こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。今回はサンワダイレクトのエルゴノミクスマウス「400-MA127」の実機レビューです。周辺機器の中でもマウスはPCの使用感を大きく左右し、それでいて比較的手頃な価格なので、「ふらっと電器屋さんに行ったときについ衝動買い」しがちですよね。ウインタブ読者もマウスを2個とか3個とか4個とか5個とか10個とかお持ちの人が多いんじゃないか、と思います。
今回レビューするエルゴノミクスマウス、機能は普通のマウスと大きくは違いませんが、形状が特異、というかとてもユニークなんです。まだエルゴノミクスマウスの使用経験がない人にはぜひ一度お試しいただきたい、そんな製品です。
1.スペック
400-MA127はUSB無線タイプ(USB子機をPCに接続して使う)のマウスです。サイズは大きめで、特に「高さ」が一般的なマウスと比較してかなり大きくなっています。
また、無線マウスですが「充電式」なので、電池は必要ありません。ただし、電池不要と言いつつも内部にバッテリーが搭載されているので特に軽量でもないですね。
ボタンの数は合計で6つ。左右クリック、スクロールホイール、サイド(親指側)に2つ(「進む」と「戻る」)、そして「カウント切り替えボタン」がついています。ただし、カウント切り替えボタンに関しては解像度(マウスカーソルの敏感さ)を調整するためのものなので、他のボタンとは用途が異なります。また、一部のボタンは「SANWA SUPPLY Mouse Utility」という、「そのまんま」の名称の専用アプリでお好みの操作を割り当てることができます(後述します)。
表と文字だけで説明するのもアレなんで、外観をチェックしていきましょう。
2.筐体と操作方法
同梱物です。本体のほか、取扱説明書と充電用のUSB(オス)- USB Type-C(オス)のケーブルが入っていました。取扱説明書は「よくあるマウス用」という感じで、必要にして十分なことが書かれています。実際この製品の場合「使い方がわからない」ということは少ないと思いますが、カウント切り替えとか充電とか、あらかじめ理解しておくほうがいいこともありますので、一応軽く目を通しておきましょう。また、この取扱説明書はPDF形式でWeb閲覧も可能です。
前から見たところです。エルゴノミクスマウスにはいろいろな種類がありますが、この製品は「普通のマウスの上部を斜め上に引っ張った」ような形状になっています。
それと、左側(マウスの「背」の部分。赤いところです)の下部に黒いエッジのようなものが見えます。少し張り出していますが、この部分は「エルゴエッジ」といい、マウスを握った際に小指が机に触れないようにする工夫です。
ひとつ上の画像だとほとんど見えませんが、充電用のUSB Type-Cポートはここにあります。マウスの前方下側ですね。
マウスの「背」の部分です。傾斜がついていますが、レイアウト自体は普通のマウスと同じです。左右のクリックボタンにスクロールホイール、そしてスクロールホイールの下(この画像ではスクロールホイールの左側)にあるのがカウント切り替えボタンです。
個人的に「このマウスなら赤!」と思ったのですが、色についてはお好みがあると思います。この製品はレッド(型番は400-MA127R)のほか、ブラック(400-MA127BK)とシルバー(400-MA127)の3色を選べますので、「赤は嫌い」という人でも大丈夫ですね。
「親指側」です。こちらには上部に「進む」「戻る」ボタンがあります。また、ウインタブにしては珍しくわかりやすい画像になっていますが、「親指スポット」と称するくぼみがついています。このくぼみはフィット感をより高めてくれます。
こちらが「後ろから見たところ」です。特に説明すべきボタン類はありませんが、独特の形状である、というのがよくわかりますね。
底面です。底面積もマウスにしてはずいぶん大きいです。画像右側にUSB子機が収納されています(使用時にこの子機をPCのUSBポートに接続します)。また、中央上部には電源ボタンもついています。光学センサーは「ブルーLED」なので、ガラステーブルとかでなければきちんと認識してくれます。
マウスを握ってみました。エルゴノミクスマウスは「手首をひねらず、自然な状態でマウスを握ることができる」のが特徴です。実際にお手持ちの普通のマウスを握ってみてください。この際、手首に意識を向けると「ひねっている」のがわかると思います。エルゴノミクスマウスを使うとこの感覚がありません。
次にアプリ「SANWA SUPPLY Mouse Utility」についてご説明します。アプリは製品ページからダウンロードできます。
機能は多くありませんが「必要十分」とも言えます。画像の通り、「スクロールホイール」、親指側の「進む」「戻る」の3つについて任意の操作を割り当てることができます。
これが割り当てることのできる操作です。かなり多くの操作から選べますよね。私は「進む」ボタンに「コピー」、「戻る」ボタンに「貼り付け」を登録してみました。
3.使用感
独特の形状
私はエルゴノミクスマウスの使用経験があります。上海問屋の製品をしばらく(1年くらい)自宅でのメインマウスとして愛用していました。これまで説明してきたとおり、エルゴノミクスマウスは独特の形状をしていて、いろんなタイプがありますが、以前使っていた上海問屋のマウスも、今回レビューしている400-MA127も、実は一般的なマウスとの違いは大きくありません。
エルゴノミクスマウス経験者としての感想ですが、使っていて違和感は全くありません。でも、これって「良くも悪くも違和感がない」ということで、これまで説明してきた「手首をひねらずに使える、よって手首が疲れない」というメリットに関しても、あまり積極的な恩恵を感じない、という点が挙げられます。一方で、独特な形状をしているから使いにくい、ということもありません。
ただ、この点は個人差があります。長時間のPC作業で手首が疲れてしまう、という人は少なくないでしょう。私の場合、マウスを長時間使っていても手首が疲れると感じることがほとんどないんですね。なので、恩恵も強くは感じられないということです。
また、私が感じた「独特な形状をしているが、別に使いにくくもない」という点は読者の参考になるかも知れません。この形状ゆえにエルゴノミクスマウスを敬遠している人もいるかも知れませんが、「少なくとも使用感にマイナスではない」とは思います。人によっては疲れにくくなる、というメリットは享受できるでしょうから、試してみる価値はあります。
この形状のウイークポイントは、バッグに入れて持ち運ぶとかさばる、という点です。薄型のビジネスバッグだとしまうのに苦労するかも知れません。自宅用、あるいは事務所用として使う場合は問題になりませんが、モバイル用には向かないですね。
機能性
次に、「エルゴノミクス」という形状を意識せず、一般的なマウスと同じ目線で機能性をチェックしてみましょう。
まず、「カウント切り替え」です。上のほうで「マウスの敏感さ」という説明をしましたが、正確には「マウスを1インチ移動させたときに〇〇ドットぶんカーソルが動く」という単位をDPI(Dot Per Inch)といい、これを「カウント(解像度、分解能)」と表記しています。この製品の場合「800/1200/1600/2000/2400」の5段階に設定可能で、スクロールホイールの下にあるカウント切り替えボタンを押すことによって変更できます。
このマウスの5段階の設定は、ゲームプレイを別にすればほとんどの人に対応するはずです。私の場合、800だと鈍すぎ、2000とか2400だと敏感すぎると感じましたね。1200か1600が使いやすいと思いました。現状は1200に設定しています。
次に、アプリによるボタン割り当て機能です。これね、かなり便利です。私の場合は「進むボタンでコピー、戻るボタンで貼り付け」を割り当てましたが、他にも様々な機能を割り当てられますので、お好みに応じて設定すれば使いやすくなると思います。より高級なマウスだとマクロの割り当てなどもできますが、この製品の価格帯から考えて、このくらいの機能性で十分かと思います。
なにげにうれしかったのが「充電式」という点ですね。スペックのところで説明したとおり、充電式だから軽い、ということはないのですが、自宅でPC作業をしているときにマウスの電池切れが起きてしまうと(大げさでなしに)心が乱れます。特に乾電池の買い置きがないときは悲惨です。さらにこの製品は「充電しながら使える」んです(ただし、充電中でもUSB子機の接続が必要です)。これでもう、夜遅い時間に取り乱すこともありません(私だけですかね?)。
最後に、このマウスは「静音マウス」です。額面通り、クリックボタンを押すと「ポコン」という小さな音がするのみなので、周囲の人に気を使うことはありません。また自宅でもマウスのクリック音というのは意外に耳障りだったりするので、静音であるに越したことはありません。まあ、自宅でメカニカルキーボードを使っている私が言うのもなんですけどねw
そんなわけで、「エルゴノミクス」の見た目に気を取られてしまいますが、マウスとしての基本的な機能がしっかり確保されているという点も見逃せません。
4.価格など
エルゴマウス 400-MA127はサンワダイレクトで販売中で、10月1日現在の価格は税込み3,280円です。マウスとしては「中くらい」の価格帯と言えるでしょう。
エルゴノミクスという形状については、どうしても個人差がありますので、あくまで私の個人的な感想となりますが「サイズが大きくなってしまうという以外のデメリットはない」また、「手首が疲れやすい人、腱鞘炎の徴候がある人などには恩恵をもたらす可能性がある」ということは言えると思います。
また、3,280円という価格にふさわしいだけの機能性がありますので、買って後悔する可能性は低いんじゃないでしょうか。特にエルゴノミクスマウスの使用経験がない人には「一度試してみては?」と言いたいですね。マウスに関してはみなさん「つい衝動買いしてしまう」んだろうと思いますしね!