VAIOが14インチのモバイルノート「SX14」を発売しました。「VAIOなんで、何か面白いことをやってくるんだろうなあ」と思ったら、やっぱり面白いですね。14インチサイズにも関わらず最低重量が999 gと、1キロを切っているほか、筐体も独特、そしてスペックも最新かつ高性能なものとなっています。
1.スペック
VAIOのPCはVAIOストア(直販サイト)とソニーストアで購入ができますが、注文時に構成を細かくカスタマイズできるのがソニーストア扱い分です。この記事ではソニーストア扱いの「カスタマイズモデル」について説明します。
OSはWindows 10 HomeとProを選択でき、CPUはWhiskey LakeのCore i3/Core i5/Core i7を選べます。RAM、ストレージも幅広い選択肢がありますが、なんでも好き勝手にカスタマイズができるわけではなく、例えばCore i3とRAM16GBの組み合わせ、逆にCore i7とRAM4GBの組み合わせが選べないなど、「常識の範疇」と言っていい制約はあります。
VAIOでは「TruePerformance」というチューニングを行っていて、Cinebench(ベンチマークソフトの名前です)では同じ型番のCore i7-8565Uで25%ものスコアアップを果たしており、一段高い処理性能になっているようです。
ディスプレイは14インチでFHD解像度と4K解像度が設定されています。やはりCore i3と4Kディスプレイの組み合わせができないなどの制約がありますが、4Kディスプレイというのはこの製品のセールスポイントの一つと言えます。ただし、FHD、4Kともタッチ対応はしません。
また、この製品はLTEモジュールを搭載可能です。LTEの対応バンドは「バンド1,2,3,4,5,7,8,12,13,17,18,19,20,21,25,26,28,29,30,38,39,40,41,66」と非常に多くがカバーされます。
入出力ポートは「すごい」と言えるレベル。USBポートが合計で4つあるほか、HDMIにD-subまで備えています。もちろん有線LANポートも。SDカードリーダーはフル規格ですし、ポート類に関しては14インチモバイルノートとして満点をあげられると思います。
サイズは十分にコンパクトですが、表記上のサイズよりも実用的な意味でさらにコンパクトになっています。
筐体後部が傾斜していたりする関係で、設置面積(フットプリント)がかなり小さくなっていて、VAIOの説明だと13.3インチ製品とほとんど変わらないとのこと。また、重量も最軽量な構成で999 gと、1キロを切っていますし、標準的な構成でも1.1 kgを越えません。
2.筐体
この製品は筐体色に「ブラック」「シルバー」「ブラウン」がありますが、ここからは「ブラウン」の画像で説明します。
正面から見ると左右のベゼルが非常に細くなっています。一方で上部ベゼルは結構な太さがありますが、これは通信用のアンテナを上部ベゼルに残した、というのが理由です。最近のナローベゼル製品はアンテナが下部ベゼルについているそうなのですが、上部ベゼルにアンテナを配置するほうが明らかに通信品質は良くなるとのことです。
それともう一つ、この画像だと下部ベゼルが非常に細く見えますよね?
この製品、リフトアップヒンジを採用しています。また、NECでいうところの「落とし込みヒンジ」ですね。要するにヒンジ開口時に下部ベゼルがキーボード面の下に潜り込むので、正面から見ると下部ベゼルがほとんど見えない、ということになります。
また、リフトアップヒンジなので、ヒンジ開口時には筐体後部がせり上がり、結果としてキーボード面に適度な角度がつきます。
天板には「超高弾性UDカーボン」素材が使われており、軽量化と高い剛性を両立しています。
キーボードです。日本語配列と英語配列を選択でき、キーピッチは19 mm、キーストロークは1.2 mmで、バックライトも装備されます。またパームレスト右側に指紋センサーがありますが、これはカスタマイズ項目となります。
VAIOのキーボードは「静寂キーボード」と称されており、打鍵音が小さいだけでなく耳障りな中高域のカチャカチャ音を減らし、心地よい打鍵音を実現しています。また、トラディショナルにタッチパッドには物理ボタンを2つ配置し、パームレスト素材はアルミです。
個人的な感想として「圧巻」です。14インチで1kgそこそこのモバイルノートに装備されるポート類の数と種類ではないです。これだけあればほぼすべての用途で「ハブいらず」だろうと思います。また、この画像を見ると筐体後部が斜めにカットされていて、これが設置面積を小さくすることに寄与しています。
繰り返しになりますが、筐体色はほかに「ブラック」と「シルバー」があります。またVAIO名物「ALL BLACK EDITION」もありますよ。
3.価格など
VAIO SX14はVAIOストアおよびソニーストアで販売中で、ソニーストアでの最低価格は139,800円(税込み150,984円)です。私のほうで「どうせなら4Kディスプレイにしたいよね」とか「LTEモジュールも欲しいよね」ということで試算してみたら、やっぱり軽く20万円は越えちゃいましたね。VAIOなんで仕方ないや、とは思いますが、決して低価格な製品とは言えません。
しかしまあ、VAIOのリリースする製品はいつも特徴があって、本当に素晴らしいと思います。この製品の場合、アンテナの位置だとか、入出力ポートの種類と数だとか、ある意味筐体サイズとのトレードオフになるような部分も妥協せずに、これだけのサイズ(特に重量)を実現できているのがすごいですよね。
4.関連リンク
VAIO SX14:VAIO 製品紹介
VAIO SX14(FHD):VAIOストア
VAIO SX14(4K):VAIOストア
VAIO SX14(ALL BLACK EDITION):VAIOストア
VAIO SX14:ソニーストア
VAIO SX14 | ALL BLACK EDITION:ソニーストア
コメント
もう一つ大きいのは、USB(PDでなくても良い)充電に対応してることですね。
モバイラーとしては、大歓迎の仕様です。
Electronicさん、こんにちは。この件、読者の方からよくコメントをいただきます。以前のWindowsタブレットだと、充電しながらUSBポートが使えないので、独立したDC-INが歓迎されてましたけど、ノートPCだとUSB充電対応のほうがいいですよね。