こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。今回は中国タブレット「Cube i7 Book」の読者レビューとなります。スタイラスペンの使用感について、「あおぴさん」にレビューしてもらいました。この内容は私には到底書けないものです。読者、特にイラストを描く趣味のある人達には非常に参考になると思います。では、あおぴさんのレビューをどうぞ!
はじめに
今回ウインタブ様のご厚意でCubei7Bookのレビュアーをさせていただきましたあおぴと申します。スペックとゲーミングのベンチスコア等はウインタブ様がすでに詳しくレビュー済ですので割愛し、今回はお絵かきという視点に絞ってレビューしていきたいと思います。
今回は三種類のソフトで実際にざっくりとではありますが絵を描いてみましたので、それぞれレビューしていきたいと思います。
メディバンペイント編
線の遅延について、遅延そのものはほぼ感じることはありませんでした。しかし、線を引いていると認識されるまで、つまりペンの入りの感度が悪く、筆圧を一番やわらかい設定にしないとまともにかけませんでした。一度線が描かれてしまえば遅延はないのですが、線と認識されるまでにかなりのラグがありました。絵を書く上で一番のネックになってくるのはこの部分かな~という印象を持ちました。
また、連続性のある動きに弱いのか、カケアミや影を引く際の斜線の動きなどは線として認識されずにぶちぶちと点のように途切れてしまいました。文字を書くにしても速度をかなり遅くしないと途切れてしまいました。
今回はレビューのため何度も何度も引き直してどうにか線画を書きましたが、かなり根気がいるのでこれがデイリーとなるどうかな・・・というのが正直な感想です。設定でいくらかマシになるのかもしれませんが、手ぶれ補正などを切っても線入れの認識精度はあまり変わりませんでした。
次に、ポインティング精度ですが、かなり厳しいと感じました。これに関してはソフトは関係なく、iBook7自体の仕様と思われます。精度を上げられないものか、何度も何度も調整を試みましたが、現実のペン先、液晶側でのポインター、実際の描画の三者間でのずれは相当なものです。
特にペゼルに近づいてくると5ミリから1センチ程度のずれが生じ、画面のスクロールですらかなり手こずりました。ポインターのズレは前身機のiStylus7でも指摘されていましたので、改善されていないのが残念です。しかし中央付近であれば描画が不可能なほど致命的なズレはありませんでしたので、画面中央をワークスペースとすれば人によってはなんとか妥協できると思います。
また、これは設定で回避できると思いたいのですが、狙ったところにペンを置けないのでその付近で調整をしていると長押しと判断され、スポイトに切り替わってしまいます。これはイラストを描く上でかなりのストレスになるでしょう。 回避する術を模索しましたが、レビュー期間中に発見できませんでした。
バケツ塗りした線画をもとに時間の許す範囲で厚塗りもやってみましたが、挙動が重いとかいったことはまったくなく、筆圧も求めるレベルの反映がされていたと思います。
sai 編
線の描画はとても軽快でした。しかし、普通にダウンロードして普通に起動すると5センチ単位のポインターのズレが発生します。こちらのページを参考に解決できました。
遅延はないといっていいでしょう。ペンの気持ちよさはかなりのものです。するする描ける!という感じです。 線の入りの筆圧再現も今回試した3ソフトの中で一番良かったように思います。 こちらもカケアミなどは多少手こずりましたがメディバンよりも使用感はよかったです。ポインティングのズレは相変わらず。しかし十分お絵描きできる範疇だと思いました。sai自体が軽量なソフトなこともあり、動作も軽快でした。
CLIP STUDIO編
特に苦労することなく起動し使用できました。
ペンの使用感は抜群です!絵も字もするする書けます。メディバンではできなかった斜線による影の表現なども苦労することなくスムースに描画することが可能でした。ほかの二つのソフトに比べると重めのソフトだと思いますが、挙動は終始スムースで軽快でした。Cubei7の高いスペックのおかげでしょうか。
塗りも負荷の高い水彩筆をってみましたが、快適でした。ぼかしなども使いましたが、特に動きが重くなることはなかったです。
クリスタが動くかどうかというのはこういったデバイスを選択するときの一つのラインになると思いますが、それは明らかにクリアしています。重ためのブラシのプラグインなどを入れた場合どうなるかはわかりませんが、スペックを見る限りあまり心配しなくてよさそうです。描いていてストレスを感じる場面もあまりなく楽しかったです。
まとめ
・本体設定の筆圧はやわらかさ最大で
・線入りの筆圧表現はsaiが優秀
・総合的に見て一番相性がいいのはCLIP STUDIO
・Pixivchatやマジカルドローといったブラウザのお絵描きチャットでも筆圧がちゃんと効く!
・ポインティングのズレを鑑みると単体でのプロユースはやはり厳しいと思う。しかし趣味の範囲なら工夫次第で全然あり。
お絵描きができる 筆圧ペン搭載のWindowsタブレット自体がまだブラッシュアップの余地を多分に残している分野だとは思いますが、このi7Bookの現時点での完成度と値段を見ると本当に「買い」な機種だと思います!スペック的に見れば今絵描き好き界隈で話題のHuaweiのMatebook proあたりと競合しているのでしょうが、コスパ面でいえば圧勝です。プロレベルの作品をこの機種一本で・・・というのはなかなか想像ができませんが、お絵描きデバイスとして検討されている方は、サブだったり外でささっとスケッチができたり自宅のメインPCとクラウドして作業環境が拡張できたりといった使い方を想定されている方も多いと思うので、そのニーズには十分応えてくれる機種だと思います。
惜しむらくはポインタのズレですね、本当に。これが解消されればプロユースに耐えうるのではとすら思います。
最後になりますが、ウインタブ様、今回は貴重な機会をいただき本当にありがとうございました!これからも更新を楽しみにしております!
参考:キーボードも購入!
おまけです。
Gearbestさんでオリンピックセールなどなどやってらすたのでついでに専用キーボード買ってみました。
厚みはタブレット本体の半分くらいでしょうか。色味も合わせてあるしUSBポートも2つついていて、あるとかなり便利だと思います。個人的にかなり良い感じです!キーボードをつけた状態でタブレットを起こすと自動的にキーボードの方に角度がつきます。
関連リンク
Cube i7 Book - 絵描きさん必見!クリップスタジオで快適お絵かき!(読者レビュー第2回:あおぴさん)
※この記事の続編です
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※レビュアーが使用している製品はGearbestからの提供品です