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ゼロから始めるWindows(2017)- CPUの型番から何がわかる?(Core iシリーズ編)

Intel Core i7
こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。先日acerのWindows Mixed Reality対応のヘッドセットの紹介記事を書きました。この記事では10月17日に予定されているWindows 10 Fall Creators Update(年2回のペースで実施されるWindows 10の大型アップデートです)の注目機能のひとつである「Windows Mixed Reality」のシステム要件についても記載していますが、それを見てピンとくる人もいれば、よくわからない、という人もいると思います。「Core i7」というのが一般向けのパソコンに使われるCPUで一番性能がいい(デスクトップ用だとCore i9というのも出ましたね)、というのはわかるとしても、Core i7にもいろいろ種類があり、それぞれに特徴があるということは知らない、という人も多いと思います。この記事ではパソコンにあまり詳しくない人を対象に、「ノートPCやタブレットのスペック表のCPUの型番でわかること」を簡単に説明したいと思います。

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なお、パソコンに使われるCPUにはデスクトップPC用とタブレット、ノートPC用(省電力を意識している)がありますが、この記事では主にノートPC用のCPUについて取り上げます。また、Windows PCに使用されるCPUはIntel製とAMD製がありますが、この記事ではIntel製のCPUのみを紹介していますので、あらかじめご了承ください。それと、当初Core iシリーズやCeleronシリーズ、Atomシリーズなどをいっぺんに説明するつもりだったのですが、型番の体系が一貫しておらず、記事が非常に煩雑になってしまうため、2回に分けさせていただき、初回は「Core iシリーズ(Core m系含む)」について説明します。

1.名称で判断する

CPUの名称
CPUにはそれぞれ型番があります。この記事では型番の最初の部分を便宜的に「名称」と言います。AtomとかCeleronとかCore i7とかですね。名称によってCPUのランクをおおよそ判断する、というのはパソコンにあまり詳しくない人でもわかると思います(Intelに限りますけど)。

高性能← Core i7>Core i5>Core i3>Core m3>Pentium>Celeron>Atom →低性能

こんな感じですよね!おおむねこの理解でいいんですけど、Core i7ならば必ずCore i5よりも性能がいい、とは限りません。また、Atomは常にCeleronよりも性能が低い、ということもありません。ただ、例えば最新のモバイルノートPCを購入する場合は上記の序列で考えても大きな問題はありません。では、どういう場合に注意が必要なんでしょう?

2.Core iシリーズの型番体系

CPUの型番は、例えば「Core i7-7500U」のように、「7500U」とか、「Atom x5-Z8350」のように「x5-Z8350」といった枝番がついています。この枝番が非常に重要で、枝番を見るとそのCPUの設計が新しいのか古いのか、またどのような用途で使用すべきものかが分かります。これから説明するCore iシリーズは非常に単純明快と言えます。

4桁の数字

まず、4桁の数字に注目です。現在販売されているCore i搭載のノートPCはほとんどの場合「7000番台」で、一部に8000番台と6000番台のものがあります。「千の位」は開発コードネームによって異なり、7000番台は「第7世代(Kabylake)」、8000番台は「第8世代(Kabylake R)」、6000番台は「第6世代(Skylake)」となります。それぞれの世代がメカ的にどのような構造になっているのかについて詳しい説明はできませんし、一般的なユーザーが完璧に理解しておく必要性は低いです。ただ、常識的に「世代が新しいほうがより高性能」であることは間違いありません。現実の話では(中古機を除けば)ありえませんが、全く同一の筐体、同一のシステム仕様、そして同一の価格でCPUの型番が6000番台のものと7000番台のものを選べるとしたら、迷わず7000番台を選ぶべきです。

この記事を書いている時点で最新世代となるのは「第8世代(8000番台)」ですが、この世代のCPUは市場に投入されてからまだ日が浅く、DELLなど一部のメーカーのみがこの世代のCore iプロセッサーを搭載した製品を販売しているのにとどまります。遠からずすべてのメーカーで第8世代のCPUを搭載した製品が出揃うと思います。では「第8世代のCPUが搭載された製品を待つべきか?」ということになると思いますが、それは私には何とも言えません。

それともう一つ、Core i7-7500Uではなく、Core i7-7567Uとか7700HQとか、同じ7000番台でも百の位とか十の位が異なるものがあります。基本的に「数字が大きい方が新しくて高性能」と考えてください。ただし、これは極めて単純化した話でして、現実は100%そうではなく、数字が半端になっているものは何らかの付加機能がついていたりする場合が多いです。

末尾のアルファベット

型番の末尾にアルファベットがついていることがあります(ノートPC用のCore iプロセッサーにはすべてついています)。よく見るのが「U」で、たまに「HQ」とか「HK」なんてのを見かけます。実はこれも非常に重要なんですよね。

「U」というは「省電力タイプ」です。ノートPC用のCPUはどれも省電力タイプなのですが、Uは特に省電力性が高くなります。実際、モバイルノートやスタンダードノートに使われているCore iプロセッサーは「大多数」末尾にUがつくと思っていいくらいです。

「HQ」というのはハイスペックマシン、特にゲーミングノートに使われることが多いです。当然省電力性は劣りますが、性能の方はUと比較すると段違いです。CPU性能をチェックする際に「コアの数」や「クロックスピード」が重要になりますが、これらの内容もUとHQでは異なります(ここでは詳しく触れません)。

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CPUって使っているうちにかなり発熱するんですが、HQのほうがUよりも発熱が大きいため、このCPUを搭載する製品は冷却性能(冷却ファン)が強化されていることがほとんどです。ゲーミングノートなどは冷却性能やファンの静粛性などが製品選びのポイントになったりもします。そのため、薄型で軽量なモバイルノートにHQが搭載されるケースは非常に少ないです。

「HK」というのもあります。HKはHQよりもさらに高性能で、「オーバークロック」という、CPUをより高速にする手法が使えます。ただし、これは初心者が安易にやるようなものではないし、実際HKのCPUを搭載する製品は非常に少なく、かつ非常に高価です。初心者だから安いPCでOKだとは思いませんし、オンラインゲームとかVRコンテンツを楽しみたいからパソコンを買うのだ、という初心者の人だっていると思いますが、その場合でもHQにしといたほうが無難かと思います。

枝番の体系が違うもの

一部、4桁の数字とか、末尾のアルファベットのないCore i5やCore i7が存在します。製造メーカーであるIntelが「これはCore i5だ」と言ってるわけですから、それらのCPUはCore i5でありCore i7ではありますが、歴史的には異なるものです。第6世代のCPUシリーズに「Core m3/m5/m7」というのがありまして、性能面ではCore iシリーズにやや劣るものの、省電力性に優れ、発熱も小さいためPC側で冷却ファンを必要としない、という画期的なCPUなのですが、この「Core mシリーズ」が第7世代になって名称を変更し「Core m3/Core i5/Core i7」となりました。Core m3は現在でもすぐにCore mシリーズだとわかりますが、Core i5とCore i7は名称だけでは識別ができません。

具体的には「Core i5-7Y54」「Core i5-7Y57「Core i7-7Y75」というのがかつてCore mシリーズだったものです。

3.性能の目安

パソコンの性能はCPUだけでは決まりません。この記事では言及しませんが、RAMやストレージなどのパーツとの組み合わせなどで変わってきます。そのため、あくまで目安となりますが、Passmarkという会社が公開しているCPUのベンチマークスコアを使って比較してみましょう。

第8世代:
 Core i7-8550U: 7,904
 Core i5-8250U: 7,560
第7世代:
 Core i7-7820HK: 10,132
 Core i7-7700HQ: 8,944
 Core i7-7500U: 5,220
 Core i5-7300HQ: 6,844
 Core i5-7200U: 4,686
 Core i3-7100U: 3,650
 Core i7-7Y75: 3,946
 Core i5-7Y54: 3,613
 Core m3-7Y30: 3,612
※2017年10月10日現在のPassmark公表値
※数値が大きいほど高性能

こうしてみると、同じCore i5、Core i7でも枝番が異なると性能も大きく異なることがわかります。ただし、Passmarkの公表値が万能であるはずもなく、第8世代のものはサンプル数が十分でなかったりしますし、Core i5-7Y54とCore m3-7Y30のスコアが1しか違わない、というのも少し疑わしいですよね。なので、あくまで目安という程度で理解すべきものです。これを見て個人的に思うのは「第8世代ってずいぶん性能アップしてるのね」ということと「UとHQの性能差はかなり大きく、Core i7は常にCore i5より高性能であるとは言えない」ということです。

上の比較表は私が日頃新製品の紹介記事を書いていてよく目にするものだけを掲載しています。これ以外のCPUのスコアを知りたい、という場合は下記のリンクで確認してみてください。

CPU List:Passmark
リンク先ページの右側に検索窓がありますので、そこに知りたいCPUの型番を入れてみてください。

4.まとめ

私はCore i3-6100Uという、第6世代のCPUを搭載したモバイルノートを使ってウインタブの記事を書いています。記事を書くほか、Excelで簡単な集計作業をしたり、PowerPointでお取引先に提示する資料を作ったり、たまに息抜きにYouTubeを観たりブラウザーゲーム(シンプルなもの)をします。あと、WindowsストアアプリでSkypeとかDropboxを使ったりもします。要するに、ホワイトカラーのビジネスマンの人が事務作業で使うのと大差ない使い方になります。

この使い方であれば「Core mとかCore iという名称のCPUならどれでも大丈夫」だと思います。Core i7にする必要はありません。ただし、Core m3とCore i7を並べて使うと両者の性能差は体感できると思います。しかし、Core m3だからといって我慢を強いられるようなケースは少ないでしょう。

上にも書きましたが、パソコンの性能はCPUだけでは決まりません。現実的ではない例えですが、Core i7でRAM2GB、ストレージが昔ながらのハードディスク、という構成のパソコンよりはCore i3、RAM4GB、ストレージがSSD、というパソコンのほうが快適に使えると思います。

今回はCPU、それもCore iシリーズに絞って説明しました。型番でCPUのおよその性能イメージや設計の新しさを理解することができる、ということがわかりました。より詳しく内容を知りたい場合は「Intelの製品仕様のサイト」で確認します。このサイトは初心者だけでなく、上級者の人であっても使いますし、例えば「Core i7-7500UとCore i7-7567Uはどう違うのか」などということは、自分で確認するしかないです。

このあとCeleronなど他のCPU、外部GPU、RAM容量、ストレージなどについても記事を書いていきたいと思います。実際、それらのパーツとのバランスをよく見ないといい買い物はできないんですよね。引き続きよろしくお願いいたします。

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コメント

  1. 匿名 より:

    core mシリーズってかなり性能が低いんですね。初めて知りました。

  2. 匿名 より:

    型番の最後にスコア付けてくれればそれだけ見てどれがどの程度のスペックかわかって考えやすいんだけど。超小電力版i7とか訳わからない。

  3. 匿名 より:

    Core-m系列は大体TDPが4.5W目安
    Core-i系列はややこしくて
    UはTDP 15W目安で同世代デスクトップ用コアより2コア少ない
    HはTDP 45W目安で同世代デスクトップ用コアと同数のコア数になっている

    特にH系(HQ, HK)はデスクトップ用コアの低電圧選別品なので、デスクトップ用コアのT系列と同じ性能を保持している

    また、第8世代でデスクトップ用コア(coffeelake)が6コアで発売されてる他、第8世代のUコア(kabyR)は4コアになっている
    そのため、Hコア(coffee)は6コアになると予想されている等、第8世代では性能がかなり上がる
    Ryzenとか言う今年の覇者にしてインテル潰すマン出ちゃったからね、仕方ないね