BTOメーカーのFRONTIERから、10.1インチのWindows デタッチャブル2 in 1「FRT210P」が発売されました。この製品はOSにWindows 10 Proを搭載していて、法人のニーズに応えた感じになっていますが、個人向けの低価格なWindowsタブレット(2 in 1)と捉えても非常に魅力的で、個人的には「使える!」と思いました。ここに来てCPUにAtomを搭載するWindowsマシンが相次いで発売されていまして、個人的にはとてもうれしいです。
1.スペック
冒頭に書いたとおり、OSはWindows 10 Proです。Atom搭載機なので32ビットでも良かった気はしますが、ちゃんと64ビットのOSになっています。CPUは「Atomといえば」の「Atom Z8350」。2015年以降だと最もよく使われているCPUで、さすがに高性能とは言えませんが、ライトユースであればしっかり使えるものになっています。
この製品が「使える」というのはRAM4GB/ストレージ64GBという容量になっている点です。先日発売されたドン・キホーテの激安PC「MUGA ストイック PC 2」は税抜きで19,800円という価格が魅力ですが、ストレージが32GBというのが少し心配でした。しかし、私の経験に基づいて言うと、4GB/64GBという容量であれば、Atomの処理性能に不満を感じる人もいるかもしれませんが、それ以外の使いにくさというのはかなり小さくなります。
ディスプレイは10.1インチで解像度は1,280 × 800にとどまります。欲を言えばWUXGA(1,920 × 1,200)、となりますが、この解像度でも実用性は十分だと思いますし、大きな不満を感じる人は少ないと思います。
そして、この製品が「使える」という点はまだあります。入出力ポートです。タブレット本体にフルサイズ(Type-A)USB 3.0とmicroUSBを備え、さらにminiHDMIもあります。そして専用のDC-INも装備されます。また、キーボード側(この製品はキーボードが付属します。詳しくは筐体説明のところで。)にもUSB 2.0が装備されます。これで十分とは言えないかもしれませんが、10.1インチの小型・低価格2 in 1でここまでポート類が充実しているのは立派だと思います。
サイズもいいですね。特にキーボード込みでの重量が1,075 gと、携帯するにも文句のないレベルです。
2.筐体
タブレット本体は見た目が割と普通です。とくにコンパクトになっているという印象はありません。ベゼルも細くないです。また、画像下部中央にあるWindowsロゴはWindowsボタンだと思います。
付属のキーボードとはBluetoothではなく物理接続です。このように下面にコネクターがついています。
背面、そして側面のポート配置です。上にも書きましたが、ポート類は充実しています。ただ、8インチタブレットとは異なり、10.1インチの場合、フルサイズUSBポートを装備しているのは珍しくはありません。例えばドスパラのDiginnos DG-D10IW3SLも、この製品とほぼ同じポートを装備しますが、この製品とは異なり「独立したDC-IN」がありません。
独立したDC-INがある場合、給電中でもUSBポートはふさがりません。一方でDC-INがない場合は給電にmicroUSBポートを使うことになりますので、給電中はUSBポートが1つ使えなくなります。と書くと、DC-INがあったほうが便利に思われますが、DC-IN給電の場合、外出先にACアダプターを持ち歩かなくてはならない、という面倒臭さもありますので、この点はお好みの問題かと思います。それと、製品画像やメーカーのスペック表を確認すると、おそらくこの製品はmicroUSBからの給電にも対応していると思われます。
付属のキーボードです。メーカー発表だと「83キー日本語配列、パンタグラフ、キーピッチ 約15.0 mm、キーストローク 約2.5mm」となっていますが、おそらくキーピッチとキーストロークは誤りだと思います。キーピッチ15 mmと言えば7インチのUMPC並です。私は以前、半年ほど10.1インチのデタッチャブル2 in 1をメインPCとして使っていたことがありますが、「んなわけない」と思います。また、キーストローク2.5 mmというのもノートPCのスペックとしてはかなり深めなので、おそらく2 mm以下だと思います。
キーボード側にも1つだけですがUSBポートがあります。また、このキーボードはヒンジがついており、角度調整が可能です。なので、キーボードを接続した際の使用感はクラムシェルノートとほとんど変わりません。
3.価格など
FRONTIER FRT201PはFRONTIER公式サイトで販売中で、12月7日現在の価格は29,800円(税込み32,184円)です。
私の印象として、この製品は「使えるスペック」を備えていると思いますし、キーボードが標準で付属し、しかもヒンジ付きになっているというのも大きいと思います。上のほうにちらっと書きましたが、私は以前Atom 3735F(Z8350のさらに1世代前)を搭載する10.1インチのデタッチャブル2 in 1、そしてAtom Z8300(Atom Z8350と同世代の旧モデル)を搭載する10.6インチのデタッチャブル2 in 1をメインPCとして使っていたことがあり、ウインタブの記事もこのPCで書いていました。もちろんGIMP(フリーソフト)で画像加工もしていました。その経験でいうと、PC負荷の高い作業をしないのであれば、このスペックでもちゃんと使えます。
もちろん性能が低いことは間違いないですし、Windows 10もバージョンアップを重ねて少しずつ重いOSになってきていますので、ウインタブ読者のメインPCとしては少々力不足かと思います。しかし、サブ機としてモバイル利用をするのなら大丈夫でしょう。価格もかなり割安だと思いますし、個人的にはおすすめです。
4.関連リンク
FRT210P:FRONTIER
コメント
・10インチの日本語キーボードなのに配列がまとも(バックスペース以外)
・半角/全角キー、Enterキーも横幅をしっかり取っているし主要キーもほぼ等間隔
・キーボード左右の空間もギリギリまで配置していない
なのでキーピッチ15mmはわりと妥当な気がします
タッチタイプはきついけど、よくある変体配列よりはこっちのほうがキー探しやすいでしょうし、ヒンジつきキーボードだし、ウィンドウズアップデートのためのストレージ64G確保してるしProだからその更新頻度も減らせるし、ドメイン参加もできる
とりあえず持っておく系のサブ機としては優秀じゃないでしょうか
こんにちは。私も全く同感です。ただ、キーピッチは実機を前に、定規で測ってみたい衝動に駆られます。それはそうと、テキストライティング主体の使い方なら、このスペックである程度は満足できちゃう、というのが私の経験上の意見なんですよね。価格も安いし、いい製品だと思います。
製品画像から計測すると、キーピッチは16mmですね。もっとも、実際の実機写真ではないようなので、何とも言えませんが。
本体にもフルサイズUSBが付いているのはありがたい。
10.1インチならOffice mbileが使えるし。
結局、この構成が、サブマシンとしては一番オールマイティに使えるんですよね。
natsukiさんの測定だと信用できそうです。でもなあ、GPDとかOne MIX並みと言われてもにわかには信じがたい。この製品、いいですよね!