HUAWEIから2019年6月に発売された「P30」のジャンク品を購入しました。コンディションは「液晶割れがある」というもので、通常中古より大幅に安く入手することができました。オープンマーケット向けに投入されたフラッグシップモデルで、PシリーズとしてはGoogle関連のサービスを利用できる最後の端末です。
・EMUI 12までアップデート可能。
・2023年現在でも通用する高いカメラ性能
・Google Mobile Service搭載
・美しい筐体デザイン
ここがイマイチ
・スピーカーがモノラル出力
・HUAWEI独自ストア、AppGallaryはアプリのラインナップが少ない
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1.スペック
スペック表
HUAWEI P30 | |
OS | EMUI 12(Android 10ベース) |
CPU | Kirin 980 |
RAM | 6GB |
ストレージ | 128GB |
ディスプレイ | 6.1インチOLED(2,340 x 1,080) |
LTEバンド | FDD LTE: B1/2/3/4/5/6/7/8/9/12/17/18/19/20/26/28 TDD LTE: B34/38/39/40/41 (2545~2655 MHz) |
SIM | nanoSIM × 2 |
ネットワーク | 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.0 |
入出力 | USB Type-C、NMカード、3.5mmイヤホンジャック |
カメラ | イン32MP/アウト40MP + 16MP + 8MP |
バッテリー | 3,650 mAh |
サイズ | 149.1 x 71.36 x 7.57 mm |
重量 | 165 g |
コメント
工場出荷時にインストールされていたOSはAndroid 9ベースのEMUI 9.1でしたが、現在はAndroid 10ベースのEMUI 12までアップデートされています。上位モデルのP30 Proはキャリア(ドコモ)の意向もあり、一度もOSアップデートが提供されませんでしたが、オープンマーケット版ではグローバルにおける最終バージョンまでしっかりアップデートされています。ちなみに中国版では現在でも最新バージョンであるHarmony OS 3.0にアップデート可能です。
CPUはKirin 980です。HUAWEIの関連企業であるHiSiliconが開発を担当していて、性能は同世代のSnapdragon 855とほぼ同等です。RAMは6GB、内蔵ストレージは128GBです。
外部ストレージ拡張もサポートされて…はいるのですが、HUAWEI独自規格となる「NMカード」に対応します。NMカードは現在でもAmazon等のオンラインショップで購入できますが、同容量のMicroSDカードと比較して高価な点がネックです。
国内版P30では主要4大キャリアの通信バンドをカバーしています。現在auの格安プラン、povo 2.0で使用していますが、VoLTEも含め問題なく利用できています。
バッテリー容量は3,650 mAhで、Huawei Super Chargeによる急速充電に対応しています。
2.筐体と使用感
前述の通り今回購入したP30は本体のみのジャンク品です。本来であれば純正ケース、マニュアルなどのペーパー類、SIMピン、Huawei Super Charge対応ACアダプター、USB-C to Aケーブルが付属します。なおケースとフィルムはさすがに家電量販店では購入できませんが、Amazonなどで容易に入手可能です。
前面です。上位モデルのP30 Proでは左右が湾曲したエッジディスプレイでしたが、P30ではフラットディスプレイです。ノッチはティアドロップ型です。
この画像はすでにガラスフィルムを貼った状態です。が、よく見ていただくと右下ががっつり割れていることがわかると思います。この前に購入したGalaxy S22 Ultraのジャンク品とは異なり、ディスプレイの表示自体は問題ない点が救いではあります。
背面です。アウトカメラ下には現在は提携が終了してしまったLEICAロゴが誇らしげに配置されています。筐体色は「ブリージング・クリスタル」と「オーロラ」の2色が用意されていました。
実は購入時ブリージング・クリスタルのジャンク個体も販売されていたのですが、液晶割れのダメージがより酷かったのでオーロラを選択しました。角度によって色合いが変わる加工が施されていて、発売から4年が経過した今でも美しいデザインだと思います。
左側面にはSIMトレイがあります。
右側面には電源ボタン、ボリュームボタンがあります。
上部にボタンやポート類はありません。
下部には3.5 mmイヤホンジャック、マイク、USB-C、スピーカーが配置されています。
システム
購入時点でEMUI 11までアップデートされていましたが、既にEMUI 12もダウンロード済みの状態になっていたのですぐにアップデートしています。
Android標準、HUAWEI独自アプリ、Google純正アプリ、Facebook、ホテル予約アプリ「Booking.com」がプリインストールされています。
HUAWEI P30シリーズが発売された2019年6月にはアメリカによる制裁が発動していますが、まだ影響を受ける前だったのでGoogle関連のアプリも問題なく使えます。Gmail、Googleマップなどが利用できるメリットは限りなく大きいと感じています。
Google Play Storeも含まれているので「LINE」等のメジャーなアプリも通常通り入手できます。HUAWEI独自ストア、「AppGallary」も使えますが、配信されているアプリが少なすぎるのでP30ではあえて利用するメリットはありません。
ただしHUAWEI製スマートウォッチ・バンドの同期アプリ「Huawei Health」はAppGallaryからでないと最新バージョンがインストールできません。またAnTuTu Benchmarkなど諸事情によりGoogle Play Storeでの公開が終了してしたアプリが配布されている場合もあります。
P30ではAndroid OS純正バックアップ(Google Driveにアカウントやアプリ設定などをバックアップ)だけでなく、HUAWEIが提供するクラウドストレージ「HiDisk」も使えます(5GBまで無料)。標準バックアップと組み合わせて使うといざというとき安心できると思います。
購入直後のストレージ情報です(EMUI 12アップデート前)。前述の通り購入時点でEMUI 12の更新ファイルがダウンロードされた状態になっていたので工場出荷時の状態ではないのですが…空き容量は約110GB確保されています。
サブ機として運用しているので環境構築後も空き容量は約60GB残っているのでわざわざNMカードを購入する必要はないかな、と思っています。
P30に配信されているソフトウェアの最終バージョンはAndroid 10ベースのEMUI 12.0.0.13です。Androidセキュリティパッチは2022年5月1日の物が適用されています。
ディスプレイ
ディスプレイは6.1インチサイズで、解像度はFHD+(2,340 × 1,080)です。高リフレッシュレート表示はサポートされていませんが、DCI-P3をカバーする高品質なOLED(有機EL)パネルで今見ても惚れ惚れするほど表示品質は高いと感じました。残念ながらジャンク品なので割れてしまっていますが…。
スピーカー
P30 Pro、P30ともに内蔵スピーカーはモノラルです。同じ時期に販売されていたXperia 1、Galaxy S10シリーズ、AQUOS R3ではDolby Atmosをサポートするステレオスピーカーが内蔵されていたことを考えるとフラッグシップモデルとしては物足りなさを感じられて少し残念です。ただ音質自体は悪くないので作業中音楽を流し聴きする用途であれば十分です。
3.5 mmイヤホンジャックも備えていて、こちらはハイレゾ出力にも対応しているので本格的に動画や音楽を楽しみたいのであれば有線イヤホンかBluetoothイヤホンと組み合わせるといいでしょう。
カメラ
カメラはイン32MP、アウト40MP(メイン) + 16MP(超広角) + 8MP(望遠)です。P30 Proとの差はデジタルズームが30倍(P30 Proは50倍)までになっている点と深度測定用のToFレンズが省かれている点になります。アウトカメラ側のレンズはLEICAの「VARIO-SUMMILUX」です。
標準カメラアプリは多彩な機能が用意されていて、「モノクロ」「スーパーマクロ」だけでなく、虎などのキャラクターになりきれる「ARレンズ」モードといった楽しい機能が用意されています。
P30/P30 Proのカメラは発売当時国内外のメディアで高い評価を受けていましたが、その性能の高さは発売から4年経過した現在でも健在です。HUAWEIは元々カメラ性能の高さに定評がありましたが、ズームしてもきれいなのはさすが!メインカメラとしても十分活躍できると思います。
前モデルのP20/P20 Proでは搭載されていなかった超広角レンズもあり、あらゆる場面できれいな写真を撮影できます。飯テロ写真もおいしそうに撮れていますよね!
現在販売されているハイエンドモデルと比べてしまうと処理に5秒かかる点は少し気になりますが、ナイトモードを使用すれば夜景もきれいに撮れます。
デジタルズームは30倍まで拡大でき、月も表面までくっきりと撮影できてしまいます。当時ここまで月をきれいに撮れる端末はP30/P30 Proしかなかったので発表当時は衝撃的でしたね…。
3.性能テスト
参考:
ROG Phone 6(Snapdragon 8+ Gen 1):1120,013
ROG Phone 6 Pro(Snapdragon 8+ Gen 1):1108,020
Zenfone 9(Snapdragon 8+ Gen 1):1079,196
Xiaomi 12 Pro(Snapdragon 8 Gen 1):971,423
ASUS ROG Phone 5s(Snapdragon 888+):846,862
POCO X4 GT(Dimensity 8100):798,752
ASUS ZenFone 8(Snapdragon 888):785,280
Google Pixel 6a(Google Tensor):738,170
POCO F4(Snapdragon 870):658,456
Galaxy S20 SC-52A(Snapdragon 865):655,707
Galaxy S21 SC-52B(Snapdragon 888):624,772
Mi 11T(Dimensity 1200 Ultra):582,178
Xiaomi Pad 5(Snapdragon 860):566,309
realme GT Master Edition(Snapdragon 778G):542,182
Xperia 1 SOV43(Snapdragon 855):511,163
Huawei nova 9(Snapdragon 778):500,881
Xiaomi Mi 11 Lite 5G(Snapdragon 780):500,573
いつも通り「AnTuTu Benchmark」で性能テストを実施してみました。先日最新バージョン「v10」がリリースされましたが、ベンチ内容が変更されスコアが変動していて、不具合も多いので当面AnTuTu v9系列でテストを実施する予定です。
CPU、GPUスコアともに現在ミッドレンジクラスの端末で採用されているSnapdragon 695よりもスコアが高く、重量級ゲームも設定を変更すれば楽しめる性能を備えています。通常利用でストレスを感じることもありませんし、メイン端末としても活躍させることが出来ると思います。
4.まとめ
今回実機レビューを行ったP30は秋葉原のワールドモバイルで購入した個体で、価格は12,100円(税込)でした。液晶が割れていない通常中古も現在では安くなり、イオシスだと2023年5月31日現在Cランク品が22,800円(税込)、Bランク品が25,800円(税込)で購入可能です。
オープンマーケット向けP30はミッドレンジモデルでカメラ性能も高かったP30 lite、ドコモ独占で販売された最上位モデルP30 Proと比較するといまいち地味なイメージが強かったのですが、実際購入して使ってみると今でも通用する高いカメラ性能はさすがHUAWEI…と驚かされました。端末性能も高いので同価格帯の新品ミッドレンジモデルを購入するよりも中古のP30を選択したほうが満足できると思います。
Pシリーズはこの後P40、P50、P60と続いていますが、国内展開はP40世代が最後となり、それ以降は実質スマホ販売から実質撤退してしまっています。Google関連のサービスが使えないAndroidスマホは日本では売りづらいですし、仕方ない部分もあるのですが制裁の影響がなければ・・・と思うと寂しく感じてしまいます。
5.関連リンク
Huawei P30 / P30 Pro ー 月や銀河まで撮れるスマホ最高峰のカメラを搭載したPシリーズ最新モデル!(かのあゆ)
HUAWEI P30:HUAWEI Japan
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コメント
ファウェイの技術力には本当感心します。
P20に有った下部の物理タッチボタンがなくなり液晶画面に組み込まれて使いづらくなった、指紋反応が悪くイライラするときいていたのでそのあたりが新たにレビューされているかなと思ったのですが、なかったので残念です。
>>マサさん
指紋認証はジャンク品ですぐ液晶保護フィルムを装着してしまったので今回検証できませんでした・・・申し訳ございません・・
P30、P30PROと両方持っていましたが、今はPROを使い続けています。
やはりカメラ性能はPROが段違いです。
P30もそうですが、未だにサクサク動きますので特に不自由はないですね。
原神もストレスなく動きます。
P30の良いところは、コンパクトで性能も十分というところです。
アップデートがもう来ないことを除けば、今のエントリーモデル買うより遥かに良いと思います。
使用感としてはSD695よりサクサク、動画エンコードは695よりもかなり早いです。
スピーカーをステレオにして再販してくれたら、ミドハイクラスで活躍できるくらいだと思います。
指紋認証は全く問題ないですよ。
ガラスフィルムとの相性が悪いので、PETフィルムにしています。