事業統合で話題になっているVAIOの新しい11.6インチモバイルノートPC「VAIO S11」を紹介します。11.6インチサイズではありますが非常にハイスペックですし、もちろん価格のほうもそれなりにハイスペックなのですが、VAIOの製品はカタログスペックだけでなく、質感とか細部への気配りといったことまで含めて評価したいところです。そんな視点に立つと、VAIOに限らず富士通とかNECとか、日本の大手メーカーの製品は本当に魅力的です。
1.スペック
OS: Windows 10 Home / Pro(ともに64ビット)
Windows 7 Professional SP1 64ビット
CPU: Intel Core i3-6100U/i5-6200U/i7-6500U
RAM: 4GB / 8GB
ストレージ: 128GB / 256GB / 512GB
ディスプレイ: 11.6インチ(1,920 × 1,080)非タッチ
ネットワーク: 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth、LTE対応
カメラ: インのみ92万画素
入出力: USB3.0 ×2、USB Type-C(Thunderbolt 3)、オーディオ
ミニD-sub、LAN(RJ45)、SDスロット、microSIMスロット
バッテリー稼働時間: 14~15.2時間(Windows 10の場合)
サイズ: 284.0 mm x 190.4 x 16.4~19.1 mm / 重量920~940 g
補足します。上記はVAIOの直販サイトで購入可能な製品のスペック表となります。カスタマイズができるのはOS、CPU、RAM、ストレージ、そして筐体色(ブラック、シルバー、ブルー)となります。筐体色は別としても、これらを最上位のもので固めた場合、11.6インチのノートPCとしては他に類を見ないくらいのハイスペックマシンとなります。対抗できるのはSurface Pro 4の上位モデルくらいでしょう。
また、ストレージ(SSD)で256GBと512GBのものは「第二世代 ハイスピードSSD」で、通常のSSDよりも「3.7倍速い」ということです。また、11.6インチサイズとしては入出力ポートがかなり充実していて、USB Type-CがThunderbolt 3規格であるだけでなく、通常のUSB3.0が2つとD-sub(ディスプレイ出力用)もついています。そして、全モデルLTE対応で、なんと専用のデータ通信契約まで用意されています。
これだけのハイスペックな仕様でありながら、サイズは11.6インチノートPCとして小型の部類に入りますし、重量は1 kgを切っている、というのもすごいですよね。
2.筐体
VAIO S11は単なる「カタログスペック番長」ではありません。日本メーカーの製品らしく、いやそれ以上のレベルでスペック表に現れない部分に力が入っています。VAIOの公式サイトで多くのアピールがありますが、私がいいな、と思ったのは下記です。
・静寂キーボードとノーミスタッチパッド
・高質感&ハードボディ
・高剛性・高耐久ボディ
図書館(PC持ち込みOKのところも結構あるんですよね)などの静かな場所、あるいは夜間など、マウスやキーボードの入力音が非常に耳障りに感じられることがあります。職場とか自宅でしかPCを使わない人ならあまり気にしないかもしれませんが、私の場合、最近特にそう感じる機会が増えていて、静音タイプのマウスを購入するなどしています。VAIO S11クラスのノートPCの場合、使う場所を選ばないというのも購入の要因になると思うので、これから買うなら静音キーボードがついているほうが望ましいと思います。
これが「静寂キーボード」と「ノーミスタッチパッド」です。キーピッチは16.95 mm、キーストロークは1.2 mmでバックライト搭載です。11.6インチなので若干ピッチが小さめですけど、これは仕方のないところ。レイアウトは私の感覚だとかなり素直に思えるので、すぐに慣れそうです。あと、ノーミスタッチパッドというのはジェスチャー対応で高精度なタッチパッド、という意味です。
また、VAIOに限らず、日本の大手メーカー製品は非常に厳しい耐久テストを実施していることが多いのですが、S11の場合も「ガラス繊維入り強化樹脂」のボディとか「ビスレイアウトや、リブ構造を最適化(すいません、すでに意味が分かりません)」することによって高耐久、高剛性の筐体となっています。
天板です。こう見えて過酷な耐久テストをクリアしているので、通勤時間帯の東海道線(横浜―品川間)でも埼京線でも大丈夫です。天板のロゴはずーっと昔からVAIOのアイデンティティですね。私は2000年頃「紫のVAIO」PCG-505を使っていた友人がうらやましくて仕方なかったです。
残念ながら、というか当たり前なんでしょうけど、S11に紫はありません。ブラック、シルバー、ホワイトの3色展開です。公式サイトの仕様なのかもしれませんが、いずれも派手な感じはなく、抑え目な配色に見えます。
上のほうにも書きましたが、11.6インチサイズとしては入出力ポートがかなり充実しています。Thunderbolt 3を採用しているので、外付けのアダプターを使えばさらに拡張性が高まります。ビジネスの強い味方になりそうです。
3.価格
VAIOストアで試算してみました。「Windows 10 Pro, Core i7, RAM8GB, ストレージ512GB, 製品版Officeなし, SIM契約なし」の場合は263,304円(税込)となり、「Windows 10 Home, Core i3, RAM4GB, ストレージ128GB, 製品版Officeなし, SIM契約なし」の場合だと142,344円(税込)となりました。日頃目にしている製品価格よりはかなり高く感じますが、どうせVAIOにするなら最上位構成なんでしょうね。
私のじいさんとか親父は決して金持ちじゃなかったんですが、ソニーが大好きで、ソニーの製品なら性能は間違いないし、よそにないものを作ってるんだから高くても仕方ない、ということをいつも言ってました。ソニーっていうのはもともとそういう会社だったんですね。VAIOはもうソニーじゃないですけど、ソニーらしさを継承した会社だと思います。そのVAIOがつくったS11は、コストダウンありきじゃなくて、いいと思うことをひたすら詰め込んだ製品だと思うので、高い安いということよりもこの製品の価値がわかる人、というか「VAIOが好きな人」が買えばいいんだろうな、と思います。
4.関連リンク
VAIO S11 ビジネス全方位コンパクト: VAIO公式サイト 製品ページ