オープンイヤー型イヤホン「OpenRock X」の実機レビューです。OpenRockはOneOdioが2021年4月に立ち上げたオープンイヤー型イヤホン専門のブランドで、日本の楽天でも「OpenRock S」「OpenRock Pro」が販売されています。全体的にオープンイヤー型イヤホンとしてはやや高価格帯(1万円台半ばから2万円台)の製品ラインナップですね。今回レビューするOpenRock Xは最上位、フラッグシップモデルという位置づけです。
販売サイトはこちらです
OpenRock X Open-Ear Air Conduction Sport Earbuds:OpenRock公式サイト
※クーポンコード「JP10%OPENROCK」で10%OFF
1.製品概要
スペック表
OpenRock X | |
ドライバー | 14.2 mm ダイナミックドライバー |
チップ | HiFi 5 DSPとNPUを搭載したWUQiハイエンドチップ |
再生周波数帯域 | 20Hz-20Khz |
スピーカー感度 | 119dB±3dB@1kHz |
マイク感度 | -38±1dBV/Pa |
Bluetooth | 5.3(最大2台のマルチペアリング対応) |
オーディオコーデック | SBC/AAC |
ノイズキャンセリング | 通話時AI 4マイクノイズキャンセリング |
再生時間 | 12時間(イヤホンのみ)/48時間(充電ケース使用時) |
充電時間 | イヤホン:1.5時間以内 充電ケース:2.5時間以内 |
急速充電 | 5分の充電で1時間使用可 |
バッテリー容量 | 65mAh X 2 (イヤホン) 720mAh (充電ケース) |
耐水性 | IPX5 |
動作温度 | 5℃ – 35℃ |
サイズ | 91.5 × 46.1 × 32.5 mm(充電ケース) |
重量 | イヤホン: 12g 充電ケース: 90.5g 総重量: 114.5g |
コメント
冒頭にも書きましたが、OpenRockは「オープンイヤー型」のブランドです。ウインタブがこれまでにレビューした製品だとOladance OWS ProやSOUNDPEATS GoFree2が類似の製品と言えます。オープンイヤー型のイヤホンはその名の通り「耳をふさがない」のが特徴で、よく似た特性の製品に「骨伝導イヤホン」がありますが、骨伝導イヤホンが「骨を振動させる」のに対し、オープンイヤー・イヤホンは「耳のそばに超小型のスピーカーがある」という構造です(空気伝導イヤホンという呼び方をすることもありますが、個人的にはあまり適切な表現ではないと思っています)。
以降、筐体画像を見ながらご説明していきます。
2.外観
同梱物です。画像左からクイックスタートガイド、安全に関する注意事項が書かれた冊子、充電用のUSB Type-A – Type-Cケーブル、そしてケース用のリング(カラビナ)です。リングについては後述します。
ペーパー類は日本語も含む多言語で書かれていましたが、専用アプリのコンテンツに「取扱説明書」が含まれていますので、ペーパー類を見る必要性はあまり感じません。
充電ケースです。同梱物にあったリングを取り付けた状態です。金属製で一般的な完全ワイヤレスイヤホン用の充電ケースよりもずいぶんゴツくて重いです。
一方の端(リングの反対側)を軽く押してやると開きます。この画像では片側のイヤホン本体しか写っていませんが、この裏側にもう一つのイヤホン本体があります。
サイズはこんな感じ。手で持つと「ずっしり」した重さです。実測重量はイヤホン込みで123 g、イヤホン抜きでも99 gあります。
ケースの後ろ側には充電用のUSB Type-Cポート、それとLEDインジケーターがあります。インジケーターは充電ステイタスやバッテリー残量によって色が変わります。
別売りになりますが、バッテリーがついていない軽量なケース(キャンバス素材なので、ソフトケースと呼ぶべきでしょうか)も用意されています。こちらはイヤホン込みの実測重量が69 g。
本体です。オープンイヤー型らしい外観ですが、「ちょっとゴツい」と思いました。本体の実測重量も片側12 gとやや重いです。
OpenRock Xはこのように角度調整が可能です。なので、ほとんどの方が「居心地がいい」と感じられる装着感が得られると思います。
左側ユニットの裏面(耳に触れるほう)です。左右識別用の「L」の印字が見えますが、この製品の形状からして左右を見間違えることはありません。本体中央やや右に銀色の点が2つありますが、これはケースに入れた際の充電コネクタです。また、本体左側にあるのがマイクです。
下面です。こちらにはボタンが1つ。このボタンは右側ユニットにもあります。完全ワイヤレスイヤホンにはよくある「曲送りや音量調整など」に使うボタンです。
上面です。こちらにもマイクが付いています。OpenRock Xは左右のユニットに2つずつ、合計で4つのマイクがついているのが大きな特徴です。
これは「オプション扱い」のポータブルケースです(本来は付属しませんが、レビュー用に送ってもらいました)。充電機能はない(したがってバッテリーも内蔵していない)ので小型軽量です。イヤホンを収納した状態での実測重量は69 gと、充電ケース(イヤホンを収納した状態)の半分強の重さなので、携帯には便利です。
装着イメージです。モデルはうちの下の子で、身長は150 cmくらいと小柄ですが、サイズ感はある程度つかんでいただけるかと思います。上でご説明した通り、本体の角度調整が可能なので、お好みに合わせて調整すれば装着感はいいですね。ただ、他社のオープンイヤー型のイヤホンと比較すると重量は重く、ややゴツいデザインなので、「存在感」はありますw(装着しているのを忘れる、というほどではないです)。
3.アプリ
OpenRock Xには設定アプリ「OpenRock」が用意されています(Google Play/App Store)。
このアプリで各種設定をします。例えば画像左に「ロック・モード」が、ここは「リラックス・モード」「ブーム・モード」「手動設定(グラフィックイコライザーが表示され、自分で音質を微調整できる)」を選べますし、画像右の「ジェスチャー」のところでは本体ユニット下部のボタンの操作割当(長押しすると音量が上がるなど)を変更できます。このアプリで基本的な設定は一通りできますね。
4.使用感
ウインタブでは過去に何度もオープンイヤー型のイヤホンをレビューしていて、ライターさんのほか私自身も複数回のレビュー経験があります。で、オープンイヤー型の音質なんですが、いつもいい意味で予想を裏切ってくれます。つまり、「いい音」という意味です。他のオープンイヤー型との比較だと、見た目のゴツさの通り特に低音の再現力が高いです。また、アプリのイコライザーの効きもよく、低音と高音のメリハリもよく出せます。
同価格帯(2万円コース)のカナル型イヤホンだとLDACコーデックに対応し、ハイレゾ音源も聴けますが、OpenRock XはAAC/SBCコーデックのみ使えますので、ハイレゾ音源には対応しません。ただ、オープンイヤー型という製品特性上、ハイレゾ音源に対応している必要はないんじゃないか、と思います。「カナル型とか密閉型ヘッドホンよりも音質面で譲るが、それに余りある装着感の良さがある」わけで、そもそもハイレゾ対応のカナル型イヤホンと比較するほうが「違う」と思います。
ノイズキャンセリングは「通話時のマイクのみ」です。というか、もともと外部の音が聞こえる設定なので、ノイズキャンセリング機能があったとしても意味がありません。レビュー期間内にライターのかのあゆさんとOpenRock Xを使ってWebミーティングを試しました。ウインタブではノートPCの実機レビューもよくやっていますが、ノートPCのノイズキャンセリング機能(AIノイズキャンセリング)と比較すると「効きは今ひとつ」です。ただし、かのあゆさんによれば「デスクを叩いたり、拍手をしたりする音は完全には消えないが、会話のじゃまにならない程度までは消せている」とのことでした。
音漏れはします。しますが、私の環境だと「スマホのボリューム30%程度(静かな屋内であれば十分な音量)」であればほとんど音漏れはなく、「ボリューム50%程度(ダンスミュージックなどをノリよく聴くときの音量)」だと周囲にある程度はっきり音が聞こえました(私の家族による感想です)。例えば電車の中でOpenRock Xを使う場合、電車の走行音がもろに聞こえてしまい、走行音に負けないくらいに音量を上げてしまうと音漏れも大きくなり…、ということで、通勤電車の中でオープンイヤー型イヤホンを使うのは「無理」だと思います。
5.レビューまとめ
OpenRock XはOpenRock公式サイトで販売中で、12月19日現在の価格は25,700円ですが、メーカーより割引クーポン「JP10%OPENROCK」をいただいており、これを使うと23,130円で購入できます。
予算を2万円前後としてイヤホンを選ぶ際、価値観として「音質さえ良ければあとはすべて犠牲にしてよい」という方にOpenRock Xをはじめとするオープンイヤー型イヤホンはおすすめしません。やめておいたほうがいいです。「音質がいいに越したことはないが、装着感も重視したい」とか「(屋外でのランニングやオフィスワーク、リモートワーク時などに)外音が聞こえるほうがいい」という方にはOpenRock Xはおすすめです。このような使い方の場合、音質に不満を感じることはないと思いますし、音漏れといったデメリットも気にならないでしょう。
音質のほう、低価格帯のオープンイヤー型イヤホンよりは高水準だと思いますが、6,000円台で買えるオープンイヤー型イヤホンよりも3倍・4倍音がいい、と言ってもいいかというのはわかりません。音に対するこだわりは人それぞれですからね。ただ、オープンイヤー型でもできるだけいい音を、という方にはいい選択肢かと思います。
6.関連リンク
OpenRock X Open-Ear Air Conduction Sport Earbuds:OpenRock公式サイト
※クーポンコード「JP10%OPENROCK」で10%OFF
2014年、低価格な8インチWindowsタブレットに触発されサイト開設。企業でユーザー側代表としてシステム開発や管理に携わっていました。「普通の人」の目線で難しい表現を使わず、様々なガジェットを誰にでもわかりやすく紹介・レビューします。