こんにちはtakumiです。今回はレノボのデスクトップパソコン「Legion C730」をレビューします。この製品はハイエンドクラスのゲーミングPCで、特に筐体サイズが全体的にコンパクトになっています。過去にレビューした「Legion C530」の性能アップバージョンとなっていますので、こちらも併せてお読みいただければと思います
1.スペック
スペックは上記の通りとなっています。レノボ製品は、バリエーションの選択のみで基本的に構成の変更が一切できません。CPUはIntelのCoffee Lake Refresh世代「Core i9-9900K」です。GPUはNVIDIAのハイエンド製品「Geforce RTX 2080」となっています。また、GPU搭載のVRAMは8GBです。このGPUならば、ゲームの起動自体はほぼすべてのゲームで出来ますし、フルHDならほとんどのゲームでは最高設定で快適に遊ぶことができるでしょう。また、RTX製品ですので、対応ゲームでは「DXR」や「DLSS」が使えるようになります。
システムメモリは32GBと、ゲームの他にも写真や動画を編集する際に恩恵を受けられるくらいの大容量となっています。ストレージはNVMeSSD+2TBHDDという構成で、SSDは512GBか1TBから選べます。
光学ドライブ及びSDカードスロット純正では装着されておらず、外部接続のものを用意する形になります。
このマシンはケースサイズがMiniITX規格のものになっており、なんといっても筐体サイズが小さく、また持ち運びしやすいように筐体上部にハンドルがついているのが大きな特徴です。
レビュー機の構成は標準構成と同じで、OSはWindows10 Homeです。
GPUはNVIDIAのRTX2080でVRAMは8GB、ドライバーは記事執筆時点で最新の436.15です。
ストレージは1TB SSD + 2TB HDDが搭載されています。これだけの大容量なら困ることはまず無いでしょう。
ストレージの読み書き速度を「CrystalDiskMark」で測定しました。NVMe接続なので、かなり速い速度が出ているのがご確認いただけると思います。
2.外観と内容
ここからは外観を詳しく見ていきます。まずは正面です。表面のメッシュ部分は通気口になっています。また、左下にはUSB3.0Type-A×2と、ヘッドホンジャック、マイクジャックが装備されています。
左側面には特に何も配置されていません。
右側面はカバーが取り付けられています。
背面です。左上部にビデオカードが装着されており、ここから映像出力を行います。対応ポートはUSB-C、HDMI、DP×3です。その下部にマザーボード側の接続ポートがあり、上からライン入力、ギガビット対応LANポート、USB2.0×2、USB3.0×4となっています。電源コネクタは右下にあります。また、筐体左上のレバーを引くと、筐体内部にツールフリーでアクセスできます。
下は通気口が配置されています。ゴム足4点で筐体を支えています。
映り込みが激しくてごめんなさい。上部はクリアパネルが配置されていて、起動時にはLEDで装飾されます。左側の記憶媒体にはドライバーを使って開口すればアクセスできるものと思われます。また、中央部にハンドルが装備されており、一般的なデスクトップPCと比較して非常に持ち運びやすくなっています。電源ボタンは右下で、起動時は白色LEDが点灯するようになっています。
同梱物です。電源ケーブルとマニュアル、クイックスタートガイドのみとシンプルなものになています。
3.使用感
この製品の最大の魅力は「ハイエンドなのに省スペース」である事だと思います。設置スペースがあまり大きく取られないことは勿論のこと、デスクトップマシンとしては持ち運びがしやすいので、LANパーティなどにも十分持っていけると思います。筐体が小型ということ、またGPUが外排気シングルファン(リファレンスモデルはデュアルファンなので尚更)ということもあって、高負荷時は残念ながら騒音はかなり目立つ印象です。体感的には、エアコンが稼働しているような感じの音が出ていました。幸い、筐体サイズは小さいので、マイク等に入らない位置に筐体を設置するのがいいでしょう。画像は撮り忘れてしまったのですが、CPUは50℃後半、GPUは90℃前後という感じでした。
ユーティリティツールの「Lenovo Vantage」では、CPUやGPUの使用率や温度などをモニタリングしたり、マシンのLEDカラーやパターンを変更したりできるようになっています。また、マシンの診断やサポート申請、さらには簡易OCなど幅広い操作(業務)に対応しています。
オーディオチップはRealtek製ですが、Lenovo製品にはDolby Atmosが標準搭載されていますので、バーチャルサラウンド性能はかなり高く、買ってすぐに特別な設定をしなくても本格的なサラウンドサウンドを楽しめます。
4.性能テスト
この製品はCPUに第9世代のCore i9-9900K、GPUにGeForce RTX 2080を搭載していますので、「ドラゴンクエスト X ベンチマーク」「ドラゴンズドグマオンライン(DDON)ベンチマーク」「3D Mark」「PC Mark」をやってみました。また、普段ウィンタブでは取り扱わない「ファイナルファンタジーXV Windows Editionベンチマーク」もテストしてみました。
実動テストで「シャドウ・オブ・ザ・トゥームレイダー」「Quake Champions」「Forza Horizon4」もそれぞれテストしています。
参考:
マウス NEXTGEAR-NOTE i7901BA1(Core i7-7700K、GTX1080): 21,271
ドスパラ GALLERIA GCF1070NF(Core i7-8750H、GTX1070): 19,008
MSI GS65 Stealth Thin(Core i7-8750H、GTX1070): 18,571
ドスパラ GALLERIA GKF1070NF(Core i7-7700HQ、GTX1070): 18,222
ドスパラ GALLERIA Mini 1060(Core i5-7500、GTX1060): 18,061
参考:
マウス NEXTGEAR-NOTE i7901BA1(Core i7-7700K、GTX1080): 13,600
ドスパラ GALLERIA GCF1070NF(Core i7-8750H、GTX1070): 11,440
ドスパラ GALLERIA Mini 1060(Core i5-7500、GTX1060): 10,491
ドスパラ GALLERIA GKF1070NF(Core i7-7700HQ、GTX1070): 10,215
ドスパラ GALLERIA GCF2070NF(Core i7-8750H、RTX2070): 10,155
参考(高品質):
ドスパラ GALLERIA ZZ(i7-8700K RTX2080Ti) 12532
ドスパラ GALLERIA ZF(i7-9700K RTX2070) 9520
ドスパラ GALLERIA GCR2070RNF(i7-9750H RTX2070) 7440
ドスパラ GALLERIA GCF1070NF(i7-8750H GTX1070) 6691
MSI GL63(i7-8750H RTX2060) 6982
MSI GS65(i7-8750H GTX1070 Max-Q) 5821
ドスパラ GALLERIA GCF1060GF-E(i7-8750H GTX1060) 4675
ドスパラ GALLERIA GCF1050TNF(i7-8750H GTX1050Ti) 2914
MSI GF75 Thin(i7-8750H GTX1050Ti Max-Q) 2990
CPUはインテルの最高峰のi9ですし、GPUもNVIDIAトップクラスのRTX2080を搭載しているので、各種ベンチマークも非常に高いスコアをマークしています。
FF15もフルHD環境下ならば、高設定で文句なしに快適にプレイできるかと思われます。
参考:
マウス NEXTGEAR-NOTE i7901BA1(Core i7-7700K、GTX1080): 6,703、17,345、37,589
OMEN X by HP(Core i7-7820HK、GTX1080): 6,283、15,476、30,804
MSI GL63 8SE(Core i7-8750H、RTX2060): 6,205、14,838、33,985
ドスパラ GALLERIA GCF1070GF(Core i7-8750H、GTX1070): 5,583、15,146、36,268
ドスパラ GALLERIA GCF2060GF-E(Core i7-8750H、RTX2060): 5,453、13,800、33,609
※左からTime Spy、Fire Strike、Sky Diverのスコア
「Timespy」でスコア1万台に乗ってきているのが目を瞠ると思います。これだけのスコアを叩き出しながら、筐体スケールを小さくしているのはやはり冷静に考えて凄まじいと個人的には思います。
参考:
DELL G7(Core i7-8750H、GTX1060): 5,401
ドスパラ GALLERIA GCF2060GF-E(Core i7-8750H、RTX2060): 5,328
ドスパラ GALLERIA GCF1070GF(Core i7-8750H、GTX1070): 5,122
MSI GF75 Thin(Core i7-8750H、GTX1050Ti): 5,009
ドスパラ GALLERIA GCF1060GF-E(Core i7-8750H、GTX1060): 4,976
ドスパラ GALLERIA Mini 1060(Core i5-7500、GTX1060): 4,906
GPU性能がスコアに左右されないPCMarkですが、ここはCore i9の性能が光るところであり、7500という高スコアを叩き出しています。ゲームだけでなく、事務処理シーンでも遺憾なく力を発揮してくれるはずです。
トゥームレイダーですが、搭載ハードがそれぞれハイスペックなので、ベンチマーク上では殆どのシーンで100fpsを余裕で超えてきています。(ゲーム側の不具合で最後のリザルト画面が出ていません。)
トゥームレイダーの初期設定です。フルHDではプリセット高では余裕と言っていいと思います。もう少し画質設定を詰めてもいいでしょう。
QuakeChampionsですが、CPUがハイパワーなこともあって、Medium設定で200fpsを超えてきてくれています。快適にプレイできると言って差し支えないでしょう。画像はありませんが、初期設定では、全てUltra設定になっています。144fps付近を狙うならこのままでもいいかもしれません。
Forza Horizon 4も、特に不自由なく初期設定で140fpsをオーバーしています。少なくとも、フルHDならスペックが足りないと嘆くことは無くなることと思われます。
初期設定ではプリセットはウルトラでした。もうすこし細かく設定を詰めてもいいかもしれません。
5.DXRとDLSSテスト
今回搭載されているGPU「RTX2080」は、NVIDIAの新技術「リアルタイムレイトレーシング」に対応しており、それを動かすためのエンジン「DXR(DirectXRaytracing)」と、同じく新技術「ディープラーニングスーパーサンプリング(DLSS)」に対応しています。「DXR」は主に影や光の表現を従来のものより、より現実的なものにし、「DLSS」は従来のアンチエイリアシングと比較して高いパフォーマンスを維持できるようになります。今回は有料版「3DMark」内で、DXRテストの「Port Royal」と、DLSSテストをそれぞれ実行してみました。
※画像は通常(WQHD解像度)時。
参考
ドスパラ ガレリアZZ(RTX2080Ti):8161
ドスパラ GALLERIA ZF(デスクトップRTX2070):5043
MSI GL63 8SE(RTX2060):3246
ドスパラ GALLERIA GCF2070NF(RTX2070):4198
ドスパラ GALLERIA GCF2060GF-E(RTX2060 Max-Q): 2955
意外にも、RTX2080とRTX2070の性能差は狭く、逆にRTX2080Tiとは大きな差が出ています。
DLSSを「シャドウ オブ ザ トゥームレイダー」WQHD解像度時で有無を比較したときのスコアです。DLSSを有効にすると10fps程フレームレートが出るようになりました。なかなか面白いですよね。
今回、マシンでの録画を忘れてしまったので、「DXRを有効にすると表現はどれほど違うのか」というのはこちらの動画を参考にしていただければと思います。
6.まとめ
レノボ Legion C730はレノボ直販サイトにて販売中で、9月24日現在の価格は送料・税込み249,480円です(現在は512GBモデルと1TBモデルの価格差がなぜか「ない」ので、1TBモデルのほうが間違いなくお得でしょう。また、この価格は平日のものなので、週末に購入するとさらにお買い得となる可能性もあります)。
一般的なゲーミングデスクトップとして扱うよりも、そのコンパクトな筐体で設置スペースを自由にする。または、自宅でも外でもどっちでも扱う。というのが大きい部分なのかなと思います。正直な話、同じ性能「だけ」で考えるなら、他製品の方がもっと安く済む可能性があります。しかし、これだけの筐体サイズと利便性を実現しているのはこのC730のみです。勿論、すべての人がこの恩恵を享受することは難しいかと思われますが、刺さる人には大きく刺さる逸品だと思います。
個人的に思う「最強のLANパーティマシン」。ニーズのある人には購入する価値大だと思います。