MSIが15.6インチの高性能クリエイターノート「Creator 15M」を発売します。MSIは去る10月16日にクリエイター系のノートPCを4機種発表していますが、この製品はその中に含まれていません。CPUやGPUのスペックが非常に高く、ゲーミングノートと同等以上のシステム構成になっています。
1.スペック
11月23日現在、この製品にはバリエーションモデルは存在せず、単一スペックになっています。OSはWindows 10 Proが搭載され、CPUは第9世代(Coffee Lake)のCore i7-9750H、GPUにはGeForce GTX1660Tiが使われています。CPUとGPUはゲーミングPCでも使われている型番で、一般的なスタンダードノートよりも格段に高性能と言えます。
RAMは16GBで、MSI指定販売店でのみ増設が可能、最大で64GBまで搭載できます。ストレージは512GB M.2 SSDですが、M.2 スロットに空きがあり、こちらもMSI指定販売店で増設が可能になっています。ディスプレイは15.6インチのFHD解像度で、クリエイターPCらしく「MSI True Colorテクノロジー搭載」です。IPS液晶という説明はありませんが、ほぼ間違いなくIPS相当の液晶が使われているものと思われます。
ここまで見ると、「ほとんどゲーミングノート」と言える構成になっているのがわかります。ただ、MSIではこの製品を「クリエイターノート」と位置づけていますので、ディスプレイ品質が速度(応答速度やリフレッシュレート)優先ではなく、画質(発色)優先となっているはずです。まあ、オンラインゲームも十分プレイできそうですけどね。
冷却システムもMSIお得意の「Cooler Boost」が使われています。「Cooler Boost 5」ということなので、GP65 LeopardやGE65 Raider、そして最新モデルのAlpha 15と同じものですね。ウインタブでは検証機としてGP65 Leopardを使ってますが、「よく冷えますよ」。
入出力ポートも十分な数量となっています。ただし、ここはゲーミングノートとは少し異なり、特に映像系ポートはそれほど多くない、というかUSB Type-Cが映像出力に対応しませんので、実質的にHDMIのみとなります。また、ここは少し気がかりなのですが、SDカードリーダーがありません。デジカメでRAW現像などに使う場合、(USBケーブルあるいはWi-Fiで接続することがほとんどだと思いますが)ちょっと不便に感じられるかもしれないですね。
サイズは15.6インチノートとしては普通くらいですかね。横幅が360 mmを切っているのはいいと思いますが、最近の上位クラスの15.6インチはみんなこんな感じです。ただし、重量が1.86 kgというのは立派です。外部CPUと凝った冷却システムを搭載していることを考慮すれば、2 kgを切っているというのは高く評価できますね。
2.筐体
左右のベゼルは十分に細いと言えますが、上下、特に上部ベゼルは結構な太さです。10月に発表された、同じく15.6インチのクリエイターノート「Prestige 15」が外部GPU搭載機とは思えないくらいのコンパクトかつスリムな製品であるのに対し、このCreator 15Mはパフォーマンスを強化しているぶん、Prestige 15との比較では全体的に少し大ぶりになっています。
天板です。ゲーミングノートとは異なり、シルバー(あるはグレー)の、やや落ち着いた色で、ヘアライン加工も施されています。ちょっと上品なデザインですね。MSIロゴもあまり目立たないようになっています。
キーボードです。この製品は15.6インチサイズですがテンキーはつきません。この画像は英語配列になっていますが、日本向けは「シングルカラーバックライト内蔵テンキーレス日本語キーボード」と開示されていて、バックライト色もホワイトのみとなります。Windowsキーもオーソドックスに左側にありますので、SteelSeries製ではないようです。テンキーの有無については賛否が分かれると思いますが、制作系の作業をする場合、ホームポジションが筐体の中央になるテンキーレスタイプのほうが使いやすいのではないかと思います。
右側面だけ画像が公開されていました。ほとんどのポートは右側面にあり、左側面にあるのはHDMIとDC-INのみです。左側面にも1つくらいUSBポートが欲しかったところです。
3.価格など
MSI Creator 15Mは11月29日の発売予定で、「オンラインショップ限定」という扱いになります。MSI指定販売店のPCショップアークでは予約販売がスタートしており、価格は税込み199,800円です。なお、MSI直営サイトのMSIストアでは11月23日現在製品ページがありませんでした。
この製品は「ゲーミングノートではない」と考える場合、競合する製品というのは決して多くないです。「非ゲーミングでGTX1660Ti搭載」というのが結構珍しくて、思い浮かぶのはマウスのDAIVブランド、またマウスと同系列ですがiiyamaのSENSE∞、あとは「半分ゲーミングノート」ですが「HP Pavilion Gaming 15」と「DELL Gシリーズ」くらいでしょうか。
また、同じMSIのPresitige 15と製品特性が似ていて、「よりスタイリッシュに」ということだとPrestige 15、「よりパワフルに」ということだとCreator 15Mになるのかな、と思います。実は最大のライバルはPrestige 15、ということになるんでしょうね。クリエイターの人にとって、ノートPC選びで有力な選択肢が増えたと思います。
4.関連リンク
Creator 15M:MSI公式サイト 製品紹介
Creator-15M-A9SD-065JP:PCショップアーク