レノボがThinkPad Tシリーズの「T14」「T14s」にAMD版を追加しました。いずれもモバイルノートとして使える14インチサイズの製品ですが、私、かねてより「T14とT14sでどこがどう違うんだ?」ということでちょっと混乱していました。Intel版の紹介記事を掲載した際にある程度両者の違いを整理できていたと思うんですけど、時間が経つと忘れてしまい、セール情報記事でT14とT14sをご紹介するたびに再確認している、という感じです。
今回はT14とT14sを一本の記事にまとめ、両者の相違点について触れながらご説明していきます。
なお、Intel版についてはこちらの記事をご参照ください
1.ThinkPad T14 / T14s スペック
スペック表
ThinkPad T14 Gen 4 (AMD) / T14s Gen 4 (AMD) | |
OS | Windows 11 Home / Pro |
CPU | AMD Ryzen 5 PRO 7540U/Ryzen 7 PRO 7840U |
外部GPU | なし |
RAM | 16GB/32GB(オンボード, LPDDR5X-6400MHz) |
ストレージ | 256GB/512GB/1TB/2TB SSD(M.2 2280 PCIe-NVMe Gen4) |
ディスプレイ | 14インチIPS(1,920×1,200)など 詳細は下記に記載 |
ネットワーク | Wi-Fi 6E(ax/ac/a/b/g/n)、Bluetooth5.2、(LTE/5G) |
入出力 | USB4 Type-C、USB3.2 Gen2 Type-C、USB3.2 Gen1 Type-A × 2、HDMI LAN(RJ45)、オーディオジャック、nanoSIMスロット(オプション) ※T14sのType-CポートはUSB4×2 ※T14sはLANポートなし |
カメラ | Webカメラ(720p/1080p/5MP 顔認証対応) ※T14sは720pの設定なし |
バッテリー | T14:39.3Wh/52.5Wh、T14s:57Wh |
サイズ | T14:317.7 x 226.9 x 17.9 mm T14s:317.5 x 226.9 x 16.9 mm |
重量 | T14:1.35kg~/ T14s:1.26 kg~ |
サイズはすべて14インチ
・IPS(1,920×1,200)45%NTSC, 300nit, 60Hz
・IPS(1,920×1,200)45%NTSC, 300nit, タッチ
・IPS(1,920×1,200)100%sRGB, 400nit, 60Hz, 省電力
・IPS(1,920×1,200)500nit, タッチ, Think Privacy Guard
・IPS(2,240×1,400)300nit, ブルーライト軽減パネル
・OLED(2,880×1,800)400 nit, HDR500, 100%DCI-P3, 反射防止
コメント
T14/T14sのいずれも注文時にシステム構成のカスタマイズが可能です。OSはHome版とPro版を選べ、CPUはZen4/RDNA3アーキテクチャのRyzen 5 PRO 7540U/Ryzen 7 PRO 7840Uを選択できます。
RAMは16GB/32GBで、オンボードメモリなので購入後の増設・換装はできません。SSDは256GB/512GB/1TB/2TBから選択可能ですが、レノボはSSDのカスタマイズ料金が高く、例えば標準構成の512GBを2TBにすると定価ベースで167,200円、割引価格ベースで約110,000円というカスタマイズ料金になってしまいます。
ディスプレイは14インチで6種類もの選択肢があります。基本IPS液晶のWUXGA(1,920 × 1,200)解像度ですが、2.8K解像度の有機ELパネルにすることもできます。
T14とT14sの違いは「思ったよりも少ない」です。入出力ポートでT14のみ有線LANポートを装備しているという点とUSB Type-Cポートの規格が少し異なるくらいですね(ポート画像は下に掲載します)。
あと、思ったより「差が小さい」と感じたのは筐体サイズ・重量です。なんとなく「T14はやや厚みがあって重く、スタンダードノート寄り、T14sは薄型で軽く、モバイルノート寄り」と理解していたのですが、このサイズ差なら「どっちもモバイルノート」でいいんじゃないかと思います。
2.ThinkPad T14/T14s 筐体
もともとThinkPadシリーズはモデルごとのデザインの共通性が高く(要するにみんな同じ見た目、という意味です)、画像を見ただけだと機種名を特定するのが難しいのですが、T14とT14sはタテ・ヨコサイズがほぼ同じで、厚さが1ミリ異なる程度なので、ほとんど違いがわかりません。ただし、筐体色は微妙に違っていて、T14は「サンダーブラック」という聞き慣れない色名、T14sは「ブラック」です。
この画像はT14のほうですが、T14sも全く同じデザインです。両者の識別が困難なだけでなく、このアングルから見てThinkPadの機種名を特定するのは「超マニアレベル」の問題になるでしょう。
なお、キーボードの拡大画像が製品ページにありませんでしたが「フルサイズ・キーボード(6列)、89キー( Fnキー、PgUpキー、 PgDnキー、Windowsキー)、JIS配列、TrackPoint、ThinkPadクリックパッド」と開示されており、カスタマイズで日本語配列と英語配列を選べ、基本バックライトがつきますが、T14ではバックライトなしも選べます。おそらくT14とT14sで同じキーボードが使われていると思います。
側面と入出力ポートの配置です。こうして見比べるとT14sのほうが薄いですよね。ポート構成ではUSB Type-Cポートの規格が異なり、T14は「USB4とUSB3.2 Gen 2」であるのに対し、T14sは「USB4が2つ」です。また、T14のみ有線LANポートを装備しています。
3.ThinkPad T14 / T14s 価格など
Lenovo ThinkPad T14 Gen 4 (AMD)とT14s Gen 4 (AMD)はレノボ直販サイトで販売中で、10月7日現在の価格はT14が189,486円から、T14sが202,554円から、となっています。「表示されている最低価格」はIntel版のT14/T14sよりも高いですが、AMD版は最低価格のモデルでも「Ryzen 7/RAM16GB/512GB/ 2.2K液晶」という構成で、カスタマイズでさらに安く仕上げることもできますし、別にカスタマイズしなくても十分すぎる構成とも言えます。
ここからは個人的な感想です。結局のところ「ちょっと厚くて重いけれど有線LANポートがあるT14にするか、T14よりも少し薄くて軽いが有線LANポートがないT14sにするか」ということになるんじゃないかな、と(もちろんこれ以外にも構成の相違点はありますけどね)。
4.関連リンク
ThinkPad T14 Gen 4 (AMD):Lenovo
ThinkPad T14s Gen 4 (AMD):Lenovo