ウインタブで実機レビューの機会が多いのが「Windows PC(ノートPCとミニPC)」と「中国メーカー製のAndroidタブレット」です。この記事は中国メーカー製のAndroidタブレットを頻繁にレビューしてみて「実は最も大事なのでは?」と感じたポイントについて書きたいと思います。
1万円強くらいから、せいぜい3万円程度で購入できる中国タブレットは価格の安さとそこそこの性能で人気を集めているようです。
ただ、価格やスペック表だけを見て選ぶと、あとで「思っていたのと違った」と後悔することもあります。低価格な中国タブレットなので、「そこまで目くじらを立てなくても…」という見方もできますが、どうせ買うなら後悔はしたくないですよね?
この記事では、そういった失敗を防ぐために、中国製タブレットを選ぶ際に必ずチェックしてほしい3つのポイントを紹介します。
※なお、この記事はハイエンドモデル(Galaxy Tab S9やiPadなど)ではなく、主に1~3万円前後の中国タブレットを対象としています。また、ゲームを主目的にタブレットを探している人には適していません。
1. SoCは「使い方に見合った性能」のものを

Teclast T65のAntutuスコア
PCでもタブレットでもスマホでも「なるべく高性能なSoCを選んだほうがよい」というのは間違いありません。性能が高くて困ることはほとんどなく、せいぜい(一部のハイエンドSoCで)発熱やバッテリー持ちに不満を感じる程度でしょう。
しかし、動画視聴やネット閲覧が中心、たまにゲーム、ゲームタイトルにもそれほどこだわらない、ということなら、そこまで高性能なSoCは必要ありません。具体的には、Unisoc T606やMediaTek Helio G99あたりで十分です。ゲームを重視する場合はもっと上位のSoCを選ぶ必要がありますが、この記事ではそういった用途は対象外とします。というか、3万円以下でゲーマーが納得する性能のSoC搭載機は購入できません。
ゲーム用途を別にすると、ウインタブとしては「最低でUNISOC T606(Antutuスコア約25万点)」「できればHelio G99(Antutuスコア約40万点)」をおすすめします。購入検討しているタブレットのSoCが見慣れない型番の場合、WebでAntutuスコアを検索してみてください。UNISOC T606の約25万点というのが目安になると思います。ウインタブではNanoreviewというサイトの数値を参照することが多いです。
2. ディスプレイの解像度は「FHD相当」が目安

AvidPad A90のディスプレイは高品質
SoCとは逆に、ウインタブとして「絶対に気にかけて!」と言いたいのがディスプレイです。最近の中国タブレットはディスプレイの品質が向上しており、IPS液晶で発色も良好な機種が増えていますので、ウインタブの経験上「画面が汚い」タブレットはほとんど目にすることがありません。ただし、解像度には注意が必要です。
1,280×800(WXGA。HDとも言います)の解像度では、特に10インチ以上の画面だと粗さが目立ちます。8インチクラスの製品であればともかく、10インチ以上のタブレットを購入する場合は「1,920×1,200以上(WUXGA。FHD・フルHDとも言います)が快適に使えるライン」と考えておきましょう。ちなみに、15,000円以下でUNISOC T606搭載の10インチタブレットにはWXGAとWUXGAのものが混在していますので、特に注意が必要です。
もうひとつ「リフレッシュレート」にも注目しましょう。リフレッシュレートというのは「1秒間に何回画面が切り替わるか」という指標で、数値が大きいほうが時間あたりの画面の切り替わりが多く、したがって画面の動きが滑らかになります。PCやスマホ、タブレットで「標準」とされるリフレッシュレートは60Hz(1秒間に60回画面が切り替わる)ですが、最近は高性能機を中心に120Hzとか144Hzといった高リフレッシュレートの製品が増えており、比較的低価格な中国タブレットでも90Hzとか120Hzのものを目にします。特に年齢の若い人や視力のいい人は、できるだけリフレッシュレートの高いものを選ぶといいでしょう(ただし、ゲーム用途でなければそこまで気にする必要もないかと思います)。
3. ケースなどの付属品に要注意

Blackview MEGA 8 Blackview製品は付属品が充実
実は「これを言うための記事」だったりします。ウインタブの経験上「タブレットにケースは必須」です。筐体の傷つき防止はもちろんのこと、ほぼ100%のタブレットケースは「タブレットスタンド」としても使えますので、動画視聴での快適性が格段にアップします。
また、中国タブレットはiPadなどのようにサードパーティ品(社外品)のアクセサリーが入手しにくく、個別機種専用のケースや保護フィルムはメーカー純正品に限られます。
「これが絶対に正しい」とは言えませんが、ウインタブがレビューした中国タブレットにはこんな傾向があります。
Blackview:10インチ以上のモデルには保護フィルム(それもガラスフィルムであることが多いです)とケースが付属することが多い。
Teclast:保護フィルムは開封時に貼付け済み、ケースが付属することは少ない
Headwolf/Alphawolf:保護フィルムは開封時に貼付け済み、ケースが付属することは少ない
AvidPad:保護フィルムとケースは別売りのことが多い
ALLDOCUBE:保護フィルムは開封時に貼付け済み、ケースが付属することは少ない
※これらはウインタブの「経験上の傾向」です。例外もありますのでご注意ください。
ただし、ケースや保護フィルムが付属しない場合でも、別売りでメーカー純正品が用意されていることが多いので、タブレットを購入される場合はぜひケースも一緒に購入するようにしてください。
それと、複数メーカーのタブレットを比較する際、「ケースが付属するかしないか、付属しない場合、ケースの価格はいくらなのか」という点も含めて購入検討するようにしましょう。
4. まとめ
Androidタブレットにはメモリ容量やカメラ画素数、ストレージ容量など、さまざまな要素がありますが、それらは用途次第で妥協できます。タブレットの使用目的が動画視聴やWeb閲覧などの場合、RAM容量はほとんど使用感を左右せず、ストレージに関してもインストールするアプリに大容量のゲームなどがない場合は問題になりません。「RAM4GB/ストレージ128GB」というのは最低ラインとは思いますが、1万円以上の価格でこれを下回る中国タブレットはほぼ姿を消しています。
また、カメラについては、各製品の実機レビュー記事でも書いていますが「みなさん写真はスマホで撮りますよね?」ということです。一応前面カメラはWebミーティングに、背面カメラはドキュメント類のメモ目的に、ということで「なくてもいいわけではない」ですが、画素数とかアプリの出来栄えとかを気にする必要はないと思います。
ということで、「必要十分な性能のSoC」「ディスプレイ解像度(と、できればリフレッシュレート)」「そしてケースの付属有無」は、実用性を左右するポイントだと考えます。ぜひこの3点をしっかりチェックしてから購入を検討してください。
5. 関連リンク
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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コメント
私は2年位前のT606(LTE対応)タブレットを持っています。確かにブラウザやyoutubeなどの使い方では問題ないですが、GPSはダメです衛星を補足しません、この件はyoutubeで複数のT606タブレットのレビューで確認されています。
リネームされたT7200では改善されているのでしょうか?