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MINISFORUM DeskMini UM300 の実機レビュー - 第2世代のRyzen 3を搭載するミニPC。なにこれ、快適なんですけど!

MINISFORUM_UM300筐体
こんにちは、最近ミニPCが気になっている.TAOです。先日は、中国メーカー「MINISFORUM」がCPUにAMD Ryzen 5を搭載するミニPC「DeskMini DMAF5」をIndiegogoでクラウドファンディング中との紹介記事を書きましたが、そのメーカー様より現行の最新機種「DeskMini UM300」のサンプル提供を頂きました。この場にて御礼申し上げます。ありがとうございました。

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冒頭ではありますが、実際に使ってみた感想を言ってしまうと、

「今更感のある第2世代RyzenのミニPCだけど、舐めてたわ…なにこれ、快適なんですけど!」

まあタイトル通りなんですけれど、Office系の起動も早いし、ファンレスじゃないのに静かだし、YouTubeの4K再生もスムーズだし、電源OFFからの起動も早いしって言うことないじゃないって感じなのですよね。若干冒頭から興奮気味ではありますが、それでは「MINISFORUM DeskMini UM300」のレビュースタートです。

1.MINISFORUMについて

MINISFORUMは、中国深圳にある2012年創業の比較的新しいメーカーで、主にミニPCを手掛けています。コンピューターエンジニアが中心になって立ち上げたメーカーだそうで、製品開発にはこだわりが感じられ、個人的にとても気になっておりました。

「私たちの目標は、当社の製品を使用するときに顧客を驚かせ、興奮させることです。」(Google訳)

こんな目標をもったメーカーって実にいいなって思います。メーカーサイトではフォーラムも運営していて、積極的にユーザーとの意見交流を持っている辺りが信頼できるメーカーだと感じさせてくれます。これからも、私たちをもっとワクワクさせてくれる事間違いないんじゃないでしょうか。

2.スペック

  MINISFORUM DeskMini UM300
OS Windows10 Home
CPU AMD Ryzen 3 3300U
内蔵GPU Radeon Vega 6 Graphics @1,200 MHz
RAM DDR4 8GB/16GB(SODIMM Slot×2)
ストレージ M.2 2280 SATA SSD 128GB/256GB/512GB、2.5インチ SATA HDD増設可能
光学ドライブ なし
ディスプレイ出力 ①HDMI 2.0、②DisplayPort、③USB-C Port (①②③4K@60Hzトリプルディスプレイ出力対応)
オーディオ出力 HDMI 2.0、DisplayPort、USB-C Port、3.5mmオーディオジャック
ネットワーク M.2 2230 WIFI Support  (Intel WIFI6 AX200 , BT5.0 プリインストール)
入出力 USB3.1×1(Gen1 , 最大出力2.0Aチャージ対応) 、USB3.1×3(Gen2)、USB-C×1(Gen2)、RJ45×2、HDMI 2.0、DisplayPort、MIC、オーディオジャック、リセットスイッチ
カメラ なし
電源 DC 19V/3A (アダプター)
サイズ 128×127×46mm
重量 507g (実測値)

最大の特徴は、モバイル向け第2世代Ryzen 3 3300Uを搭載しているところでしょう。このワンランク上のRyzen 5 3550Hを搭載するエントリースペックのゲーミングノートより性能が下がってしまいますので、がっつりゲームをしたい人には物足りない性能ではあるでしょうが、オフィス用途なら快適な環境であると思われます。この辺りは実際にベンチマークを確認しているので、この後詳しく触れたいと思います。

ウインタブで心配していた「Windowsのライセンスの有無」ですが、レビュー機を確認したところOEMライセンスとなっていたので問題ありませんでした。もしもメーカーで扱っている製品の中にVOLUMEライセンスがあったりしたら、メーカーサイトのフォーラムが炎上しているでしょうし、今までも、そしてこれからもその辺りの心配は無用でしょう。また、OSはLinuxとChromium OSにも対応しているようなので、デュアルブート環境を構築するのも楽しいかもしれませんね。

ウインタブ読者には、ノートPCをメインとして使っている人が多いんじゃないかと思いますし、私もその一人でした。じっくり自宅で作業する時は、ノートにディスプレイとキーボードを接続して使ったりしてましたが、拡張性やポート類に物足りなさを感じてしまいます。その点このミニPCは、拡張性が高くポート類も充実していて場所も取らず実に良いです。

天板がワンプッシュで開いてRAMスロットやM.2.SATAスロット(NVMe非対応)にアクセスしやすく、換装が容易な点も良いですね。2.5インチHDD接続用ケーブルも確認できました。

入出力端子には、USB3.1ポートが4つとUSB Type-Cが1つ、HDMIとDisplayPort、イーサネット端子が2つなどを備え、いざという時役立つBIOSを初期化できるリセットスイッチもある充実ぶり。さすがミニと言えどもデスクトップPCですね。

UM300_トリプルディスプレイ対応
注目すべきところとして、最大3つのディスプレイを4K@60Hzでマルチ利用が出来るところですね。実際にYouTubeで4K動画を再生してみましたが、引っかかりなくスムーズに再生出来ました。マルチディスプレイにすると効率が上がるかどうかは別として、私自身は仕事やってます感半端ないですから憧れている節もあります。会社でLANで接続した複数の機器をモニタリングしたいなんて時には、このミニPCはうってつけなんじゃないでしょうか。

ネットワークはRJ45端子を利用できますし、Intel Wi-Fi6 AX200モジュールがインストールされていてWi-Fi6とBluetooth5.0にも対応しています。技適表示はありますが、8/24現在では総務省のサイトで検索してみても表示番号ではヒットはありませんでした。たぶんこれは、技適認証は取っているものの、発売から約一カ月と日が浅い為、法務省の検索サイトに反映されていないものと思われます。

Intel AX200モジュール
一応M.2.SATA SSDモジュール下のIntel AX200自体を確認してみると、型番は「AX200NGW」であり、この型番で検索すると該当がありました。表示こそありませんが、このインテルのモジュール自体には工事設計認証番号「003-190022」があるので、無線利用については問題ないと思われます(ちなみに今回のレビューは、Wi-Fiは利用せず有線接続で行っております)。

スペックは上を見ればキリがないですけれど、自分の必要とするスペックを見極めて、必要以上のコストを掛けないのも賢い選択ではないかと思います。ゲームや動画編集をあまりしない方ならば、自信をもっておススメできる一台だと思います。

3.筐体

MINISFORUM_UM300付属品
付属品に関しては抜かりなく網羅されています。日本仕様の電源ケーブルとACアダプタ、HDMIケーブルとDysplayportケーブル、ディスプレイマウント用ブラケットとネジ、2.5インチHDD固定用ネジ、保証カードと日本語表記のある説明書、そしてUM300本体が綺麗な化粧箱に収まっていました。パッケージにはやっつけ感はなく好感が持てます。

MINISFORUM_UM300筐体
本体です。筐体の側面のシルバーの部分はアルミっぽい金属製で、それ以外の白い部分と天板はABS樹脂的材質と思われます。天板手前をプッシュすると簡単に開く構造をしており、内部へのアクセスが簡単になるような工夫があります。前面左からMIC、Type-C、USB3.1(Gen1)、USB3.1(Gen2)、オーディオジャック、電源スイッチ、リセットスイッチと並んでおり使い勝手がよさそうです。

UM300筐体背面
側面には何もなく、背面にその他のポートが集中しています。

左からUSB3.1(Gen2)×2、Displayport、HDMI、RJ45×2、電源入力と並んでいて、左下にはセキュリティスロットもあります。背面の下にあるのは排気口で、大口径の冷却ファンが静かに、そして的確にCPUを冷却しています。このファン、非常に静かでファンレスかなって思うほどの音しかしません。

UM300_底部とファン
底部のカバーを外すと大口径のファンが現れます。径が大きければ回転速度を抑えられますのでこの辺りの設計が静音に効果的に効いているのでしょうね。

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4.拡張性

UM300の内部スロット拡大画像

クリックすると拡大します。

工具フリーで開く天板を外したところです。右にはSODIMMスロットが2つ、現状では8GBが1枚刺しで32GB×2枚の計64GBまでの増設が可能です。デュアルチャンネルに対応との事で、同じメモリーを8GB×2とかで利用すると内蔵GPUのパフォーマンスが向上すると思われますので、グラフィックを多用するアプリ(ゲームとか)を利用する機会が多いなら、この辺りのカスタマイズは効果が高そうです。

真ん中あたりを斜めに横断しているのが2.5インチHDD接続用ケーブルです。HDD自体は天板裏に固定(ネジ付属あり)して、このケーブルを接続する事になります。私は高画質動画を扱う事がないので、編集時の処理能力がどれほどのものなのか判りかねますが、動画などの大きなファイルをたくさん扱うならここもカスタマイズしたいところです。

NUC系ベアボーンキットにはこのケーブルが別売りになっている場合もありますから、標準で付いているのは親切ですね。

左にあるのがM.2. 2280 SATA SSD 256GBで、最大2TBのSSDを交換して利用できます。この下にはIntel AX200が刺さっているので、上のスロットには2240サイズは利用できなくて2280サイズしか固定できません。

5.性能テスト

第2世代Ryzen 3とRadeon Vega 6 Graphicsの組み合わせはどれほどの実力を秘めているのか、実際の性能が気になるところです。色々とベンチマークを検証してみました。

3DMark

UM300_3DMARK結果

参考:
UM300_3DMark参考リスト
Ryzen 3 3300Uはモバイル向けなので、同じようにモバイル向けCPU搭載のものと比較しています。UM300の結果は、FireStrike1,588、SkyDriver5,613でした。先日ライターのひつじさんが実機レビューしていたCHUWI CoreBook Pro Intel i3-6157U(GPU:Intel Iris Graphics 550)のそれと近い数値となっています。こうして改めてみると、Intel系はGPUが強化されると強いですね。i5とかi7だとかよりもGPU次第とも受け取れます。

Ryzen 3 3300Uも、この数値だけで比較すると第8世代モバイル用Core i7に引けを取らない性能があると言っていい事になります。第2世代とはいえRyzen 3は侮れません。

PCMark 10

UM300_PCMARK10ベンチマーク結果

参考:
PCMARK10参考リスト
続いて、表計算ソフトや画像加工、ビデオチャットなど、ビジネスシーンでの利用をシミュレートするPCMark10のスコアです。こちらもIntel第8世代と体感的に変わらないスコアになっていると思います。

このベンチは、実際の使用感を数値化して比較するには丁度良いと思いますので、数値の近い機種と価格を比較してみると(対象がノートPCなので一概に比較できませんけれど)コスパの良さが見えてくると思います。

CINEBENCH R20

UM300_CINEBENTH20結果

参考:CINEBENCH20参考リスト
Single Coreが計測できなかったので参考値となりますが、CPU性能のみの比較でもIntel第8世代と良い勝負をしていますね。さすがに第3世代のRyzen 5 4500Uはとは倍の開きがあります。

CrystalDiskMark

UM300_crystalDiskMark
SSDの性能も確認しておきましょう。搭載されているKingSton 256GB SSDの性能は今一つですかね。読み込みはまあまですが、書き込みのスピードが遅いようです。使用するSSDを他のメーカー品に変更すればいくらかは変わると思いますが、NVMeに対応していないのでそこまで高速化はされないと思います。

レビュー機には、素のWindowsにベンチマークソフトとOfficeくらいしかインストールしていませんが、WIndowの起動は12~13秒位ですので充分高速ですし、Officeソフトの起動も早いですからSSDの性能が足を引っ張っている感じはありません。

ゲーム系ベンチマーク

UM300-doraque_bench
UM300-DragonsDogma
UM300-FF14-Bench1
UM300-FF14-Bench2

ドラゴンクエストX、ドラゴンズドグマオンラインは最高画質でプレイ可能です(ただし、ドラゴンズドグマオンラインは2019年12月でサービス終了しています)。FF14は最高設定だと「設定変更が必要」、FHDで標準品質で「普通」という結果となりました。

ゲームに関しては、重量級のオンラインゲーム以外ならそこそこプレイできそうですね。普段ゲームする事がめっきり無くなった私なら、逆に「たまにはゲームしようかな。」って気にさせる位のスペック(判りにくいか…)と言えるでしょう。

こうやって複数のベンチマークを比較してみると、モバイル向け第2世代Ryzenの性能があれば十分メインパソコンとして使えるポテンシャルを持っていると言えるでしょう。 同じモバイル向けRyzenなら第3世代、または発売が待ち遠しい第4世代 にしたくなるのが人情ですが、コスト対効果を考えると第2世代でも充分アリだなって感じさせる結果となりました。

6.まとめ

MINISFORUM_UM300筐体

MINISFORUM DeskMini UM300は、Amazonで販売中で、8月25日現在の価格は8GB+128GBモデルが45,990円、8GB+256GBモデルが48,980円、16GB+512GBモデルが52,920円(すべて税込み)です。

Amazonで扱っている中華系NUCパソコンで、i7-8565U RAM16G+256SSDクラスだと安くても約6万円程 しますから、4万円台で同等の性能を持ったミニPCとなるとコスパが高いといえるでしょうね。私個人としては、モバイル向けRyzen 3 3300Uの性能を少し舐めていたところがありましたが、期待を上回るパフォーマンスに少々興奮を抑えられないレビューとなりました。

2万円台からあるCeleron系のミニPCでは、使い方への割り切りが必要となりますが、今回レビューしたクラスのスペックがあれば、メインでも充分使えるものですので、ミニPCの購入を検討しているなら、「DeskMini UM300」はぜひお勧めしたい一台です。

7.関連リンク

MINISFORUM DeskMini UM300:Amazon

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コメント

    • wintab より:

      こんにちは、情報ありがとうございます。いまメーカーさんからのご提供でプレゼント企画やってますので、ぜひ応募されてください!