こんにちは。かのあゆです。昨年ウインタブでdocomo with端末として投入された「Galaxy Feel2 SC-02L」を紹介しましたが、発売後予想通りじゃんぱらやイオシスなどでSIMロック解除済みの未使用品が安価で流れるようになり、かのあゆもサブ端末として購入しましたのでレビューしたいと思います。
1.スペック
昨年の記事で紹介したとおり、Galaxy Feel2のベースモデルは昨年グローバル市場で発売された「Galaxy A8(2018)」ですが、以下の点がオリジナルのGalaxy A8(2018)と異なる仕様になっています。
インカメラがデュアルレンズからシングルレンズ仕様に変更
・日本国内向け機能(おサイフケータイ、ワンセグ)を搭載
・液晶解像度がFHD+からHD+に変更
・筐体にストラップホールを追加
・画面オフの状態でも時計や各種情報を表示できるAlways On Display機能が非搭載に(ベースモデルのGalaxy A8 2018ではサポート)
前モデルであるGalaxy Feel SC-03JはベースモデルがGalaxy A3(2016)でしたが、ベースモデルが変更されたことによりスペックは大幅に向上しています。OSはAndroid 8.1で、同時期に発売されたGalaxy Note9と同じくSamsung独自UIのGalaxy Experience 9.5を搭載しています。またベースモデルのGalaxy A8(2018)とその国内仕様であるGalaxy Feel2に関しては今後Android 9/OneUI 1.0へのアップデートも予定されています。
グローバルモデルであるGalaxy A8(2018)は早い地域では4月にはアップデートが配信開始となる見込みですが、Galaxy Feel2に関しては細かい仕様が異なるため、配信時期が異なる可能性があります。それでもアップデート自体は確定となっているため、遅くとも夏までには最初のOSアップデートが実施されるのではないでしょうか。
前モデルのGalaxy FeelではベースモデルのOSアップデートサイクルの関係で、OSのメジャーアップデートに関してはAndroid 7.0→Android 8.0へのアップデート一回で打ち切りとなってしまいましたが、Galaxy Feel2に関してはベースモデルも昨年初めに発売された新しめの端末で、Android 9へのアップデートが最初となるため、来年のAndroid 10 “Q”へのアップデートも期待できそうです。
CPUはSamsung Exynos 7885を搭載しています。日本国内ではGalaxy SシリーズとNoteシリーズでは近年QualcommのSnapdragon 800番台が採用されていますが、ミッドレンジ~ミッドハイモデルである初代Feelとその後継機であるFeel2ではSamsung自社CPUであるExynosが採用されています。
Exynos 7885はベースモデルのGalaxy A8(2018)で初採用されたCPUで、スペックとしては日本では6万円台で販売されているSnapdragon 660とほぼ同等のスペックになっています。
後述するベンチマークのスコアもかなり高いスコアを計測しており、重量級3Dゲームも無茶なグラフィック設定にしなければ十分動作するスペックです。
RAMはGalaxy Feelの3GBから4GBに増えました。環境構築を一通り済ませた後のメモリの空きもおおよそ1.8GBほど空いた状態になっており、スペックアップしたCPUも相まって軽快に動作してくれます。
一方でストレージはGalaxy Feelから据え置きで32GBのままで、MicroSDカードによるストレージ拡張も対応していますが、近年ミッドレンジクラスでも64GB搭載している端末が増えていることを考えるともう少し頑張ってほしかったところではあります。
ディスプレイは上位モデルのGalaxyシリーズ同様SuperAMOLED(有機EL)を採用しており、解像度は1,480×720(HD+)です。ベースモデルのGalaxy A8+(2018)はもともと解像度が2,280×1,080(FHD+)だったため、贅沢を言うのであればGalaxy Feel2でも共通の仕様にしてほしかった、というのが正直な感想ではありますが、この辺に関してはドコモの格安MVNO対抗プラン「docomo with」シリーズ向けの端末ということもあってやむを得ない部分かもしれません。
とはいえ特に表示が荒いということもなく、有機EL採用のおかげで表示も美しいので、十分満足できます。
カメラはイン・アウトカメラともに16MPとなっており、イン側のF値が1.9、アウト側が1.7と明るいレンズを搭載していることにより、暗所でも美しい写真を撮影することができます。
前述の通りベースモデルであるGalaxy A8(2018)とは異なりインカメラがデュアルレンズからシングルレンズに変更されているため、「セルフィー撮影時のライブフォーカス(撮影後にボケ具合を調整できる機能)は搭載されていませんが、それ以外の機能に関してはベースモデル譲りの性能になっています。
バッテリーは3,000mAh。Exynos 7885が省電力な設計になっていることもあり、バッテリーの持ちはかなり持ちます。
日本向けキャリアモデルということでベースモデルで対応していた防水・防塵とNFC対応に加え、ワンセグ(フルセグ受信は非対応)、おサイフケータイ機能にもしっかり対応しています。
2.デザイン
付属品はマニュアル、ワンセグ受信用アンテナケーブル「SC02」、移行ツール「SmartSwitch」用のUSB-C OTGコネクターとMicroUSBケーブルのみと上位モデルのGalaxy S9/S9+やNote9と比べると非常にシンプルなものです。
ベースモデルのGalaxy A8(2018)の付属品はほぼ上位モデルと同じになっており、専用ケース、ACアダプター、USB-Cケーブル、USB-C変換コネクター、イヤホン(ハイレゾ非対応)が付属しているのですが、この辺に関してはdocomo with端末ということでかなり簡略化されている印象です。
ただケースに関してはベースモデルとは細部が微妙に異なる日本独自仕様のモデルであるため、基本的に「Galaxy A8(2018)」用のケースを使いまわすことはできず、国内メーカー製のケースに限定されてしまうこともあり、付属してもよかったのではないかなぁというのが正直な感想です。
前面は上位モデル同様縦横比18.5:9の「Infinity Display」を採用しています。Galaxyシリーズのミッドハイ以下のモデルでこのディスプレイを採用したのは実はベースモデルの「Galaxy A8(2018)」が初だったりします。
フラッグシップモデルのSシリーズやNoteシリーズとは異なりエッジディスプレイを採用していないため、液晶ガラスフィルムの相性問題に悩むことがないのはうれしい点でした。
背面はベースモデルのGalaxy A8(2018)と共通のデザインになっています。2017年に発売された「Galaxy S8/S8+」や「Note8」は指紋認証センサーの位置がカメラの右隣に配置されており、誤ってカメラレンズに触れてしまうなどかなり不評でしたが、2018年初めに発売したGalaxy A8(2018)からセンサーの位置がカメラの下に変更されました。
ぱっと見では同じく指紋認証センサーの位置が下に移動した「Galaxy S9」と区別がつきづらいですが、Galaxy S9だとカメラレンズ右隣のフラッシュライトの下に心拍数センサーが配置されており、Galaxy A8(2018)やFeel2にはこれが配置されていないので、この辺で区別がつきます。
SIMロック解除済み白ロム新品は「フロストホワイト」「オパールブラック」「オーロラピンク」の3色すべてが出回っていますが、かのあゆは「オーロラピンク」を選択しました。
上位モデルのGalaxy S9/S9+やNote9で追加されたパープル系に近い印象で非常にきれいなカラーリングだと思います。
左側面にはボリュームボタンとストラップホールが配置されています。Galaxy Feel2には後述するAIアシスタント「Bixby」を起動するための「Bixbyボタン」は搭載されていません。
ストラップホールはベースモデルのGalaxy A8(2018)にはなかったもので、同じくGalaxy A3(2016)をベースにしていた初代Galaxy Feel同様、日本向けに変更された要素の一つになっています。
右側面にはモノラルスピーカー、電源ボタンがあります。他のGalaxyシリーズでは本体下部に配置されているスピーカーですが、Galaxy A8(2018)とGalaxy Feel2では右側面に配置されています。残念ながら上位モデルのGalaxy S9/S9+やNote9とは異なりモノラル出力ですが、十分高品質な音を鳴らしてくれます。
本体上部にはマイクとSIMトレイ。
本体下部にはイヤホンジャックとUSB-Cポートがあります。
充電に関しては上位モデルと異なりQualcomm QuickCharge 2.0には対応しておらず、USB PDでの急速充電のみサポートしています。これはGalaxy Feel2に搭載されているExynos 7885がQuickCharge 2.0互換機能を搭載されていないためといわれていますが、ACアダプターやモバイルバッテリーを別途用意する際は注意したほうがいいかもしれません。
3.使用感
システム
OSはAndroid 8.1”Oreo”でSamsung独自UIである「Galaxy Experience」のバージョンは同時期に発売されたGalaxy Note9同様「9.5」です。基本的な操作感はほかのGalaxyシリーズと共通で、メイン端末にNote8を使っていることもあってすんなりと使いだすことができました。
時期は未定ですが上位モデルと同じくAndroid 9 PieとSamsungの次期独自UI「OneUI」へのアップデートも確定済みです。
前回のNote8のレビュー同様、環境構築後のスクリーンショットになってしまい恐縮ですが、基本的にプリインストールされているアプリ群も上位モデルのものを踏襲しています。ドコモアプリが相変わらず多いので格安SIMでの運用を考えている場合は無効化できるものは無効化した方がすっきりするかと思われます。
「Always On Display」など、ベースモデルから削除されてしまっている要素もありますが、Galaxy S9/S9+やNote9に搭載されている機能はミッドハイモデルとなるGalaxy Feel2でもほぼ継承されています。
ハイレゾ音源再生にも対応しており、既存の圧縮音源などをハイレゾ相当にアップコンバートしてくれる「UHQアップスケーラー」や自分の耳の特性に応じて聞こえ方を調整できる「Adapt Sound」などの機能もしっかり搭載します。
さらにヘッドフォン出力のみになりますが「Dolby Atmos」にも対応しているため、迫力のあるサラウンドで動画や音楽コンテンツを楽しむことも可能です。実際にミュージックプレイヤーとして利用していますが、音質の良さは上位機種ゆずりでデジタルオーディオプレイヤー代わりとしても大活躍してくれています。
もちろんGalaxy S8/S8+から搭載されたSamsung独自のAIアシスタント機能「Bixby」も搭載されています。
セキュリティパッチは1月初めにリリースされたアップデートで2018年12月1日のものが適用済みです。
出荷時点でのシステムの使用量は32GB中9.7GB。やはりSamsungの独自要素が多めなぶん、素のAndroidを搭載したスマートフォンと比較するとシステム占有率は多めな印象です。
あまりゲームをプレイしないのであればこれでも十分足りるはずですが、場合によってはアプリデータをMicroSDカードに逃がすなどの工夫が必要かもしれません。個人的にはGalaxy A8(2018)の最上位構成と同じく64GB搭載していれば…と思います。
カメラ
カメラUIは2018年に登場したGalaxyシリーズのものを踏襲しており、スーパースローモーションなど一部の機能は搭載されていませんが、基本的な機能も以前レビューした「Galaxy S9 SM-G960F」のものとほぼ同じ内容になっています。
Galaxy S8/S8+やGalaxy Note8同様カメラが3Dトラッキングに対応していないため、ARアバター機能は利用できませんが自分のセルフィー写真からキャラクターを作成してスタンプとして登録できる「AR絵文字」も搭載されています。
Galaxyシリーズのカメラは画質の良さに定評がありますが、ミッドハイモデルのGalaxy Feel2もシリーズの良さをしっかり継承しています。
上位モデルのようにデュアルピクセルやデュアルアパチャーこそ搭載されていませんが、F値1.7の明るいレンズのおかげで暗所でもきれいな写真を撮影することが可能です。
またGalaxy S9に搭載されていた「食事モード」も搭載されているため、飯テロ写真撮影も捗ります。
4.ベンチマーク
性能テストは今回もAntutu Benchmark v7.1.2で行いました。
参考:
Samsung Galaxy S9 SM-G960F (Exynos 9810): 250,018
Samsung Galaxy Note8 SC-01K (Snapdragon 835): 205,819
Samsung Galaxy S8 Duos SM-G950FD (Exynos 8895) : 194,363
Samsung Galaxy S8 SC-02J (Snapdragon 835) : 194,096
Sony Xperia X Performance F8132 (Snapdragon 820) : 157,502
ALLDCUBE m5(Helio X20): 103,678
Chuwi Hi9 Air(Helio X20): 95,498
Teclast M2(Helio X23) : 94,849
DOOGEE S70(Helio P23 MT6763T) : 93,417
Chuwi Hi9 (MT8173) : 88,330
Huawei P20 lite (Kirin 659): 86,761
ALLDOCUBE X1(Helio X20): 85,170
Ulefone Armor 5 (Helio P23 MT6763V) : 83,335
Umidigi One Pro (Helio P23 MT6763V) ; 83,184
Blackview BV9500(Helio P23 MT6763T): 80,715
Vernee V2 Pro (Helio P23); 79,410
Huawei P10 Lite(Kirin 658) : 78,986
HOMTOM HT70(MT6750T): 59,460
Blueboo S3(MT6750T): 57,837
Nomu S10 Pro (MT6737T) : 51,425
Vernee M6 (MT6750); 50,186
VKWorld Mix Plus (MT6737) : 44,558
T-bao X101A (MT8783): 40,933
PIPO N8(MT8163A):39,785
スコア的には2016年のフラッグシップモデルに採用されていたSnapdragon 820に届かないものの、かなり近い数値をただき出しています。同世代のdocomo with端末と比較しても非常に優秀なスコアをただき出しており、これに近い数値を計測するのは同じくdocomo with端末として現在でも継続販売中のiPhone 6sであることを考えると、非常にコストパフォーマンスに優れていると思います。
WEBブラウズや動画鑑賞、SNSに関しては現在メインで使用しているGalaxy Note8 SC-01Kと大差ない印象で軽快に動作してくれます。
ゲームでは「Asphalt 9」で動作テストを行ってみましたが、上位機種と同じく高画質設定でストレスなく動作していました。「PUBG Mobile」に関しては初回起動時グラフィック設定が「標準」に割り当てられたものの、現在のバージョンの問題なのかGalaxy Feel2ではゲームプレイ前にアプリが落ちてしまいました。
ただ「Asphalt 9」に関しても結構な重量級の3Dゲームであるため、現在リリースされているゲームに関してはタイトルによってはグラフィック設定の変更が必要になる場合もあるかもしれませんが、基本的には十分快適に動作するのではないでしょうか。
5.まとめ
Galaxy Feel2 SC-02Lは現在じゃんぱらにてSIMロック解除済みの未使用品が32,800円で販売中です。在庫状況はリアルタイムで変わるので注意が必要ですが、かのあゆが購入した時点でもかなりの台数が秋葉原の各店舗に出回っているような印象でした。
元々ベースになっている「Galaxy A8(2018)」自体もかなり気になっていた端末でしたが、その日本仕様が登場したということで未使用品が安価に出回ったらぜひ手に入れようと思っていました。
ストレージが32GBな点が個人的には残念ですが、それ以外に関してはGalaxyシリーズの上位モデルに搭載されている機能を惜しみなく詰め込んだ良ミッドハイモデルに仕上がっている印象です。
同価格帯で販売されているSIMフリースマートフォンと比較しても端末性能・カメラ性能はワンランク上のものになっており、キャリアアプリを許容できるのであれば格安SIM運用にもお勧めできる一台です。
10月に発売されたばかりの端末のため、ドコモショップや家電量販店でも実機を試すことが可能ですので、ぜひ触って検討してほしい一台に仕上がっています。
6.関連リンク
Galaxy Feel2 SC-02L ー Galaxyの国内向けミッドレンジモデル。安価モデルながら機能も充実。これで十分なのでは?(かのあゆ)
Galaxy Feel2 : Galaxy Mobile Jaapn
Galaxy Feel2 SC-02L : じゃんぱら