MinisforumがミニPC「UM560XT」を発売しました。この製品は「Venus Series」に属していて、このVenus Seriesというのが「見た目はそっくりだが搭載CPUの型番が異なるモデルが大量に」存在します。現行モデルだと「UM690(Ryzen 9 6900HX)/UM590(Ryzen 9 5900HX)」「UM450(Ryzen 5 4500U)/UM560(Ryzen 5 5625U)/UM580(Ryzen 7 5800H)」「UM773 SE/ UM773 Lite(ともにRyzen 7 7735HS)」があります。
基本的に筐体は全部同じなのですが、UM773 SEだけは筐体色が「ピンク」になっているのと、型番によって背面ポートの構成が若干異なっています。ただ、CPU型番の選択肢が多くて混乱しそうですね。今回ご紹介するUM560XTの搭載CPUはRyzen 5 5600Hなのですが、VenusシリーズにはRyzen 5搭載モデルが他に2つあり、「どれにしていいのかわからない」と感じる人も少なくないと思います(この後説明します)。
1.Minisforum UM560XT 概要
スペック表
Minisforum UM560XT | |
OS | Windows 11 Pro |
CPU | AMD Ryzen 5 5600H |
外部GPU | なし |
RAM | 16GB/32GB(DDR4/2スロット/最大64GB) |
ストレージ | 512GB/1TB PCIe SSD(M.2 2280) ※2.5インチSATA HDD空きスロットあり |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | なし |
ネットワーク | WI-Fi、Bluetooth(仕様詳細不明) |
入出力 | USB3.2 Type-C(映像出力対応)、USB3.2 Type-C(データのみ)、USB3.2 Gen2 Type-A × 2、USB2.0 Type-A × 2、HDMI × 2、オーディオジャック、LAN(RJ45) |
カメラ | なし |
バッテリー | なし |
サイズ | 127 × 128 × 47mm |
重量 | 約600 g |
※このスペック表はベアボーンモデルを含んでいません
バリエーションモデル
・ベアボーン(OS/RAM/SSDなし)
・RAM16GB/512GB SSD
・RAM32GB/512GB SSD
・RAM32GB/1TB SSD
コメント
MinisforumのミニPCは基本Windows 11 Proを搭載しています。
Passmarkが公表しているベンチマークスコアです。UM560XTが搭載しているRyzen 5 5600HのベンチマークスコアはUM450のRyzen 5 4500U、UM560のRyzen 5 5625Uよりも高くなっています。5600HはゲーミングPCなどにも搭載されているZen3アーキテクチャの型番で、同じZen3アーキテクチャの5625Uよりも高性能です。しかし、TDPが45Wと、5625Uの15Wよりも大きくなっています。TDPというのは「設計上想定される最大放熱量(熱設計電力)」で、常に45Wの電力を消費しているわけではありません。なので、5600Hは5625Uの3倍電気代がかかる、ということはありませんが、ポテンシャルとして電気代が高めw というのはあります。
また、Ryzen 5 4500UはZen2アーキテクチャの型番なので、5625Uや5600Hよりも性能は低くなっています。なお、Passmarkというのはあくまでひとつの指標に過ぎず、この3つの型番の性能差を完璧に説明できているとは言えませんので、あくまで目安程度にお考えください。個人的には「たまにゲームをしたり、動画のエンコーディングなんかをするのであればRyzen 5 5600H搭載機がいいのではないか」と思っています。ただし、UMシリーズは外部GPUを搭載していませんので、ゲームが主目的なのであれば外部GPU搭載のゲーミングPCを購入するほうがいいです。
RAMとSSDは16GB/512GB、32GB/512GB、32GB/1TBを選択できます。また、この製品はDIYでRAMとSSDの増設・換装ができます。
この画像の右側が底面ですが、底面を開口するとDDR4 SODIMM スロット2つ(ベアボーンモデルを除き、初期状態で空きはありません)、M.2 2280 PCIe3.0スロット1つ(これもベアボーンモデルを除き、初期状態では空きはありません)、そして2.5インチSATAスロット1つ(初期状態で空きになっています)にアクセスできます。
ウインタブでは過去に何度かMinisforumのミニPCを実機レビューしていますが、筐体の開口は容易で、PCにあまり詳しくない人でも問題なくRAMやSSDのメンテナンスができると評価しています(ただし、UMシリーズはレビューしていません)。
前面・背面のポート構成です。USB Type-Cポート2つのうち1つはデータ伝送専用で10GbpsのアイコンがついていますのでおそらくGen2規格、もう1つは映像出力に対応しますが、規格は不明です。また、USB Type-Aポートは合計で4つ、うち2つがGen2規格、残りの2つがUSB2.0規格です。USBポートが合計で6つありますので、ミニPCとしては悪くない構成だと思います。あと、HDMIポートも2つありますのでUSB Type-Cポートとあわせ、最大3画面の4K@60Hz出力が可能です。
2.Minisforum UM560XT 価格など
Minisforum UM560XTはMinisforum公式ストアで販売中(予約販売中)で、4月18日現在の価格は下記のとおりです。
・ベアボーン(OS/RAM/SSDなし):31,980円
・RAM16GB/512GB SSD:46,380円
・RAM32GB/512GB SSD:51,980円
・RAM32GB/1TB SSD:57,580円
なお、Minisforum公式ストアは日本語で注文でき、日本語でサポートを受けられますが、海外配送となりますので製品を受け取る際に輸入消費税がかかります(配送会社に支払います。金額の目安は製品価格の6%プラス手数料1,000円程度)。
参考までにRAM16GB/512GBという構成のUM450(Ryzen 5 4500U)は45,580円、UM560(Ryzen 5 5625U)は61,500円です(Minisforum公式ストアの価格)。UM560XTはメインPCとして使えると思いますし、16GB/512GBモデルが5万円を切っているというのは素晴らしいんじゃないか、と。
3.関連リンク
Minisforum UM590/UM690/UM560XT:Minisforum
Minisforum UM590/UM690/UM560XT:Minisforum
コメント
GPUが必要ないならこれぐらいで何の問題もないよね。2,3万ぐらいで少し不満持ちながらなんかするならたった5万払ってしっかりしたPC買った方がいいと思う。
私もそう思います。ゲームにせよ、動画編集にせよ、そんなに凝らない人ならこの製品でも十分対応できるでしょうしね。仕事でOfficeソフトを使うとかWebサービスを使うとかの場合ならこの製品で余裕かと。
MINISFORUM b550 proが気になる