VAIOがノートPCのニューモデル「F14(14インチ)」と「F16(16インチ)」を発表しました。VAIOが「本当に必要な機能を研ぎ澄ませた“定番”PC」と称する製品で、VAIOとして「定番」と呼べる条件を導き出した上で開発されています。この記事ではまず「F14」についてご紹介します。
なお、F16についてはこちらの記事をご参照ください。
VAIO F16 - VAIOの「定番」16インチスタンダードノート。誰でも「ちょうどいい」システム構成を選べます
1.VAIOが考える「定番」の条件
これはプレスリリースにあった定番の条件と特長です。新しいF14/F16はこの条件を満たす製品、ということになります。とはいえ、特に14インチサイズではVAIOの既存モデルに「SX14」がありますので、私達が購入検討をしていく上ではSX14との比較、というのがポイントになると思います。
1.VAIO F14 スペック
スペック表
VAIO F14(VJF141シリーズ) | |
OS | Windows 11 Home/Pro |
CPU | Intel Core i3-1315U / Core i5-1334U / Core i7-1355U |
外部GPU | なし |
RAM | 8GB/16GB/32GB(オンボード) |
ストレージ | 256GB/512GB/1TB SSD(PCIe ×4) |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 14インチ(1,920 × 1,080) |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.1 |
入出力 | USB Type-C(10Gbps, 映像/PD対応)、USB 3.0 Type-A(5Gbps)× 3、HDMI、LAN(RJ45)、オーディオジャック、microSDカードリーダー |
カメラ | Webカメラ(92万画素)顔認証対応 |
バッテリー | 約14.8~27時間(動画連続再生13時間) |
サイズ | 322.9 × 221.5 × 19.5-19.7 mm |
重量 | 1.34 kg |
コメント
VAIO F14は「6月以降 受注開始予定」となっており、製品価格やバリエーション展開が明らかではありませんが、他のVAIO製品と同様、注文時にシステム構成をカスタマイズできるものと思われます。
CPUはすべて第13世代(Raptor Lake)の省電力タイプ(U型番)、Core i3-1315U/Core i5-1334U/Core i7-1355Uです。SX14に設定のあったCeleronやP型番(Core i7-1260Pなど)はありません。要は「上と下を切り離した」格好で、これもまた「定番」というものを追求した結果と言えるのかもしれないですね。
RAMは8GB/16GB/32GBで、すべてオンボードメモリなので、購入後にDIYで増設・換装はできません。SSDは256GB/512GB/1TBの3種類で、SX14にある128GBとか2TBはありませんし、VAIOのいう「第四世代ハイスピードSSD」の設定もありません。このあたりも「定番の条件」による設定なんでしょうか。
ディスプレイは1種類のみ、14インチのFHD(1,920 × 1,080)で、タッチ対応はせず、高精細なものもありません。これも定番…(くどい…)。
2.VAIO F14 筐体
正面から見たところです。F14のディスプレイはアスペクト比(画面の縦横比)が16:9で、最近は16:10のノートPCが増えてきて、私達もそれらのPCに目が慣れてきたこともあり、かなり横長に見えますよね?また、この製品はリフトアップヒンジ構造(トップ画像にあるように、ヒンジ開口時に天板の後部が底面に潜り込み、キーボード面に適度な角度がつく構造)を取っているため、下部ベゼルが非常に細く見えるのも一因です。
また、F14は「オンラインコミュニケーション」にも力を入れています。Webカメラは(画素数的には特に目立ちませんが)顔を認識し、最適な明るさに自動調整してくれますし、マイクもハイエンドモデルと同じAIノイズキャンセリング機能を搭載しています。
天板です。F14は「パームレストがアルミ合金製」と開示されていますので、おそらく天板もアルミ製と思われます。
キーボードです。日本語配列(かな文字あり)でキーピッチは19 mm、キーストロークは約1.5 mmと開示されていて、この数値は上位モデルのSX12やSX14と同じです。ただし、バックライトは装備していません。「VAIOの定番」ですから、打鍵感は素晴らしいものになっていることでしょう。
側面と入出力ポートの配置です。USBポートは合計で4つですが、SX12やSX14に装備されているThunderbolt 4はなく、Type-CポートのみGen2規格、Type-AポートはすべてGen1規格にとどまります。また、HDMIや有線LANポート、microSDカードリーダーも装備しています。
サイズについて、SX14よりも厚みがあり、重量もSX14が1キロそこそこであるのに対し、F14は1.34 kgと、モバイルノートとしてそれほど軽量とはいえません。重量に関しては個人的に「数値で見える範囲で」唯一残念に感じられました。
筐体色はこれまで掲載してきたネイビーブルーのほか、ウォームホワイトとサテンゴールドを選べます。
3.VAIO F14 価格など
VAIO F14は6月受注開始予定となっており、3月30日現在、販売価格がわかっていません。VAIOの発表会(ウインタブは参加していません)では「13万円台から」との説明があったとのことです。これまで「ものは最高だが高い」イメージのあったVAIO製品としては手の届きやすい価格になるのは間違いないでしょう(他社製品と比べて安いと言えるかはわかりませんけど…)。
システムスペックや筐体の外観を見る限り、十分な性能と使いやすさを備えた製品だと感じられます。VAIOの言う「定番PC」、とても楽しみです。
4.関連リンク
VAIO F14:VAIO