中国メーカー「LEAGOO」といえば、ウインタブでは「S10の苦い経験」というのがあります。ただ、中国の新興メーカーが攻めの姿勢で作った製品だったと思うので、個人的にはLEAGOOに対して悪印象はありません。ちなみに「何が苦かったのか」という点については下記のリンクをご参照ください。
LEAGOO S10 レビュー - Helio P60を搭載する最新スペックのスマホなので、販売中止なんですけどレビューします(実機レビュー)
今回紹介する「M13」は4月23日時点のBanggood参考価格が109.99ドル(12,529円)なので、エントリークラスのスマホということになります。この価格帯の製品だとウインタブ読者的にはメイン機としての運用よりは2台目、3台目のサブ機という位置づけになろうかと思います。スペックの方は価格に見合わないくらいに良く、最近の新製品の中では「Elephone A6 Mini」が比較対象になるのではないか、と思います。
1.スペック
OSはAndroid 9.0をベースにした独自UI「LEAGOO OS 6.0」が搭載されます。先日のS10には1つ前の「LEAGOO OS 5.0(Android 8.1ベース)」が搭載されていましたが、日本語化も問題なくできましたし、独自UIを称するほどのカスタマイズとは言えないよなあ、と感じましたので、「素のAndroid(AOSP版)」に近い操作感と考えてもいいと思います。
CPUはMediaTekのHelio A22で、Web上に複数のAntutuスコアが掲載されていて、だいたい6万点台前半(Antutu Ver.7.X)でした。このスコアは昨年のエントリーCPUのMT6739(4万点台半ばくらい)よりはかなり高く、MT6739と昨年のミッドレンジCPUのHelio P23(8万点台前半くらい)の中間くらいの性能ということになります。製品価格を考えると「お買い得」と言っていい水準だと思います。
RAMは4GB、ストレージは32GBです。欲を言えばストレージはもう少し容量が大きいとよかった、と思いますが、32GBあれば当面はストレージ不足に陥らないと思いますし、microSDカードも使えますので、低価格スマホとしては悪くないでしょう。
ディスプレイは6.1インチと大きめで、水滴型ノッチを採用します。ただし、解像度の方はさすがに低く、HDを下回る1,280 × 600にとどまります。この解像度で6.1インチサイズということになると、使う人の感覚によっては少し画面が粗く感じられるかもしれません。
近年のスマホではある意味「最重要」とも言えるカメラに関しては、ちょっと厳しいかも。エントリースマホなのであまり無理は言えないものの、Elephone A6 Miniの「イン16MP/アウト16MP+2MP」と比較してしまうと、少なくとも画素数では大きく見劣りします。個人的にサブで使うスマホでは「最低限カメラだけは実用性を確保してほしい、価格の範囲内でできるだけ高性能なものを使いたい」という希望がありますので、このカメラ品質は少し残念です。
2.筐体
展開図がありました。前面の水滴型ノッチは上位のスマホと比べると面積が大きめです。また、最近だとハイエンドモデルを中心に水滴型ノッチから「パンチホール(ディスプレイに小さくレンズ穴が空いているだけ)」タイプへの移行も進んでますよね。しかしまあ、このクラスの製品にその水準を期待するのは無理というもので、水滴型であるというだけでも評価してあげるべきでしょう。
背面には指紋センサーも備えます。背面には美しいグラデーション処理が施されていますが、素材はおそらくプラスティックであろうと思われます。
筐体色は「Phantom Purple」と「Twilight」の2色。どちらを選んでもグラデーション処理になっています。先日のS10のレビューでは筐体の仕上がりは美しく、また質感も高いものでした。
各部名称です。ポートに関してはレガシーな「microUSBポート+イヤホンジャック」の組み合わせです。さすがにそろそろ「Type-C」でも良かったかな、という気はしますね。
3.価格など
LEAGOO M13は中国の通販サイト「Banggood」で「In Stock Alert」というステイタスになっていて、近日発売の予定です。4月23日現在の参考価格は冒頭に書いたように109.99ドル(12,529円)で、比較対象製品と言えるElephone A6 Miniと同価格です(Banggood、4GB/32GB版)。
この製品はElephone A6 Miniと近いスペックながら、ディスプレサイズがやや大きいものの解像度は低く、カメラ品質ではA6 Miniと結構な差がありますので、同価格なのであればA6 Miniのほうに軍配が上がりそうな気がします。そのへんを考慮すると、実売期にはもう少し価格が下がるのでは?と予想します。
2018年くらいから、100ドル前後で購入できる格安中華スマホでも「ゲームをしないなら十分かも」と思えるくらいの性能になってきました。そして2019年の現在、このLEAGOO M13にせよElephone A6 Miniにせよ、「ちょっと前のミッドレンジ」くらいの実力が期待でき、デザイン的にも最新のトレンドを押さえたものに仕上がっていますので、読者のみなさんも「2台目買っちゃおうかなあ」なんて考えてしまうのではないでしょうか。
4.関連リンク
LEAGOO M13:Banggood