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Androidで利用できるハイレゾ対応ワイヤレスコーデックを紹介します − ワイヤレスイヤホン購入前にメーカーサイトでどのコーデックに対応しているか確認が必要です

Android対応ハイレゾコーデック紹介記事

Amazon Music HDやApple Musicといった定額ストリーミングサービスでも楽しめるようになったハイレゾ音源ですが、楽しむためには当然ハイレゾ音源の再生に対応した端末とイヤホンが必要になってきます。以前は有線イヤホンでないとハイレゾ音源を本来の音質で再生することが出来ませんでしたが、現在は対応コーデックの登場により、ワイヤレスイヤホンでも楽しめるようになりました。ただし、ハイレゾ対応コーデックはいくつか種類が存在するため、少しややこしい状況になっています。

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この記事ではAndroidスマートフォン・タブレットでサポートされているハイレゾ対応コーデックの紹介と、端末でサポートされているコーデックの確認方法、ハイレゾ音源を配信している定額ストリーミングサービスを紹介したいと思います。

1.  Android OSでサポートされているハイレゾ対応Bluetoothコーデックについて

日本オーディオ協会のハイレゾワイヤレス認証ロゴ

Bluetooth規格では、ワイヤレスイヤホンやスピーカーに音声を転送するためのプロファイルであるAV2DPで必須とされているSBCコーデックのほか、様々なコーデックをサポートしています。SBCコーデックは必ずサポートする必要があるため、機器やOSを問わずどのような環境でも利用できますが、転送できるビットレートが最大350Kbpsまでとなるので場合によっては音質が劣化する場合があり、遅延が大きいという欠点があります。そのため、多くの機器ではSBC以外に高音質・低遅延を実現できるコーデックを搭載している場合がほとんどです。

有名なものとしてはAACやapt-Xがあります(ただし、音質そのものはイヤホンのチューニングによっても異なってくるため、SBCしかサポートされていないからといって必ずしも音質が悪いというわけではありません)。

SBCにせよAAC/apt-Xにせよ、音声を転送する際にデータを圧縮する必要があり、普及し始めた頃はハイレゾ音源の転送には対応していなかったのですが、現在ではいくつか対応コーデックが登場したことにより、ワイヤレスイヤホン・スピーカーでも気軽にハイレゾ音源をたのしめるようになりました。

現在Androidスマートフォン・タブレットでサポートされているハイレゾ相当(サンプリング周波数/量子化ビット数48Khz/24Bit、ビットレート420Kbps以上)の音源に対応するBluetoothコーデックとしては以下のものが存在します。

LDAC(96khz/24Bit、990kbps)

ソニーが開発したコーデックで、最大ビットレートは990kbpsと現時点では最も高速な転送速度を実現しています。かつてはソニーから販売されている製品でしか利用することが出来ませんでしたが、現在では仕様が公開されていて、2018年にリリースされたAndroid 8.0よりOS標準機能としてサポートされるようになりました。サンプリング周波数は96Khz、ビットレートは最大990kbpsまでサポートし、日本オーディオ協会のハイレゾオーディオワイヤレス認証も通過しています。

現時点では最も高性能なコーデックです。

apt-X HD(48khz/24bit、576kbps)

apt-X Adaptive(48khz/24bit、420kbps)

いずれも元々はイギリスにあるCSRが開発したコーデックです。2015年にQualcommが同社を買収していて、現在では「Snapdragon Sound」としてブランド展開を行っています。apt-X HD、apt-X Adaptiveともにハイレゾ音源で採用されているサンプリング周波数48Kbps、量子化ビット数24Bitをサポートしていますが、apt-X HDの転送速度が576Kbps固定であるのに対し、apt-X Adaptiveではその名の通転送するデータ量や電波の状態に応じて280Kbpsから480Kbpsに可変します。またapt-X HDと比較するとより遅延が抑えられている点が特徴です。このうちapt-X Adaptiveは10月25日に日本オーディオ協会のハイレゾオーディオワイヤレス認証リストに追加されています。

HWA(96Khz/24bit、900Kbps)

香港のSavitec社が開発したコーデックです。Huaweiでは「HWA(Hi-res Wireress Audio)」という名称で採用されています。LDACと同じく日本オーディオ協会のハイレゾオーディオワイヤレス認証を受けていて、apt-X HDやapt-X Adaptiveよりもより高音質なデータを転送できるのが特徴です。

現状スマートフォン・タブレットではHuaweiとXiaomiの一部製品がサポートしていますが、LDACやapt-X HD/Adaptiveと比較するとまだそこまで普及していない印象を受けます。

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2. 自分の端末がどのコーデックをサポートしているか確認する方法

ASUS ROG Phone 5sでの例。

実際に自分のスマートフォン・タブレットがどのコーデックに対応するか確認するにはメーカーが公開しているスペック表を確認した方が確実です。一応「システム→設定→デバイス情報→ソフトウェア情報」内にある「ビルド番号」を10回連打することで有効化できる開発者オプションにある「Bluetoothオーディオコーデック」から一覧を確認できますが、実際には端末側でサポートされていないコーデックもリストアップされる場合もあるため、この項目の情報だけで「自分の端末がハイレゾ音源に対応している」と判断してしまうのはおすすめしません。ただメーカーによっては対応するコーデックを公表していないケースも多いのが困るところではあるのですが…

apt-X/apt-X HDはQualcommが対応端末のリストを公開しているので、こちらも参考にすると良いでしょう(関連リンク参照)

3. ハイレゾ音源を配信している定額ストリーミングサービスの紹介

スマートフォン・タブレットやワイヤレスイヤホンがハイレゾ音源に対応していても、元の音源が圧縮されたMP3やAACファイルではその性能をフルに発揮することが出来ません。「e-onkyo」「mora」「レコチョク」と言った配信サイトでは以前からハイレゾ音源(FLAC、DSDフォーマットなど)を販売していますが、現在では定額ストリーミングサービスでもハイレゾ音源の配信を行っているので「もう持っているアルバムを買い直すのはちょっと…」という方や「気軽にハイレゾ音源を楽しみたい」という方におすすめです。

現在ハイレゾ音源を配信している定額ストリーミングサービスは以下の通りです。

  • Apple Music
Apple Music

個人プラン:月額税込み1,080円

ファミリープラン;月額税込み1,680円

Appleが提供している定額ストリーミングサービスです。iPhoneやiPad、MacといったApple製品でしか利用できない・・・訳ではなく、AndroidやWindows PCでも楽しめます。

2021年6月よりハイレゾ/ロスレス音源の配信を開始していて、2023年10月時点で7,500万以上の楽曲が提供されています。Apple Musicに加入すれば追加料金なしでハイレゾ/ロスレス音源も楽しめるので、実はAndroidユーザーにもお勧めです(iPhone/iPadは現状SBC/AACコーデックしか対応していないのでワイヤレスイヤホン・スピーカーでハイレゾ音源を楽しむ手段が存在しません…)

  • Amazon Music HD
Amazon Music HD

月額税込み1,080円(Amazonプライム会員は税込み980円)

こちらはオンライン通販サイトでも有名なAmazonが提供している定額サービスです。Apple Musicと同じく圧縮時の劣化を抑えたロスレス音源とハイレゾ音源に対応していて、配信されている楽曲は9,000万曲とApple Musicよりも充実しています。

Amazonプライム会員は無料で「Amazon Music Prime」を利用できますが、こちらとは別サービス扱いとなるので別途Amazon Music HDに加入する必要があります。

4.まとめ

ハイレゾ対応ワイヤレスイヤホンというと数年前は高価というイメージが強かったのですが、現在はSoundPeatesやRadius等のメーカーが1万円未満でLDAC、apt-X HD/Adaptiveをサポートする製品を販売するようになりました。

定額ストリーミングサービスではApple MusicとAmazon Music HDでもハイレゾ音源の配信を開始しています。気軽に高音質サウンドを楽しめるようになりました。

ただ、いくらコーデックがハイレゾ音源の転送に対応していても全体的な音質はチューニングやドライバーユニットによって変わってくるので、購入する前に店舗で視聴することをおすすめします。

5.関連リンク

Snapdragon Sound対応製品一覧:Qualcomm(英語、日本未発売の製品を含む)

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