レノボがMWC2023(@バルセロナ)開催に合わせ、ThinkPadシリーズなどPCのニューモデルを発表しました。ThinkPadシリーズについてはニューモデルが確実に国内販売されますので、国内で発表されてから記事にするほうがいい(国内仕様のスペックやバリエーションモデルについて正確に説明できるため)、と思っているのですが、このX13シリーズについては「かなり大きく変わった」ので、判明している範囲でご紹介します。この他に「Zシリーズ/Eシリーズ」も変更点が多いと感じられますので、別途記事にする予定です。
1.ThinkPad X13 / X13 Yoga Gen 4 概要
スペック表
ThinkPad X13 Gen 4 | |
OS | Windows 11 Pro |
CPU |
第13世代Intel Core i5/Core i7のP型番/U型番 AMD Ryzen 7040シリーズ ※YogaはIntel CPUのみ |
GPU | なし |
RAM | 最大32GB LPDDR5 4800 |
ストレージ | 最大2TB PCIe Gen4 SSD |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ |
13.3インチOLED (2,880 x 1,800) 90Hz 13.3インチ IPS(1,920 x 1,200) 13.3インチ IPS(1,920 x 1,200)タッチ ※Yogaは1,920 × 1,200 タッチのみ |
ネットワーク |
Wi-Fi6E(802.11a/b/g/n/ac/ax)、Bluetooth5.2 5G/LTE(オプション) ※Yogaは5Gの設定なし |
入出力 | USB Type-C(Thunderbolt 4)× 2、USB 3.2 Gen1 Type-A × 2、オーディオジャック、HDMI、nanoSIMスロット(オプション) |
カメラ | Webカメラ(720p/1080p/5MP)顔認証対応可 |
バッテリー | 41Wh/54.7Wh |
サイズ |
X13:301.7 × 214.8 × 15.95 mm Yoga:301.7 × 214.8 × 16.4 mm |
重量 | X13:1.14 kg~/ Yoga:1.2 kg~ |
スペック表の注意点
X13 Gen 4はIntel版とAMD版があり、X13 Yoga Gen 4はIntel版のみが発表されています。また、メーカー発表のデータシートはX13 Gen 4のIntel版およびX13 Yoga Gen 4のみが公表されています。上記スペック表は公表されているデータシートをもとに作成しており、X13 Gen 4のAMD版については細かい仕様が異なっている可能性があります。
なお、下にリンクした「Virtual Showcase」でデータシートを入手できますが、この記事では直リンクは控えます。
コメント
CPUはIntel版が第13世代Core i5/Core i7の省電力タイプ(U型番)もしくはバランスタイプ(P型番)、AMD版がRyzen 7040シリーズです。Ryzen 7040シリーズというのはCPUと内蔵GPUのアーキテクチャがCPU:Zen4、GPU:RDNA4と最新になっており、従来型番から大きく性能アップを果たしていると思われます(この記事執筆時点で搭載機は出回っておらず、ベンチマークスコア等も確認できません)。
RAMは最大で32GB、SSDは最大で2TBと開示されており、日本仕様ではRAM8GBとか16GB、SSD256GBとか512GBといった容量も選べるものと思います。
ディスプレイは(上のスペック表では3種類になっていますが)下記から選択できます。
X13:
IPS(1,920 x 1,200)300nit
IPS(1,920 x 1,200)300nit、タッチ
IPS(1,920 x 1,200)400nit、省電力、アイセーフ(ブルーライトカット)
有機EL(2,880 × 1,800)400nit、DCI-P3、Dolby Vision、True Black500、アイセーフ、リフレッシュレート90Hz
※すべて13.3インチで100%sRGB対応、ノングレア(非光沢)
X13 Yoga:
IPS(1,920 x 1,200)300nit、ノングレア
IPS(1,920 x 1,200)300nit、反射抑制
IPS(1,920 x 1,200)400nit、ノングレア、省電力、アイセーフ
※すべて13.3インチで100%sRGB対応、タッチ対応
X13では有機ELの2.8K解像度が選べますね。また、全タイプで100%sRGBになっているのもうれしいところです。
筐体は変わりました。上の画像はX13 Gen 4のものですが、X13/X13 Yogaとも「Deep Black」と「Storm Grey」が選べます。また、キーボード部分の拡大画像が入手できなかったのですが、キーボード面の両端にスピーカーグリルがあります。ここも従来モデルにはなかった構造です。
上部ベゼル部分に「コミュニケーションバー」が新設され、カメラもHD解像度、FHD解像度、そして5MPで顔認証対応のものが選択できます(X13 YogaはHD解像度の設定なし)。もちろんプライバシーシャッターがつき、構造上ヒンジの開口も容易になりました。
それと、筐体素材も変更されています。X13 Yogaでは天板・キーボード面・底面にはリサイクルマグネシウムが90%使用され、X13では天板と底面にリサイクルアルミニウムが50%~55%、キーボード面にはX13 Yogaと同様にリサイクルマグネシウムが90%使用されます。それ以外の部分(スピーカーエンクロージャなど)でも再生素材が多用されています。
ポートの配置は従来モデルから変更されましたが、ポート構成は基本的に従来モデルと変わりません。Thunderbolt 4が2つあるのがうれしいですね。また、上の画像は5G/LTEモデルのもので右側面(画像上)にnanoSIMスロットがありますが、Wi-FiモデルにはSIMスロットはありません。
それと、X13 Yoga Gen 4の右側面の左端に赤い印があります。これは「ペンホルダー」です。レノボ製品でペン入力に対応するモデルにはペンが同梱されることが多く、X13 Yoga Gen 4にもペンが付属するものと思われます。
最後にサイズを確認してみます。
X13:
Gen 4:301.7 × 214.8 × 15.95 mm / 1.14 kg~
Gen 3:305.8 × 217.89 × 18.1-18.25 mm / 1.19 kg-1.31 kg
X13 Yoga:
Gen 4:301.7 × 214.8 × 16.4 mm / 1.2 kg~
Gen 3:305 × 213.9 × 15.94 mm / 1.2 kg~
全体的に「若干小さくなった」感があります。特に横幅が小さくなっていますので、左右ベゼルは従来モデルよりも細くなっていると思います。
2.ThinkPad X13 / X13 Yoga Gen 4 価格など
Lenovo ThinkPad X13 Gen 4 / X13 Yoga Gen 4はEMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカという意味ですが、MWC開催に合わせての発表なので、ヨーロッパと言う理解でいいと思います)7月に発売予定で、X13 Gen 4が1,190ユーロ(約171,900円)から、X13 Yoga Gen 4が1,290ユーロ(約186,300円)からを予定しているとのことです。
この製品はほぼ確実に日本でも発売されるはずで、発売時期は7月とか8月になると思われます。個人的にX13シリーズは「ThinkPadモバイルの定番」だと思っているのですが、2021年モデル(Gen 2)から2022年モデル(Gen 3)になった際に「ほぼCPUの変更のみ」にとどまっていて、ちょっと残念に感じられました。しかし、この2023年モデルでは大きく変更されましたね。日本で筐体色「Storm Grey」がどのくらいの人気になるのか、というのも興味深いところです。
3.関連リンク
Accelerate Digital Transformation in a Hybrid World with Latest Lenovo PC Solutions:Lenovo ニュースリリース(英語)
Lenovo MWC ’23 Virtual Showcase:Lenovo特設サイト
※Virtual ShowcaseでX13シリーズの製品概要を確認できます