こんにちは、輪他です。今回から、nubiaのゲーミングスマートフォン、「Red Magic 5S」の実機レビューを行なっていきます。2020年4月に発売が開始された前作「Red Magic 5G」は「Red Magic 5」として7月から正式に日本国内向けの販売も行われるなど、かなり注目度の高い端末でした。
RedMagic 5Gについてはウインタブでも4回にわたって実機レビューを行っています。
nubia RedMagic 5G レビュー - Antutuスコア61万点!ハイエンドゲーミングスマホにふさわしい性能と美しいデザインが魅力(実機レビュー第1回)
今回のレビュー機「Red Magic 5S」は「Red Magic 5G」から冷却性能や、ストレージなどを改良し、さらなる高速化を図った機種となります。ハードウェア的には同一の部分も多い両機ですが、独自OS(UI)である、「Red magic OS」がバージョンアップしたことなど、変更点も多いです。
前作同様、見どころが非常に多い製品なので、レビューも複数回を予定しています。初回となる今回は「筐体の仕様」と、なにより気になる「ベンチマークスコア」についてご説明します。なお、レビュー機はメーカーであるnubiaにサンプル提供していただきました。nubiaにはこの場にて御礼申し上げます。ありがとうございました。
1.スペック
nubia RedMagic 5S | |
OS | Android 10(RedMagic OS 3.5) |
CPU | Snapdragon 865 |
RAM | 8GB/12GB |
ストレージ | 128GB/256GB(UFS 3.1) |
ディスプレイ |
6.65インチAMOLED(2,340×1,080) リフレッシュレート144Hz |
LTEバンド |
5G : n41/n78 LTE : B1/2/3/4/5/7/8/12/ 17/18/19/20/26 |
SIM | Nano SIM×2 |
ネットワーク | IEEE 802.11a/b/g/n/ac/ax (Wi-Fi 6)、 Bluetooth 5.1 |
入出力 |
USB Type-C、3.5mmイヤホンジャック、 320Hzショルダーボタン、画面内指紋認証 |
カメラ | イン8MP/アウト64MP+8MP+2MP |
バッテリー | 4,500mAh (55W) |
サイズ | 168.56×78×9.75mm |
重量 | 220g |
上に掲載したスペック表は、グローバル版のものになります。
OSはAndroid 10ベースの独自OSである「RedMagic OS」の「バージョン3.5」です。RAMは8GB /12GB、ROMは128GB/256GBのモデルが用意されています。基本的には、8GB/128GBのモデルで大丈夫だとは思いますが、「せっかくだし、妥協できない!」という人は上位の12GB/256GBを検討しても良さそうです。
CPUはQualcommのハイエンドCPU、Snapdragon 865を搭載しています。2020年度後半期のスマートフォンに搭載され始めているSnapdragon 865 Plusではありませんが、十分すぎるどころか、使いきれないほどのスペックを誇っているCPUです。
カメラは64MPのSONY製センサー、IMX686に加え、8MPの超広角、2MPのマクロを搭載した3眼構成となっています。RedMagic 5Gとのスペック表上での違いは、ストレージがUFS 3.0からUFS 3.1になっている点です。筐体サイズはRedMagic 5Gとほとんど同じです。今回ご紹介するのは、最小構成である、8GB/128GBモデルとなります。
2.PDA工房 保護フィルム
レビューに先立ち、PDA工房に保護フィルムを作成してもらいました。ありがとうございます。今回は、おなじみの9H 高硬度保護フィルムに加え、以前ウインタブでもご紹介した、抗ウイルス抗菌保護フィルムも作成していただきました。
こんな時代ですからね…ありがたいです。
3.筐体
まずは外箱から。Red Magicは毎回外箱を拘って作ってくれています。安い買い物ではないですし、こういう心意気はシンプルに嬉しいですね。これだけで「持つ喜び」が高まってしまいます。
開封すると、端末本体とRedMagicのロゴが出迎えてくれます。
同梱物です。本体に加え、TPU素材のクリアケースと、18Wでの充電に対応したACアダプター(海外仕様)、USB Type-C(オス)- USB Type-A(オス)のケーブル、説明書が同封されていました。5Gにはケースが同梱されていませんでしたが、5Sには付属していました。
TPUケースは四隅に落下時の衝撃を逃すデザインになっていたり、各コネクタなどにはしっかりアクセスできるように穴が開いていたりと、このまましっかり使えるクオリティのものとなっています。
前面です。インカメラやスピーカーは外側に搭載し、ノッチのないディスプレイとなっています。ほとんどのゲーミングスマートフォンについて共通の特徴なのですが、ハイエンド端末でありながら、完全にフラットなディスプレイを搭載しています。iPhoneのような2.5Dのエッジを搭載した端末も視覚的には美しいですが、あくまでゲーム用途での使用においては、フラットなディスプレイの方が有利だということなんでしょうね。
背面です。今回レビューするのはSonic Silverというカラーになります。何より「美しい」という感想が一番です….。若干青みがかったシルバーですね。材質はRedMagic 5Gと同じくガラス素材となっています。ゲーミングスマートフォンとしてはそこまで派手ではなく、街中で使っても悪目立ちしないデザインだと思います。
5Gにはなかったプレートが追加されています。REDMAGIC Agの「Ag」は、もちろん原子番号47番の「銀」です。RedMagic 5Sは、世界で初めて熱伝導率の高い銀メッキをヒートシンクとして採用し、さらなる冷却性能を追求しています。
サイズの比較のために、iPhone XRと並べてみた画像です。6.65インチのディスプレイを搭載していることもあり、筐体サイズはかなり大きいですね。昔使っていたXperia Z Ultraを思い出すサイズです。
上部にはイヤホンジャックとマイクが搭載されています。イヤホンジャック搭載のハイエンド機種はもうほとんど選択肢が無いですから、人によってはこれだけでもう購入の決め手になりそうです。
右側面の両サイドには「Shoulder Trigger」と呼ばれるセンサーが配置され、その内側には空冷用の通気口と電源/音量ボタンがあります。「Shoulder Trigger」は、ゲームプレイ時にディスプレイ上の任意の場所へのタッチを側面のセンサーで行うことができるという機能です。
ゲーミングスマートフォンにおいて重視される冷却性能へのアプローチとして、液冷機構を組み込んだり、外部に空冷用のファンを搭載するといった手法は他社も含めて一般的になってきていますが、さすがにファンを端末内に組み込むという力技のような選択肢をとっているのはRedMagicシリーズだけです。また、RedMagic 5Sは5Gと比較して空冷用のファンの性能が向上しているようです。
左側面には通気口のほかに、ゲームをさらに快適にプレイするためのアプリ、「Game Space」を起動する「Game Boost」スイッチと、専用ドックをつなげるためのコネクターが搭載されています。
さらに、FPSのような、横向きに持つようなゲームをプレイする時のために、ここにもマイクが搭載されています。
下部には、SIMスロット、マイク、USB Type-Cポート、スピーカーが搭載されています。Nano SIMを2枚搭載できますが、micro SDカードには対応していません。スピーカーは端末前面の上部に配置されているスピーカーと合わせてステレオスピーカーとして駆動します。
4.UI
RedMagic 5Sは、既に技適を取得していました。
初期状態のロック画面と、ホーム画面です。グローバル版なので、もちろんGMS(Google Mobile Service)も入っています。
設定画面です。独自OS(UI)を採用していることもあり、あまり日本語化はされていない印象です。とはいえ、そこまでややこしい英語ではないので基本的には大丈夫だろうとは思います。OSは「RedMagic OS」のバージョン3.5を搭載し、セキュリティパッチは2020年6月5日となっています。
詳しいUIや設定項目についての説明は、次回以降のレビューで行なっていきます。
5.性能テスト
Antutuベンチマークを起動すると、「ベンチマークソフトに求められる要件を満たすため、リフレッシュレートを144Hzに変更しました。(意訳)」という内容のポップアップ通知が出て、冷却ファンも勝手に回り始めました。
まぁ、「本気出したるわ!」ってことなんでしょう!というわけで、期待しながら測定してみました。
参考:
nubia RedMagic 5G(Snapdragon 865): 610,070
nubia RedMagic 3S(Snapfragon 855+): 497,776
ASUS Rog Phone 2(Snapdragon 855+) : 487,784
Xiaomi Mi9(Snapdragon 855): 414,693
Samsung Galaxy S10e SM-G9700(Snapdragon 855) : 410,899
Sony Xperia XZ2 Compact SO-02K(Snapdragon 845) : 289,484
Samsung Galaxy S8 SC-02J(Snapdragon 835) : 237,841
Huawei Mate 10 Pro(Kirin 970) : 210,485
Apple iPhone SE(Apple A9): 193,246
Blackview BV9800(Helio P70):188,265
Sumsung Galaxy A51(Samsung Exynos 9611) :184,566
UMIDIGI S3 Pro(Helio P70):179,103
CUBOT X20 Pro(Helio P60) :170,560
Smartisan U3 Pro(Snapdragon 660) : 167,968
Teclast M30(Helio X27) : 116,771
UMIDIGI Z2(Helio P23): 107,355
Ulefone Armor X5(Helio P23) :102,062
Rakuten Mini(Snapdragon 439):94,364
Xiaomi Redmi 6(Helio P22) : 83,181
OUKITEL WP5(Helio A22):75,720
CUBOT King Kong Mini(Helio A22) :74,165
KYOSERA Android One S4(Snapdragon 430): 68,802
「62万点」、ウインタブの参考記録ですと過去最高スコアです。さすがですね…。
RedMagic 5Gのレビュー時に記録した61万点を若干ですが超えてきました。今回レビューしている端末は、RAMやストレージ容量については下位のモデルですので、RAM/ストレージ容量の大きい上位モデルであれば、さらに高いスコアが期待できます。
6.まとめ
nubia RedMagic 5Gは、RedMagic公式サイトにてグローバル版が8月26日より予約販売が開始され、発送予定は9月2日となっています。RAMとストレージがそれぞれ8GB/128GBのモデルと、12GB/256GBのモデルが用意されており、8GB/128GBのモデルは、今回紹介した「Sonic Silver」、12GB/256GBのモデルは「Pulse」という筐体色になります。
上記の画像の赤と青のツートンカラーになっているのが「Pulse」です。
8月30日現在の価格は8GB/128GBモデルが579ドル(約62,000円)、12GB/256GBモデルは649ドル(約70,000円)です。なお、購入時には、輸入消費税(5,000円程度)がかかります。
また、ゲーミングスマートフォンらしく、いくつかの周辺機器も用意されています。
周辺機器の一例です。RedMagic 5Sとともに新発売になる「Ice Dock」。内部に大きなファンを搭載し、冷却性能をさらに高めるだけでなく、USB Type-Cポートとイヤホンジャックを備え、横向きで持つゲームをプレイするときでも、ケーブルが邪魔にならないようにしてくれるようです。
次回以降、内部のUIやゲーム性能などについて詳しくレビューしていきますが、とりあえず、軽くいくつかのゲームをプレイしてみての感想は
「これは…勝てるッ…」
ですね。各ゲームを快適にプレイするために細かく設定を最適化することが可能で、より「勝てる」環境を作り上げることが出来ます。いくつかゲームのスクリーンショットを貼り付けておきます。
6.65インチのディスプレイを搭載していることもあり、かなりの迫力です。ハイエンド機種としては、5Gと同様、かなりリーズナブルな価格になっていますし、「ゲームのためだけに購入できる」ほどの価値があると思います。
次回のレビューでは、RedMagic OS (ver3.5)のUI説明と、ゲームプレイ時の使用感について詳しくレビューしていきます。楽しみにお待ちいただけると幸いです。
7.関連リンク
RedMagic 5S:RedMagic公式サイト
Nubia RedMagic 5Sの実機レビュー(第2回)- さらに進化したRedMagicのゲーム体験!ゲームスコアも上がりましたよ!