こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。そろそろ「Windows PCの予算別購入ガイド」的な記事を書こうと思いまして、いろいろ調べていたんですけど、ちょっと心配なことがありまして…。ウインタブを開設するきっかけとなった「8インチWindows タブレット」が姿を消しつつあるように思われるんです。国内メーカーが順次8インチタブレットの製造を終了する中、われらがドスパラは8インチの「Diginnos DG-D08IW2SL」を継続販売していて、人気アニメとのコラボモデルなんかも手がけていたのですが、Diginnosタブレットの8インチはドスパラ公式サイトから姿を消してしまっていて、復活するのかよくわからない、という状況になっています。ただし、ドスパラに関しては、ワコムデジタイザーを搭載する「raytrektab DG-D08IWP」が健在なので、8インチタブレットから撤退したわけではありません。
しかし、低価格なDiginnosタブレットとraytrektabはちょっと性格が異なるので、ユーザー層も異なりますよね。また、比較的粘ってくれていたマウスコンピューターももはやラインナップされているのは10.1インチから、という状況です。現在正規販売されている8インチタブレットを列挙してみましょう(メーカーでは販売終了になっていても、販売店が在庫販売しているケースもあります。それらの製品は対象から外しています)
目次
1.KEIAN KI8-BK
実売価格: 19,224円(税込み)
※5月31日現在のAmazon価格
OS: Windows 10 Home
CPU: Intel Atom x5-Z8350
RAM: 2GB
ストレージ: 32GB
ディスプレイ: 8インチ(1,280 × 800)
ネットワーク: 802.11 b/g/n、Bluetooth 4.0
バッテリー: 4,000mAh
サイズ: 207.2 x 121.9 × 9.86 mm / 338 g
Amazon製品ページ:KEIAN WIZ 8インチ Windowsタブレット KI8-BK AZ
2.ONKYO TW08A-87Z8
実売価格: 27,864円(税込み)
※5月31日現在のOnkyo Digital Solutions価格
OS: Windows 10 Home
CPU: Intel Atom x5-Z8350
RAM: 2GB
ストレージ: 32GB
ディスプレイ: 8インチ(1,280 × 800)
ネットワーク: 802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.1
バッテリー: 4,500mAh
サイズ: 215.2 x 128.4 × 8.7 mm / 380 g
ONKYO製品ページ:ONKYO TW08A-87Z8
伝統大手メーカーや外資大手メーカーはもちろん、ドスパラもマウスも、Geaneeもテックウインドも「プレーンな8インチAtomタブレット」を販売していない現在、価格ドットコムなどを確認しても出てくるのはこの2機種のみです。正直言って、3年前くらいのスペックです。OSのWindows 10は定期的にMicrosoftがアップデートをかけてくれるので、製品が新しいとか古いとかはあまり関係ありません。CPUのAtom Z8350、RAM2GB、ストレージ32GB、8インチで1,280 × 800解像度、というのは本当に「ずーっと変わらない」ですね。
しかし、KEIAN KI8-BKは4月27日に発売されたばかりですし、ONKYO TW08A-87Z8も2017年11月の発売なので、スペックは代わり映えしないとはいえ、ごく新しい製品です。KEIANのほうは価格が2万円を切っていて値頃感がありますし、ONKYOのほうは「フル充放電 x 800回」が可能なロングサイクルバッテリーを搭載していて、Wi-Fiも5GHz帯に対応するなど、KEIANよりも高価なだけの理由はあります。ただ、タブレット、あるいはPCとしての基本性能は互角と言っていいでしょう。
3.ドスパラ raytrektab DG-D08IWP
実売価格: 49,800円(税込み)
※5月31日現在のドスパラ公式サイト価格
OS: Windows 10 Home
CPU: Intel Atom x5-Z8350
RAM: 4GB
ストレージ: 64GB
ディスプレイ: 8インチ(1,280 × 800)
ネットワーク: 802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.0
バッテリー: 稼働時間4時間
サイズ: 214 x 128 x 10.1 mm / 400 g
紹介記事:raytrektab DG-D08IWP ー 落書きするのが楽しい!と誰もが思える8インチ、デジタイザー搭載タブレット(実機レビュー)
ドスパラ製品ページ:raytrektab DG-D08IWP
raytrektabは価格だけ見るとずいぶん高価ですが、上の2機種とは異なる特徴があります。ワコムデジタイザーを搭載し、4,096段階の筆圧に対応する手書き入力が可能で、スタイラスペンも付属します。つまり、「お絵かきタブレット」です。もちろん8インチのWindowsタブレットとしても普通に使え、CPUこそ上の2機種と同じAtom Z8350ですが、RAM4GB、ストレージ64GBとワンランク上の余裕があります。「少しでも高性能な8インチタブ」を探しているのならこれしか選択肢はありません。ただ、イラストを描くかどうかは別としても、手書き入力機能にまるっきり関心がない、という場合は少しばかり割高な製品と言えます。
一方で、イラストを描く趣味のある人は、この製品を使っていろいろな楽しみ方ができると思います。ドスパラでは「この製品を使ってイラストを完成させるというよりは、出先でひらめいたイメージをすぐその場で形にできる(ラフとかネームとか)」というメリットをPRしています。たぶん、製品のスペックやディスプレイサイズからして、大作イラストをこのタブレットで仕上げる、という感じではないですね。
4.(参考)PIPO W2S
実売価格: 110.99ドル(12,599円)
※5月31日現在のBanggood価格
OS: Windows 10 Home
CPU: Intel Atom x5-Z8350
RAM: 2GB
ストレージ: 32GB
ディスプレイ: 8インチ(1,920 × 1,200)
ネットワーク: 802.11 b/g/n、Bluetooth
バッテリー: 3,800mAh
サイズ: 208.5 × 120.5 × 8.6 mm / 335 g
紹介記事:PIPO W2Sの実機レビュー - 希少な8インチでシングルブートの中華Windowsタブレット
Banggood製品ページ:PIPO W2S
「技適マークがない」「初期不良や故障の際の手続きが面倒」などの点で国内向け製品とは同列には語れない中華タブの世界でも、「シングルブートの8インチWindowsタブレット」はほとんど姿を消してしまいました。この記事を書くのにあたり、私が確認できた「販売中の製品」はこれだけです。WindowsとAndroidのデュアルブート機であれば他にも多くの製品がありますが、シングルブート機は他に見当たりませんでした。ウインタブではストレージ32GBのデュアルブート機は推奨しておりません。この容量だと実用性に支障をきたすレベルでストレージが不足するからです。ただし、「ストレージをフォーマットしなおしてWindowsだけクリーンインストールする」ようなことができる人はこの限りではありません(タブレットでこれをやるのは相当厄介です)。
このPIPO W2Sはウインタブでも実機レビューしています。CPU、RAM、ストレージは国内向け製品と変わりませんが、ディスプレイ解像度は1,920 × 1,200と高精細です(ただし、実機レビューではあまり高く評価していません)。また、中華らしく価格も割安ですね。中華製品が抱えるデメリットを理解したうえで購入するのであればコスパの高い製品だと思います。
5.まとめ
個別機種についていろいろ書きましたが、8インチWindowsタブレットに関しては、「贅沢を言えない」状況にあります。半年くらいあとでもう一度この記事と同じ趣旨の記事を書くとしたら、状況はさらに悪化しているのではないか、と思います。
5月31日の時点でAtom Z8350以外のCPUを搭載する製品はありません。Apollo Lake世代のCeleronは結局8インチタブレットへの搭載がかないませんでした。次世代のGemini Lakeについては現状情報がないので、8インチタブレットに搭載されるかどうかわかりませんが、どちらかというと悲観的ですね。技術的な面もあるでしょうが、そもそも市場が細りすぎています。また、Windowsが8.1から10にバージョンアップし、そこはかとなく小型タブレットでの操作性を切り捨てているような動きを感じるのは私だけでしょうか?
2013年後半から2014年にかけて大ヒットした8インチのWindowsタブレット、いよいよ終焉の時を迎えようとしているのかもしれません。個人的にはこのサイズのWindowsタブレットには強い思い入れがあります。「8インチがなくなったらウインタブのサイト名を変えなくちゃいけないかも」と思っているくらいです。8インチよ、頑張ってくれ!
コメント
Intelが8インチにも搭載出来るCPUをまた開発してくれればなぁ~…
と思っていますが、一度捨てた市場にすぐまた戻ってくると言うのも希望薄いですかね。
2コアのCeleronとか、小型タブレット用にしてくれればなぁ…
8インチ級はiPadすら乗り気じゃ無さそうなのも気になります。
raytrektabを使ってましたが、Windowsとしての使いやすさを求めるなら個人的には10インチ位からかなぁと言う結論になりました。
ipadはminiシリーズの新機種出ないし、Android勢ですら主戦場は10インチに移って国内ではHuaweiぐらいしか新機種を出さない現状では、いわんやWinタブをや
タブレットとは違うかもしれませんが、GPD PocketだとかOne Mixの8インチ版出たら即買いなんですけどね・・・
まあ、7インチである事に意味があるのは重々承知しているんですが・・・
8インチならWindowsよりAndroidの方が適任。UI的にもOSの軽さ的にも。
Windows Mobileが生きていれば・・・
ハードを期待するより、泥パッドに載るWINDOWSの登場の方が可能性ありそう。役に立つとは思えないけど
ARM版Windowsも10インチ以上ぽいしWindowsはもう小型タブレットやスマホはあきらめたのかな?
Atomの生産が続く限り細々とニッチ需要を埋めていくしかないかと
この延長の話としてタフブックやGDP win2など
情熱と力技マシン枠はクラウドファンディングに期待
もっと大きな市場の話だと
Win on ARMとは別に削ぎ落としたモバイル用OSを立ち上げればいいだけ
intelは脱落したけどARMのエコシステムを利用すれば理屈の上では可能でしょう
話は限りなくシンプルだけど・・・現実的には・・・ね
新OSのプロジェクトは継続してるので一応諦めては無いと思います
個人的に9インチ最高を唱えてるけど片手で数えられる程度しか出てない…
メモリ8G以上載せてSペン並のペン付きで9インチor11インチでアス比3:2タブレット出たらiPad Proとか余裕で打ち負かせられるのに、各メーカー絶妙に痒いところに手が届かない物ばっか…
ノッチ、18:9、イヤホンジャック廃止とか余計な事は直ぐ真似するのに
興味深く拝見しました。私も8インチが風前の灯火であることを危惧しております。
PCを気兼ねなく持ち歩きたい、いくらスマホ時代と言えどもWindowsでなければ出来ないことが沢山あります。
ミニノート、UMPC、ネットブックと追ってきて、8インチのWindowsタブレットが登場した時は、300g台で安価なPCと衝撃でした。
確かにタッチ操作ではWindows8や10でさえ扱いにくいですので、タッチ操作ではiOSやAndroidには叶いません。しかし、前述したPCを気兼ねなく持ち歩きたい、Windowsでなければ出来ないことが沢山ある、を満たす現状唯一の選択肢です。
理想は、T90Chi位の大きさで2 in 1、トラックパッドなどがあり、LTE付、でドッキング状態でも600g,700g台程度のマシンでしょうか。
各メーカーとも作ろうと思えば作れるはずですが、需要がないと市場を見限ったのか、色々と懲りたのか、リリースされません。
最近では12,13インチで700g台というモデルも登場していますが、そこじゃない、別にメインノートじゃなくても良いという感じです。
あくまでもモバイルのサブノート、電車やカフェでサッと取り出して作業するには10インチ程度までがサイズ上限界です。
GPD Pocketも検討しましたが、まだメーカーとして不安があることや、タブレットの安価さに慣れてしまうと高く思えてしまいます。後継機にはポインティング・スティックが無さそうで、いよいよ選択肢から外れそうです。
働き方改革で長年話題に上ってはなかなか実現されないテレワークがいよいよ何度目かの正直になるかもしれない、という時期です。ぜひメーカー各位には再考をお願いしたいです。
JasperLake 搭載PCがボチボチ発売され始めていますが、当然のように10.1インチ以上のものばかりですね。ドスパラには、ぜひ RaytrekTab の4代目? Celeron N5100 を搭載した8インチの後継製品を現代のスペック(つまりメモリー 8GB、eMMC 128GB)で出してほしいところです。