こんにちは、natsukiです。電子ペーパーの世界の先頭を切って意欲的な製品を出し続けているAndroidをOSとする電子ペーパータブレット「BOOX」シリーズ。今年に入ってからも絶好調で、電子ペーパーの世界をさらにさらに広げ続けてくれています。4月にBOOX Nova2のレビューをさせていただきまして、そのとき感じたのは、「電子ペーパータブレットは完成された」ということでした。まあ、これで一息ついて、しばらくは完成度を高める方向かな? と思ったんですよ。大変な見当違いでした、失礼いたしました!! その後も、BOOXは矢継ぎ早に新製品を送り出しており、素晴らしいのは、そのどれもが、実験的な部分も含めて電子ペーパーの可能性を広げる試みとなっていることです。この半年ほどの、そんなBOOXの動きをまとめてみたいと思います。
目次
1.驚愕のカラー電子ペーパー搭載!!「Boox Poke2 Color」
これは、前回のBOOX Nova2のレビュー記事の最後にちょっと触れました。そして、ちゃんと予定どおり商品化してきました! なんと、カラーの電子ペーパー端末、「Boox Poke2 Color」です。実験的な機器や業務用の機器を除いて、一般に販売されたカラー電子ペーパー端末って、初じゃないですかね?
ディスプレイサイズは、6インチ。文字を読むには最適なサイズですが、マンガなどを読むにはやや小さめ。そして、カラー表示の際には、解像度が100dpiまで落ちてしまいます。まだ、技術的課題はいろいろありそうですが、それにしても、感動がそれをはるかに上回ります。一方で、白黒モードであれば300dpiで表示可能だし、重量も通常のモノクロ版「BOOX Poke2」と変わらず150gと軽量なので、カラー表示が実用性に欠けたとしても、普通の電子書籍リーダーとして十分すぎる機能を持っています。
これだけの最先端技術を積みながら、価格が299ドルというのも良心的。
そんなもんだから入手は非常に困難で、8月にメーカー直営サイトで販売を開始するも、即座に完売。以後、時々見ていますが、在庫が復活したのを見たことがありません。BOOXは、いくつかの販売サイトがあって、こちらのサイトではプレオーダーを受け付けています。11/25発送予定とのこと。ただし、送料が60ドルかかります。
なお、通常のモノクロバージョンの「BOOX Poke2」もあり、こちらは、前機種「BOOX Poke Pro」から、Android OSのバージョンや処理能力、ストレージ容量など、各機能を順当にバージョンアップ。ただし、「できること」という意味では特に目新しさは備えない、堅実な電子ペーパーAndroidタブレットとなっています。
「BOOX Poke2」「BOOX Poke2 Color」の主な性能は、次の通りとなっています。
BOOX Poke2:BOOX公式ショップ
BOOX Poke2 Color:BOOX公式ショップ
BOOX Poke2 Color:別のBOOX公式ショップ
2.クリエイティブ機能を大幅に強化した「BOOX Note Air」
10.3インチディスプレイ、BOOXシリーズの中でも、最も多様なバリエーションを保つ「BOOX Note」シリーズの最新作が発表されました。その名も「BOOX Note Air」。まず、デザインが大きく異なる! 左側に「持ち手」のようなエリアが加わり、ぱっと見「Kindle Oasis」のような見た目……いやいや、デザイン性はこっちの方が断然上でしょう。
見所は、ノート機能の大幅な強化です。なんと、「レイヤー機能」に対応! また、後述のスマホアプリで、念願の他のAndroid機器やパソコンとの同期も可能に!! これは感涙ものです。ノートアプリって、結局は、他の機器と連携してこそ真価を発揮するんですよね!
さらに、BOOXシリーズではじめて自動画面回転に対応。別に、今まではできなかったんじゃなくて、製品特性上、あえて回転機能を外していたんだと思うんですが、それを付けてきたのはどういうわけか? これは、後述の専用キーボードとドッキングして、文字執筆機能を強化したことを意味します。まさに、ポメラのオハコを奪う強力な執筆機器の登場か? というか、もう、この「電子ペーパーラップトップ」とも言えるシルエットを見ただけで、興奮せざるを得ないでしょ?
主なスペックは上の通り。んんん?? いくつかはスペックダウンしていますね。指紋センサーはオミット。ちょっと不安なのは、ストレージを32GBに削減して、microSDカードによるデータ拡張にも対応していない点です。まあ、これまでのユーザーのフィードバックから導き出した結論なんだろうから、大丈夫だとは思うんですが。使い方にもよりますかねぇ……
電池容量も減っていますが、処理能力向上と、省電力製もアップしているらしいので、ここはまあ、心配要らないでしょう。
価格は479.99ドル……、って、え?安!? 前機種「BOOX Note2」が534.24ドルだったのに、まさかの値下げ。これは文句なしに素晴らしいですね。
BOOX Note Air:BOOX公式ショップ
3.ノート機能の大幅強化で実用性が大きく向上「BOOX MAX Lumi」
13.3インチ、つまり約A4サイズの大型電子ペーパータブレット「BOOX MAX」シリーズにも、最新作「BOOX MAX Lumi」が登場。
注目点は、やはり、「BOOX Note Air」と同様の機能充実のノートアプリ。大型サイズだからこそ、ノートとして、レイヤーをフル活用したスケッチブックとして、期待が高まります。
前機種「BOOX MAX3」に引き続き、セカンドモニター機能も付いていますが、今度は逆に、Windowsのパソコンを、「BOOXのセカンドモニター」としても利用可能! 別モニターではなく投影のようですが、これは面白い。使い方は後で考えましょう(笑)
主なスペックの前機種との比較です。バックライトも搭載されましたね。全体的に高性能になった分、重量は増してしまいました。
価格は871.65ドルと、13.3インチクラスの価格を維持。でも、世代が代わっても高くはしないところがBOOXシリーズの嬉しいところです。
BOOX MAX Lumi:BOOX公式ショップ
4.来た!楽譜専用電子ペーパータブレット「BOOX Padmu 2」
来た来た来た、来ましたよ! 予告はかなり前からされていましたが、ついにBOOXシリーズからも、楽譜専用タブレットが正式リリースです。前世代機「BOOX MAX2」をベースとして、楽譜用にアレンジした機種のようです。
楽譜専用電子ペーパータブレットというと、すでに「GVIDO」という製品がありまして、これは13.3インチの電子ペーパーディスプレイを贅沢に2枚使い、操作方法やセンサーも独特のものを積んだ、非常に魅力のある製品です。私も、店頭でいじったことはありますが、面白いながらも、正直なところ、ぬぐぐもう一息、という感があります。何より、価格が高すぎるのは非常に厳しい。
さて、新しく発売が予告された「BOOX Padmu 2」については、まだ詳しいことは発表されていません。小出しの情報はあるものの、つねに最先端を行くBOOXのこと、実際に発売されるまでスペックの変更はよくあることです。
おおよその機能は、上の画像からしか分からないものの、一番上の、2枚並べているのが気になりますね。2枚でリンクさせてGVIDOのように使えるのか?たんなる演出の可能性もありますが。中段のペダルは、楽譜めくりに是非欲しいもの。あとで見ますが、BOOX Padmu 2を買うなら、是非一緒に購入したいところです。また、スマホアプリからのコントロールも可能な模様。それから、商品ページの「Related Products」に、なぜかワイヤレス充電器が出てくるんですけど!? これは期待していいのか?
いろいろ、詳細が気になりすぎます。前世代機をベースとしているためか、価格は799.99ドルと、13.3インチの電子ペーパータブレットとしては、比較的安価に抑えられています。
BOOX Padmu 2:BOOX公式ショップ
5.電子ペーパーの可能性を広げる周辺機器
すでに、上記の製品紹介の中で触れていますが、本体だけでなく、BOOXシリーズの周辺機器も、精力的に発売されています。どれも、電子ペーパーの可能性に挑む機器であることが素晴らしい。
BOOX専用キーボード「BOOX Bluetooth Keyboard」
BOOX専用キーボードです。10.3インチの「BOOX Note」シリーズと、13.3インチの「BOOX MAX」シリーズに適合、……ということになっていますが、製品画像からも分かるように、メインで想定しているのは、明らかに「BOOX Note Air」ですね。
キー配列です。あ、かなりクセあるわこれ。
接続はどのみちBluetoothなので、Amazonに山のようにあふれている10インチサイズ対応汎用キーボードの方が、キー配列にクセもないし安いしで、ぶっちゃけ、機能的にはあえてこのキーボードを買う必要は低いかも知れません。と、冷静に言ってはみましたが、いやいや、BOOXシリーズをラップトップのように扱うこのシルエットだけで、もう買わずにはいられないでしょう!
BOOX Bluetooth Keyboard:BOOX公式ショップ
楽譜操作用Bluetoothペダル「BOOX Blue」
Bluetooth接続のペダルです。
想定されている用途は、13.3インチの「BOOX MAX」シリーズと合わせての、楽譜操作です。楽譜専用端末「BOOX Padmu 2」を買うなら、是非一緒に欲しいですね。まだ正式販売はされていませんが、価格は表示されていて、129.99ドルとなっています。これ、絶対値としては高いものの、Bluetoothペダルとしては、まあ、納得のお値段です。なにしろ、GVIDOのペダルは税抜き30,000円ですからね!
BOOX Blue:BOOX公式サイト
BOOX用リモートコントローラー「Boox B.T. Remoter」
BOOX専用リモートコントローラーです。
すいません、この使用画像を見ても、リモコンが必要になる場面がちょっと想像できません。その距離なら直接操作した方が……
あ、新発売の「BOOX MAX Lumi」は、Windowsをセカンドディスプレイにすることが可能なので、それと絡んで、何か使い道が……思い……浮かぶかな?
ええい!こんな発想が貧困なことではダメだ! いつでも、新しい可能性を切り拓いてこそのBOOXユーザーというもの! さあ、みんなで、BOOXシリーズにリモコンが必要な使い方を考えよう!
Boox B.T. Remoter:BOOX公式ショップ
6.ついにスマホとのノートアプリの連携が!「BOOX Assistant」
BOOX Nova2のレビューのとき、特にノートアプリの活用に絡んで、一般のAndroidとの連携があれば……というようなことを書きました。これも、やってくれました!さすがはBOOX。
WiFi環境で、スマホからBOOXノートアプリのノートを閲覧したり、データをやりとりしたりができます。できる、……ハズなんですが、はい、喜び勇んで、BOOX Nova2で使ってみているものの、BOOX Nova2からのノートのバックアップと、Wi-Fi環境でのQRコードを使ったデータのやりとりまではできたんですが、肝心のスマホへのノートの共有がうまくいかないんですよ。もちろん、ファームウェアは最新版にしてあるし、どこかでやり方を間違えているのか、ちょっと原因がつかめないでいます。最新機種のBOOX Note AirとBOOX MAX Lumiは、いずれもノートアプリの強化に力を入れた製品なので、スマホアプリのさらなる機能強化と動作の安定性向上にも期待したいところですね。
BOOXシリーズは、製品特性上オフラインで使う機会が多いとはいえ、無料1GBのクラウドストレージも頼もしい。BOOX Note Airのストレージ容量削減は、この活用も考慮に入れているのかもしれません。
BOOX Assistant:Google Play
BOOX Assistant:BOOX公式サイト
7.まとめ
いかがですか? 繰り返しになりますが、7.8インチの「BOOX Nova2」レビューしたときには、これは、電子ペーパータブレットとしてひとつの「完成形」だと思いました。でも、それはあくまで、「今まで主に想定されてきた使用方法において」に過ぎなかった。これだけ磨き抜かれた製品を作りながら、さらに新たな可能性へ挑んでいくBOOXシリーズのエネルギーには感嘆します。このスピード感と発想の豊かさは、ほんとうにワクワクさせてくれますね!まだまだ目が離せません。
8.そして国内販売へ向けて……
今回の記事で紹介した製品は、発表されたばかりだったり、新発売だったり、そもそもマイナーだったりで、あまり大々的な販路に載っていないものが多くあります。さて、BOOXシリーズといえば、国内においては正規販売代理店「SKT」の存在を忘れてはいけません。まだ具体的なことはわかりませんが、そのうち朗報があるかも? ウインタブとしても、安心の国内販売で、早く新たなBOOXシリーズの情報をお届けできることを楽しみにしております。
9.関連リンク
ONYX BOOX:BOOX公式サイト
Official BOOX Shop:BOOX公式ショップ
SKT:BOOXシリーズ国内正規販売代理店
コメント
とても魅力的な商品ばっかりだけどどれもなぜか重くなってるのが気になる
コメントありがとうございます。確かにそこは、残念なところですね。
BOOX MAX Lumiはフロントライト積んだ分としても、BOOX Note Airの重量増は、バッテリー減らしてるのに謎です。
BOOX Poke2はPoke Proより軽くなったので、軽量化を軽視しているわけではないと思うのですが。
いつも最新情報をありがとうございます。
ガジェット好きの血が騒ぎ、BOOX Note Airを
早速注文してしまいました。到着を楽しみにしています。
参考になりましたら何よりです。Note Airは、今までのタブレットとは全く異なるデザインで魅力もひとしおですね。