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ボリュームライセンスのWindows 11をクリーンインストールしたら本当にリテールライセンスに変わった件

Windows 11をクリーンインストールしたらボリュームライセンスがリテールライセンスに変わった
ウインタブでよく注意喚起していることとして「一部の海外製のWindows PCに搭載されているOSがボリュームライセンス」というものがあります。ボリュームライセンスというのは本来企業や教育機関向けに提供されるライセンスで、通常は個人に提供されませんし、PCメーカーがボリュームライセンスのOSを搭載したPCを個人向けに販売することはありえません。また、組織に紐づかない個人が使うとMicrosoftの規約に反します。

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ただし、ボリュームライセンスの製品を個人が使うと逮捕されるとかはありません。「違法」なのではなく「特定の企業との約束を破った」ということですし、ほとんどの人は完成品のWindows PCを購入して搭載されているWindowsのライセンスが何であるのかを確認するようなことをしないと思うので、仮に「約束を破った」状態であったとしても、それを認識する人もほとんどいないでしょう。もちろん、「約束の破り方」が悪質であって、Microsoftが訴訟を起こすようなことがあればその限りではありませんけどね。まあ、善意(ボリュームライセンスであることを知らずに購入した)の一般人が訴えられたりするようなことはありません。

ただし、一部のボリュームライセンスでは「使っている間に突然ライセンスが認証されなくなる」ことがありえますし、そうではなくとも「約束を破った状態である」ことを知ってしまうと「いろいろと気分が悪くなる」と思いますので、ボリュームライセンスであることを知ったら直ちに購入元にクレームを入れたり、AmazonなどのECサイトで購入した場合はECサイトにアピールして返品するのがいいでしょう。あまり聞いたことのないメーカーの激安PCを購入した場合などは、念のため実機が届いた時点でライセンスを確認するのがいいと思います。

お使いのWindowsのライセンスの調べ方はこうです。

Windows OSライセンスの調べ方

クリックで拡大します

Power Shellを起動します(タスクバーの検索窓に「Powers」と入力すればすぐに見つかります)。起動したら「slmgr /dli」もしくは「slmgr /dlv」と入力してEnterキーを押します。

Windows OSライセンスの調べ方
別ウインドウでこのような画面が表示されます。完成品のノートPCやデスクトップPCをお使いの方はほとんどの場合、この画面で「OEM」と表示されると思います。これはOEMライセンスといい、PCを購入する際に付属するライセンスで、個人が使っても全く問題はありません。自作PCをお使いの場合はここが「RETAIL」か「OEM」だと思います。で、「VOLUME」になっていたらボリュームライセンスです。

現在、私の手元にボリュームライセンスのミニPCがあります。2年半くらい前に某メーカー(ちょっと古い話なのでメーカー名は出しません)からレビュー依頼があり、実機を受け取ったものの…

Windows 11をクリーンインストールしたらボリュームライセンスがリテールライセンスに変わった
OSがボリュームライセンスでした。そのため「この製品はレビューできません」とお断りをしたところ、実機はそのまま持っていて結構だ、ということなので、レビューをせずに作業部屋の棚の奥にしまい込んでいました。で、それが年末の掃除で発掘された、とw

Webで「ボリュームライセンスのWindows PCをクリーンインストールしたらOEMライセンスになった、あるいはRETAILライセンスになった」という情報を目にします。相当数の情報がありますので事実と思われますが、ChatGPTに聞いてみたら「Windows 11のライセンスが『ボリュームライセンス』から『リテールライセンス』に変わるという話は一般的には正確ではありません。ライセンスの種類は、プロダクトキーやデジタルライセンスによって決まるため、クリーンインストールだけでライセンスの種類が変わることはありません」という、至極真っ当なお答えでした。

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ということで、手元にあるボリュームライセンスのミニPCを使って試してみることにしました。

まず、上に掲載した「slmgr /dlv」の画面でボリュームライセンスであることを確認し、次に「クリーンインストールするので(ほぼ必要ないが)一応プロダクトキーを控えておこう」ということで「ShowKeyPlus」というアプリを入れて確認しようとしたら…

Windows 11をクリーンインストールしたらボリュームライセンスがリテールライセンスに変わった
プロダクトキー(Installed Keyと書かれたところです)も表示されず、でした。認証方式がOEMやRETAILと異なる(MAK認証という方式を取っているのでデバイス側では表示されない)ためです。プロダクトキーの確認方法はレジストリなどでもできますが、はっきり言ってあまり必要ない(Windows 11のデジタルライセンスは一度認証してしまえばクリーンインストールしても情報が引き継がれる)ので、そのままクリーンインストールしてしまいました。

いろいろあって数時間後…

無事クリーンインストールできたので、ライセンスを確認してみます。

Windows 11をクリーンインストールしたらボリュームライセンスがリテールライセンスに変わった
あ、本当に変わってる…。しかもより高級(他のPCに移行可能)なRETAILライセンス。

Windows 11をクリーンインストールしたらボリュームライセンスがリテールライセンスに変わった
ShowKeyPlusにもプロダクトキーがしっかり入りました。Webで言われていることはやはり本当でしたね。なお、クリーンインストール後のセットアップ(初期設定)は途中でネット接続を切断し、ローカルアカウントで行いましたが、セットアップ後にネット接続をした直後にはライセンス認証されていました。

Microsoftの認証に問題があるのか、メーカー側の出荷時のセットアップに問題があるのか、残念ながらこの変化の理由はわかりません。「Microsoftに電話して聞いてみようかな」と思ったのですが、いろんな意味でヤブヘビになりそうなのでやめておきます。

ただ、いちユーザーの責任範囲としては、クリーンインストール後のPCはMicrosoftがRETAILライセンスとして認証しているので普通に使えることになります。もちろん後日Microsoft側で何らかの対応をし、ライセンス認証が切れてしまう可能性もあります。また、ボリュームライセンスであることを知っていながらPCを購入し、この手法でライセンスを変更するというのは道義的な問題もあるでしょう。

ウインタブとしては引き続き、Windows製品の実機レビューの際にはOSのライセンスを確認し、ボリュームライセンスになっていればその製品のレビューはお断りすることにします。また、読者の方々も、この方法によらず、ボリュームライセンスであれば速攻で返品するほうがいいと思いますね。

以上、検証してみた、というお話でした。

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執筆者:ウインタブ
2014年、低価格な8インチWindowsタブレットに触発されサイト開設。企業でユーザー側代表としてシステム開発や管理に携わっていました。「普通の人」の目線で難しい表現を使わず、様々なガジェットを誰にでもわかりやすく紹介・レビューします。
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コメント

  1. Onji より:

    小ネタの記事、刺さるんですよね~
    「いいね!」ボタンがあったらすぐに押してしまうでしょう。
    この記事も、世間での話は何度も聞いていたのですが、実際に画面を見せてもらえるとすごくわかりやすくて助かります。
    私自身は、某教育機関でOffioceでのMAKでの認証も見たことがありそういう利用局面も知ってはいるのですが、こういう状況だったのかと改めて認識しました。
    ありがとうございました。

    • wintab より:

      励みになるコメントありがとうございます。2025年は記事本数は控えめに、内容重視という当たり前のことをしっかりやっていきたいと思います。引き続きよろしくお願いします。