E-Ink製品の専門店、SKT株式会社が、E-Ink搭載Androidタブレット「BOOX Palma 2」を発売しました。他のBOOXタブレットとは筐体が大きく異なり「見た目がほとんどスマホ」なので、高い携帯性と「(スマホに慣れた私たちには)いつもの操作感」を備えています。「Palma 2」では従来モデルのPalmaからOSやSoCなどが新しくなっています。
なお、従来モデルのBOOX Palmaはウインタブで実機レビューをしています。こちらもあわせてご覧ください。
BOOX Palma レビュー - BSR搭載で電子ペーパーの新たな可能性を引き出す、カメラ付きのスマホサイズ6インチ電子ペーパータブレット
BOOX Palma 実機レビュー第2弾 - 「スマホサイズの電子ペーパータブレット」、様々な機能やアプリを使い込んでみた
1.概要
スペック表
BOOX Palma 2 | |
OS | Android 13 |
SoC | Qualcomm 8コア |
RAM | 6GB(LPPDDR4X) |
ストレージ | 128GB UFS2.1 |
ディスプレイ | 6.13インチHD Carta1200(1,648 × 824) |
LTEバンド | — |
SIM | — |
ネットワーク | 802.11 b/g/n/ac、Bluetooth 5.0 |
入出力 | USB Type-C、microSDカードリーダー |
カメラ | アウト側のみ16MP |
バッテリー | 3,950 mAh |
サイズ | 159 × 80 × 8.0 mm |
重量 | 本体170g、ケース25g |
コメント
OSはPalmaのAndroid 11からAndroid 13に2段階バージョンアップしました。それでもまだAndroidとしての最新バージョンには届いていませんが、BOOX製品はUIが高度にカスタマイズされているため、ここは仕方のないところでしょう。
SoCの型番は開示されていません。しかし「アップグレードされたオクタコアCPU」と説明されているのでPalma(Snapdragon 665)よりは大きく性能が上がっていると思われます。なお、E-Inkタブレットはどうしてもディスプレイの描画速度にボトルネックがあり、動きの激しいゲームや動画視聴には向きませんから、Snapdragon 8 Gen 3とかを搭載する意味はありません。
とはいえ、従来モデルのPalmaの実機レビューでは「BSR(BOOX Super Refresh)技術の採用により、WebブラウジングやSNSなどのスクロールの閲覧に十分耐えます」と評価されており、スマホ的な使い方もできます。
RAM6GB/ストレージ128GBというのは従来モデルから変更がありません。ストレージに関してはmicroSDカードも使えますので、マンガなど容量の大きな電子書籍やPDFファイルなどの保存にも不安はありません。
ディスプレイは従来モデルからスペック表の上では変更がありません。6.13インチで1,648 × 824のモノクロE-Inkです。フロントライトも搭載していますので、暖色系の色にすることもできます。もともと「目に優しいE-Ink」ですから、就寝前に読書やWeb閲覧、ニュースやSNSのチェックなどをしても気持ちよく寝落ちできるんじゃないかと思います(寝る前に長時間スマホとかタブレットを使うと寝付きが悪くなりますよね…)。
それと、OSとSoCが新しくなったことにより、ソフトウェア面でも大きな改善があったようです。以下、SKTのプレスリリースを引用します。
BOOX独自の読書アプリとなるNeoReaderは、単なるテキスト表示を超えた読書体験を提供します。ハイライトやアンダーラインを引けるほか、注釈や多言語翻訳が可能です。さらにAIアシスタントが内蔵され、読書中に浮かんだ疑問や質問に応えます。たとえば、読んでいる本の印象的なフレーズをハイライトしてメモを追加したり、学術書を読みながら難しい単語や表現を翻訳(Google翻訳やBing翻訳)したり、AIアシスタントに物語の背景情報や難しい概念を質問して理解を深めることができます。
こんな感じで、BOOXにもAIの波が押し寄せてきているようです…。
外観は従来モデルのBOOX Palmaからほとんど変わっていないですし、筐体サイズと重量も全く同じです。この画像を見る限り「ベゼル幅が太いスマホ」ですし、ディスプレイがモノクロになっている方がむしろ違和感、かと。
各部名称です。ボタン配置もスマホに準じていますが、Palma 2になって電源ボタンに指紋認証機能がつきました。また、従来モデルにもありましたけど、ユーザーが任意の操作を割り当てることのできるスマートボタンもついています。
そしてカメラです。スマホでは当たり前ですが、E-Inkタブレットとしては「珍しい」ですよね。従来モデルのレビューによれば、主に「ドキュメントの撮影→テキスト形式もしくはPDF形式で保存」のためにカメラがついているようなのですが、Google Playからカメラアプリを導入すれば普通にカメラとして使えるとのことでした。ただ、E-Inkディスプレイだとピントがあっているかの確認とか微調整がうまくできなかったようです。
別売りで純正ケース2種類も用意されています。フリップケースの「見せ方」が秀逸ですよね。この画像を見ただけでPalma 2が欲しくなってしまいます。
2.価格など
BOOX Palma 2はSKTNETSHOPやAmazon、楽天などで販売中で、11月28日現在の価格は52,800円です。SKTNETSHOPで購入する場合に限り、シェルケースもしくはフリップケースが付属しますのでお買い得です。
見た目はスマホそっくりですが、LTE/5G通信には対応しませんので、スマホとしては使えません(マイクがついているので、LINE音声通話などは可能かと思われます)。ただ、このサイズ感は素晴らしいと思いますし、記事中に触れたように就寝前にスマホではなくPalma 2をいじるようにすれば睡眠の質も上がるんじゃないかと思いますw
3.関連リンク
BOOX Palma 2:SKT製品紹介ページ
BOOX Palma 2:SKTNETSHOP
BOOX Palma 2:Amazon
BOOX Palma 2:楽天
2014年、低価格な8インチWindowsタブレットに触発されサイト開設。企業でユーザー側代表としてシステム開発や管理に携わっていました。「普通の人」の目線で難しい表現を使わず、様々なガジェットを誰にでもわかりやすく紹介・レビューします。
コメント
E-Inkでカメラ撮影するときって、どういう映像が見られるんだろう…。
もうちょっと安ければ、試し買いしてみたいのだけど。