中国のスマホメーカーってXiaomiやOPPOのように世界的な大手メーカーもありますし、深センに本拠を置く新興メーカーもたくさんあります。ウインタブでは中国の通販サイトで販売されている、日本向け製品に比べ割安感の強い新興メーカーの製品の紹介記事が多いです。これらの製品は「大手メーカーが採用した新機能をすかさず取り込む」とか「1社が何かを始めると他社がすかさず追随する」という傾向があり、しかもスピード感が半端ないので、私から見て「あっという間に新しいジャンルができる」と感じます。
今回紹介する「DOOGEE BL9000」は「大容量バッテリー」がセールスポイントとなるスマホで、これもまた中華スマホでは「一大ジャンル」になりつつあります。DOOGEEが大容量バッテリーを搭載するスマホを発売するのは初めてではなく、「BL12000」という超巨大バッテリー(12,000mAh)のスマホをはじめ、BL7000とかBL5000(数字がバッテリー容量を表します)といった、「段階別の大型バッテリー」を搭載するものがラインナップされています。BL9000は型番からわかる通り「9,000mAh」のバッテリー容量となりますので、BL12000を擁するDOOGEEにしては「大したことない」製品ですが、私達一般ユーザーにしてみれば「大したことなくない」製品だと思います。また、バッテリーだけでなく、CPUなどのスペックも高いですよ!
1.スペック
OSはAndroid 8.1と、最新のものが採用されています。ただ、それだけでなく…
メーカー独自のUIも一新されたようです。ウインタブでは過去にDOOGEE製品を試用したことがあり、以前は「DiDo OS」なんて名称でしたが、この当時は、比較的「素のAndroid」に近いUIで、「DOOGEEの独自機能が多少追加されてる。Androidとしての基本機能は問題なく日本語化が可能だが、DOOGEEの独自機能部分は日本語化できない」という感じでした。この製品に搭載されている新しいUIでも日本語ロケールがあることが明記されていますが、独自機能部分についてのみ英語が残る、という感じになると思われます。
CPUはHelio P23で、ここのところ発売される深セン系メーカーの上位モデルはほぼすべてこのCPUが採用されます。Antutu Ver.6だと7万点程度のスコアになりますので、ゲーム系も含め、ほとんどの利用シーンでサクサク動くと思います。RAMは6GB、ストレージは64GBと、この価格帯の製品としては十分な余裕があります。
ディスプレイは5.99インチでFHD+(2,160 × 1,080)解像度の縦長(アスペクト比18:9)ディスプレイとなります。このへんはもうお約束ですね。中華スマホの場合、新製品はほとんど全機種がこのアスペクト比になっていて、価格帯によってHD+(1,440 × 720)かFHD+か、という感じです。BL9000は中華スマホとしては上位クラスなのでFHD+が妥当と思われます。
カメラはこのクラスの中華スマホとしては割と普通です。いや別に悪いわけではないですが、中華スマホってスペック表上の画素数が結構高めなんで、この製品のイン8MP/アウト12MP + 5MPという、決して低くない数値が「ごく普通」になっちゃうんですよね。画素数という点では十分な水準だと思いますけど、実際の撮影品質のほうは使ってみないとなんとも言えないです。
で、バッテリーです。9,000mAhというのは12,000mAhとか10,000mAhよりは容量が小さいです(当たり前)。つまり、この製品はバッテリー容量が世界一大きいとか、世界で2番めに大きいとかではありません。しかし、一般的なスマホのバッテリー容量がせいぜい3,000mAhくらいであることを考えれば、めちゃめちゃ大容量である、という理解でいいと思います。メーカーによれば「連続待ち受け768時間、通話50時間」ということなので、かなりハードに使っても終日バッテリーが持つ、と考えていいでしょう。
また、この製品は急速充電(10分で30%充電可能)とワイヤレス充電に対応します。ただ、残念ながらワイヤレス充電の方式は明記されていませんでした(最近の中華製品の流れからQiであるとは思います)。
バッテリーが大容量となるぶん、サイズにはしわ寄せが来ます。厚さが13.8 mmというのはアウトドアスマホ並みにぶ厚いですし、重量275 gというのも相当なものです。でもBL12000よりバッテリーが小さいということで、BL12000の厚さ14 mm、重量300 gよりは「小ぶりなサイズ」ですねw
2.筐体
大容量バッテリーを搭載していることにより、全体的にどうしてもゴツくなってしまいますので、それに合わせたデザイン処理がなされています。ちょっとだけアウトドアスマホっぽいということもできますし、ちょっとだけスポーティーということもできますね。
筐体の上下が少し尖ったデザイン処理になっていて、前面上下のベゼルはやや太めです。また、背面はレザー調のデザインになっているのがわかります。中華スマホの場合、このようなデザインだと「本革」を使っている場合が多いですが、この製品に関しては素材は不明です。
筐体色は「ブラック」と「シルバー」なのですが、画像を見てもほとんど見分けがつきません。側面の色まで全部黒いほう(画像左)がブラック、側面がグレーっぽくになっているほう(画像右)がシルバーです。
最新スマホだけあり、生体認証に関しても指紋認証のほか、顔認証にも対応します。
3.価格など
DOOGEE BL9000は中国の通販サイト「Banggood」に製品ページがあり、5月21日現在「入荷お知らせ」というステイタスでまだ発売はされていません。参考価格は299.99ドル(33,832円)です。
バッテリー容量世界一ではありませんが、常識的には十分すぎる容量を確保し、CPUやRAM、ディスプレイ品質などスマホとしての基本性能もかなり高い製品なので、「3万円くらいはするかなあ」とは思います。おそらく「12,000mAhまでは不要だが、十分な性能を持ち、バッテリーが長持ちするスマホが欲しい」という人のニーズに合わせて作られた製品だと思いますが、9,000mAhものバッテリーを搭載したことにより、結果的には少しばかり筐体サイズで割を食ってしまった感があります。と言っても別にそれが悪いということではなく、「サイズ感を多少犠牲にして納得の行く性能とバッテリー持ちを実現した」と考えれば十分納得が行くと思います。
4.関連リンク
DOOGEE BL9000:Banggood