Lenovo ThinkPadシリーズの2018年モデルから、今回は「T480s」を紹介します。「Tシリーズ」は「高いパフォーマンスと優れた耐久性を実現すべく、設計、開発されたフラッグシップモデルのノート PC」という位置づけを与えられており、ThinkPadシリーズの中でも高性能なモデルです。T480sと同時に「T480」「T580」というスタンダードノートも発売されていますが、T480sはモバイルノートの範疇となります。「X1 Carbon」と同一のディスプレイサイズながら、異なる性格を与えられていて、より性能コンシャスな人にはT480sのほうが向くと思います。
1.スペック
ThinkPadの見た目はどれも同じ、というのは言うまでもないことですが、この製品はディスプレイが14インチで軽量な筐体になっており、X1 Carbonに近いパッケージングになっています。
CPUはCore i5もしくはi7で、ビジネス利用を重視したvPro(組織内でのPCの一元管理に役立つ機能です)対応のCore i5-8350UとCore i7-8650U、一般的な上級ノートPCによく使われるvPro非対応のCore i5-8250UとCore i7-8550Uと、4種類を選択可能です。
X1 Carbonとの大きな相違点は外部GPUを搭載可能なことです。搭載できるのはGeForce MX150で、GeForceシリーズとしてはエントリークラスのものですが、ビジネスノートという性格を考えるとこれでも十分すぎるくらいの効果があると思います(もっぱらオンラインゲームをする、という場合には向きません)。
RAMは8GBから4GB刻みで最大24GBまで搭載可能で、ストレージも最大1TB SSDまで搭載できます。この製品はSSD専用モデルです。ここまで見ていくと、処理性能に関してはX1 Carbonと同等、カスタマイズの仕方によってはX1 Carbonを上回ると言えます。
ディスプレイは14インチで、販売代理店モデル(法人モデル)だとTN液晶を選べますが、直販モデルはすべてFHD以上のIPS液晶となります。また、FHD解像度を選択する場合、タッチ対応のディスプレイにすることも可能です。
入出力ポートもX1 Carbonよりも豊富です。Thunderbolt 3は1つだけになりますが(X1 Carbonは2つ)、有線LANポートを備え、SDカードもmicro規格ではなくフル規格となりますので、実用性としてはT480sのほうが上だろうと思います。
ただし、バッテリー稼働時間やサイズに関してはX1 Carbonに軍配が上がります。T480sのバッテリー稼働時間が13時間強であるのに対し、X1 Carbonは17時間を越えます。ともに急速充電に対応しており、「1時間で80%まで充電可能」ではあります。また、サイズに関しても、
X1 Carbon: 323.5 x 217.1 x 15.95 mm / 1.13 kg
T480s: 331 x 226.8 x 18.45 mm / 1.32 kg
となっており、T480sのほうが一回り大きく、重いです。しかし、X1 Carbonと比べてしまうとそういう評価になるものの、14インチサイズで1.32 kgというのは決して悪い数値ではなく、モバイル利用にも支障はないと思います。
2.筐体
この画像を見ると、X1 Carbonほどの絞込みがないことがわかります。要するにベゼル幅がX1 Carbonよりも太くなっています。これはサイズ比較をすれば予想のついたことですが、T480sのベゼル幅もそんなに太くはないですよね。
T480sの筐体色はブラックのみです。その意味ではThinkPadらしいですね。天板もご覧の通り、誰が見てもThinkPadです。筐体素材は不明ですが、カーボンじゃないでしょう。しかし、ThinkPadの名を冠している以上、筐体の頑丈さについては心配する必要はないと思います。
キーボードです。これこそまさに金太郎飴、といいますか、ThinkPadシリーズそのもので、コメントのしようがないです。T480sも日本語配列と英語配列を選択可能で、それぞれバックライトの有無も選べます。ThinkPadのキーボードは非常に品質が高く、英語配列を選択できるというのが魅力です。
側面です。有線LANポートを備えている割には薄型になっています。また、電源(DC-IN)コネクターはUSB Type-Cですね。ポートに関してはモバイルノートとしてはトップクラスと言えるでしょう。
他のThinkPadシリーズと同様、ヒンジは180度開口します。
なお、この製品もドッキングステーションに対応します。ThinkPadシリーズのドッキングステーションは特定の製品専用ではなく、シリーズ共通となります。しかし、X1 Carbonの紹介記事でも触れたとおり、リニューアルされたドッキングステーションについてはまだ製品ページがありません。T480sくらいの高性能機であれば、ドッキングステーションを活用して、自宅ではデスクトップPC、出先ではノートPCという感じで快適に使うことができると思います。
3.価格など
Lenovo ThinkPad T480sはLenovo直販サイトで販売中で、2月12日現在のクーポン価格は税込み143,640円から、となっています。ちなみに、処理性能重視で「Core i7-8550U/GeForce MX150/RAM16GB/256GB SSD/FHDディスプレイ」という構成だと196,582円になりました。
X1 CarbonとT480s、実機を2台並べて比較するといろいろな違いを見いだせると思います。しかし、公開情報だけで評価すると「筐体のX1 Carbon、性能のT480s」って感じでしょうか。手に取った際の質感はカーボンを使っているX1 Carbonのほうが上だろうと思いますし、薄型軽量という点でもX1 Carbonのほうが上ですが、T480sは外部GPUを搭載可能ですし、入出力ポートに関してもレガシーな規格を使っているため、性能面とかビジネスシーンでの使い勝手という点ではX1 Carbonを凌ぐでしょう。
価格帯はそんなに大きくは違わないので、購入を検討している人は大いに悩むことになるのかもしれませんね。
コメント
キーストローク3mm以上のノートPCが欲しい。。。
こんにちは、コメントありがとうございます。OMEN Xでも2.5 mmですからねえ。3 mmとかだと筐体サイズがかなり大きくなっちゃいそう。
14インチって絶妙なサイズ感だと思うんです。
これで重量も1.3kgくらいとなると、「持ち運べる満足のいく画面サイズのノート」
ってことで個人的にはとても欲しいです。
・・・・・・今使っているノートが壊れでもしないと買えませんが・・・・・・。
m.os.otaさん、こんにちは、コメントありがとうございます。いただいたコメントの続きは「でも、今使ってるノートが壊れたら壊れたでさびしい」でしょ?
実はX1 Carbonも外部GPU使えるんですよ(使えるようなオプションが)
Lenovo Thunderbolt 3 Graphics DockをつけるとGTX1050が増設できます
GPUが必要なのは屋内くらいだと思うのでDockにGPUが入っている方が
いいのかもとw
Lenovoはもっとこのドックを宣伝してもいいと思うのですが、、、
こんにちは、コメントありがとうございます。情報をいただき、助かります。そういえばiiyamaでもGPU Boxを販売していて、Thundebolt 3を装備するパソコンなら他社製品でも互換する、って話でした。
金太郎飴の件は私には理解不能ですが、それ以外のところで少し気になるところを・・・
>RAMは8GBから4GB刻みで最大24GBまで搭載可能で
確かにそうなのですが、せっかくご自身の言葉で書かれるのあらばもう少し細かく書かれた方が・・・
まずオンボードでメモリが積まれています。なし、4GB、8GBです。
これにメモリスロットが1つあり、ここにメモリが挿せます。現状では16GBまでですので、8+16=24GBですね。
ということで、今後、メモリを増設したい方は、オンボードで8GBの状態で購入した方が良いと言うことですね。ただ、現状のカスタマイズではオンボードだけで8GBスロットは空きという構成は出来ないようなので、将来的に24GBめい一杯まで増設する必要がなければあまりオンボード8GBにこだわる必要がないかも。
>処理性能に関してはX1 Carbonと同等、カスタマイズの仕方によってはX1 Carbonを上回ると言えます。
カスタマイズするまでもなく、X1 CarbonはメモリがLPDDR3 2133MHz,
T470sはPC4-17000 DDR4、でメモリ性能が異なります。X1 Carbonはバッテリの駆動時間を考えてLPDDR3なのでしょうね。
>筐体素材は不明ですが、カーボンじゃないでしょう。
T460sの時からカーボンです。筐体もほぼ同じようですのでT480sもカーボンだと思います。ただ、X1 Carbonとは手触りが違いますが、カーボンといっても成分が違ったり塗装が違っているからだと思います。
ちなみにサイズに関して言えば、T470sのサイズは一回り大きいですがX1 Carbon 2016までのサイズとほぼ同じです。厚みは違いますが。X1 Carbonは2017から小さくなっています。
後、性能で言えば同じ14インチならばE480の方が性能が上ですね。メモリスロットは2つあるので32GBまで積め、しかも同容量ならデュアルアクセスになるでしょうし、GPUはRadeon RX 550なのでMX150より性能は上です。
個人的にはAMD(ATI)のドライバの完成度はイマイチだし、CUDAに最適化されているアプリもありますので多少の性能差ならnVIDIAの方を選びますが。
コメント書いても表示されませんね・・・承認制でしょうか?
コメントを入れても承認されず無視されるというのが本当に理解できないのですが・・・
>キーボードです。これこそまさに金太郎飴
金太郎飴のキーボードが意味不明なので説明をされてはどうでしょうか?
こんにちは、いただいたコメントがスパムフォルダに入っており、公開が遅れましてすみません。金太郎飴というのは「ThinkPadシリーズのキーボードはすべて同じデザインである」という意味です。それに同意されるかどうかは読者それぞれのご判断であり、議論の俎上に載せるべき問題ではないと思います。