N-oneのAndroidタブレット、「NPad Pro」の実機レビューです。N-oneブランドの製品をウインタブで実機レビューするのは今回が初めてです。N-oneは中国メーカーですが、日本のAmazonでの販売に注力しており、この製品も日本のAmazonで購入できます。薄型軽量な筐体と高品質なディスプレイ、迫力のあるステレオスピーカーを備えている点が特徴です。
・余計なアプリを含まないシンプルなソフトウェア
・迫力のあるクアッドスピーカー
・WidevineはL1
ここがイマイチ
・シンプルすぎるカメラアプリ、夜景撮影は苦手
・AmazonプライムビデオでHD画質視聴できず
販売サイトはこちら
N-one NPad Pro:Amazon
目次
1.N-one NPad Pro スペック
スペック表
N-one NPad Pro | |
OS | Android 12 |
CPU | UNISOC T616 |
RAM | 8GB |
ストレージ | 128GB |
ディスプレイ | 10.36インチ(2,000 x 1,200) |
LTEバンド |
FDD-LTE:B1/3/5/7/8/20 TD-LTE:B38/39/40/41 |
SIM | nanoSIM × 2(SIM2はmicroSDと排他) |
ネットワーク | 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.0 |
入出力 | USB Type-C、MicroSDカード、3.5mmイヤホンジャック |
カメラ | イン5MP/アウト13MP |
バッテリー | 6,600 mAh |
サイズ | 246 x 160 x 7.5 mm |
重量 | 434.9g(実測値) |
コメント
OSはタブレット製品としてはほぼ最新と言っていいであろうAndroid 12です。メーカーによるカスタマイズは一切行われておらず、BlackviewやSamsung、Huawei等一部メーカーが販売するタブレットにあるデスクトップモードも備わっていません。
CPUはUNISOC T616です。2~3万円台で販売されているAndroidタブレットではよく見る型番で、最新の3Dゲームを高画質でプレイするのは厳しい(というか無理)ですが、WEBブラウジング、動画視聴等普段使いではストレスを感じることはありません(ベンチマークスコアは後述します)。RAMは8GB、内蔵ストレージは128GBで、MicroSDカードによるストレージ拡張をサポートします。
今回の実機レビューではSIMを差してのテストは実施していませんが、NPad ProはデュアルSIMスロット(nano SIM)を備えています。ただサポートされているバンドは少なく、ドコモ、au回線での利用には向きません(使えなくはありませんが、場所によっては電波のつかみが悪くなる可能性があります)。
バッテリー容量は6,600 mAhで、最大18W出力のUSB PD急速充電をサポートします。
2.N-one NPad Pro 筐体と使用感
パッケージ内にはACアダプター、マニュアル(日本語表記あり)、USB-C to Cケーブルがあります。レビュー機はAmazonで販売されている国内販売モデルなのでACアダプターは日本向けのものが付属しています。なお、レビュー機にはSIMピンが同梱されていませんでした(通常は同梱されます。万一入っていなければ、メーカーに連絡すればすぐに送ってもらえると思いますし、他社スマートフォンに付属しているSIMピンをそのまま流用でき、最悪クリップや安全ピンでも代用できます)。
前面です。液晶保護フィルムが貼られた状態になっています。Amazonの製品ページの画像は「超狭額縁ベゼル」でしたが、実際はもう少し太めです(中華あるある…)。
背面です。技適マークもありました。一見すると金属素材を採用しているように見えるのですが、実際には樹脂素材です。シンプルなデザインながら安っぽさは感じられません。ただし、どうしても使っているうちにキズが入ってしまう可能性がありますので、不安であれば専用ケースを揃えておきたいところです。Amazonでは純正ケース(税込1,690円)も販売されているので、一緒に購入しておくことをおすすめします。
画像が見にくくて申し訳ありません。左側面には電源ボタン、ボリュームボタン、USB-Cポートがあります。
右側面にボタンやポート類はありません。
上面にはスピーカー、SIM/MicroSDカードスロット。
下面にはスピーカーがあります。つまり、NPad Proは上面に2つ、下面に2つ、合計で4つのスピーカーを搭載しています。
システム
ホーム画面です。素のAndroid OSそのもののUIで、独自のカスタマイズは施されていません。
プリインストールアプリはAndroidシステム標準アプリ、Googleアプリのみで、メーカー独自アプリやサードパーティのゲームアプリはありません。独自アプリやゲームアプリがインストールされていても使わない、という方も多いでしょうし、余計なものを一切含んでいない点は好感が持てます。
設定にある項目も素のAndroid OSに準じていますが、独自機能として「scheduled power on/off」が用意されています。その名の通りスケジュールされた時間に電源オン・オフを自動的に行ってくれる機能です。普通だとあまり使い道がなさそうですが、NPad Proをメッセージボードとして活用したりする際に便利かもしれません。
初期セットアップ直後のストレージ情報です。OSが使用している容量は約9GB、プリインストールアプリが使用している容量は85MBのみとコンパクトに収まっています。空き容量も余裕があるので大容量アプリのインストールにも十分対応できると思います。
工場出荷時のソフトウェア情報です。適用されているAndroidセキュリティアップデートは2022年9月1日と古めです。OTAアップデートの項目もあります(1週間強のレビュー期間中にはセキュリティアップデートや修正アップデートは配信されていません)。
ディスプレイ
ディスプレイは10.36インチサイズで、解像度は2.000 × 1,200、パネルはIPS液晶です。高リフレッシュレート表示はサポートされていませんが、表示品質は高めで色合いも忠実に再現されている印象を受けました。設定にはYouTubeやGoogleフォトなど対応しているアプリで色合いを最適に調整してくれる「Video Display Enhancement」もあります。
DRM Infoで確認したところ、Widevineは「L1」だったのですが、Amazonプライムビデオでは(レビュー時点で)HD画質で動画を視聴することができませんでした。
AmazonプライムビデオではWidevineのレベルが「L1」であってもホワイトリストに登録されていないとHD画質での視聴ができません。ただし、プライムビデオのベータ版アプリであれば、通常「ホワイトリストに登録されていなくとも、Widevine L1ならHD画質視聴可」のはずなのですが、ベータ版アプリでもなぜかHD画質視聴ができませんでした。
この点は今後のアップデートで改善されることを期待したいですね。
スピーカー
上でご説明した通り、スピーカーはクアッド構成(4スピーカー構成)です。残念ながらDolby Atmosは非対応ですが、迫力のあるサウンドを楽しむことができました。クアッドスピーカーを搭載するAndroidタブレットは増えてきていますが、メーカーによってはあまりデュアル構成のスピーカーと変わらなかったり、音圧が足りない機種もある中、NPad Proは上質なサウンドを奏でてくれました。音楽鑑賞や動画視聴が捗りそうです。
カメラ
カメラはイン8MP、アウト13MPです。カメラアプリはAndroidシステム標準のものがインストールされていますが、機能面は最小限でナイトモードやプロ撮影モードはおろか、ズーム撮影すらサポートされていません。
明るい場所ではズーム撮影やパノラマ撮影が行えないなど、機能面で物足りなさは感じられますが13MPと(タブレット製品としては)画素数の高いセンサーを採用していることもあり、クリアな写真を撮影できます。…が、一番上の写真では若干色合いがおかしく感じられますね…。
拡大すると若干ぼやけてしまいますが、SNSで共有するような場合だと十分な画質だと思います。
一方夜景撮影はナイトモードが備わっていないこともあり、光がほぼない場所では真っ暗な写真となってしまいます。タブレットで写真を撮影する方はあまりいないかと思われますが、夜景撮影はスマホに任せた方が良さそうです。
3.N-one NPad Pro 性能テスト
参考:
iiiF150 R2022(Helio G95):350,565
POCO M4 Pro 5G(Dimensity 810):349,498
OnePlus Nord N10(Snapdragon 690):342,506
AGM Glory Pro(Snapdragon 480):340,772
POCO M3 Pro 5G(Dimensity 700):330,303
Redmi Note 11 Pro(Helio G96):336,280
realme narzo 50(Helio G96):287,043
DOOGEE S98(Helio G96):277,159
Redmi Note 11(Snapdragon 680):277,105
Teclast T40 Pro(UNISOC T618):246,826
Blackview A95(MediaTek Helio P70):227,817
Blackview Tab 15(UNISOC T606):221,558
CHUWI HiPad Plus(MT8183):172,713
Samsung Galaxy Note FE(Exynos 8890):177,984
Blackview BV6600 Pro(Helio P35):102,808
OUKITEL C22(Helio A22):99,664
AnTuTu Benchmark v9での総合スコアは248,653点でした。GPU性能は低いので「原神」や最近リリースされた「Link!Link!ラブライブ!」と言った超重量級ゲームをプレイするのは無理がありますが、「モンスト」「パズドラ」といった2Dメインのタイトルやブラウザベースのゲームであれば十分プレイできる性能は備えています。
WEBブラウジングや動画視聴、メールのチェックといった作業はRAM容量が8GBと余裕があることもあって試用中ストレスを感じることはありませんでした。
4.N-one NPad Pro レビューまとめ
N-one NPad Proは現在Amazonにて税込み33,900円で販売中ですが、製品ページに9,000円OFFクーポンがありますので、これを利用すれば税込み24,900円で購入できます。
余計なソフトウェアを一切含んでいない素のAndroid OSと十分な容量のRAMを搭載していることもあり、ストレスなく使うことができました。クアッドスピーカーの音質も高いので動画プレイヤーやオーディオプレイヤーとしても活躍させることが出来そうです。
公式サイトやAmazonの製品ページにある画像ほどではないにせよベゼル幅も比較的細く、リュックに入れて持ち歩いても気にならない軽さも魅力的です。N-oneブランドのタブレットをレビューするのはこれが初めてですが、全体的な完成度は高いと感じました。
5.関連リンク
N-one NPad Pro:Amazon
コメント
このスペックで8インチならなぁ…