こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。ウインタブでは原則として並行輸入品の「スマホ」はレビューを遠慮させてもらっているのですが、今回は例外です。こんな弱小サイトにもかかわらず、ありがたいことに複数の通販サイトより「ぜひ!」とレビューをご依頼いただき、何度もお断りするのも失礼、ということで、思い切ってやらせていただくことにしました。7インチ(6.98インチ)のWindows 10 スマホ「Cube WP 10」です。この製品は中国の通販サイト「Banggood」に提供していただきました。Banggoodにはこの場にて御礼申し上げます。ありがとうございました。
なお、この製品についてはあえて新品・未開封のものではなく、Banggoodにご無理をお願いし、中国国内にて起動、Wi-Fi通信をテスト済み(開局済み)のものを送っていただいています。また、このレビューではWi-Fiや3G・LTE通信をすることなく、外観および通信しない状態での使用感のみをご報告いたします。
1.スペック
OS: Windows 10 Mobile
CPU: Qualcomm MSM8909(Snapdragon 210)
RAM: 2GB
ストレージ: 16GB
ディスプレイ: 6.98インチIPS(1,280 x 720)
ネットワーク: 802.11 b/g/n/、Bluetooth 4.1
カメラ: イン2MP / アウト 5MP
入出力: microUSB 2.0、オーディオ、microSD、デュアルSIM(microSIM + NanoSIM)
※NanoSIMとmicroSDはスロットを共有しているので、同時には使えません
バッテリー: 2,850mAh
サイズ: 187.7 x 97.7 x 7.6 mm / 248 g
最初にスペック表の確認からです。期待の大型Windows スマホですが、スペックは決して高くはありません。CPUはSnapdragon 210ですから、高くない、というよりはエントリースペックというべきものです。ただし、RAMが2GBあるというのは少しうれしいですね。日本のSnapdragon 210搭載機はほとんどがRAM1GBなので、ちょっぴり余裕ができそうです。
ストレージは16GBですが、Windows 10 Mobileの場合はmicroSDにアプリをインストールできる(例外もあります)ので、microSDカードを挿入する前提ではこれで行けると思います。どうせ、と言っては失礼ですが、CPUのスペックも高くないので、ロード時間がかかるとかはあまり気にしなくていいでしょう。
ディスプレイサイズは圧巻の「6.98インチ」ですね。HD解像度なのでハイスペック機にはかないませんが、実用レベルでは特に問題ないだろうと思います。あと、サイズはさすがにデカイですね。おそらく最も人気があったであろう7インチのAndroidタブレット「Nexus 7(2013)」とサイズ比較してみると
Cube WP10: 187.7 x 97.7 x 7.6 mm / 248 g
Nexus 7(2013): 200 × 114 × 8.6 mm /299 g(LTEモデル)
こんな感じです。個人的にはNexus 7(2013)って「かなり小ぶり」なイメージを持っていたのですが、そうでもないっすね。Cube WP10、意外に健闘している感じ。
2.筺体
同梱物です。本体のほか、ペーパー類は取扱説明書(英語表記あり)、検査合格証、保証書、VIPカード(英語表記がなく、どう使うか不明)があり、ケーブル類ではUSB(オス)- microUSB(オス)のケーブル、それにSIMスロットを開けるためのピンがありました。ACアダプターは入っていません。
筺体正面です。意外に引き締まって見えます。8インチタブレットとは全く異なるサイズ感で、ちょっと見た感じ7インチサイズとは思えないくらい小さく見えます。ベゼル幅も最新のハイエンドスマホにはかなわないにせよ、十分に細く、スタイリッシュに見えます。
5インチサイズのマウス MADOSMA Q501と並べてみました。こうしてみるとやはり「デケー」というのがわかりますね。なお、このサイズだとワイシャツの胸ポケットには「入ったり入らなかったり」です。手持ちのワイシャツ(ビジネス用およびカジュアルシャツ)何枚かで試してみましたが、入るとしたらギリギリ、入らないとしてもギリギリですねw あと、ジャケットの胸ポケットには入りません。これも手持ちのジャケット(テーラードジャケット)で試してみましたが、ポケットに入れることのできるジャケットは一つもありませんでした。ただし、ジャケットの内ポケットには入ります。
右側面です。ボタンの配置はタブレットっぽいですね。画像の左側が電源ボタン、右側が音量上下ボタンです。一般的なWindowsタブレットとボタンの位置が逆ですが、違和感はありません。
上面です。オーディオジャック(イヤフォンジャック)と、その右側にマイクがあります。この製品は通話用のマイク(筺体下にあります。非常に小さく、目立ちません)のほかに、もうひとつマイクがついているんですね。
左側面です。この面にはSIMスロットがあります。
スロットを開けてみるとこんな感じです。最初microSIM × 2かな、と思ったんですが、一方がmicroSIM、もう一方がNanoSIM(兼microSDカード用)になっています。
底面です。これも定番的な配置ですが、microUSBポートがついています。側面は金属素材になっていて、見た目も触った感じもかなりいいです。高級感もありますね。実際の価格以上の品質だと思います。
背面です。ご覧の通りキレイなホワイトで、見た目は決して安っぽくはありません。
表面に透明なコーティングが施してあり、近くで見ても、触った感触もかなりいいです。軽く叩いてみた音だと、ガラスコーティングではないと思われますが、全く安っぽさがなく、十分な品質だと思いました。
中華タブレットのレビューでいつも書いているのですが、中国製品の筺体品質は刻々と進化しており、少なくとも外見上は日本メーカー製品と変わらないくらいのレベルになっていると思います。この製品に関しても、1万円台の価格とは到底思えないくらいに高い質感を実現していると感じました。少なくともこの筺体だけで判断すれば「買い」でしょう。
3.使用感
今回は通信なし、ということで、十分な情報をご提供できないと思いますが、どうかご了承ください。
製品到着時、OSは英語版が入っていました。で、いったん初期化(リセット)し、再度初期設定をしたのですが、その際、日本語は選択できませんでした。選択できるのは英語と中国語のみです。そのため英語を選択して初期設定をし、その後設定メニューから言語を「日本語」としたのですが、PC版のWindowsとは異なり、言語パックのダウンロードは不要です。ただし、日本語キーボードはダウンロードが必要でした。
初期構成です。OSはWindows 10 Mobileの「バージョン1511」つまり、Anniversary Updateは適用されていませんでした。またストレージの空きは11GB強と、比較的余裕があります。
なお、PC版のWindows 10でもそうなのですが、もともとの言語が非日本語であるOSに日本語の言語パックを導入すると、実用上問題のないレベルで日本語化は可能ですが、随所にオリジナルの言語表記が残ってしまいますよね。Windows 10 Mobileの場合もそれと同様で、設定で言語を日本語に切り替えても、上の画像の「ストレージ」のところにあるように、ところどころが英語のまま残ります。とはいえ、特に困ることはないと思います。
また、プリインストールアプリも英語表記のままですが、これは言語設定を日本語にした後、ストアのアプリで「アプリ更新」をすれば日本語表記に変更されます。
さて、画面をスクロールさせたり、アラームを使ってみたり、テキスト入力をしてみたりして、分かる範囲で挙動を確認してみたところ、かなり滑らかに動きます。私はこの製品と同じSnapdragon 210を搭載したWindows 10 スマホ「ドスパラ Diginnos mobile DG-W10M」を持っていますが、それと比較すると、この製品のほうがキビキビと動くなあ、という印象でした。とはいえ、アプリの動作感はレポートできないので、あまり参考にならないと思いますが…。
また、この製品ご自慢の6.98インチIPSディスプレイは非常にキレイです。解像度はハイエンドスマホには及びませんが、明るく発色もいいので、手にとって試してみたら、多くの人が満足するでしょうね。
ちなみにAntutuのスコアは29,662らしいです(ニヤリ)。また、このデータはウインタブとして高い信憑性があると判断していますが、Windows 10 スマホで私が過去に計測したことのあるデータだと、
マウス MADOSMA Q601(Snapdragon 617): 48,008
マウス MADOSMA Q501(Snapdragon 410): 35,663
ドスパラ Diginnos Mobile(Snapdragon 210): 23,785
※MADOSMA Q501のスコアは自己所有機の調子が悪く、やや信憑性が劣る可能性があります。
ということなので、Snapdragon 210としては予想外に良いスコアなんじゃないか、と思います。ストアアプリで言うと、「World of Tanks Blitz」あたりはSnapdragon 210や410だと厳しいものがありますが、「Asphalt 8」くらいであれば十分快適に動くと思います。また、RAM2GB必須の重量級ゲーム「GTレーシング2」に関しては、問題なくインストールでき、グラフィックがやや簡略化された印象があるものの、プチフリーズすることもなく、スマホとは思えない大画面・大迫力で快適に遊べた、という情報もあります。Windows 10 Mobileが本領を発揮できるビジネス系やニュース系のアプリなら、当然サクサク動くでしょう。
5.まとめ
Cube WP 10は中国の通販サイト「Banggood」で販売中で、価格は133.29ドル(15,979円)となっています。モノがスマホだけに、どう使うか、という問題はありますが、筺体品質などが素晴らしく、ディスプレイも非常にキレイなので、タブレット並みの大画面でWindows 10 Mobileを使える、というのは大きな魅力だと思います。
もちろんコスパも他の中国製品と同様、非常に高いと評価できます。あとは耐久性ですが、Windows 10 Mobileのほうが(決して悪い意味ではなく)OSが軽量なので、十分期待できそうです。ただし、電話機としての部品も当然この製品には入っているわけで、その部分に関してはある程度長期間使ってみないと何とも言えません。
2016年は電波法が改正され、条文解釈上、並行輸入品のスマホも事実上日本で使える、という見方をしている人もいます。一方で大手の情報サイトでは保守的な立場を崩しておらず、ウインタブとしても従来通りの立場を取ります。しかし、今回のように外観や通信を伴わない挙動の確認程度であれば今後もスマホのレビューは可能かな、ということを少し考えてしまいました。
6.関連リンク
Cube WP 10:Banggood
コメント
コメント失礼します。
ズルトラUserとしてこの端末には興味があったのですが、このようにレビューしていただき参考になりました。
ズルトラを使っていると言ってもChromeでネット見たりOutlookでメールの送受信したりするだけなのでマイクロソフトアカウントとの連携を考えるとAndroidよりもWindowsPhoneのほうが今後良くなっていくでしょう。そう考えると本端末は普段からマイクロソフトアカウントを使っている身からすればかなり魅力的だと思います。
何よりOffice文書を手直ししてOnedriveにupして共有する作業がAndroidではちょいとめんどくさいので・・・・・。
これからもWIndowsPhoneの成長を見守って行こうと思います。
でもなあ、ちょっと値段が高いなぁ。
ふんぼさん、こんにちは、コメントありがとうございました。この製品、現在はかのあゆさんのところにあります。私も継続して使いたかったのですが、彼はガジェットを熱狂的に愛する男なので、ふさわしいかな、と思います。いいっすねえ、このサイズ!
ぱっと見Xperiaぽいしカメラの位置も悪くない(個人的にカメラがセンターにあるのは嫌い)のに…ロゴが…ダサい…Cubeさんは前前からロゴがもうちょっとオシャレなら…と思っているので残念です
あとはミドルレンジくらいの処理性能があればなぁ…おもしろいとは思うんですが…
もりけんさん、こんにちは、コメントありがとうございます。せめてもうワンランク上のCPUならなあ、と私も思いますが、個人的にはずいぶんサクサク動くなあ、と思いましたよ!