Appleが9月12日に新製品発表イベントを開催し、新型iPhone 15シリーズを正式発表しました。かねてから噂されていたとおり、コネクターがApple独自規格のLigthningからAndroidスマートフォン・タブレットでも数多く採用されているUSB-Cに変更されています。また、スタンダードモデルとなるiPhone 15/15 Plusでもピル型ノッチに変更されました。
1.iPhone 15シリーズ スペック
スペック表
iPhone 15/15 Plus iPhone 15 Pro/15 Pro Max |
|
OS | iOS 17 |
CPU | 15/Plus:Apple A16 15 Pro/Max:Apple A17 Pro |
RAM | 非公開 |
ストレージ | 15/Plus:128GB/256GB/512GB 15 Pro/Max:128GB(※)/256GB/512GB/1TB ※128GBはPro Maxには設定なし |
ディスプレイ | 15:6.1インチ(2,556×1,179) 15 Plus:6.7インチ(2,796×1,290) 15 Pro:6.1インチ(2,556×1,179) 120Hz 15 Pro Max:6.7インチ(2,796×1,290)120Hz 全モデルOLED(有機EL)ディスプレイ |
LTEバンド | 5G :n1/2/3/5/7/8/12/14/20/25/26/28/29/30/38/ 40/41/48/53/66/70/71/77/78/79 FDD-LTE:B1/2/3/4/5/7/8/11/12/13/14/17/18/19/20/ 21/25/26/28/29/30/32/66/71 TD-LTE:B34/38/39/40/41/42/46/48/53 |
SIM | nanoSIM + eSIM |
ネットワーク | 802.11a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.3 |
入出力 | USB Type-C |
カメラ | 15/Plus:イン12MP/アウト48MP + 12MP 15 Pro/Max:イン12MP/アウト48MP + 12MP + 12MP |
バッテリー | 非公開 |
サイズ | 15:147.6 × 71.6 × 7.80 mm 15 Plus:160.9 × 77.8 × 7.80 mm 15 Pro:146.6 × 70.6 × 8.25 mm 15 Pro Plus:159.9 × 76.7 × 8.25 mm |
重量 | 15:171 g 15 Plus:201 g 15 Pro:187 g 15 Pro Max:221 g |
バリエーションモデル
iPhone 15/iPhone 15 Plus
・128GB
・256GB
・512GB
iPhone 15 Pro/iPhone 15 Pro Max
・128GB(iPhone 15 Proのみ)
・256GB
・512GB
・1TB
コメント
OSは既存のiPhoneシリーズにも9月18日より一般公開が開始される予定のiOS 17です。iOS 16と比較すると見た目の変化はほぼありませんが、充電中ディスプレイを横にすることで時計やライブアクティビティを表示できる「スタンバイ」機能や自分の連絡先を写真やミー文字(アバター機能)等でカスタマイズできる「ポスター機能」が新たに追加されています。
相変わらずOS・セキュリティアップデート期間も長く、Apple Store/公式サービスプロバイダーで有償バッテリー交換サービスも提供しているので一度購入すれば5〜6年は端末を乗り換えることなく利用できます。
CPUはiPhone 15/15 PlusがApple A16、iPhone 15 Pro/15 Pro MaxがApple A17 Proです。
スタンダードモデルのiPhone 15/15 ProのApple A16も高い性能を備えているのですが、iPhone 15 Pro/15 Pro Maxに搭載されるApple A17 Proではスマートフォン向けCPUとしては初となる3 mmプロセスで製造され、GPUも6コア構成のものが内蔵されています。ハードウェアによるレイトレーシングをサポートしていて、発表イベントではPC/据え置きゲーム機向けにリリースされている「DEATH STRANDING」「アサシン クリード ミラージュ」「バイオハザード ヴィレッジ/バイオハザード RE4」の移植も発表されています。
ついにPC向けゲームがそのまま移植できるようになってしまったことに衝撃を受けました・・・これだけ性能が高ければ本格的な動画編集などもiPhone一台でこなすことが出来そうな気がします・・・まさに「小さいパソコン」ですね。
AppleはiPhone/iPadのRAM容量を公開していません。ストレージはiPhone 15/15 Plusが128GB/256GB/512GB、iPhone 15 Pro/15 Pro Maxが128GB(iPhone 15 Proのみ)/256GB/512GB/1TBです。
ディスプレイはiPhone 15/15 Proが6.1インチ(2,556 x 1,179)、iPhone 15 Plus/15 Pro Maxが6.7インチ(2,796 × 1,290)で、いずれもパネルはOLED(有機EL)です。iPhone 15 Pro/15 Pro Maxのみリフレッシュレート120Hz表示(Pro Motion)をサポートします。
iPhone 15/15 Plusでもノッチの形状がピル型に変更され、各種通知やアクティビティを表示できる「Dynamic Island」が利用できるようになりました。
カメラはiPhone 15/15 Plusがイン12MP、アウト48MP(メイン) + 12MP(超広角)、iPhone 15 Pro/15 Pro Maxがイン12MP、アウト48MP(メイン) + 12MP(超広角) + 12MP(望遠)です。スペック自体は前モデルから変更されていませんが、iPhone 15 ProとiPhone 15 Pro Maxでは望遠レンズの仕様が異なっていて、iPhone 15 Proでは最大3倍、iPhone 15 Pro Maxでは最大5倍の光学ズームに対応します。
iPhone 15/15 Plusには望遠レンズがありませんが、メインレンズはiPhone 14 Pro/Pro Maxで初登場となったクアッドピクセルセンサーを採用することにより最大2倍まで拡大できる光学ズームを利用できます。
モバイルネットワークは国内4大キャリアをフルカバーしていて、オープンマーケット版はもちろんのこと、キャリア版でもSIMロックは最初からかかっていない状態で販売されるため回線変更後も電波がつかみづらくなるということはありません。
iPhoneでは2012年に発売したiPhone 5以降長らくコネクターに独自規格の「Lightning」が用いられてきましたが、昨年EUで「すべての端末をUSB-Cポートに統一する」法案が可決された影響もあってiPhone 15シリーズではすべてのモデルでUSB-Cポートに変更されています。
Lightningの場合Appleの「Made In iPhone(MFI)」認証を通過する必要があった関係でサードパーティ製の製品でも高価でしたが、iPhone 15シリーズ以降は100円均一などで販売されている安価なUSB-Cケーブルでも問題なく利用できるようになります。ただしiPhone 15 Pro/15 Pro MaxではUSB 3.0(転送速度5Gbps)をサポートしていますが、iPhone 15/15 PlusでUSB 2.0(転送速度480Mbps)までとなります。
バッテリー容量は公表されていませんが、Apple公式サイトによるとあらかじめダウンロードしたビデオを再生できる時間は以下の通りとなります。
iPhone 15:最大20時間
iPhone 15 Plus:最大26時間
iPhone 15 Pro:最大23時間
iPhone 15 Pro Plus:最大29時間
iPhone 15シリーズではUSB PD(最大20W)による急速充電、15W出力の「Magsafe」ワイヤレス充電、7.5W出力のqiワイヤレス充電を利用できます。
2.iPhone 15シリーズ 筐体
前面はiPhone 15/15 Plus、iPhone 15 Pro/15 Pro Maxともに共通です。前述の通りスタンダードモデルとなるiPhone 15/15 Plusでもついに大型ノッチからピル型ノッチに変更されました。
強化ガラスはコーニング社とAppleが共同開発した「セラミック・シールド」ですが、やはり全く傷が付かないというわけではないのでフィルムも揃えておくことをおすすめします(かのあゆはディスプレイがセラミック・シールドで保護されているiPhone 12 mini、iPhone 13 miniを使っていましたが、ポケットに入れていると普通に傷が付きました)。
背面です。iPhone 15/15 Plusではガラス素材に色を浸透させたカラーインフューズド加工が施されていて、今までのiPhoneとは違った印象を受けます・・・デザイン自体はいつも通り、ほぼ変わっていませんが・・・
サイドフレームは工学宇宙産業レベルを謳うアルミ素材が用いられ、高い耐久性を実現しています。筐体色は「ブラック」「ブルー」「グリーン」「イエロー」「ピンク」で、端末代金の一部がAIDSや新型コロナウイルス対策に寄付される「PRODUCT(RED)」は今回用意されていません。
iPhone 15 Pro/15 Pro Maxもデザイン自体の変更はありませんが、サイドフレームに「火星探査機で使われているものと同じもの」というチタニウムが使用されています。ただ「最も頑丈」としていますが、背面はガラス素材で落とせばどうしても割れるので、やはりケースを装着する方が精神的にも安心できるでしょう。
3.iPhone 15シリーズ 価格など
iPhone 15シリーズは2023年9月15日よりApple Store(オンライン/実店舗)、キャリアショップ(ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイル)、家電量販店にて予約受付を開始、22日より販売開始となり、価格はiPhone 15/15 Plusが124,800円(税込)〜、iPhone 15 Pro/15 Pro Maxが159,800円(税込)〜です。
昨年から続いている円安や半導体不足の影響などにより、スタンダードモデルに位置づけられているiPhone 14でも約12万円からと高額になってしまったので、以前のように気軽に購入出来るとは言えなくなってしまったのは残念に感じられます。ある意味Apple製品が高嶺の花だった時代に戻っただけともいえなくはありませんが・・・
エントリーモデルに位置づけられているiPhone SE(第3世代)、2021年9月に発表されたiPhone 13(残念ながらiPhone 13 miniは販売終了となりました・・・)、2021年9月に発表されたiPhone 14/14 Plusも併売されるので、最新モデルにこだわらないのであればこれらの旧モデルが比較的購入しやすくなっています。
とはいえガジェット好きとしてはやはりApple A17 Proを搭載するiPhone 15 Pro/15 Pro Maxは気になってしまいます。
4.関連リンク
iPhone 15/15 Plus:Apple
iPhone 15 Pro/15 Pro Max:Apple
コメント
アップスケーリングやフレームジェネレーションの恩恵ですね
純粋なGPUの性能そのものはいつまでたってもデスクトップ並に追いつく事は無い
故にスマホと他でゲーム開発のギャップを埋められない問題
それを解像度やフレームの水増しで解決する
本当のレンダリングではない偽物だがゲーム用途なら問題無いし
PCでも強力なiGPUが登場してくれば水増しでAAAタイトルが快適に動かせるし悪くない
>>匿名さん
Iris XeやiGPU版RadeonもまだGTX1660の性能にすら追い付いていませんしね・・・ただ本当にAAAクラスタイトルもプレイできる性能になっているのは本当に素晴らしいと思います。
円安過ぎて気軽に買えないのは極めて残念です。
>>PYUさん
キャリアによってはPro Maxの1TBモデルの場合30万になってしまいますからね・・・iPhoneに限らずAndroidスマートフォンもそうなのですが、フラッグシップモデルはもはや本当に購入しづらくなってしまいました・・・
教えて!かのあゆさん!
プロマ買うかパッドプロ買うか迷うところ
ゲームするならどっちなんだろう?
>>匿名さん
実は旧モデル(2018)になりますが先日iPad Pro購入しちゃったんですよね・・・
ゲーム端末として選ぶのであればPC向けそのもののSoCを搭載していて画面が大きいiPad Pro一択になるんじゃないかなぁと思っています。手のひらで「バイオ」がプレイできる15 Pro Maxも魅力的なんですけどね・・・
そうですよね。
15 Pro Maxの値段が高すぎて考えてました。
ありがとうございます!