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Timekettle M3 レビュー - 見た目はイヤホン、中身は高性能な翻訳機。海外とか「ガチ中華」で強力な助っ人に!

Timekettle M3 外箱
Timekettleのイヤホン型翻訳機「M3」の実機レビューです。Timekettleの製品はウインタブでは2020年に「M2」という製品の実機レビューをしています。今回レビューするM3はM2と外観が似ていますが、イヤホン本体がインイヤー型からカナル型に変更となり、翻訳精度も大きく向上しています。

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ここがおすすめ
・リスニング、スピーカー、タッチと3つの翻訳モードを搭載
・40言語、93のアクセントに対応
・認識精度・翻訳精度が素晴らしい
・使い方が簡単
・一部言語ではオフライン翻訳にも対応
ここがイマイチ
・音楽用イヤホンとしての品質は低い
・映画や海外ニュースなどの翻訳には不向き
販売サイトはこちら
Timekettle M3:Timekettle 公式サイト
Timekettle M3:Amazon

1.製品概要

スペック表

  Timekettle M3
サイズ(ケース) 155 × 101 × 45 mm
重量 5 g(本体1個あたり)/ 65 g(本体+ケース)
接続方式 Bluertooth 5.2
バッテリー 50 mAh(本体1個あたり)/ 400 mAh(ケース)
駆動時間 音楽再生約6時間(ノイズキャンセリングON)
音楽再生約6時間(ノイズキャンセリングOFF)
翻訳7.5時間
出力ポート USB Type-A(5V/2A)

コメント

翻訳機として

Timekettle M3 翻訳言語
Timekettle M3の翻訳言語は「40」にのぼります。また、アラビア語や英語、スペイン語などは複数のアクセント(例:アメリカ英語、オーストラリア英語など)に対応しており、アクセントまで含めると「93」の言語(アクセント)に対応します。

Timekettle M3には「オフライン(対応)モデル」と「オンラインモデル」があります。オフラインモデルはオフライン翻訳に必要なFishカード(30Fishコイン相当)が付属します。オンラインモデルはそのままではオフライン翻訳ができませんが、アプリ内でFishコインを購入することによってオフライン翻訳が可能になります(1言語分のオフライン翻訳パッケージをダウンロードするのに5 Fishコインが必要です)。

日本語の場合は「日本語⇄英語・中国語」がオフライン翻訳に対応しているため、英語と中国語の両方のオフライン翻訳パッケージをダウンロードするのに5 Fish × 2 = 10 Fishコインが必要ですが、オフラインモデルはあらかじめ30 Fishコインがついているので追加購入不要です。

なお、翻訳言語の詳細についてはメーカー製品ページをご参照ください。

Timekettle M3 翻訳精度
Timekettle独自の翻訳エンジンと世界の主要な翻訳エンジン (DeepL、Google、Microsoft、iFlytek、AmiVoice、Hoya) を組み合わせることにより、高い翻訳精度を実現しています。メーカー調べでは「翻訳イヤホンの精度は95%」とのこと。

翻訳機としての使い方は下記の3通りあります。

Timekettle M3 タッチモード

タッチモード

タッチモードはお互いが片方ずつイヤホンを装着して、イヤホンのタッチセンサー(後述します)に触れてから話すと、0.5~3秒以内に相手のイヤホンに翻訳されたものが流れます。「完全ワイヤレス」という製品特性をうまく活かした使用法と言えますね。

メーカーによれば「このモードはデートや日常の交流など、1対1の深い会話におすすめです」とのことですが、翻訳機を使わないと意思疎通できないような相手とデートができるのか、私にはちょっとよくわかりません…。

Timekettle M3 リスニングモード

リスニングモード

リスニングモードではスマホをマイクとして使って音声を拾い、イヤホンに翻訳内容が流れます。この際、スマホ画面上には文字起こし、イヤホンには翻訳音声がノンストップで流れます。外国語の「授業の聞き取り」や「スピーチの聞き取り」に便利なモードです。

Timekettle M3 スピーカーモード

スピーカーモード

スピーカーモードでは、自分がイヤホンを装着して話すと、スマホのスピーカーから翻訳された言語が流れます。相手がスマホに対して返答すると、翻訳された内容がイヤホンから流れます。

旅行中に道を尋ねたり、レストランなどで注文したりする際に便利なモードです。

イヤホンとして

Timekettle M3 ANC機能
本体がインイヤー型からカナル型になったこともあり、ANC(アクティブノイズキャンセリング機能)が搭載されました。

Timekettle M3 イコライザー機能
また、音質も改善しています。「タイムケトル Acoustic LaboratoryによってチューニングされたΦ10mmダイヤフラム高性能スピーカーを搭載(メーカー説明)」し、AACコーデックにも対応しています。

Timekettle M3 コーデック
接続したスマホ、Google Pixel 8ではSBCとAACが対応コーデックとして表示され、自動的にAACが選ばれていました。

その他の特徴

Timekettle M3 アプリ
Timekettle M3を翻訳機として使用するためにはアプリが必須です(使用感については後述します)。

Timekettle M3 その他の特徴
その他、充電ケースの利用により最大25時間使用できるとか、IPX4(いかなる方向からの水の飛沫によっても有害な影響を受けない、と定義されます)レベルの防水(防滴)機能を備えている、といった機能があります。要は、「普通の完全ワイヤレスイヤホンと同じような感覚で使える」ということですね。

では、外観から見ていきます。

2.外観

Timekettle M3 同梱物
同梱物です。イヤーピースが2組(写っているのはLサイズとSサイズ。Mサイズはあらかじめ本体にセットされていました)、USB Type-A – USB Type-Cのケーブル、取扱説明書が入っています。取扱説明書は多言語で書かれており、日本語もあります。

また、レビュー機はオフラインモデルだったので、「オフライン翻訳パッケージのダウンロード・インストール方法」の説明書(英語)が1枚、それとFishカードも入っていました。

Timekettle M3 Fishカード
FishカードはAmazonギフト券などと同じように背面の銀色の部分を削って番号を取得し、それをアプリに登録することによって30Fishコイン分をアクティベートできます。

Timekettle M3 ケース
すみません、この製品「めっちゃグレア(光沢タイプ)」なので、製品画像に映り込みが大きくなってしまいました。どうかご了承ください。

充電ケースです。完全ワイヤレスイヤホンの充電ケースによく似ていますが、サイズは若干大きめです。しかし、持ち運びに苦労するような感じではなく、バッグとかポケットに問題なく入ります。重量も65 gですし(本体+充電ケースの重さです)。

画像中央のTimkekettleロゴの左右にLEDインジケーター(充電インジケーター)があります。

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Timekettle M3 ケース
充電ケースは真ん中からパカッと割れます。一般的なワイヤレスイヤホンの充電ケースとは「割れる向きが逆」でして、縦方向に割れ目があります。普段はマグネットでしっかり固定されています。

Timekettle M3 ケース
割れ目を見ると、左右それぞれに本体が1つずつ入っています。

Timekettle M3 イヤホン本体
本体です。見た感じ、「うどんタイプ」の完全ワイヤレスイヤホンにしか見えません。サイズは若干大きめくらいですが、特に違和感もありません。

Timekettle M3 本体背面
本体背面に「白い丸」があります。これ、LEDインジケーターでもあり、「タッチエリア」でもあります。翻訳時・音楽再生時・通話時にはこの白い丸をタッチして操作します。

Timekettle M3 タッチ操作
これは取扱説明書にあったタッチ操作の説明です。曲送りとANC起動はできますが、音量の上下には対応しておらず、「イマイチかな」と思いますね。

Timekettle M3 ノズル
ノズル部分は楕円形です。

Timekettle M3 装着イメージ
装着イメージです。モデルはうちの下の子で、身長は約150 cmと小柄ですが、おおよそのイメージは掴んでいただけると思います。…まあ、「普通にイヤホン」ですよね…。

3.使用感

翻訳

Timekettle M3 アプリ

クリックで拡大します

Google PlayとApp Storeに「Timekettle」というアプリがあります。Timekettle製品向けの汎用アプリで、M3でもこのアプリを使います。このアプリは「翻訳関連専用」で、音楽用のイコライザー等はありません。

画像左側に「リスニングモード、スピーカーモード、タッチモード」と、翻訳モードを選択するところがあり、いずれかを選んで翻訳を開始します。また、画像右側はFishコインの購入(チャージ)画面です。Fishコインはアプリ上で購入し、支払いはWeChat PayもしくはGoogleペイメント(Androidの場合)です。この画像を見ると5Fish(オフライン翻訳の1言語分)で1,220円になっていますが、おそらく元通貨がCNY(中国の人民元)なので、購入時期によって若干円建て金額が変わると思います。

私の場合は「英語と日本語」「日本語と英語」(この2つで1言語分です)さえ使えればいい(つまり5FishでOK)なので、付属のFishカード(30Fishコイン分)で十分で、追加でFishコインを購入する必要はありませんし、そもそも日本語のオフライン翻訳は英語のほか中国語のみ、また、フルのオフライン翻訳パッケージは全部で8種類(すべて購入しても40Fishコイン分)なので、すべて購入するとしても金銭的な負担は大きくはありません。…まあ、「中国語 ⇄ ロシア語」のパッケージなんかを必要とされる読者の方はごくわずかだと思いますし。

Timekettle M3 アプリ

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実際にタッチモード、スピーカーモード、リスニングモードを試してみました。申し訳ないのですが、今回は外国語ネイティブな協力者が見つからず(結構時間を掛けて探したんですけどね)、私のジャパニーズ・イングリッシュ(日本語訛りの英語)で試しました。

この画像はタッチモードで、画像左が「英語で話したものを日本語に翻訳」、中央が「日本語で話したものを繁体字中国語に翻訳」した際のものです。タッチモードの場合は、左側のイヤホン本体のタッチセンサーを押して英語を話すと画面上に日本語訳が表示され、右側のイヤホン本体に日本語訳が流れます(設定で左右を逆にすることもできますし、もちろん他の言語にすることもできます)。

「驚異的!」と感じたのは、私のジャパニーズ・イングリッシュをほぼ完璧に認識したことですね。上の画像の左側中央付近に「Pretty cold today evening」とありますが、これは私が「Pretty cold today, isn’t it?」と話したのを誤認識したもので、そのすぐ下に言い直したものが正しく表示されています。この誤認識は私の発音が悪かったせい、と断言できますw ので、個人的には「お見事!」と言うしかありません。以前のレビューからの認識精度・翻訳精度の向上を体感できました。

スピーカーモードでも使い方はほぼ一緒です。スピーカーモードではイヤホン本体のセンサーをタッチするのではなく、アプリの下部のマイクボタンを押して話し、翻訳結果が画面表示されるとともにスマホのスピーカーから流れる、というところが違います。

あと、適度に切れ目を入れて、短めに話して翻訳を待つようにすればさらに精度が上がります。長い文章をぶっ通しで喋り続ければさすがの翻訳エンジンも混乱しちゃうと思うので。

それと、画像右ですが、これは翻訳の各種設定です。デフォルトでは翻訳結果は女性の声で流れますが、これを男性の声に変更したり、翻訳速度(翻訳結果が流れるスピード)を変更したり、翻訳の音声をOFFにしたり、といったことができます。

Timekettle M3 アプリ

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タッチモード、スピーカーモードでは翻訳の「間(待ち時間)」はあまり気になりませんが、リスニングモードではちょっと問題がありました。この画像はYouTubeのCNNニュースのショート動画をリスニングしたところです。ソース動画はこちら

ソースがショート動画なので、リピート再生され、画像の一番上と一番下のパラグラフが同じものになっていますが、「もちろん、トランプは…」というのが冒頭部分、「ドナルド・トランプは、若い女性に…」というのが結末部分です。

…で、この翻訳結果、冒頭部分と結末部分しか表示されておらず、それ以外の部分が欠落しています。つまり、元のスピーチの速度に翻訳の速度が追いついておらず、追いつけなかった部分が端折られた、ということです。これ、何度やっても同じ結果でした。ただし、認識できた部分の認識精度は非常に高かったです。

日本の学校や会社、イベントなどで外国人(教師か来賓か知りませんけど)がスピーチする場合は多少ゆっくり喋ってくれると思いますが、海外ではそうは行きません。なので、リスニングモードの場合、ネイティブな外国語には完全に追随できない可能性があります。

音楽等、普通のイヤホンとして

Timekettle M3は「普通のイヤホン」としても使えますが、音質は高く評価できません。アプリにイコライザーなどの設定項目がないこともあり、低音がスカスカ、中高音が強調された感じになります。例えば海外で「翻訳が必要な場面に備えて、普段からM3をイヤホンにして音楽を流す」とかであれば便利かと思いますが、翻訳が不要な場面(日本国内での通勤・通学時など)であえてM3をイヤホンとして使う意味はないです。

4.レビューまとめ

Timekettle M3はTimekettle公式サイトとAmazonで販売中で、11月4日現在の価格はオフラインモデル(Fishカード付属)が21,980円、オンラインモデルが16,980円です。日本国内で使う場合はオフライン翻訳が必要場面はあまり多くないと思いますが、海外(あるいは飛行機の中など)でも万全を期したい、ということであればオフラインモデルにしておくほうがいいでしょうね。

言語の認識能力、翻訳精度は非常に高く評価できます。タッチモード、スピーカーモードであれば海外での買い物とか外国人の方とのコミュニケーションに威力を発揮してくれるでしょう。一方でリスニングモードに関しては翻訳の速度がリアルのスピーチ速度に追いつかない場面が見られました。なので、外国映画を字幕なしで観るとか、外国語のニュースをリアルタイムで翻訳するといった用途にはまだ厳しいです。というか、本職の通訳の人を通す場合でも、ある程度「間」が必要になりますので、ここは仕方のないところでしょう。映画でもニュースでも、翻訳でワンテンポ遅れたり、内容を端折られたりしたら訳がわからなくなってしまいますしね。同様に、タッチモードやスピーカーモードでも「ガチなビジネスシーン」ではちょっと厳しいでしょうね。

なので、海外旅行をする予定だが現地でのコミュニケーションがちょっと不安、とか、外国人の知り合いがいる、とかの場合には特に有効な製品だと思います。あと、記事タイトルにも入れたんですけど、最近は「ガチ中華」のような、日本語がイマイチ通用しない飲食店もある、と聞いていますので、そういうところに行くときにもいいんじゃないかと。

5.関連リンク

Timekettle M3:Timekettle 公式サイト
Timekettle M3:Amazon

執筆者:ウインタブ
2014年、低価格な8インチWindowsタブレットに触発されサイト開設。企業でユーザー側代表としてシステム開発や管理に携わっていました。「普通の人」の目線で難しい表現を使わず、様々なガジェットを誰にでもわかりやすく紹介・レビューします。
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コメント

  1. 匿名 より:

    M2持ってたけどあんまり機能変わってない気がする。欲しいのはイヤホン1つで同時翻訳なんだけどこれ使ってみるとそういうのじゃないんだよね。

  2. 匿名 より:

    Timekettle W4 Proというのが新しく出ているけどこれとどう違うの?