LenovoがCPUにAMD Ryzen 5 3500U/Ryzen 7 3700Uを搭載する15.6インチノート「ThinkPad E595」を発売しました。ThinkPadシリーズには従来からRyzenを搭載するモデルがいくつかラインナップされていて、5月11日現在だと12.5インチのA285、14インチのA485、そして15.6インチのE585が販売中(型番末尾の3桁の数字の「1の位」が「5」なのがRyzen搭載機です)ですが、今回紹介するE595はE585の後継機種と言えます。
1.スペック
E595はE585の後継モデルであると同時に、IntelのCPUを搭載する「E590」の「CPU違い」のモデルでもあります。そして、E585、E590、E595とも筐体サイズが全く同じで、入出力ポートの配置も変わりません。私達がこの3機種の購入検討をする場合、基本的には「CPUをどれにするか」という視点で選べばいいということです。
そのCPUですが、E595には「第2世代のRyzenモバイル」が搭載されます。Passmarkにベンチマークスコアが公開されていましたので掲載します。
Ryzen 5 3500U: 7,507
Ryzen 5 2500U: 7,333
Core i5-8265U: 8,134
Ryzen 7 3700U: 6,092
Ryzen 7 2700U: 7,353
Core i7-8565U: 9,063
※5月11日現在のPassmark公表値。数値が大きいほうが高性能
まず、Ryzen 7 3700Uのスコアがやたらと低くなっていますが、これは「サンプル数が1」ということに要因があると思われます。また、Ryzen 5 3500Uのほうもサンプル数は9しかありませんので、この先もう少しスコアが変動するでしょう。
PassmarkのスコアだとRyzenはWhiskey LakeのCore i5/Core i7の後塵を拝している格好になりますが、ウインタブの経験上、グラフィック性能を重視するテストをした場合、Core i5/Core i7よりもRyzenのほうが高いスコアになるのではないか、と思っています。
第2世代のRyzenモバイルについては北森瓦版に紹介記事がありましたので、詳しくはこちらをご覧ください。
Ryzen Mobile 3000 seriesが正式発表される:北森瓦版
E595に限った話ではなく、ThinkPadシリーズは注文時に構成のカスタマイズが可能です。カスタマイズ範囲はかなり広く、ノートPCとしては最もフレキシブルに構成のカスタマイズができる製品ブランドと言えます。
RAMは4GBから32GBまで、ストレージは128GBから512GBまでのSSDを搭載でき、さらに500GBから2TBまでのHDDを増設注文することができます。また、国内向け製品としては珍しく、ディスプレイもTN液晶のHD解像度とIPS液晶のFHD解像度を選べます。個人利用の場合、迷わずIPS液晶にすべきか、と思います(差額が4,320円ですし)。なお、タッチ対応ディスプレイの設定はありません。
入出力ポートはE585、E590と同一の構成です。USBポートは合計で4つ、有線LANポートも備えます。また、HDMIのほか、USB Type-Cポートも映像出力に対応しています。ちょっと残念なのはSDカードリーダーですね。15.6インチなので、できればmicro規格ではなくフル規格にしてもらいたかったところです。
サイズは大きすぎるということもありませんが、最新の15.6インチノートとしてはそれほど小さいほうではありません。この製品(Eシリーズ)の上位モデルとなるTシリーズの最新モデル「T590」だと重量が1.74 kgに抑えられていますしね。
2.筐体
E595の、というかE590も含め、2019年モデルとなっても筐体は前世代のものから変わっていません。T590がT580からかなりの軽量化を実現したのとは対照的ではあります。ただし、「この製品はThinkPad」なので、コンパクト化とか軽量化よりも堅牢性とかキーボードなどの使い勝手が優先されていると理解しておきましょう。
それと、E590では設定のあった「シルバー」の筐体色は、少なくとも5月11日現在は設定がありません。でも、ThikPadといえば黒ですよね?
他のThinkPadシリーズと同様、この製品もヒンジを水平位置(180度)まで開口可能です。また、キーボードの拡大画像が入手できませんでしたが、15.6インチサイズということもあり、テンキーを備えています。もちろん赤いデベソ(トラックポイント)もついています。
キーボードは注文時に英語配列と日本語配列を選べます(ただし、英語配列はプラス3,240円かかります)。バックライトは装備されていないようですが、ThinkPadのキーボードにハズレはありません!と断言しておきます。
側面と入出力ポートの配置です。ポートの数と種類については申し分なく、ビジネスシーンで不足を感じる場面はほとんどないでしょう。
3.価格など
Lenovo ThinkPad E595はLenovo直販サイトで販売中で、5月11日現在の価格は税込み82,296円から、となっています(週末のセール価格です)。ただし、82,296円のシステム構成は「Ryzen 5/RAM8GB/256GB SSD/FHDディスプレイ」なので、「選択しうる最低の構成」ではなく、カスタマイズによってより安くすることができます。最低価格だと税込み67,392円ですが、この構成は「Ryzen 5/RAM4GB/128GB SSD/HDディスプレイ」なので、ウインタブ的には、RAM8GBとFHDディスプレイにはしておいたほうがいいのでは?と思います。
現状ThinkPadシリーズは2018年モデルと2019年モデルが併売されている状況で、必ずしも2019年モデルにしなくちゃダメ、ということはありませんが、もはやE585はモデル末期的な様相を呈していて、Ryzen 7しか選べず、割引率も大差ないので、Ryzen搭載の15.6インチを購入するのであればE595のほうが良さそうです。
4.関連リンク
ThinkPad E595:Lenovo