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Teclast X98 Plus 3G - 相変わらず高い質感の9.7インチiPadクローン(実機レビュー)

Teclast X98 Plus 3G
こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。今回は中国タブレット「Teclast X98 Plus 3G」の実機レビューです。ウインタブでの中国タブレット実機レビューや読者レビューでは中国の通販サイト「GEARBEST」から製品提供を受けたものを使わせてもらっているのですが、この製品はGEARBESTの提供によるものではなく、やはり中国の大手通販サイト「Everbuying」に製品提供をしていただきました。Everbuyingは今後も中国製品の提供をしてくれる、ということなので、この先ますます実機レビューや読者レビューが充実したものになると思います。

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1.Everbuyingについて

Everbuyingは中国の深センに本拠を置き、タブレットはもちろんのこと、様々な電化製品やアパレル製品を幅広く取り扱う大手通販サイトです。基本的にはGEARBESTと同様、海外配送であっても送料無料だったり、定期的にセールをしたりといった施策をとっており、製品価格にも競争力があります。

一方、GEARBESTがそうであるように、日本とは異なる商習慣があり、例えば「初期不良であるにもかかわらず返品や交換時の片道分の送料は顧客負担」だったり、クレームを入れる際に製品画像や動画を添付する必要があったりと、私たち日本のユーザーが戸惑うようなルールもありますし、カスタマーサポートを受けるためには英語が必要になります。

また、配送に関しても(ここもGEARBESTと同じですが)送料無料の場合は配送期間が長期化したり、DHLを使うと日本の限られた大都市圏以外は追加費用(30ドルであることが多いです。そしてこれはDHLの料金体系によるものです)が請求されるなどの問題もあるようです。

ウインタブではGEARBESTでの購入に関する質問とか批判をコメント欄にいただくことが多いですが、Everbuyingだったらそういうのが皆無である、ということは言えません。しかし、注文してからいらぬ心配をするよりは、購入前にEverbuyingの取引ルールをしっかり確認しておくことが重要だと思います。
Warranty and Return:Everbuyingの保証内容と返品ルール
Shipping&Handling:Everbuyingの配送ルール
Payment Methods:Everbuyingの支払い方法

それと、Everbuyingは提供していただく製品を読者レビュー用にウインタブが再提供することを快諾してくれている、ということはお知らせしておきます。

では、実機レビューのスタートです。

2.スペック

OS: Android 5.1、Windows 10 Home 64ビット
CPU: Intel Atom X5-Z8300
RAM: 4GB
ストレージ: 64GB
ディスプレイ: 9.7インチIPS(2,048 x 1,536)
ネットワーク:  802.11 b/g/n/、Bluetooth 4.0
カメラ: イン/アウトとも2MP
入出力: microUSB、microHDMI、microSD、オーディオ、標準SIM
バッテリー: 8000mAh
サイズ: 240 x 169.5 x 8.1 mm / 534 g

補足します。この製品はいわゆる「iPadクローン」というジャンルで、見た目がiPadにそっくりです。しかしiOSではなく、Windows 10とAndroid 5.1のデュアルブート機となっています。Windows、ということで見るとCPUはCherryTrail世代のAtom Z8300、RAMは4GB、ストレージは64GB(Windowsの利用可能域は33.4GB)となっており、最近の10インチクラスの中国タブレットとしては標準的、日本メーカーの低価格帯の製品と比較すればハイスペック、ということになります。

また、この製品は標準SIMスロットが装備され、3Gでの通信が可能です。ただし、今回の実機レビューでは3G通信のテストはしていません。WCDMA 2100MHzに対応しているため、ドコモ系(ほとんどのMVNOを含む)やソフトバンクのSIMは使えるということになりますが、この製品を使って、日本国内での3G通信は違法になりますので、海外出張とか海外旅行の時に使う、くらいに考えておきましょう。

2.筐体

Teclast X98 Plus 3G 同梱物
同梱物です。本体のほかUSB‐microUSBのケーブル、USB(メス)とmicroUSB(オス)の変換ケーブルはありましたが、ACアダプターはついていませんでした。あとはマニュアル類が何冊かありましたが、ほとんどが中国語オンリーなのであまり役には立ちません。あとは保証書と検査合格証ですね。

Teclast X98 Plus 3G 底面
筐体底面です。入出力ポートはすべてこの面に集中しています。画像左からmicroUSB、オーディオ、microHDMIとなります。

Teclast X98 Plus 3G 左側面
左側面です。TeclastのiPadクローン機はWindowsタブレットとしては珍しく、電源ボタンと音量上下ボタンが筐体左側にあります。タブレットの使用頻度が多く、右側面にボタンが配置されている製品に慣れている私としては当初違和感がありました。ボタン類はプラスティック製ですが、カチッとした操作感で印象は良かったです。また、画像右側にはmicroSDスロットとSIMスロットがあります(左側がmicroSD、右がSIM)。

Teclast X98 Plus 3G 右側面
右側面にはなんにもありませんね。

Teclast X98 Plus 3G 上面
同じく上面にもなんにもありません。iPadクローンタイプの中国タブレットにありがちなんですけど、ポート類が少ないです。シンプルでデザイン的にはいい、という考え方もあるかもしれませんが、10インチ級のWindows タブレットとしては少し寂しすぎる気がします。せめてUSBポートがもう一つほしかったなあ、と思います。

Teclast X98 Plus 3G 背面
背面です。見た目はメタリックで感触もひんやりするので金属製(たぶんアルミ合金)だとは思いますが、素材については開示されていないようなので、間違えていたらコメンなさい。でも質感は非常にいいですよ!あと、ロゴマーク類は目立たないようになっていますし、簡体字中国語もシール類(3G通信関係の中国国内での許可証?)を別とすればほとんど目立ちません。

筐体色はベゼル部分がホワイトで側面と背面がシルバー(光のさし方によっては少しだけゴールドっぽく見えます)で、素材はホワイト部分がプラスティック、シルバー部分は上に書いた通り金属製だと思います。

Teclast X98 Plus 3G 比較
私は同じ「Teclast X98」の「Pro」を持っています。枝番(ここではProとPlusについてそう表現しています)が違うだけなので同一筐体かな、と思っていたら違いました。上の画像、左がX98 Plus、右がX98 Proなんですが、Proの背面がラウンドした形状であるのに対し、Plusは角がついています。質感はどちらも中国タブレットとして十二分に合格点を上げられると思います。あとは好みの問題でしょうね。

Teclast X98 Plus イメージ画像
そういえば、読者の方から「Teclastの製品画像は盛ってる。ベゼルが実物より細いし。」というコメントを多くいただいております。今回の実機レビューにあたり、その点も注意してみましたが、読者コメントのほうが正しいですw 上の画像が証拠ですね。Teclastにはフォトショ職人がいるのかもしれませんね。でも、そんなことをしなくてもこの製品の筐体は素晴らしいと思うし、余計なことをしてメーカーの信頼を下げているだけのような気がするんですけどね。なお、筐体重量は実測値で530 gだったので、スペック表は盛られていませんね。

3.使ってみた

Teclast X98 Plus 3G デスクトップ
最初にお伝えしたいのがディスプレイの品質で、「とにかくキレイ」です。X98 Proとスペック上は同じものですし、個体差なのかもしれませんけど、明らかにX98 Proよりも美しいですし、普通のWindows タブレットとも顕著な差があります。これだけでお金を出す価値がある、といっていいでしょう。

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Teclast X98 Plus 3G 縦長?
ただ、アスペクト比4:3というのはちょっとクセがあります。特にWindows側で気づいたのですが、使用するアプリ、特にゲームでまれに画面が縦長に表示されてしまうことがあるんです。私が試した限り、「ドラゴンズドグマオンライン(DDON)」のベンチマークソフトを使うと体感できるくらいに表示が縦長になってしまいました。ExcelとかWord、ストアアプリなどではこの現象は起きておらず、ほとんどの場合は大丈夫だと思うのですが、PCソフトウェアのゲームなどではこういう現象が起きてしまう可能性があります。

Windows

Teclast X98 Plus 3G システム構成
私はこれまで多くのWindows タブレット(Atom機)を試用したり、自分で所有したりしているため、「だいたい予想通り」ということで話が終わってしまいますw この辺は少しマンネリ化しちゃってますね。

Windows タブレットとしての操作感は十分に合格点をあげられると思います。プリインストールアプリも少なめですし、個々の操作はキビキビしています。また、キーボードとマウスを接続して多少テキスト入力も試してみましたが、こちらもストレスは全くありません。デュアルブート機ではありますが、WindowsというOSに期待される機能は欠落しているところがなく、スペック表通りに動いてくれました。

ただし、この製品が、ということではなく、中国タブレット全般に言えることなのですが、ちょっとした不具合というのは日本メーカーの製品に比べると多いです。この製品についても短い試用期間ではあってもいくつか見受けられました。

・Windows Updateによる再起動中に電源がオフになってしまった。もう一度電源を入れてみたら何事もなかったかのうように起動した。
・同じくWindows Updateによる再起動後、タッチパネルの挙動がおかしくなり、タッチ位置が大きくズレてしまい(例えばタスクバーのアイコンを操作しようとして画面右下をタップしているのに、画面の右上が選択されてしまった)事実上タッチパネルが使えなくなった。これも再起動したら元に戻った。
・ソフトウェアのダウンロードが極端に遅くなった(通信回線は異常なし)。いったんダウンロードをキャンセルしてやり直したらサクサクダウンロードできた。

などです。いずれも致命傷ということになっておらず、ごくまれには日本メーカーの製品でも発生するようなレベルの話だと思いますが、やや発生頻度は多いと言えます。

Android

Teclast X98 Plus Android 5.1 その1
この製品はAndroidタブレットとしてはハイスペックな部類に入るんじゃないかな、と思います。Intel製のCPUだから安心とか高速、ということは一概には言えませんが、Androidという比較的軽量なOSを動かすには何の不足もないと言っていいでしょう。

実際に操作感はよく、Android起動時にはこれがデュアルブート機であるということは全く意識しません。AndroidというOSは言語の切り替えが非常に簡単で、ワンタッチで日本語環境にできるのもありがたいですね。でも、日本語環境にしてみると余計に気になるのは

Teclast X98 Plus Android 5.1 その2
中国語のプリインストールアプリが多い、ということです。試用期間中特に整理することはせず、そのままにしていますが、本格的に使う場合は随時整理することになると思います。だって、何を書いてるのかも全然わかりませんから。

Teclast X98 Plus Android 5.1 その3
デフォルトのストレージはこんな感じで、Android側に割り当てられているのは20GBですね。また、プリインストールアプリが占めているストレージ容量は500MB強なので、プリインストールアプリの数は多いですが、それほどストレージを圧迫しているわけでもないです。

最後に注意しておきたいのは、Androidアプリの場合、IntelのCPUだと動作しないものが結構たくさんある、ということです。有名ドコロではパズドラがそうなのですが、それ以外でも「これ面白そう」ということでゲームなんかをインストールしても起動しない、なんてことがしょっちゅうあります。

そのためゲーム目的でIntel製のCPUを搭載したAndroid タブレットを購入する場合、せめて自分がやろうと思っているゲームが動くのかどうかをググってみたほうがいいでしょう。

ちなみに私は最近「AndroidタブレットをPCとして使う」という試みを始めていて、少しずつ操作に慣れてきましたが、上級者ならRoot化するとか、足りない機能を自分でなんとかするんでしょうね。私はこの製品をRoot化していませんが、デュアルブート機でも特に問題なくRoot化できるようです。

最後にバッテリーの持ちについて。厳密に測定する環境がないので感覚的な話になってしまいますが、Teclast X98 Proのバッテリー稼働時間がかなり短かったことを思えばこの製品はかなり改善されています。具体的にはこんな感じです。

「午後1時に満充電の状態で使用開始、30分ほどゲームで遊び、その後はAndroidに切り替えて30分くらい操作、しばらくスリープ状態のまま放置しておき、午後5時からDDONのベンチマークテストを3回ほど実施(所要時間は40分程度か)してまた放置、午後7時にバッテリー残量を見たら64%だった。」

感覚的にはメーカー公称値「最大6時間」は無理としても5時間弱くらいはいけそうな気がします。ただ、これはディスプレイの明るさとか、バッテリーに関連する諸設定などによって変わると思うので、あくまで参考程度に考えてください。

4.性能テスト

今回もまた、いつもどおり「ドラクエベンチ」と「DDONベンチ」をやってみました。結論から言うと「想定の範囲内」ということになりますが、一応…。
Teclast X98 Plus 3G ドラクエベンチ
参考:
Cube iWork 11 Stylus(Atom X5-Z8300): 1,817
ONDA V919 Air CH(Atom Z5-Z8300): 1,801
Chuwi Hi 10(Atom x5-Z8300):1,658
Cube iWork 8 Ultimate(Atom x5-Z8300): 1,448
DELL Inspiron 11 3000(Celeron N3050): 1,446
ドスパラ Diginnos DG-D09IW2(Atom x5-Z8300): 1,241
acer Aspire Switch(Z3735F): 1,101

最初にドラクエベンチから。Atom機とか低価格帯のノートPCでは「1,280 × 720、標準品質」でテストしています。結論から言うとAtom X5-Z8300がCPUの場合、1,400~1,800台のスコアになるのが一般的で、この製品の場合はRAMも4GB搭載しているので、正直もうひと頑張りしてほしかったかな、と思います。ただ、普段使いでの体感差はほとんどありませんけどね。

Teclast X98 Plus 3G  DDONベンチ
Teclast X98 Pro(Atom X5-Z8500): 1,048
Cube iWork 11 Stylus(Atom X5-Z8300): 911
ONDA oBook 10(Atom X5-Z8300):908
Chuwi Hi 10(Atom x5-Z8300):876
ONDA V919 Air CH(Atom X5-Z8300): 819
Cube iWork 8 Ultimate(Atom x5-Z8300): 774
ドスパラ Diginnos DG-D09IW2(Atom x5-Z8300): 601
acer Aspire Switch 10(Atom Z3735F): 469

続いてドラゴンズドグマオンライン(DDON)のベンチマークです。DDONはドラクエよりもPC負荷が大きいオンラインゲームなので、ベンチマークスコアが多少良くてもタブレットで遊ぶのは困難です。Atom Z8300搭載の場合、700~900くらいが普通かな、と思いますが、ここでもTeclast X98 Plus 3Gは今一つ伸び悩んでますね。

オンラインゲームのベンチマークスコア、という意味ではCherryTrail機としての水準は満たしているものの、もう一声ほしかったなあ、というのが正直な感想です。でも、上にも書きましたが、だから性能が悪くてもっさりしている、というような話ではありません。おそらく体感差なんてないと思います。ただし、わざわざAtom機で遊ぶのは難しいレベルのオンラインゲームのベンチマークテストを毎回やっているのは性能差を数値化する目的なので、その意味ではこの結果をしっかり認識しておくべきでしょう。

5.まとめ

Teclast X98 Plus 3GはEverbuyingで279.21ドル(日本円だと約31,000円、2016年4月27日現在)で販売されています。今回の実機レビューでテストしていませんが、SIMを挿しての3G通信が可能になっているため、3万円にはなってしまいますね。

私はTeclast X98 Proを使っていて、最近はAndroid側の方を立ち上げていろいろ遊んで(いや作業して)いるのですが、中国タブレットとは思えないくらい質感が高く、かなり満足しています。iPadクローンタイプは他のWindowsタブレットとは一味ちがう使用感で、特にタブレットとしてコンテンツ消費型(Webブラウジングをしたり、動画を観たり、ゲームをしたり…)の使い方をする場合は快適だと思います。

また、この製品の付加価値である「デュアルブート」と「3G通信」ですが、デュアルブートに関してはWindows側、Android側とも中国製品としては安定している方だと思います。3G通信については日本で使うと違法になってしまうので、ウインタブとして推奨することはできませんし、LTEではないので使用感はそれほどよくないと思われます。しかし、メールやSNSといった軽い通信なら問題ないでしょうね。使用できるハードウェア環境がある、というのは悪くはないでしょう。もちろん使い方はご自身で考える必要がありますけどね。

それと、繰り返しになりますが、この製品のディスプレイは本当に素晴らしいです。本家のiPadに引けをとらない、といっていいと思います。Everbuyingでは3Gモデルのほか、通常モデルの「Teclast X98 Plus」もあり、こちらは196.85ドル(約21,900円)なので、こちらを選ぶのもいいかな、と思いますよ!

6.関連リンク

Teclast X98 Plus 3G Tablet PC:Everbuying
Teclast X98 Plus Tablet PC:Everbuying

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コメント

  1. ABA より:

    スキルは低いが新しもの好きの血が騒ぎ、GearBestよりTeclast X98 Plus IIを購入しました。 DHL指定で(ど田舎認定で+30$)6日以内程度で到着しました。
    梱包はエアーチューブ巻でしっかりしていましたが、箱の四分の一の部分が飛び出していたのは、、、。
    液晶はかなり綺麗で満足ですが、SDカードの64G挿入し使用していましたが突然読めなく
    なりました。USB経由では読めるのでSDカード自体は問題ないと思いますが、2chでも同様の人がいるみたいです。他は値段を考えると、いいんじゃないのかと思いますが、
    後 専用キーボード付カバーを別便(JP POST)で購入しました(¥2,200程度)。
    これは思っていた以上に良いものでした、お勧めできると思います。(英語キーボードは
    すぐ慣れました)  いつ壊れるか分かりませんが、しばらく楽しんでみます。
    P.S 仕事用のタブレットは、東芝Tab S68とDynapad R82を使っていますので、
       遊び用として使ってみます。こちらのウィンタブさんのおかげで勉強になりました。

    • wintab より:

      ABAさん、こんにちは、コメントありがとうございます。中国製品はもう少し信頼性を上げてくれるとうれしいんですけどね。皆さん実用可能なレベルで多少の不具合を抱えているかもしれません。私が使っている中国製品も、使っているうちにちょっとずつ変なところが出てきます。価格が安いので文句は言えないですけど、中華タブ専門の修理屋さんとかを始めたらかなり繁盛するかもしれませんね。