マウスコンピューターのノートPCライン「m-Book」の上位モデル「Kシリーズ」がリニューアルされました。目玉はなんと言ってもCoffee Lake世代のノートPC用CPUを搭載していることですが、ゲーミングPC(マウスではG-Tuneブランドになります)ではなく、スタンダードノートとして高性能な製品です。なので、ゲーム用ということでなく、ビジネス用の高度な演算処理や画像加工、動画編集などに向く製品だと思います。
1.スペック
CPUは第8世代(Coffee Lake)で6コアとなるCore i7-8750Hです。このCPUはゲーミングPCにも採用されている高性能なものですが、組み合わされる外部GPUはGeForce MX150ですから、本来ゲーム用ではありません。というか、MX150でもゲームをすることはできますが、ゲーム目的で購入するのであればGeForceでもGTXシリーズを購入すべきでしょう(その場合、一般的にはm-Bookではなく、G-Tuneブランドの製品ということになります)。
Core i7-8750Hはウインタブではまだテストしたことがありませんが、CPUとしての性能は現在手に入るノートPC用CPUの中ではトップクラスです(これよりも高性能なCore i9などもありますので最高性能というわけではありません)から、高度なグラフィック処理を伴わないビジネス向けの高度な演算などに向くと思います。
RAMとストレージはカスタマイズ可能で、RAMは最大で32GBまで、ストレージは2基搭載可能で、SSD + HDD、SSD + SSDという組み合わせもできます。ディスプレイは15.6インチでFHD解像度となりますが、形式(IPSかTNか)は不明です。従来モデルのレビュー記事などを見ていると、「視野角が狭い」というコメントがよく見られますので、TN液晶かもしれないですね。
入出力ポートは言うまでもなくマウス製だけあって非常に充実しています。15.6インチサイズなので、ある程度ポート類が充実しているのは当然かも知れませんが、マウス製品はD-subや有線LANを備えていることがほどんどなので、この点は好感が持てますね。
サイズのほうは従来モデルとほとんど同じです(厳密には厚さがコンマ2ミリほど変わっています)。15.6インチサイズのノートPCとしては特にコンパクトであるとか薄型である、ということはありません。上級クラスのスタンダードノートはベゼル幅を細くしてサイズをコンパクト化する流れがありますので、その意味では少し物足りないかもしれないです。
2.筐体
スタンダードノートとしてはやや立体的な造形となります。また、サイズが絞り込まれているという感じでもないです。
天板もこのように少し立体的です。m-Bookシリーズの他の製品がシンプルでフラットな天板になっていることが多いので、ちょっと個性的と言えるかもしれません。
キーボードです。15.6インチサイズなのでテンキーがつきます。また、マウスの13.3インチとか14インチの製品のように一部のキーがやたらと大きい、ということもありません。キーピッチは約18 mm、キーストロークは約1.8 mmです。電源ボタンの位置とか、そこはかとなくゲーミングPCっぽさを感じます。
側面と入出力ポートの配置です。ポート類は充実していますが、そう言えば光学ドライブがありません。また、このレイアウトを見ればわかる通り、カスタマイズによっても光学ドライブを内蔵することはできません。最近のマウス製品は光学ドライブを内蔵しないものが多いような気がします…。
前後面です。特に背面の通気口が大きめなのが目を引きます。
一通り筐体を見てみましたが、やはりゲーミングノートっぽさを感じます。具体的には前面の中央が少し尖っている、キーボード面の造形が少し変わっている、通気口が大きめ、などの点です。ただ、派手なデザインということもなく、「ちょっとカッコいいスタンダードノート」って感じでしょうか。
それともうひとつ。この製品はバッテリーが着脱式です。最近本当にバッテリーが着脱式の製品が減っていますが、マウスだけはいまだにほとんどのノートPCのバッテリーが着脱式になっています。おそらく重量面とかコスト面で不利なんだろうと思いますが、ユーザーにしてみればバッテリーは簡単に交換できたほうがいいに決まっているので、マウスのものづくりの姿勢はいいなあ、と思います。
3.価格など
マウス m-Book K シリーズはマウスコンピューター公式サイトで販売中で、5月25日現在の価格は99,800円(税込み107,784円)から、となっています。CPUがCoffee Lake世代になり、処理性能が大きく向上したと思われますが、外部GPUのグレードが低めなので、ゲーミングノートよりは低価格という印象です。
GeForce MX150はオンラインゲーム用には少し非力ですし、VRコンテンツを楽しむのにも制約があります。しかし、ビジネスマシンとして使う場合は、この製品はハイエンドクラスの性能を持っていると思います。このクラスになるとプライベート用ということなら(もう少しお金がかかりますが)GeForceでもGTXシリーズを搭載するゲーミングPCやクリエイターPCのほうがいいかもしれないですね。