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Jumper EZpad 4s - いろんな意味で中国タブレットらしい(実機レビュー)

Jumper EZpad 4s
こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。今回は中国のWindows タブレット「Jumper EZpad 4s」の実機レビューです。この製品は私たちからみて低価格な中国タブレットの製品群にあっても、10インチとしては最低価格といっていいくらいに割安なものです。また、中国タブレットの質感がどんどん向上している現在、いろんな意味で「中国タブレットらしい製品」と言えるかもしれません。なお、この製品は中国の通販サイト「GEARBEST」に提供していただきました。ありがとうございました。

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1.スペック

OS: Windows 10
CPU: Intel Atom X5-Z8300
RAM: 2GB
ストレージ: 32GB
ディスプレイ: 10.6インチIPS(1,366 × 768)
ネットワーク:  802.11b/g/n、Bluetooth
カメラ: イン2MP /アウト2MP
入出力: USB3.0、microUSB、miniHDMI、DC-IN、オーディオ、microSD
サイズ:
(タブレット): 278 x 171 x 7.5 mm / 540 g
(キーボード): 282 x 183 x 2.2 mm / 400 g
バッテリー: 6,600mAh

最初にスペック表を確認してみます。この製品は「10.6インチ」です。普通「10インチ」というと10.1インチサイズであることが多く、10.6インチの製品は製品名に「11」とつく場合があります(例:Cube iWork 11 Stylus)。で、ちょっと大きめな分「サイズが横長(アスペクト比16:9、ノートPCによくあるタイプ)」です。解像度はノートPCとして見た場合は悪くありませんが、タブレットとしてはそんなにいい方ではありません。タブレットのディスプレイってノートPCと比べると一般に高精細なんですよね。

CPUはCherryTrail世代のAtom Z8300ですが、RAMは2GB、ストレージは32GBなので、最近の中国タブレットとしては「普及価格帯レベル」です。Wi-Fiは2.4GHz帯のみの対応ですし、カメラ性能もそんなにいい方ではありません。でも入出力ポートは充実していて、フルサイズのUSB 3.0ポートもついています。また、好みがわかれるところではありますが、DC-INがついていて充電/給電時にUSBポートを塞ぎません。

今回はキーボードはなく、タブレット本体のみでの実機レビューとなりました。ちょっと残念ですが、本体だけでも製品評価はできますので、しっかり進めていきます。

2.筐体

Jumper EZpad 4s 同梱物
タブレット本体と同梱物です。本体のほかACアダプターと簡単なマニュアルのみです。マニュアルに描かれている製品の図は実物と全く異なり、はっきり言って全然使い物になりません。多分別製品のがついてきたんだと思いますw 中国タブレットの場合はマニュアルが中国語しかないことも多いですし、こういう豪快なミスもある、ということでしょう。

あえて画像は載せませんが、外箱は少し傷んでいました。海外から輸送する場合、税関で中を開けられることもありますし、箱にキズがついてしまうこともありますが、これはやむを得ないでしょう。製品は箱のなかでしっかり保護されていたので特に問題はありません。

Jumper EZpad 4s 背面
筐体をチェックしていきます。今回は背面から。もろプラスティック製です。Windows スマホ、特にLumiaとかを持ってる人ならわかりやすいと思いますが、「プラスティックのカバーがついてる」という感じです。高級感は全くありませんが、だからといって悪いとも言えないというか、「悪趣味じゃなく安っぽい」って感じですかね。

ちなみに、試用中うっかり軽く落下(室内で20センチの高さから落とした)させたら、背面カバー(本体の構成部品ですが、便宜的にカバーと表現します)が外れかかりました。簡単に元に戻せたのですが、その時に「なんだかWindowsPhoneに似てるなあ」と思いました。

それと、スピーカーは背面に2つありステレオです。配置はいいのですが、背面にあるとステレオ感はイマイチ、という感じでした。また、音質もそれほどいいとはいえず、音楽を楽しむのには向いていないと思います。

Jumper EZpad 4s 底面
筐体の底面です。キーボード接続用のコネクターとガイド穴があります。今回の実機レビューでは試せませんが、この製品には専用のキーボードが用意されており、しかも約2,100円と安価なので、購入するならキーボードも一緒に、ということになるでしょう。

また、筐体側面にはオレンジのラインがあしらわれています。これは好き嫌いがわかれると思いますが、もともと高級感は感じられないので、こういう遊び心はあっていいのではないかと思います。

Jumper EZpad 4s 左側面
筐体の左側面には入出力ポートが集中配置されています。画像左からオーディオジャック、DC-IN、USB 3.0、miniHDMI、microUSBとなっていて、その右側にはカバーで覆われたmicroSDスロットがあります。

Jumper EZpad 4s 右側面
右側面にはなんにもありません。

Jumper EZpad 4s 上面
上面には電源ボタンと音量上下ボタンです。ボタンの素材はプラスティックで、プラスティックであることを隠そうともしていません。でもサイドのオレンジと色があっていますし、操作感はいいです。グニャグニャしてませんね。

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Jumper EZpad 4s 背面アップ
また、背面にはポート類の名称が印字されています。日本のタブレットだとドスパラのDiginnosに似た感じです。ただし、素材感とか質感は全然違いますけどね。

筐体は質感が低く安っぽいです。私が初めて試用した中国タブレット「Chuwi Hi 8」でも質感の低さが気になりましたが、EZPadはそれ以下かもしれません。単にプラスティッキーであるとか見た目や触った感じが安っぽいというだけなら別にいいんですけど、比較的軽度な衝撃で背面カバーが外れかかる、というのはいただけないと思います。

ただし、そのChuwi Hi 8を実際に長期間使ってみると安っぽい筐体と裏腹に耐久性に優れた製品だったりしたので、実際のところは長く使ってみないと何ともいえないんですけどね。それと、筐体サイズですが、実測値でタテ・ヨコはスペック表とほぼ同じでしたが厚さは10 ~ 11 mmくらいはありますし、重量も実測値で598 gでした。重量については個体差も多少あり、また日本の製品でも多少の誤差はありますが、10%くらいスペック表より重い、というのは人によっては不愉快に感じるかもしれません。

サイズの誤差の大きさや筐体の質感ということでは悪い意味で使う「中国タブレットっぽい」と言えるかもしれません。

3.使ってみた

この製品、後述しますが処理性能はなかなかのものです。キーボードとマウスを接続してPCとして使ってみたところ、比較的軽度な事務系の操作は難なくこなせました。また、YouTubeで4K動画を観たり、ブラウザゲームで遊んでみたりもしましたが、割と快適でした。「割と」というのはブラウザゲームによっては処理に遅延が発生することがたまにあった、という意味で、これはAtom機であればある程度やむを得ないレベルの話です。

ただ、RAMが2GBということもあり、メモリを食いそうな作業をあえてやってみるとやはり限界は来ますね。日常の利用ではブラウザー(特にChrome)でタブを10個以上開いたりすると挙動はおかしくなる場合があります。あと、テストでやってみたのですが、ブラウザーでYouTubeの4K動画を流しつつブラウザゲームをするとか(バックグラウンドで4K動画流すとか、意味分かんないですよねw)だと、ブラウザゲームがまともに遊べなかったりします。まあ、常識的な使い方をする分には気にしなくて大丈夫です。

また、使っていて新鮮に感じるのはアスペクト比16:9のディスプレイです。解像度は1,366 × 768でそれほど高精細ではありませんが実用上問題のないくらいにキレイですし、横長の画面は好き嫌いがわかれそうですが動画視聴なんかには向いてると思います。

普段Atom機を常用している者としては、期待を大きく越えることもなく、逆に期待を裏切ることもなく、「お、意外といけるじゃん」というのが感想です。

4.性能テスト

いつものごとく、「ドラゴンクエスト X」と「ドラゴンズドグマオンライン(DDON)」のベンチマークソフトを使って測定してみました。

Jumper EZpad 4s ドラクエベンチ
参考:
ドスパラ Altair VH-AD(Celeron N3150):2,234
Cube iWork 11 Stylus(Atom X5-Z8300): 1,817
ONDA V919 Air CH(Atom Z5-Z8300): 1,801
Chuwi Hi 10(Atom x5-Z8300):1,658
Teclast X98 Pro(Atom X5-Z8500): 1,517
Cube iWork 8 Ultimate(Atom x5-Z8300): 1,448
DELL Inspiron 11 3000(Celeron N3050): 1,446 
ドスパラ Diginnos DG-D09IW2(Atom x5-Z8300): 1,241
acer Aspire Switch(Z3735F): 1,101
HP Stream 11(Celeron N2840):1,018

ドラクエベンチについてはまずます、というかZ8300搭載機としてはこれまでで最もいいスコアになりました。筐体の質感が気に入らず、性能テストの方もあまり期待できないと思っていたのですが、予想外の結果になりました。

Jumper EZpad 4s DDONベンチ
参考:
Teclast X98 Pro(Atom X5-Z8500): 1,048
ドスパラ Altair VH-AD(Celeron N3150):1,026
DELL Inspiron 11 3000(Celeron N3050): 1,021
Cube iWork 11 Stylus(Atom X5-Z8300): 911
Chuwi Hi 10(Atom x5-Z8300):876
ONDA V919 Air CH(Atom X5-Z8300): 819
Cube iWork 8 Ultimate(Atom x5-Z8300): 774
ドスパラ Diginnos DG-D09IW2(Atom x5-Z8300): 601
acer Aspire Switch 10(Atom Z3735F): 469

DDONのほうも大健闘してますね。この製品は64ビットOSながらRAM2GBなので、この結果はかなり立派だといえます。

そういえば先日読者の渋谷Hさんに「Atomの発熱と性能について」という記事をご執筆いただいだのですが、今回の性能テストではこの記事の内容が正しかった、ということがわかりました。というのも、ドラクエベンチを行った後、筐体の背面が少し熱を持っていたのですが、それに構わず、すぐにDDONベンチをやってみたらスコアが675でした。なので、しばらく待って背面に熱を感じなくなってから再度DDONベンチをやったらこの結果です。

この製品は排熱性能があまり高くないということが言えそうです。もちろん結果として残った数値は立派ですが、ベンチマーク・テストではなく、負荷が大きめな作業を長時間行うと性能低下が発生する可能性はあるかもしれません。

しかし、筐体の質感では低評価でしたが、処理性能では高評価をしてもいいんじゃないか、と思います。価格を思えばこの製品はいい意味で「中国タブレットらしい」と言えそうです。

5.まとめ

Jumper EZpad 4sはこの製品の提供元である中国の通販サイト「GEARBEST」で販売中で、価格は129.21ドル(14,395円)です。そしてこの価格はCherryTrail搭載の10インチクラスの中国タブレットとしては最安値になると思います。

筐体の質感についてかなり辛口の評価をしてしまいましたが、記事中でも書いたとおり、「だからといってすぐ壊れる」ということは言えません。むしろ「大丈夫かな、これ」と思うような製品が長期間快調に仕事をしてくれたりもするので、意外にこの製品も頑張りそうな気もします。

処理性能の方は「立派」の一言です。ただ、筐体の背面が熱を持つ、というところが若干不安で、今どき熱暴走みたいなことはないと思いますが、長時間高負荷の作業をすることによって性能が低下する可能性は否定できません。しかし、価格が非常に割安である、ということを差し引けば、「良くも悪くも中国タブレット」だと思います。

今回残念だったのは専用キーボードを試せなかったことですが、アスペクト比16:9のディスプレイといい、比較的軽めの作業ならサクサクこなす処理性能といい、PCとしても十分な実力がありそうなので、わずかな追加支払いで手に入るキーボードは絶対に一緒に手に入れるべきでしょう。

6.関連リンク

Jumper EZpad 4s 2 in 1 Ultrabook Tablet PC:GEARBEST

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