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Lenovo ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Edition(14型 Intel) - 黒くない、赤いデベソもない、でも魅力的!

Lenovo

Lenovo ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Edition レビューレノボのノートPC「ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Edition」の実機レビューです。ビジネスノートPCとして高い評価を受けているThinkPadシリーズの一員ですが、「いつものThinkPadとは違う」特徴があります。デザイン、特にキーボードが「ThinkPadじゃない」んですよね。実は私も古くからのThinkPadファンでして、X9シリーズをひと目見たときに「少なからぬ違和感」がありました。しかし、実機を試してみると「いやこれ立派にThinkPad」ですね!

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なお、このレビューはメーカーからレビュー機をお借りして実施しています。

ここがおすすめ
・従来のThinkPadシリーズから一新されたデザイン
・CPUにIntel Lunar Lakeを搭載するCopilot+ PC
・発色がよく、2種類の解像度を選べる有機ELディスプレイ
・スピーカーの音質は抜群!
・気持ちよくタイピングできるキーボード
ここがイマイチ
・ThinkPadらしさのない筐体は既存ユーザーには不満か
販売サイトはこちら
iconThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Edition(14型 Intel):Lenovo

1.製品概要

スペック表

  ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Edition
OS Windows 11 Home/Pro
CPU Intel Core Ultra 5 226V/228V/238V
Core Ultra 7 258V/268V
※238Vと268VはvPro対応
外部GPU なし
RAM 16GB/32GB(LPDDR5x 8533MT/s、オンパッケージ)
ストレージ 256GB/512GB/1TB/2TB SSD(M.2 2242 PCIe Gen4x4)
光学ドライブ なし
ディスプレイ 14型OLED(2,880 × 1,800)120Hz, タッチ
14型OLED(1,920 × 1,200)60Hz
ネットワーク Wi-Fi 7(a/b/g/n/ac/ax/be)、Bluetooth 5.4
入出力 USB4 Type-C(Thunderbolt 4)× 2
USB3.2 Gen2 Type-A
HDMI2.1、オーディオジャック
※USB Type-Aは15.3型モデルのみ装備
カメラ Webカメラ(1080p/4k)顔認証対応
バッテリー 55Wh
サイズ 311.8 × 212.3 × 6.7-17.18 mm
重量 1.24 kg / 15:1.4 kg

コメント

製品名に「Aura Edition」とありますが、これは「レノボとIntelが共同開発した製品」であることを意味します。ということで、CPUはIntelのCore Ultraシリーズ2(Lunar Lake)で、5つもの型番から選ぶことができます。

・Core Ultra 5 226V:RAM16GB
・Core Ultra 5 228V/Core Ultra 7 258V:RAM32GB
・Core Ultra 5 238V/Core Ultra 7 268V:RAM32GB, vPro対応

Lunar LakeはCPUとRAMがパッケージ化されています。そのため、ThinkPad X9 Gen 1のカスタマイズ画面でCPUを選ぶと自動的にRAM容量も決まります。また、購入後にDIYでRAM容量を変更することもできません。

それと、Core Ultra 7 258V/268Vは法人などの組織でPCを一元管理する際に役立つvProに対応していますが、個人利用の場合はvProが必要な場面はほぼありませんし、CPU価格も高価なので、個人購入の場合はこの2つの型番は避けるほうがいいでしょう。

ストレージ容量とディスプレイはカスタマイズ項目です。特にディスプレイはすべて有機ELパネルを採用しており、1,920 ×1,200と2,880 × 1,800の2種類の解像度を選べます。また後者はタッチ対応し、リフレッシュレートも120Hzと高速です。

レビュー機の構成

レビュー機の構成は「Windows 11 Home/RAM16GB/256GB SSD/1,920×1,200ディスプレイ」でした。ThinkPad X9 14 Gen 1の中では最もベーシックなグレードです。

では、筐体から見ていきましょう。

2.外観と使用感

ACアダプター

Lenovo ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Edition ACアダプター

ACアダプターは出力が65WのものでPC本体とはUSB Type-Cで接続、実測重量は電源ケーブル込みで214 gでした。モバイルノート用としてはやや軽いほうです。

ケース

Lenovo ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Edition スリーブケース

レビュー機に同梱されていた「Lenovo 14インチ オリガミ スリーブケース(ThinkPad X9)」です(付属品ではなくオプション品)これ、かなり面白いケースでした。当然スリーブケースとして普通に使えるのですが…

Lenovo ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Edition スリーブケース

このようにケースのフタの部分を変形させるとノートPCスタンドとして使えます。この画像だと少し歪んでいるように見えますが、実際の使用感は悪くなく、十分に実用性があると感じられました。

天板と底面

Lenovo ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Edition 天板

天板です(画像のピントがあっておらず、申し訳ありません)。筐体色はThinkPadシリーズ定番のブラックではなく「サンダーグレー」という濃いグレーです。しかし、ロゴの位置などは他のThinkPadシリーズと同じです。この筐体は金属製でMIL規格(MIL-STD-810H)の堅牢性を備えています。

Lenovo ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Edition 底面

底面です。ここ、かなり特徴的なデザインになっています。画像上部に黒い帯のようなものが見えますが、レノボによればこの部分は「すべての重要なコンポーネントをボトムカバー内に収めた革新的なエンジンハブデザイン」とのことです。

Lenovo ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Edition 底面スピーカー

このように突起になっていて、ここに冷却ファンなどが収められています。

側面

Lenovo ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Edition 前面

前面

Lenovo ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Edition 背面

背面

前面と背面です。こちらにはポート類・ボタン類はありません。

Lenovo ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Edition 右側面

右側面

右側面です。上で説明したボトムカバー(エンジンハブデザイン)のところにUSB Type-C(Thunderbolt 4)とイヤホンジャックがあります。

Lenovo ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Edition 左側面

左側面

左側面です。こちらにはHDMIとUSB Type-C(Thunderbolt 4)。ThinkPad X9 14 Gen 1はThunderbolt 4を2つ装備していますが、USB Type-Aポートはありません。お手持ちの周辺機器で「まだType-Aのものが現役」という人は多いと思いますし、ビジネスシーンでType-Aポートが必要になる場面もあると思いますので、「ThinkPadなのであればType-Aは欲しかった」ですね。

キーボード

Lenovo ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Edition キーボード

「注目の」キーボードです。「全然ThinkPadじゃない」ですよね。メーカーの開示では「フルサイズ・キーボード (6 列)、85 キー 、JIS 配列、触覚タッチパッド、バックライト・キーボード」となっています。また、他のThinkPadシリーズと同様に英語配列も選べます。

Lenovo ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Edition キーボード拡大

キートップのへこみ具合が異なります。また、私が持っているThinkPad X13 Gen 4のキーボードよりもストロークは浅いです。バックライトは明るさ2段階、オートモードもあり。

私はThinkPad愛用者ですが、このキーボードの出来が悪い、とは思いません。打鍵感はThinkPadのそれとは異なるものの「気持ちいい」ものですし、キーピッチ(手採寸で19 mm)も妥当、打鍵音も静かで長時間のタイピングでも疲れません。キータッチ(キートップの形状)が異なりますが、押下圧もほぼ同じくらいと感じました。

また、タッチパッドもガラス製で手触りは非常になめらかです。なので「タイピングしやすい、使いやすいキーボード」を求めている人であれば満足できるはず。ただし、トラックポイントはなく、タッチパッド上部の物理ボタンもありませんので、これまでトラックポイントや物理ボタンに慣れ親しんできた人には不満が残るでしょうね。

ディスプレイ

Lenovo ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Edition ディスプレイ

ディスプレイは14インチの有機ELパネル、解像度は1,920 × 1200と2,880 × 1,800を選べます(レビュー機は1,920 × 1,200)です。そして、有機ELディスプレイとしては珍しく「非光沢」です。

「HDR500 True Black, 100%DCI-P3, 400 nit, 60Hz, ブルーライト軽減パネル」と開示されており、発色は素晴らしいです。ただし、一般に有機ELディスプレイは「光沢タイプ」で、発色が超鮮やか!と感じられるのに対し、X9 14は非光沢タイプということもあり「超鮮やか」という感じではありません。

手持ちのPCモニター(IPSパネルで99%sRGBの発色品質)と比較して、劣っている感じは全くありませんが、「大差ない」という感じでした。しかし「これでいい」です。モバイルノートは場合によって作業場所を思い通りに選べず、光沢タイプの場合、作業場所によっては映り込みが激しくなり、視認性が悪くなって作業に集中できないケースもあり得ます。

その点非光沢タイプであれば(程度問題はありますが)、光源の位置によって視認性が悪化するなどのリスクが少なくなります。なので、多少発色面で不利であってもX9 14のディスプレイ仕様は「正解」ですね。

なお、ThinkPad X9 14 Gen 1のWebカメラはすべて顔認証に対応します。

その他

Lenovo ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Edition ヒンジ最大開口

ヒンジは水平位置(180°)開口します。

カメラ・マイク・スピーカー

まず、いつもの実機レビューと同じく、ブラウザー上でYouTubeの音楽を視聴してみました。…音質は「ヤバい」です。とてもノートPCのスピーカーとは思えないレベル。低音もしっかりと聞こえますし、全体的にとにかくクリア。ウインタブの経験上、ノートPCの内蔵スピーカーとしては最高水準です。というか最近、レビュー機のスピーカーについて「過去最高水準」という表現を乱発しているんですが、実際、各社のノートPC上位モデルの内蔵スピーカーの音質向上は目覚ましく、ある程度音質を気にする人でも外付けのスピーカーとかヘッドセットなしで十分快適に使える製品が増えたと思います。

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Lenovo ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Edition Dolby Access

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音響アプリはDolby Access。利用シーンに応じた音質の調整が可能です。また、イコライザーもついていますので、お好みの音質にすることができます。

Lenovo ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Edition Lenovo Commercial Vantage

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設定アプリのLenovo Commercial Vantageはその名の通り「ビジネスに向く」各種設定が可能で、マイクやスピーカーのノイズキャンセリング設定はこのアプリで行います。

Lenovo ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Edition Windowsスタジオエフェクト

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一方でWebカメラについてはWindowsの設定アプリから行います。ThinkPad X9 14 Gen 1はCopilot+ PCではありませんが、「Windowsスタジオエフェクト」が使え、ズームやコントラストなどの基本設定のほか、自動フレーミングとアイコンタクト機能もあります。

Webカメラやマイクの設定についてはZoomなどのWebコミュニケーションアプリでも相当な調整ができるようになっており、PC側でどこまでの調整項目が必要か、というのはなんとも言えませんが、X9 14 Gen 1については「カメラとマイク」について充実した機能を備えていると評価します。

3.Lenovo TWS イヤホン(ThinkPad X9)

Lenovo ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Edition イヤホン

これ、完全なオプション品です。製品名に「X9 Edition」とあるように、(普通にBluetoothイヤホンとしてPCやスマホと接続して使えますが)X9シリーズとの組み合わせでさらに充実した機能が使えます。

で、「完全なオプション品」ではあるのですが、Lenovoではしばしば「クレイジーキャンペーン」と称したキャンペーンを開催しており、キャンペーン期間中だと「110円(マジです。通常価格は13,200円)」でセット購入ができます。

Lenovo ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Edition イヤホン

Lenovo TWS イヤホン(ThinkPad X9)のケース

Lenovo ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Edition イヤホン

Lenovo TWS イヤホン(ThinkPad X9)の本体

本体に細長いバーがついた「うどんタイプ」のイヤホンで、X9 14 Gen 1のほか、手持ちのノートPCやスマホに接続して使ってみましたが、音質も良好です。私の好きな重低音にも強いと感じました。

Lenovo ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Edition Lenovo Commercial Vantage

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ただし、このイヤホンは独立した設定アプリがありません(ウインタブ調べ)。SOUNDPEATSなどのイヤホンメーカーの製品の場合、スマホアプリが用意されていることが一般的ですが、このイヤホンについては「ThinkPad X9シリーズのLenovo Commercial Vantage」で細かい設定を行います(私のThinkPad X13 Gen 4のCommercial Vantageでは設定項目が表示されませんでした)。

設定アプリなしでもタッチ操作で音量調整や曲送り、ノイズキャンセリングのオン/オフなど基本的なことはできますが、やはりフル機能を使うためにはX9シリーズが必要となります。

ということで、X9シリーズと同時購入される場合にはおすすめできますし、特にPC購入時期がキャンペーン期間内であれば(110円になるので)買わない理由はないです。

4.性能テスト

 

ベンチマークテスト

レビュー機のスペックは「Windows 11 Home/Core Ultra 5 226V/RAM16GB/256GB SSD」でした。Core Ultra 5 226VはCore Ultraシリーズ2(Lunar Lake)の型番で、ウインタブでは初めてのテストとなります。

また、ThinkPadシリーズにインストールされている設定アプリ「Lenovo Commercial Vantage」にはCPUのパフォーマンスを上げるとか、ファン風量を強制的に最大にするといった機能はありません。

ベンチマークテストの実施に当たり、レビュー機を電源に接続し、Windowsの設定にある電源モードを「最適なパフォーマンス」にしました。

Lenovo ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Edition PC Mark

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表計算ソフトやビデオチャット、画像加工など、実際のビジネスシーンをシミュレートしたテスト、PC Markのスコアです。ビジネス系のPCの性能測定で重視すべきベンチマークテストと言えます。ウインタブが最も重視しているテストです。

参考(過去データから一部抜粋):
Core Ultra 9 185H:8,099
Ryzen AI 9 365:7,896
Ryzen AI 9 HX 370:7,511
Ryzen 7 8845HS:7,446
Core Ultra 7 258V:7,527
Ryzen 9 PRO 6950H:6,987
Ryzen 7 8840U:6,949
Ryzen 7 PRO 6850H:6,858
Core Ultra 7 155H:6,849
Ryzen 5 8645HS:6,708
Core i9-13900H:6,542
Core Ultra 5 135H:6,485
Core Ultra 7 155U:6,392
Core Ultra 5 125U:6,376
Ryzen 5 7535U:6,021
Core i7-1360P:5,929
Core i5-1340P:5,677
Core i7-1355U:5,452
Core i5-1334U:5,145
Core i7-1255U:4,834
Core i5-1335U:4,775
Core i5-1135G7:4,066

スコアの方、「さすがLunar Lake!」と感じられる高い水準でした。前世代(Core Ultraシリーズ1、第13世代Core iシリーズ)とは明確な差があり、もはや「5グレード(Core Ultra 5、Core i5、Ryzen 5)」のスコアとは思えないレベルです。

Lenovo ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Edition CINEBENCH 2024

CPU性能のみを測定するCINEBENCH2024のスコアです。

参考(過去データから一部抜粋):
Core i7-14700:122、1,177
Core Ultra 7 258V:121、676
Core i9-13900H:117、687(Normalモード)
Ryzen AI 9 HX 375:114、1,144
Core Ultra 9 185H:111、910
Ryzen AI 9 HX 370:110、942
Ryzen AI 9 365:109、1,008
Snapdragon X Elite:108、1,038
Ryzen 9 8945HS:108、958
Snapdragon X Plus X1P-42-100:108、754
Ryzen 7 8845HS:106、956
Ryzen 9 7940HS:106、914
Core Ultra 7 155H:105、964
Core Ultra 7 155U:101、533
Ryzen 5 8645HS:98、585
Core Ultra 5 125U:95,533
Core Ultra 5 125H:95、516
Ryzen 9 PRO 6950H:93、774
Ryzen 7 PRO 6850H:91、765
Ryzen 7 5825U:85、590
Ryzen 3 5425U:78、365
※左からシングルコア、マルチコアのスコア

Lunar Lakeは「スレッド数の減少とハイパースレッディングの廃止」による影響を受け、シングルコア(シングルスレッド)性能は非常に高水準ですが、マルチコア(マルチスレッド)性能は低めです。このテストでも「シングルコアのスコアはモバイルノート用としてトップクラス、マルチコアのスコアはCore Ultraシリーズ1にも及ばない」という結果になりました。

で、マルチコア性能は「動画編集などのコンテンツクリエーション」に大きく影響します。逆に、オフィスワークや動画視聴、Web閲覧などの用途ではマルチコア性能による快適性の低下は気にしなくていいレベルです(というか、これらの用途ではシングルコア性能が高いので非常に快適)。なので、クリエイターの人の場合はLunar Lakeはあまり向かないと言えるかもしれません(ただし、ディスプレイの品質や後述するバッテリー持ちの件なども踏まえ、総合的に判断されるべきです)。

Lenovo ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Edition 3D Mark

グラフィック性能を測定するPC Markのスコアです。

参考(過去データから一部抜粋):
Core Ultra 7 258V:4,397、8,611、35,677
Core Ultra 9 185H:4,143、8,223、31,710
Core Ultra 7 155H:3,924、8,338、24,476
Ryzen AI 9 365:3,895、8,885、34,303
Ryzen AI 9 HX 370:3,800、8,026、31,138
Core Ultra 5 135H:3,454、7,235、24,791
Core Ultra 5 125H:3,392、7,301、23,168
Ryzen 9 7940HS:3,362、7,776、29,076
Ryzen 7 8845HS:3,330、7,908、29,873
Ryzen 7 8840U:2,943、7,206、27,471
Ryzen 9 PRO 6950H:2,846、7,051、27,983
Ryzen 7 PRO 6850H:2,660、6,601、26,920
Ryzen 5 8645HS:2,437、6,253、24,401
Core Ultra 7 155U:2,319、5,162、19,024
Core Ultra 5 125U:2,081、4,826、19,421
Core i9-13900H:1,956、5,440、19,477
Core i7-1360P:1,786、4,991、16,779
Core i7-1355U:1,760、4,859、16,891
Core i5-1334U:1,386、3,672、13,157
Ryzen 5 7530U:1,281、3,137、13,730
Ryzen 7 5825U:1,242、3,226、12,859
Ryzen 3 5425U:1,122、2,848、11,949
※左からTime Spy、Fire Strike、Night Raidのスコア

Lunar Lakeの内蔵GPUは「Intel Arc Graphics 140V」です。スコアの方は「Core Ultra登場以前」から劇的に向上したと言えます。少し前のエントリーdGPU(外部GPU)、GeForce GTX1650と比較しても互角・あるいはそれ以上くらいのスコアです。

PCゲームやコンテンツクリエーションも十分こなせる性能と言えますが、Core Ultra 5 226VはRAMが16GB(CPUとRAMがパッケージ化されているため、購入後の増設・換装はできません)のため、本格的にPCゲームやコンテンツクリエーションをする場合はRAM容量がボトルネックになる可能性があります。

Lenovo ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Edition Crystal Disk Mark

SSDの読み書き速度を測定するCrystal Disk Markのスコアです。数値だけで言うと「PCIe 4.0のSSDとしてはそれほど高速ではない」ということになりますが、ビジネスを始めとする通常の利用で遅いと感じることはまずありません。実用上、十分すぎるくらいの速度です。

バッテリー駆動時間

Windowsの電源モードを「最適な電力効率」に、ディスプレイ輝度を70%、音量を30%、バックライトを消灯して、下記の作業をしてみました。

・画像加工ソフトGIMPで簡単な画像加工を約40分
・ブラウザー上でYouTubeの動画・音楽鑑賞を約35分
・ZoomでWebミーティングを約15分
・ブラウザー上でテキスト入力やWeb閲覧を約20分

上記トータルで約110分使用し、バッテリー消費は16%でした。単純計算だと1時間あたり約8.7%のバッテリー消費、バッテリー駆動時間は約11時間30分となります。

X9 14 Gen 1のメーカー公称のバッテリー駆動時間は「動画再生時 約13.5時間」となっています。バッテリー持ちは使い方によって変わりますし、製品のコンディション(酷使していたか、バッテリーをいたわっていたかなど)によってもかなり違ってきます。しかし、このテスト結果であれば、メーカーの公称値はほぼ妥当と考えていいと思いますね。

数年前だと、ウインタブのテストベースでは「メーカー公称値のせいぜい半分くらいのバッテリー持ち」の製品がほとんどでした。また、Intel CoreとかAMD Ryzenを搭載するノートPCで実稼働時間が10時間を越えると評価できた製品は「まれ」でした。しかし、Lunar Lakeを搭載するノートPCは「軒並み10時間以上」のバッテリー持ちが可能と評価できます。

Lunar Lake機は「長時間のバッテリー駆動と高いパフォーマンスを両立」している、という点が真骨頂だと思います。なので、ベンチマークテストで「Core Ultraシリーズ2のArrow Lakeよりもマルチスレッド性能が少し劣る」とか「Ryzenのどれそれよりもベンチマークスコアが低い」といったことが指摘できるとして、それでも「Lunar Lakeこそビジネスモバイルノートには最適のCPUである」とウインタブは考えます。

5.レビューまとめ

Lenovo ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Editionはレノボ公式サイトで販売中で、5月24日現在の価格は188,870円からです。なお、今回レビューに使用した実機がその188,870円のモデルです。

従来のThinkPadシリーズとは全く異なる筐体を備えた製品ですが、モバイルノートPCとしての品質は素晴らしいです。CPU性能、ディスプレイ品質、スピーカー品質、賛否両論がありそうなキーボード、どこをとっても文句なし、と感じました。あら捜しをすると、USB Type-Aポートがなく、ポート構成がやや物足りない、という点が挙げられるくらいでしょうか。

ということで「ニュートラルな評価」では間違いなく買い推奨です。一方で「レガシーなThinkPadの様式美(真っ黒の外観や赤いデベソのついたキーボードなど)」を維持した、X9 14 Gen 1と価格設定が近いニューモデルも多数あります(X13 Gen 6やT14s Gen 6など)。

どちらを選ぶかは人それぞれです。「全く新しいThinkPad」であるX9 14 Gen 1と「レガシーなThinkPad」、どちらに決めても後悔はしないでしょう。

6.関連リンク

iconThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Edition(14型 Intel):Lenovo

執筆者:ウインタブ
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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