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まもなく一般ユーザーにもリリースされる予定のWindows 11 バージョン24H2の新機能をご紹介します

Windows 11 バージョン24H2新機能紹介記事
「Copilot+ PC」にプリインストールされ、Windows Insider ProgramのRelease Previewチャンネルでも既に先行配信が開始されていますが、まもなくWindows 11 バージョン24H2が一般ユーザーにもリリースされる予定です。すべての作業を記録し、後から過去のデータを取り出すことが出来る「Recall(日本語版では“回帰”)」や、ペイントのイラスト生成機能といったローカルAI関連の機能は残念ながら「Copilot+ PC」でのみ利用可能となりますが、それ以外にも魅力的な新機能がいくつか搭載されているので、ご紹介します。

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1.「.7z」「.tar」「.rar」形式の圧縮ファイルをサポート

OS標準アーカイバーで新たな圧縮形式をサポート
Windowsには別途サードパーティ製アーカイブソフトを導入しなくても圧縮ファイルを取り扱える機能が用意されています。もともとはWindows 98の有料アクセサリーキット「Microsoft Plus! 98」で初めて登場した機能で、長らく「.ZIP」形式のみサポートしていました。24H2ではオープンソースで開発されている「libarchive」ライブラリが組み込まれたことで、新たに「.7z」「.tar」形式の圧縮・展開と「.rar」形式の解凍が行えるようになりました。

「.tar」は主にLinuxやFreeBSDといったUNIX系OSで使われている形式なので、WindowsでLinux環境を構築できる「Windows Service for Linux(WSL)」を使っている方でもない限り、あまりお目にかかることはないかと思われますが、ZIP形式よりもさらに圧縮率が高い7z形式の圧縮ファイルをOS標準機能で取り扱えるようになったので、メールなどでファイルをやりとりする際に重宝することでしょう。

残念ながらRAR形式については開発元が圧縮するためのアルゴリズムを公開していないため、解凍のみ対応しています。

2.Sudo for Windowsの追加

Sudo for Windows
おそらく個人ユーザーでは管理者権限が付与されたアカウントを使用しているため恩恵を受けることはあまりないかと思われますが、Windows 11 バージョン24H2では設定できる項目に制限がある一般ユーザーアカウントで一時的に管理者権限を付与するコマンドラインツール、「Sudo」が移植されています。

コマンドラインツールの上、一般ユーザーアカウントは本来OS設定をユーザーに変更されたくないなどの理由で設定されているものなので、実行時に管理者パスワードの入力が必要になりますが、ITエンジニアの方がトラブルシューティング対応する際、一時的に管理者権限が必要なアプリやコマンドを実行する際には便利かもしれません。

3.安定性を重視した「Rust」カーネルを採用

Windows 11 バージョン24H2/Server 2005以外ではAndroidなどでも採用されている
Windows 11 バージョン24H2ではOSの基本部分となるカーネルにも大きな変更が加えられています。Windows 11 2023 Update(バージョン23H2)までは古くから存在するC、C++言語で開発されていたのですが、メモリーの不具合や脆弱性が発生しやすいという問題があったため、Windows 11 バージョン24H2では新たにRust言語で開発された新しいカーネルに変更されています。

目に見えない部分なので、普通に使用しているとどう変わったのかわかりにくい変更点になってしまいますが、以前のバージョンと比較してメモリーをより安全に管理できるようになっています。

4.Wi-Fi 7のサポート

より高速に通信できるWi-Fi 7をサポート
Windows 11 バージョン24H2ではWi-Fi 6(802.11 ax)よりさらに高速なデータ通信が行えるWi-Fi 7(802.11 be)を新たにサポートしています。ただし、Wi-Fi 7非対応のPC(お手持ちのPCの多くは非対応だと思います)では対応するハードウェア(無線LANアダプターと対応Wi-Fiルーター)の追加購入が必要になります。

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日本国内でも既にバッファローやアイ・オー・データなどが対応製品を販売していて、通信速度はWi-Fi 6の最大9.6Gbpsから最大46Gbps(いずれも理論値)に引き上げられているのが特徴です。

「NURO光」が20Gbpsプランを提供しているものの、国内ではまだ通信速度が10Gbps以上の高速ネットワーク回線がそれほど普及していない印象を受けるので、Wi-Fi 6ですらオーバースペックに感じられますが、ストリーミング動画やオンラインゲームを安定した環境で楽しみたいのであれば魅力に感じられるかもしれません。

5.一部標準アプリの削除

Windows 11 バージョン24H2を新規インストール、またはアップグレードすると、開発が終了したコルタナ、ワードパッド、ヒントアプリが削除されます。コルタナはもともとWindows Phone 8.1向けにリリースされたAIアシスタントで、XBOX向けにリリースされている人気ゲーム、HALOシリーズに登場するキャラクターがモチーフになっています。Windows 10からは日本語にも対応し、原作ゲームと同じ声優を起用するなど力を入れていましたが、残念ながら普及せず「Microsoft Copilot」と入れ替わる形で完全に引退することになってしまいました。

簡易ワープロソフトのワードパッドについては先日代替ソフトの紹介記事を公開しているので、そちらをご参照いただければ幸いです。

次期大型アップデートで削除されることが決まったワードパッドの代替ソフトを紹介します

6.品質更新プログラムの配信サイズがコンパクトに

Windows 11 バージョン24H2では毎月第二水曜日に配信されている品質更新プログラムのファイルサイズが最大20%削減されています。これまではOSが製造工程向けリリース(Release to Manufafturing)になってから配信された、すべての更新プログラムの内容を含んでいたため、ファイルサイズが肥大化してしまうという問題が発生していました。24H2からは基準となる更新プログラムを複数に分け、更新プログラムを適用する際、不足しているもののみ追加ダウンロードされます。

この変更により、毎月配信される品質更新プログラムのファイルサイズが縮小し、ネットワーク帯域と更新にかかる時間を節約できるようになりました。

7.まとめ

Windows 11 バージョン24H2は既に開発が終了していて、前述の通りWindows Insider ProgramのRelease Previewチャンネル登録ユーザー向けに先行配信が開始され、「Copilot+ PC」対応PCにもプリインストールされています。既存ユーザーが実際に更新できるようになるのは例年通りであれば9〜10月頃になると予想されます。

一時期噂されていた「Windows 12」なるOSは結局今回は登場しませんでした。しかし、2021年にリリースされた初期バージョンと比較して使い勝手は確実に良くなっている印象を受けます。それだけにMicrosoftアカウントOneDriveの利用を強制する仕様はやめてほしいところではあります・・・

8.関連リンク

Microsoft公式サイト
Windows・Androidの小ネタ 記事一覧

執筆者:かのあゆ
初めてしゃべった言葉が「ソニー・TDK」という筋金入りのガジェットマニア。中学生時代NEC PC-98シリーズに出会ったのをきっかけに本格的にPDAやスマートフォン、PCの世界にはまり込む。リュックには常にPC 2台 + タブレット 1台 + ゲーミングUMPC 1台 + スマホ4台を常備。
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