llanoのノートパソコン冷却台「V10 Pro」の実機レビューです。トップ画像を見ていただくと、ずいぶんと「いかつい」ものに感じられますよね。llano V10 Proは本体に強力な冷却ファンを搭載しており、ノートPCを効果的に冷やすことができます。スペックが高く、作業負荷も高いゲーミングノートやクリエイターノートに向きます。また、筐体にはRGBライトがついていて、さらにUSBポートも装備していますので、「夏場の事務仕事用」にも便利かと思います。
・冷却性能は強力!最大風量は3,500 rpm
・100 rpm刻みで風量の調節が可能
・ノートPCスタンドとして大きく角度調整が可能
・USB Type-A×2、USB Type-C×1のハブ機能もあり
ここがイマイチ
・最大風量時の騒音が非常に大きい
・ハブとしては低機能、映像出力にも非対応
販売サイトはこちら
llano V10 ノートパソコン 冷却台:Amazon
llano V12 ノートパソコン 冷却台:Amazon
※10%OFF読者限定クーポン: LLANOV12S
※クーポン期限:2024年11月22日
※台数限定となります
1.スペック
スペック表
llano V10 Pro | |
対応PCサイズ | 13~17.3インチ |
サイズ | 376 × 292 × 65 mm |
重量 | 1.65 kg |
コード長 | 1.5 m |
ファン回転数 | 300~3,500 rpm(100 rpm刻み) |
騒音レベル | 最大60dB |
出力 | 12V/1.5A |
ポート | OUT:USB Type-A × 2、USB Type-C × 1 IN:USB Type-C |
※V10 Proの他に、RGBライトとUSBポートを装備しない「V10-SE」というモデルもあります
コメント
V10 Proは13インチから17.3インチまでのノートPCに適応します。なお、サイズ違いの姉妹機に「V12」「V13」というのがありまして、15.6インチサイズ以上のノートPCの場合はより大型のV12、V13を選ぶ手もあります(安定して設置できると思いますが、サイズも大きくなります)。
V10 Proの本体に内蔵されている冷却ファンは「最大で38℃温度を下げる(メーカー公称値)」実力があり、ファンの回転数も最低300 rpmから最大で3,500 rpmまで100 rpm刻みで調整可能です。
また、側面と背面にはRGBライトがついていて、「5色の光、12種類の点灯モード」の設定が可能です。本体背面にはUSBポート(PCとの接続用にType-Cポートが1つ、周辺機器接続用にUSB Type-Cポートが1つとType-Aポートが2つ)を備えており、ハブとしても使えます。
では、外観から見ていきます。
2.外観
同梱物です。なんかスポンジ系が多いですよね?画像左にある大きなスポンジはシールリングといいます。使い方はこの後ご説明します。シールリングの右にある丸いスポンジは防塵コットンです。底面の通気口のホコリ侵入防止用です。これもこの後ご説明します。防塵コットンの下に取扱説明書があります。多言語で書かれていますが、日本語も含まれています。
右上がACアダプター(出力18W)です。V10 Proは強力な冷却ファンがついていますので「セルフパワー(本体にACコンセントからの給電が必要)」です。その下にUSB Type-A – USB Type-Cのケーブルがあります。このケーブルはPCとV10 Proを接続し、V10 ProのUSBポートをハブとして使えるようにするためのものです。USBハブとして使う場合は電源接続は必要ありません。
シールリングはこのように分解できます。使用するのは画像上の「外枠」と画像左の細い4つのパーツです。V10 ProにノートPCを設置する際に、「風漏れ防止」と「サイズ調整」のために使います。
上面です。この面にノートPCを置きます。メーカーロゴのある部分の下にファンがありますが、外観上は大きな通気口(排気口)が4つあるのみで、ファン本体は見えません。また、前面にボタンが5つと、その中央にインジケーターがあります。5つのボタンは左から「モードボタン、カラーボタン(この2つはLEDライトの発光パターンを変えたり、色を変えたりするときに使います)、インジケーターを挟んで風量マイナスボタン、風量プラスボタン」です。
風量は最低で300 rpm、そこから100 rpm刻みで最高3,500 rpmまで設定可能で、インジケーターに「現在の風量」が表示されます。
それと、ボタンの左右に「ストッパー」があります。この画像では左側のストッパーを立てています。ノートPCの脱落防止用ですね。
上面にシールリングを置いたところです。15.6インチノートなど、やや大型のノートPCを置く場合は、シールリングの外枠のみを使います。
こちらは小型ノートPC用です。シールリングの外枠に加え、細いパーツもセットします。13.3インチノートを置く場合はこのパターンになります。
今回のレビューでは手持ちのモバイルノート、ThinkPad X13 Gen 4を使いました。X13 Gen 4は13.3インチノートですが、サイズ感はこんな感じです。
底面です。中央に通気口(給気口)があり、上部に角度調整用の脚があります。
通気口のカバーを開けたところです。このように、すでに防塵コットンが入っていました。上の「同梱物」のところでご説明した防塵コットンは「スペア」です。取扱説明書によれば「3~6カ月に1回程度は防塵コットンを交換してください」とのことでした。メンテナンス方法について詳しい説明がありませんでしたが、おそらく水洗い可だと思います。
角度調整用の脚は、このように2段階の調整ができます。
側面です。LEDライトがあるほかはポートとかボタンはありません。ご覧の通り、角度を3段階に調整できます。脚をたたんだ状態では前面のストッパーは必要ありませんが、脚を立てた場合はストッパーがないとPCがずり落ちてしまいます。
V10 Proは厚みがあり、PCを置いた状態だとデスクとの段差はかなり大きいです。脚をたたんだ状態で使うと最も段差が大きく感じられ、普段使っているデスクに置く場合は違和感が大きいです。手持ちのリストレストも使ってみましたが、並みの大きさ(厚さ)のリストレストでは段差を埋めきりません。
一方で、角度を大きくすると体感的に段差が小さく感じられます。これなら使えないこともないかな、と感じました。あとは、椅子の高さとかデスクの高さによって使用感が変わってくると思います。
背面です。ポート類はこちらですね。画像左からUSB Type-C、USB Type-A × 2(以上、周辺機器接続用)、USB Type-C(PCとの接続用)です。その横にDC-INジャック。
なお、ハブとして使う場合は当然PCとの接続が必要です。このとき「PCのUSB Type-AポートとV10 ProのUSB Type-Cポート」で接続しますが、V10 ProのUSBポートはすべてUSB 2.0規格で映像出力にも対応しません。個人的には「V10 Proと外付けディスプレイを接続したい」と思っていたので、ここはちょっと残念でした。
LEDライトは両側面と背面にあり、点灯させるとこんな感じです。もちろん消灯することもできます。点灯パターンは複数あり、ゲーミングPCのようなカラフルに色が変わるイルミネーションも選べます。
3.使用感
本来だとゲーミングノートやクリエイターノートといった高性能CPU/GPUを搭載した製品でテストすべきなのですが、今回はモバイルノートを使いました(すみません、手元に適当な製品がなかったもので…)。
まず、高負荷時の温度上昇を確認するべく、アプリ「HWiNFO」を立ち上げつつ、CINEBENCH 2024のテスト(シングルコア)を実施しました。結論から言うと、V10をもってしても「瞬間的な温度上昇(特にテスト開始時やテスト終了直前)」には対処できないので、「最高温度が90℃を越える」とか「サーマルスロットリングが発生する」という点についてはV10 Proを動かしても起こりました。なので、今回は「テスト中のCPUコア平均温度」に注目しました。
V10 Pro非動作時:平均65℃
300rpm:平均61℃
1,000rpm:平均60℃
3,500rpm:平均45℃
このように、平均温度で見ればファン風量を上げることによって冷却効果が順調に高まることが検証できました。余談ですが、3500 rpm時はCPUコア最低温度が17℃まで下がりました。…電源は入っていたんですけどねw
冷却効果だけ見れば最大風量3,500 rpmの実力は「すごい」と思いましたが、その代償として「騒音」もすごいです。手元の騒音計で測定したところ、PCから20センチほど離れたところで75dB前後を記録しました。防音室での測定ではなく(十分に静かな場所ではありましたが)多少の環境音が混入しているはずなので、実際は75dBよりも低いとは思うのですが、数値以前に「体感的に耐えられない」ですw 3,500rpmで連続して動作できるのは「ヘッドセットを装着してPCゲームをする」ときくらいかなと思います。
一方で、1,000 rpmで動かす場合、「冷却効果も騒音もそこそこ」になります。1,000 rpm時の騒音は「ゲーミングノートのファン風量が大きくなったとき」くらいでしょうか。ただ、この場合では事務仕事では耳障りですね。やっぱりゲームプレイなら…、という感じです。
300 rpmというのはV10の最小風量ですが、この際は若干音質が耳障りに感じられるものの、普段使いでも十分にいけるレベルです。本来モバイルノートではV10を使うニーズはほとんどないです(真夏に冷房の効かないところで作業する場合はわかりませんけど)が、300 rpmにして使うのであれば一時的な温度上昇の際にも安心ですし、音も比較的静かなので、悪くないんじゃないか、と思いました。
次に「使いやすさ」ですが、これは「いつも使っているデスク、いつも使っている椅子」だとちょっと厳しい(位置が高すぎ)です。ただし、角度をつけて使えるのは便利ですし、角度を大きくして使う場合は(デスクとPCの)段差も小さめに感じられます(体感の話です)。
個人的には「これが一番いいかな」と思いました。繰り返しになりますが、ノートPCに大きな角度をつけられると目線の位置も改善される(目の高さとディスプレイの高さが合う)ので視認性も良くなり、疲れも減ります。この状態で外付けキーボードを接続すると非常に快適になりますね。「外付けキーボードを使う前提」だとV10の魅力は格段に上がります。
4.レビューまとめ
llano V10 ProはAmazonで販売中で、11月19日現在の価格は13,999円ですが、製品ページに10%OFFクーポンがあり、さらに読者クーポン「LLANOV12S」を併用すれば20%OFFの11,199円で購入できます。RGBライトとハブ機能のないV10-SEは通常価格11,999円のところ、製品ページの10%OFFクーポンと読者クーポン「LLANOV12S」の併用で20%OFFの9,599円となります。
また、大型サイズのV12についても同様に通常価格14,999円のところ、製品ページの10%OFFクーポンと読者クーポン「LLANOV12S」の併用で20%OFFの11,999円で購入できます(読者クーポンの期限は11月22日まで)。
V10 Proは「PCクーラー」「ノートPCスタンド」「USBハブ」という3つの機能があります。PCクーラーというのが最大の特徴と言っていいと思いますが、冷却性能は素晴らしいと評価できます。一方で最大風量の際の騒音も非常に大きいと感じられました。ただし、V10 Proは100 rpm刻みで風量を調整できますので、利用シーンに合う風量を見つければ、騒音を抑えつつPCを効果的に冷やすことができます。まあ、「ゲーミングノート、クリエイターノート向けかな」とは思いますが、それ以外でも「夏場の温度上昇によってPCの挙動が不安定になった」経験をお持ちの方には有効な製品だと言えます。
ノートPCスタンドとしては、傾斜角度をかなり大きくできるという点には魅力を感じました。サイズが大きいぶん、設置時の安定性も高いです。一方で本体の厚みが大きく、普段使っているデスクにそのまま設置する場合、デスクの高さを下げる、あるいは椅子の高さを上げるような調整ができないとキーボード入力の違和感が大きいです。上に書きましたが、外付けキーボードとの相性は非常にいいので、割り切って外付けキーボードを用意するとさらに使いやすくなると思います。
最後にハブとしてですが、個人的には「不要」でした。ポートの規格が2.0と低く、映像出力もできませんので、例えば「使っているノートPCのUSBポートの数が絶対的に足りない」という人でもない限り、V10 Proのハブにありがたみは感じられないでしょう。小型のハブのように外出先に持ち出して使うこともできませんし。
Amazonを見ていると類似の製品もありますが、私がこの手の製品のレビューをするのは今回が初めてなので、類似製品との比較はできません。しかし、ノートPCの発熱対策 兼(ちょっと大きいけれど)使えるノートPCスタンド、ということでは、よくできた製品だと思います。
関連リンク
llano V10 ノートパソコン 冷却台:Amazon
llano V12 ノートパソコン 冷却台:Amazon
※10%OFF読者限定クーポン: LLANOV12S
※クーポン期限:2024年11月22日
※台数限定となります
2014年、低価格な8インチWindowsタブレットに触発されサイト開設。企業でユーザー側代表としてシステム開発や管理に携わっていました。「普通の人」の目線で難しい表現を使わず、様々なガジェットを誰にでもわかりやすく紹介・レビューします。