サンワダイレクト(メーカー名はサンワサプライ)のペン型マウス「400-MAWBT202」の実機レビューです。サンワダイレクトでは以前からペン型のマウスを販売していて、ウインタブが最初にご紹介したのが400-MABT160(2021年)、次に400-MAWBT186をご紹介しており、今回レビューする400-MAWBT202はウインタブのご紹介ベースでは三代目ということになります。私、この製品をはじめて見たときに「ずいぶんペンらしくなったなあ」と感じました。従来のペン型マウスは「ペンと言えなくもないが、かなりデカい(太い)」デザインでしたが、この400-MAWBT202は何も説明されずに外観だけ見たら「ペンそのもの」という感じです。
従来モデルの頃からこの製品に大きな関心を持っていましたので、今回のレビューはとても楽しみでした。なお、このレビューはサンワダイレクトからレビュー機をサンプル提供され、実施しています。
・ペンそっくりの外観はそれだけでもいいネタになる!
・マウスとしての基本機能を網羅
・Bluetooth/USB Type-A無線/USB Type-C無線(アダプタ使用)に対応
・傾斜のある場所や狭い場所でも使える
・ペンのように細くて軽量なので、携帯性に優れる
ここがイマイチ
・使いはじめのうち、慣れが必要
・設定アプリがなく、この製品ならではの特殊機能もなし
販売サイトはこちら
ペン型マウス 400-MAWBT202:サンワダイレクト
ペン型マウス 400-MAWBT202:Amazon
ペン型マウス 400-MAWBT202:サンワダイレクト 楽天市場店
1.製品概要
スペック表です。400-MAWBT202はBluetooth接続とUSB無線接続に対応する充電式のマウスです。…構造が一般的なマウスと違いすぎるので、スペック表だけ見てもピンとこないと思います。
ともかく、外観からチェックしてみましょう。
2.外観
同梱物です。取扱説明書はもちろん日本語オンリーで、必要な情報はすべて得られます。なお、この製品は専用のドライバー(設定アプリ)はありません。取扱説明書の下に充電用のUSB Type-A – USB Type-Cのケーブル、その下にケース(ポーチ)があります。
画像左上、本体の右にUSBレシーバー(子機)らしきものが2つありますが、「本物」は左側のUSB Type-A端子のものです。その右のUSB Type-C端子のものはニセモノ…ではなく、Type-A – Type-Cの変換アダプターです。
USBレシーバーにType-C変換アダプターを取り付けたところです。
USBレシーバーは本体の後ろに収納できます。ただし、Type-C変換アダプターは収納できません。…これね、設計上仕方ないのかもしれませんけど、お使いのPCの環境がType-Cメインになっている人には不便ですよね。まあ、多くの方はBluetooth接続されるとは思いますけど。
サイズ感をイメージしていただくために、ボールペンと並べてみました。このボールペンは文具店でも100均でも売っているような、どこにでもあるものです。いかがでしょう?ボールペンよりは少し長くて太いですが、そこまで違和感はないですよね。
今回のレビュー品は筐体色ブラック(400-MAWBT202BK)でしたが、ほかにブルー(400-MAWBT202BL)とレッド(400-MAWBT202R)もあります。
続いて各部を見てみましょう。
「ペン先」です。400-MAWBT202はここにセンサーがあります。なので、「ペンと同じように手で持って、字を書くようにしてカーソルを動かす」ような使い方になります。また、ペンを持った状態で、ペン先を押しつけると「左クリック」になります。
上面です。ペンと同じ持ち方をする場合、「人差し指の位置」になります。ここには3つのボタンがあります。左からLEDインジケーター(普段は消灯している。電池残量が少なくなると赤点滅し、充電中は赤点灯する)、カウント(DPI)切り替えボタン(800/1200/1600dpiの3段階)、スクロールホイール(一般的なマウスと同様に、押し込むと上下スクロールが可能)、右クリックボタンです。
左側面です。右手でこの製品を持つ場合、親指で操作する位置になります。ここにはダブルクリックボタンがあります。ダブルクリックボタンというのは、設定アプリで操作割り当てができる製品を除き、一般的なマウスにはついていないですよね。
上にも書きましたが、この製品は「左クリック:ペン先を押し込む、右クリック:人差し指で上部のボタンを押す、ダブルクリック:親指でダブルクリックボタンを押す、スクロール:人差し指でホイールを回す」という操作方法です。
下面です。画像左からUSB Type-Cポート、電源ボタンです。電源ボタンがあるのはうれしいですね。使わないときは電源を切っておくとバッテリーが長持ちします。まあ、充電式の製品なのでバッテリー切れはあまり心配しなくていいでしょうけど。
3.使用感
まず、肝心の「マウスとして使いやすいか?」という点ですが、これは評価が難しいと言いますか、書き方が難しいです…。一般的なマウスとはあまりにも操作性が違いますので、初めて手にして操作する際は「使いにくい」です。ただ、これは仕方のない話だと思いますし、この記事を読んでいるほとんどの方にとっては「織り込み済み」の話でもあると思います。問題は、しばらく我慢して使ってみて、操作性に慣れてからどう感じるか、ということですよね。
どのくらい我慢すれば慣れることができるのか、というのは個人差があると思いますが、私の場合は「初日に1時間くらい我慢して使った後、2日目にはほぼ慣れた」という感じでした。いったん慣れてしまうと良くも悪くも普通のマウスと同じように操作できます。当初期待していた「ペン型なのでより繊細なカーソル操作ができそう」というのは「別にそんなことはない」ですね。一方で操作性に慣れてしまえば逆に右クリックがしにくいとか、ダブルクリックがしにくいという感じもないです。ホイール操作も問題は感じられませんでした。なお、このあたりの印象は個人差があると思いますので、あくまで「ウインタブの感想である」ということでご理解下さい。
ペン型であることのメリットとして、細くて軽い(一般的なマウスは100 g前後ありますので、その5分の1くらいの重量です)という点が挙げられます。シャツやジャケットの胸ポケットに入りますし、バッグの中でもペンと同じようにして収納できます。マウスって形状が丸っこいのでバッグの中で(サイズの割に)かさばる印象がありますが、400-MAWBT202の携帯性は一般的なマウスに比べて優れていると言えます。
この画像はサンワダイレクトの製品ページにあったものです。マウスの場合、ある程度の平面がないと使いにくいですが、ペン型だと傾斜していたり、少し狭い場所だったりしてもちゃんと使えます(ただし、400-MAWBT202はエアマウスではなく、一般的なマウスと同様、LEDセンサーを使ってトラッキングしますので、空中では使えません)。
次に、しばらく使ってみたデメリットです。400-MAWBT202は「上下」があります。例えば400-MAWBT202を使って作業をする際、いったん400-MAWBT202から手を放してテキスト入力をし、再度400-MAWBT202を持つ際に「上下逆に持ってしまう」ことがあります。こうなると操作ができないので、正しい向きに持ち替えます。私の作業サイクルがまさにそれで、しょっちゅうマウスから手を放し、その後再度持つのですが、400-MAWBT202を使っていると2分の1の確率で上下逆に持ってしまいますw 一般的なマウスの場合、作業中にマウスから手を放しても、次にマウスを持つ際にひっくり返っていたり前後が逆になっていたりすることはまずないので、これは400-MAWBT202特有の問題と言えます。
ウインタブの感想は「操作に慣れは必要だが、慣れてしまえば決してゲテモノ的な製品ではなく、マウスとして普通に使える。ペン型ゆえに繊細なカーソル操作ができるという感じもないかわりに、各種操作がしにくく、操作性が著しく劣るとも感じられない」というものです。この製品のメリットは「携帯性の高さ」、それと「平面以外の場所でも使える」という点にあるのではないか、と思います。
4.レビューまとめ
サンワダイレクト ペン型マウス 400-MAWBT202はサンワダイレクトで販売中で、8月30日現在の価格は6,980円です。また、サンワダイレクトはAmazonや楽天にも出店しており、8月30日現在だとAmazonで5,880円(セール価格)、また楽天では9月4日からセールが予告されており、5,880円で購入できます。購入時期によってサンワダイレクト、Amazon、楽天で価格が異なるケースがありますので、それぞれのサイトで価格を確認されることをおすすめします。
さぞかし特殊な使い方になるんだろう、という当初の予想は裏切られました。確かに操作性は異なるものの、慣れてしまえば思いのほか「普通のマウス」として使えます。ただ、「普通のマウス」として使えるということはサプライズもない、この製品ならではの特殊性も小さい、ということを意味します。なので、持ち運びに便利で、一般的なマウスだとちょっと使いにくいような場所で利用したい、というニーズがある方にはおすすめですね。
5.関連リンク
ペン型マウス 400-MAWBT202:サンワダイレクト
ペン型マウス 400-MAWBT202:Amazon
ペン型マウス 400-MAWBT202:サンワダイレクト 楽天市場店
2014年、低価格な8インチWindowsタブレットに触発されサイト開設。企業でユーザー側代表としてシステム開発や管理に携わっていました。「普通の人」の目線で難しい表現を使わず、様々なガジェットを誰にでもわかりやすく紹介・レビューします。