームも快適に楽しめるMediaTek Dimensity 8100-Ultra
・きれいな写真を簡単に撮影できるカメラ
ここがイマイチ
・超広角撮影は夜景撮影がやや苦手
販売サイトはこちら
Xiaomi 12T:Xiaomi Mi Store(AliExpress)
目次
1.Xiaomi 12T スペック
スペック表
Xiaomi 12T | |
OS | MIUI 13(Android 12ベース) |
CPU | MediaTek Dimensity 8100-Ultra |
RAM | 8GB |
ストレージ | 128GB/256GB |
ディスプレイ | 6.67インチAMOLED(2,712 x 1,220)120Hz |
LTEバンド |
5G:n1/n3/n5/n7/n8/n20/n28/n38/ n40/n41/n66/n77/n78 FDD-LTE:B1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/20/26/28/32/66 TD-LTE:B38/40/41 |
SIM | nanoSIM × 2 |
ネットワーク | 802.11a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.3 |
入出力 | USB Type-C |
カメラ | イン20P/アウト108MP + 8MP + 2MP |
バッテリー | 5,000 mAh |
サイズ | 163.1 x 75.9 x 8.6 mm |
重量 | 202 g |
バリエーションモデル
8GB/128GB
8GB/256GB
コメント
OSはAndroid 12ベースのMIUI 13です。10月4日に開催されたイベントではXiaomi 12T Proと同じく最大3回のOSアップデートと4年間のセキュリティアップデートを行うことが発表されています。カスタムUIを採用している関係で最速でアップデートが配信されるというわけではないものの、長い期間最新OSとセキュリティアップデートを受け取ることが出来ます。
CPUはMediaTek Dimensity 8100-Ultraです。今年の8月に実機レビューをしたPOCO X4 GT搭載されていたDimensity 8100の改良版で、若干ではあるもののAnTuTu Benchmarkのスコアが向上しています。1年前のハイエンドスマートフォンに搭載されていたSnapdragon 888+に匹敵する性能を備えており、重量級3Dゲームも最高画質設定で楽しむことが可能です。RAMは8GB、内蔵ストレージは128GB/256GBから選択可能で、MicroSDカードによるストレージ拡張はサポートされていません。
ディスプレイは6.67インチで解像度は2,712 × 1,220です。Xiaomi 12T Proと同じくパネルはAMOLED(有機EL)で、リフレッシュレートは120Hz表示です。使用状況に応じて30/60/90/120Hzに可変させることにより、なめらかなスムーズを実現しながらバッテリー消費を抑えられる「Adaptive Sync」もサポートされています。
カメラはイン20MP、アウト108MP + 8MP + 2MPです。Xiaomi 12Tと比較するとメインレンズの画素数が200MPから108MPに変更されているものの、それ以外の仕様は共通で光学式手ぶれ補正(OIS)も利用可能です。
ワイヤレスネットワークは802.11a/b/g/n/ac/ax とBluetooth 5.3をサポートしています。デフォルトではVoLTEは利用できませんが、電話アプリから「##86583##」と入力することで有効化できます。
スピーカーはステレオで、Xiaomi 12T Proとは異なりHarman/Kardonによるチューニングは行われていないもののDolby Atmosをサポートしており、迫力のあるサウンドを楽しめます。
バッテリー容量は5,000 mAhで、最大120W出力の「Xiaomi HyperCharge」に対応します。
2.Xiaomi 12T 筐体と使用感
付属品はTPUケース、SIMピン、120W出力充電器(海外プラグ)、USB-C to Aケーブル、マニュアルなどのペーパー類(日本語表記なし)です。充電器はXiaomi 12 Proに付属していたものと全く同じで、スマートフォン用の充電器としては大きめです。
前面です。中央にパンチホールノッチが配置されており、ディスプレイは左右が湾曲しないフラット形状です。
背面です。3月にグローバルモデルが発売されたXiaomi 12シリーズのデザインを継承しています。個人的にXiaomi 12、12Tシリーズの背面は今年販売されているAndroidスマートフォンの中で一番好みだったりします。筐体色は「シルバー」「ブラック」「ブルー」が用意されています。レビュー機は「ブルー」で、さわやかな色合いになっています。
左側面にボタンやポート類はありません。
右側面にはボリュームボタン、電源ボタンがあります。
上部には赤外線センサー、マイク、スピーカー。
下部にはSIMトレイ、USB-Cポート、マイクがあります。
システム
プリインストールされているアプリはMIUI標準アプリ、Google純正アプリ、「Netflix」などのサードパーティ製アプリです。POCO F4やPOCO X4 GTでもそうでしたが、高性能CPUを搭載していることもあり、「原神」もプリインストールされています。
MIUI 13ではメモリ増設に対応しており、ストレージをメモリ領域に割り当てることで3GB分追加できるようになっています。(3GB以外は出来ません)これによりXiaomi 12Tでは実質11GBとして使用可能です。ただし、ある程度ストレージ容量に余裕がないとこの機能を有効化することは出来ません。
ゲーム支援機能として「GAME TURBO」が搭載されています。ゲームプレイ中にメモリーを解放する機能や、通知を抑制する機能が備わっているほか、YouTube等で動画配信を行う際に便利な「ボイスチェンジャ」機能も用意されています。
初期化直後のストレージ容量です。レビューしているのは256GBモデルですが、システム容量が14GBと比較的コンパクトに収まっていることもあり、ユーザーが使用できる空き容量は余裕があります。
最新のファームウェアを適用した状態でのシステム情報です。実は実機レビュー中に一回OTAアップデートが配信されており、「MIUI 13.0.3」に更新されています。Androidセキュリティパッチは「2022年7月1日」のものが適用されています。
ディスプレイ
ディスプレイの仕様はXiaomi 12T Proと共通となっており、使用状況に応じてリフレッシュレートを可変させる「Adaptive Display」も利用可能です。
品質はまさに「フラッグシップレベル」で、高品質なAMOLED(有機EL)パネルを採用しているほか、高解像度と言うこともあり発色も良好で画像や動画、ゲームも美しい画質で楽しむことが出来ます。DRM Infoで確認したところ、Widevineのレベルは「L1」で、Amazon Prime VideoやNetflixのHDコンテンツ再生もサポートしています。
ただし、Xiaomi 11T ProやXiaomi 12 Proとは異なり、フレームレートの低いビデオをなめらかにする「MEMC」は利用することが出来ませんでした。
スピーカー
Xiaomi 12Tでは「Harman/Kardon」監修ではないものの、高音質なステレオスピーカーを内蔵しています。
実機レビューの時はゲームや動画再生だけでなく、家族と一緒に普段聞いている音楽(主に洋楽がメインです)を流してテストを行っているのですが、手持ちのGalaxy S21と比較しても低音、高音ともにバランスよく鳴っている印象を受けました。Dolby Atmosにも対応しているため、迫力のあるサラウンドサウンドを楽しむことも可能です。
カメラ
標準カメラアプリはOCRリーダーとして機能する「ドキュメント」モードやポートレート撮影といった機能が備わっています。ただし、Xiaomi 12 Proとは異なり月をくっきりと撮影できる「スーパームーン」モードは用意されていませんでした。
レビューしていたのがグローバル発表前だったこともあり、あまり持ち出すことは出来なかったのですが、かのあゆの自宅近くにある二郎系ラーメンもおいしそうに撮影できています。これなら食レポ記事でも活躍できそうですね。この記事を編集していたらおなかが減ってきてしまいました。
夜景撮影の性能も高く、光がほぼない場面でも明るい写真を撮影できます。ただし超広角撮影だと画素数が8MPと低いせいか若干ぼやけ気味になるのは気になるかもしれません。
3.Xiaomi 12T 性能テスト
参考:
ROG Phone 6(Snapdragon 8+ Gen 1):1,120,013
ROG Phone 6 Pro(Snapdragon 8+ Gen 1):1,108,020
Xiaomi 12 Pro(Snapdragon 8 Gen 1):971,423
ASUS ROG Phone 5s(Snapdragon 888+):846,862
POCO X4 GT(Dimensity 8100):798,752
ASUS Zenfone 8(Snapdragon 888):785,280
POCO F4(Snapdragon 870):658,456
Galaxy S20 SC-51A(Snapdragon 865):655,707
Galaxy S21 SC-51B(Snapdragon 888):624,772
Mi 11T(Dimensity 1200 Ultra):582,178
Xiaomi Pad 5(Snapdragon 860):566,309
realme GT Master Edition(Snapdragon 778G):542,182
Xperia 1 SOV43(Snapdragon 855):511,163
Huawei nova 9(Snapdragon 778):500,881
Xiaomi Mi 11 Lite 5G(Snapdragon 780):500,573
Oneplus Nord CE 2 5G(Dimensity 900):430,049
Redmi Note 11 Pro + 5G(Dimensity 920):427,053
Samsung Galaxy Fold SCV44(Snapdragon 855):414,302
OnePlus Nord CE 5G(Snapdragon 750):384,505
iiiF150 R2022(Helio G95):350,565
POCO M4 Pro 5G(Dimensity 810):349,498
OnePlus Nord N10(Snapdragon 690):342,506
AGM Glory G1S(Snapdragon 480):340,864
AGM Glory Pro(Snapdragon 480):340,772
POCO M3 Pro 5G(Dimensity 700):330,303
Redmi Note 11 Pro(Helio G96):336,280
POCO M4 Pro 4G(Helio G96):311,030
Redmi Note 11S(Helio G96):307,755
realme narzo 50(Helio G96):287,043
Redmi Note 11(Snapdragon 680):277,105
Blackview A95(MediaTek Helio P70):227,817
DOOGEE S98(Helio G96):277,159
CHUWI HiPad Plus(MT8183):172,713
Samsung Galaxy Note FE(Exynos 8890):177,984
Blackview BV6600 Pro(Helio P35):102,808
OUKITEL C22(Helio A22):99,664
AGM H3(Helio P22):84,184
BlackView A55S(Helio A22):78,630
geanee ADP-503G(MT6737M):46,316
AnTuTu Benchmark v9での総合スコアは842,824点でした。Dimensity 8100を搭載しているPOCO X4 GTと比較すると約4万点以上向上しています。
このスコアは昨年実機レビューをしたROG Phone 5sとほぼ同等のスコアで、GPUのベンチマーク結果もSnapdragon 888+とほぼ同点という結果になっています。
レビュー期間中、実際に原神をプレイしていたのですが、このクラスになると画質設定を最高に上げても処理落ちすることなくプレイすることが出来ました。発熱もSnapdragon 8 Gen 1と比較すると控えめで、ゲーミングスマートフォンとしても優秀だと感じました。
4.Xiaomi 12T レビューまとめ
Xiaomi 12TはAliExpress内Xiaomi Mi Storeに製品ページがあり、10月10日午後4時(日本時間)からワールドプレミアセールが開催される予定です。ストアクーポン(100ドルOFF、数量限定)を併用したとき際のワールドプレミア価格は8GB/128GBモデルが449ドル(約66,350円)、8GB/256GBモデルが499ドル(約73,740円)です。
同時発表されたXiaomi 12T Proは日本国内でキャリアモデルも含め準備中であるという噂が以前から伝えられていたものの、Xiaomi 12Tは今のところ投入される噂はありません。カメラやスピーカーの仕様が異なるとはいえ、昨年販売されていたXiaomi 11Tと比較すると確実にスペックアップを果たしており、今回のセール価格は449ドルからと購入しやすくなっているので、ハイエンド端末を探しているのであれば購入してしまっても間違いないと思います。
3月に発表されたXiaomi 12シリーズから継承された筐体も美しく、満足度が高い一台に仕上がっていました。
5.関連リンク
Xiaomi 12T:Xiami Mi Store(AliExpress)