MicrosoftのSurfaceシリーズと言えば、何と言ってもデタッチャブル2 in 1の「Surface Pro」が最も有名というか、おなじみさんの製品ですが、クラムシェルノートの「Surface Laptop」とデタッチャブル2 in 1ながらSurface Proとは全く異なる筐体構造を持つ「Surface Book」というのもあります。この記事はSurface Bookの最新モデル「Surface Book 2」に15インチ版が追加された、という内容なのですが、Surface Bookのことをよく知らないという人も少なくないと思いますので、2017年10月に発表された13.5インチ版のSurface Bookと合わせて、主にスペック面について説明します。なお、Surface Bookについてはウインタブでも以前実機レビューをしています。現行モデルではなく、1世代前のモデルになりますが、基本的な筐体構造は大きく変わっていませんので、製品デザインや独特の機能について関心のある人は、このレビュー記事も合わせてご覧ください。
Microsoft Surface Book 2 - Core i7モデルは第8世代にGTX1050!ゲーミングPC並みのスペックを手に入れた大型2 in 1
Microsoft Surface Book ー 13.5インチ2 in 1、「うん、値段が高いだけのことはある」(実機レビュー)
1.スペック
Surface Book 2はSurfaceシリーズの中でもパソコンとしての性能が最も高い製品です。OSはWindows 10 Pro、CPUは第7世代のCore i5もしくは第8世代のCore i7を搭載します。このうち、Core i7を搭載する上位モデルには外部GPU(CPUとは別にグラフィック用のチップを内蔵しているという意味です)のGeForce GTXが搭載されます。先に発売された13.5インチ版はGTX1050でしたが、今回追加された15インチ版にはさらに高性能なGTX1060が搭載されます。GTX1060はゲーミングノートでも中上位の製品に搭載されるもので、第8世代のCore i7と合わせ、そこらへんのゲーミングノートをしのぐグラフィック性能を誇ります。というか処理性能だけで見るとゲーム用に購入しても大丈夫なくらいです。
CPUとRAM、ストレージは完全に自由に組み合わせが可能というわけではありません。選択可能な組み合わせは下記のとおりです。
13.5インチ:
Core i5/RAM8GB/256GB SSD
Core i7/GTX1050/RAM8GB/256GB SSD
Core i7/GTX1050/RAM16GB/512GB SSD
Core i7/GTX1050/RAM16GB/1TB SSD
15インチ:
Core i7/GTX1060/RAM16GB/256GB SSD
Core i7/GTX1060/RAM16GB/512GB SSD
Core i7/GTX1060/RAM16GB/1TB SSD
つまり、15インチ版はCore i7専用モデルでRAMも16GBのみ、ストレージだけは256GBから1TBまで選択可能ということになります。こうしてみると13.5インチのGPU非搭載モデルがずいぶんしょぼく見えますが、これでもモバイルノートとしては上級クラスのスペックなんですよね。つまり、Surface Book 2には性能の低いモデルは存在しません。ちなみに最低価格でも税込み200,664円と、20万円を越えてしまいます(15インチの最上位モデルは401,544円です。ご参考までに…)。
ディスプレイは13.5インチ版が3,000 × 2,000、15インチ版は3,240 × 2,160という高精細なものとなります。単に解像度だけでなく、MicrosoftのPixel Senseディスプレイは非常に美しいものです。ウインタブは過去にSurfaceシリーズの実機レビューを何度もやってまして、このディスプレイは驚嘆すべき品質だと思っています。また、この製品のディスプレイ・アスペクト比は他のSurfaceシリーズと同じく3:2です。
2.筐体
筐体素材はマグネシウム合金で、筐体色はシルバーのみとなります。Surface Book 2(旧タイプも含めて)の独特な筐体構造はいろんなところに現れています。まずはこれ、ヒンジ部分です。蛇腹っていいますかアコーディオン型といいますか、一般的なノートパソコンとは全然違う形状をしています。この製品のサイズで、厚さが15~23 mmなどと、最薄部と最厚部の差がずいぶん大きいのは、このヒンジの形状によります。
これは旧モデルのSurface Bookの画像ですが、このようにヒンジを閉じた状態で若干の空洞ができます。これが厚みになっているんですね。個人的には個性的でいいんじゃないかと思います。
また、Surface Book 2はキーボード分離型です。ただし、この製品はちょっと構造が変わってまして、外部GPUはキーボード側にあります。また、バッテリーもタブレット側とキーボード側にありますので、キーボードを分離した状態とキーボードを接続した状態で処理性能やバッテリー稼働時間が変わってきます。そのため、この製品のパフォーマンスをフルに発揮するためにはキーボードを接続しておく必要があります。
ヒンジを逆方向に接続することもできるので、様々な形態を取ることができます。また、筆圧4,096段階で傾き検知も可能なSurfaceペンに対応しますので、フレキシブルに変形できる筐体構造と合わせ、本格的なイラストなどクリエイティブワークにも使えます。あと、もちろんSurface Dialにも対応します。特に15インチのほうはディスプレイが一回り大きいので、クリエイティブな作業にはより適していると思います。
Surface Book 2の15インチ版のほうはほとんど画像が公開されておらず、この記事でしっかり紹介することができません。トップ画像は15インチ版のものですが、キーボード面の余白部分が13.5インチ版より大きいということと、テンキーはついていない、ということが分かる程度でしかないですね。ただ、デザインは13.5インチ版と共通です。
最後に15インチ版のサイズ感について。横幅343 mmというのは悪くないです。というかかなりコンパクトな部類に入ると思います。また、縦(短辺)の251 mmというのも、この製品のディスプレイがアスペクト比3:2(一般的なノートPCよりも正方形に近い形状です)であることを考慮すると、それほど大きくはありません。ただ、重量はさすがに重いですね。スタンダードノートとしてみれば決して悪くはありませんが、1.9 kgというのは毎日持ち歩くのは少し大変かもしれません。13.5インチのほうも決して軽量とは言えませんが、筐体構造が特殊なわりには健闘していると思います。
3.価格など
Microsoft Surface Book 2はMicrosoftストアで販売中ですが、15インチ版は4月6日が発売日となり、現在は予約注文受付中というステイタスです。価格は下記のとおりです。
13.5インチ:
Core i5/RAM8GB/256GB SSD: 200,664円
Core i7/GTX1050/RAM8GB/256GB SSD: 262,224円
Core i7/GTX1050/RAM16GB/512GB SSD: 336,744円
Core i7/GTX1050/RAM16GB/1TB SSD: 397,224円
15インチ:
Core i7/GTX1060/RAM16GB/256GB SSD: 306,504円
Core i7/GTX1060/RAM16GB/512GB SSD: 354,024円
Core i7/GTX1060/RAM16GB/1TB SSD: 401,544円
となっています。決して気軽に買える値段じゃないですね。しかし、こうして価格を見てみると、15インチ版のほうは13.5インチ版に比べ、かなり割安な印象があります。ディスプレイサイズが大きくなり、GPUもGTX1050からGTX1060 に変更されてこの価格差ですからね。旧モデルを実機レビューした経験で言うと、高いだけの価値は十分にある製品だと思います。だからといって自分が買える値段だとも言いませんけどね…。
コメント
結構値が張りますねえ。
こんにちは、コメントありがとうございます。結構どころじゃなくて、かなり値が張ると思います。それだけの凝った構造ではありますので、予算があればいい買い物になるとは思いますけどね。私なんかはちょっと無理。
studio に期待