2月2日にMSIジャパン本社にて新製品内覧会が開催され、ウインタブも参加させていただきました。MSIは1月に開催されたCES 2024で非常に多くの新製品を発表しており、内覧会ではそれらの実機が展示され、詳しい製品説明もしていただきました。
当然「あのTITAN」も展示されており、展示機はRAM192GBというとんでもない構成でしたが、ゲーミングノートPCについてはまた別記事でご報告させていただくとして、今回の主役は「Claw」です。MSIが初めて手掛けるポータブルゲーミングPC(ゲーミングハンドヘルド)ですね。当日はClawの実機も展示され、短時間ですが実機に触れることもできました。
1.製品概要
スペック表
Claw A1M | |
OS | Windows 11 |
CPU | Core Ultra 5 135H/Core Ultra 7 155H |
外部GPU | なし |
RAM | 16GB(LPDDR5) |
ストレージ | 512GB/1TB SSD(M.2 NVMe) |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 7インチ (1920 x 1080) 120 Hz, タッチ |
ネットワーク | Wi-Fi 7(11be)、 Bluetooth 5.4 |
入出力 | USB Type-C(Thunderbolt 4)、microSDカードリーダー、オーディオジャック |
カメラ | なし |
バッテリー | 53Whr(動画再生約7時間) |
サイズ | 294 x 117 x 21.2 mm |
重量 | 675 g |
バリエーションモデル
・Core Ultra 5/RAM16GB/512GB SSD
・Core Ultra 7/RAM16GB/1TB SSD
コメント
グローバル発表の際に掲載した紹介記事ではまだ不明だったCPUの型番やRAM、ストレージ容量が明らかになりました。Clawの国内版は2バリエーションモデルで、Core Ultra 5 135HとCore Ultra 7 155Hが搭載されます。RAMは全モデル16GBで、Core Ultra 5モデルは512GB SSD、Core Ultra 7モデルは1TB SSDを搭載します。
注目のグラフィック性能です。3D MarkのTime SpyのGPUスコアではASUS ROG Allyが搭載するRyzen Z1 Extreme(2023年のゲーミングUMPCで主流となったRyzen 7 7840Uもほぼ同性能です)、エントリークラスのゲーミングノートに搭載される外部GPU(ディスクリートGPU)GeForce RTX2050を上回るスコアをマークしています(ただし、MSIの検証による参考数値です)。
前面です。他社のゲーミングUMPCとはボタン類、スイッチ類の配置はあまり変わりません。スティック部分にRGBライトがつくだけでなく、アクションボタン(A,B,X,Yボタン)もRGB発光します。
背面です。左右にマクロキーが配置されています。この位置にMSIのドラゴンロゴ、というのは個人的には「なんか感慨深い」です…。筐体(外装)は樹脂製でした。
MSI製品だけに、冷却面も心配はいらないようです。ゲーミングノートに使われている冷却システム「Cooler Boost」の流れを汲む「Cooler Boost HyperFlow」搭載です。
入出力ポートやスイッチ類は上面のみに配置されます。USBポートは1つ(Thunderbolt 4)のみ。この点はROG Allyと同様で、中国メーカーのゲーミングUMPCと比較するとちょっと寂しいです。
バッテリー容量は53Whと大きめです。ただし、ゲームプレイ時の最大駆動時間は2時間と、競合機と比較してそれほど長持ちするという感じではありません。
ROG Allyの設定アプリの名称が「Armoury Crate」であるのと同様に、MSI Clawの設定アプリもMSIのゲーミングノートと同じ名称「MSI Center」が冠されています。正確にはポータブル機用にUIや機能がカスタマイズされた「MSI Center M」ですけどね。
また、MSIのゲーミングノートに搭載されている「MSI App Player」もついています。BlueStacksベースのアプリで、Androidのゲームも手軽にプレイができます。(個人的に)ゲーミングノートではほとんど使っていなかったアプリですが、Clawの製品特性には合致していますよね。
アクセサリーパックやドッキングステーションの販売も予定されています。画像右側の「ドッキングステーション」に関しては、その名の通りのドッキングステーションで、Claw本体を立てかけて使えるほか、有線LANポートやUSBポートなどがついています。ただしこれ、GPU BOX(外付けGPU))ではないようです。
2.価格など
内覧会のプレゼン中、口頭でのみ説明があったのですが、MSI Clawの国内発売時期は「3月ころ」で、価格は「10万円台の前半から」ということでした。Core Ultra搭載ということもあり、ROG Allyよりは少し高めの価格設定になるようですね。
内覧会で実機を手に取った感想ですが、ROG Allyよりは少し大きめで、大きめなぶん、少し薄型と感じられました。ちなみにROG Allyとのサイズ比較をすると
Claw:294 x 117 x 21.2 mm/675 g
ROG Ally:280.0 × 111.38 × 21.22-32.43 mm/608 g
このようにClawのほうが少し大きめです。ただし、重量に関してはROG Allyのバッテリーが40Wh、Clawのバッテリーが53Whなので、この点が主因と思われます。
ウインタブは日頃MSIには大変お世話になっており、新製品をいち早くお借りしてレビューさせていただいたり、このようなイベントにも招待していただいていますので、「ついにMSIがゲーミングUMPCをリリースかあ…」と、ちょっと感慨深いものがあります。内覧会では実際にゲームプレイなどが試せませんでしたが、そこはMSIですから、ゲームプレイの快適性も非常に高いのではないか、と思います。
3.関連リンク
MSI Claw - 世界初、Core Ultra搭載の7インチゲーミングハンドヘルド!期待するしかない!
MSI公式サイト
※2月3日現在、日本のMSI公式サイトにはまだClawの情報はありません
コメント
Clawのベンチ振るわないみたいですね
マイナーアップデートで進化の無いHawkPointにぶつけて
インテルが追いつくターンかと思いきやまさかPhoenixにすら劣るとは…
TDPを絞るほど差が開くのではハンドヘルドではAMD天下が続くのかも