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BMAX Y13 Pro - 旧世代のCore mプロセッサーを搭載する13.3インチコンバーチブル2 in 1。メインPCとしても使えそうです

BMAX Y13 Pro
中国メーカーのBMAXが13.3インチコンバーチブル2 in 1「Y13」の上位版となる「Y13 Pro」を発売しました。BMAXのPCは過去にウインタブでも何度か実機レビューをしていて、特に11.6インチコンバーチブル2 in 1の「Y11」は非常に高く評価しています。

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Y11の13.3インチ版とも言えるY13は基本的にサイズ以外はY11と同スペックだったのですが、今回発売された「Pro」はCPU性能が大きく向上しています。

1.スペック

  BMAX Y13 Pro
OS Windows 10
CPU Intel Core m5-6Y54
外部GPU なし
RAM 8GB
ストレージ 256GB  SSD
光学ドライブ なし
ディスプレイ 13.3インチIPS(1,920 × 1,080)タッチ
ネットワーク 802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.2
入出力 USB Type-C × 2、オーディオジャック、microSDカードリーダー
カメラ Webカメラ(1MP)
バッテリー 38Wh
サイズ 307.5 × 208 × 14.7 mm
重量 1.25 kg

BMAX Y13 ProはY13とほとんどの部分で同一のシステム構成ですが、もともとY13をウインタブでご紹介する機会が非常に少なかったので、改めて一通りご説明します。

CPUはY13のCeleron N4100からCore m5-6Y54に変更されました。第6世代(Skylake)と世代は古いですが、それでもCeleron N4100よりも高性能と思われます。ちなみに、「いつか書こうと思っていた」のですが…

Core m5-6Y54: 2,080
Celeron N4100: 2,503
Core i3-6100U: 2,617

これ、9月6日現在のPassmark公表のベンチマークスコアです。これを見ると、Core m5のほうがCeleron N4100よりも性能が低いことになります。「んなわけない」と思うんですよね。参考として掲載したCore i3-6100Uという型番は私が最近までメインPCとして使っていたThinkPad 13に搭載されていた型番です。当然実機レビューもしています。また、私もすっかり忘れていましたが、Core m5-6Y54を搭載する「Lenovo ideapad Miix 700」という製品を実機レビューしていました。で、ドラクエベンチのスコアはこうです。

ThinkPad 13(Core i3-6100U):5,409
Lenovo Miix 700(Core m5-6Y54):4,741
BMAX Y11(Celeron N4100):1,845

ドラクエベンチは少し前に仕様が変更されたらしく、スコアが出にくくなってはいます。ThinkPadとMiixは仕様変更前のスコア、BMAX Y11は仕様変更後のスコアなので、ThinkPadとMiixのほうがスコア的には多少有利かと思います。しかし、いくらなんでも「トリプルスコア」になるような仕様変更なわけはありません。また、Passmarkとドラクエベンチは特性が異なるテストなので、テスト結果が必ずしも類似したものにはならないはずですが、それにしても結果が違いすぎです。

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AndroidスマホではおなじみのAntutuベンチマークはバージョンが上がるたびにスコア体系が変わり、例えばVer.6とVer.8のスコアを単純比較することはできません。しかし、Passmarkはどうでしょう?個人的にはAntutuのように、バージョンが変わるとスコア体系も少しずつ変わっていくのだろうと思います。したがって、Passmarkの公表スコアは「古いCPUには不利」な表示になっているものと思われます。

なので、古いデータではありますが、ウインタブとしては過去に実測したドラクエベンチのスコアのほうが正しく性能差を表していると考えます。

では話をBMAX Y13 Proに戻します。RAMは8GB、ストレージは256GBと、搭載CPUの性能に見合う容量になっていると思います。

BMAX Y13 Pro
また、最近の中華ノートではおなじみの「底面のM.2 スロット」も装備されています。ただし、Y11がそうだったのですが、ここには標準の256GB SSDがすでに装着済みと思われ、DIYでのストレージ容量アップは可能なものの、「増設」ではなく「換装」となるはずです。非常に乱暴な言い方をすると、例えば512GB SSDにする場合、もともとの256GB SSDは無駄になる、ということです(実際には他のPCなどで活用できると思うので、無駄、という表現はよくないかもしれないですね)。

ディスプレイは13.3インチのIPS液晶、FHD解像度です。また、コンバーチブル2 in 1筐体のため、タッチ対応もします。

入出力ポートはちょっと厳しいですね、USB Type-A(以前からある普通のUSBポート)がなく、Type-Cが2つあるのみです。なので、手持ちのマウスやUSBメモリースティックを使うためにはハブや変換アダプターが必要になっていまいます。また、Type-Cポートのうちの1つは映像出力にも対応しますが、HDMIポートはありません。

サイズは従来モデルのY13と全く同じです。13.3インチのコンバーチブル2 in 1としてはタテ・ヨコサイズも小さいですし、重量も軽い部類と言えます。

2.筐体

BMAX Y13 Pro
ディスプレイとキーボードです。中華製品なので「画像加工」の可能性がないとは言えませんが、この製品の場合、横幅が307.5 mmと、13.3インチとしては十分に小さくなっていますし、メーカーの画像に「ベゼル幅5 mm」と明記されていましたので、ナローベゼルであることは間違いないでしょう。

キーボードは横幅いっぱいに展開されており、キーピッチは十分に取られているものと思われます。このキーボードはバックライトもついていますし、上部にステレオスピーカーが搭載されています。

BMAX Y13 Pro
コンバーチブル2 in 1なので、タブレットモードやテントモード、スタンドモードにして使うこともできます。筐体素材はアルミ合金で、ウインタブで11.6インチ版のY11を実機レビューした際、筐体の質感を高く評価していますので、この製品の筐体品質も心配いらないと思います。

BMAX Y13 Pro

クリックで拡大します

側面と入出力ポートの配置です。この価格帯の製品としてはかなりの薄型で、その点は素晴らしいと思いますが、やはりポートの構成には不満が残ります。USB Type-Cのみ、というのがちょっとねえ…。

3.価格など

BMAX Y13 Proは中国の通販サイト「Banggood」で販売中で、9月6日現在の価格は499.99ドル(53,957円)ですが、クーポンコード「BGBXY13PRO」で459.99ドル(49,640円)で購入できます(9月10日まで)。

この価格は割安であるとは思いますが、DELL Inspiron 14 5000など、AMD Ryzenを搭載するノートPCが6万円を切る価格で購入できることを考慮すれば、「日本と中国の製品価格差の縮小」が感じられないでもありません。また、コンバーチブル2 in 1ということだとLenovoのIdeapad C340とかIdeaPad Slim 350 14とかは4万円台、5万円台で買えてしまいますからね。

現状、中華PCで最も値頃感のあるのはやはりCeleron機だと思います。Celeronは何かにつけてバカにされがちというか、低く見られがちのため、国内向けPCでは採用例が少なくなっていますが、ウインタブ的にはそんなに使えないCPUだとも思っていませんし、中華メーカー各社がしのぎを削っているせいか、まだまだ200ドル台での購入が可能ですしね。

BMAX Y13 Pro、十分に魅力のある製品だと思います。でも、この価格帯ならDELLやLenovoの製品とじっくり比較検討したいところです。

4.関連リンク

BMAX Y13 Pro:Banggood

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コメント

  1. miz より:

    Type-Cが両側とも充電に対応してれば、個人的には「おっ!」ってなるんですけど…。高級機種でも滅多に無いので無理ですかね。

    ベンチについてはソフトごと何を見ているかが変わりますから一概に言えませんよね。
    例えばCore mのような超低電力CPUの場合、短時間のブースト時は同世代同コア数のCore iに匹敵することもあります。ただ、長時間ブースト出来ないので、時間が長くなるほど上位との差は開きます。

    ベンチマークソフトが走る”時間が違う”だけでも上記のような違いが出るので、中身がわからなくても、色々なソフトの結果を見てみるというのは良いことだと思います。
    ウィンタブライターの方々が時々「コレとアレが同じくらい」って書くのを見ると、どのソフトを参考にしてるか分かるのでそれはそれで面白いですが(笑)

    ネットで簡単に出てくるベンチ結果の比較が以下
    https://twitter.com/mizt325/status/1286854007747534848?s=19

    • wintab より:

      こんにちは。そうですね。単一のベンチマーク結果だけでは決めつけが難しいと思います。特にCeleron機の場合はベンチマークテスト結果は概ね悲惨なんですけど、体感的には十分サクサク、というのもあります。あと、CeleronのN4100とN4000の体感差はかなり大きくて、個人的には「N4100なら使える。でもN4000だと本当に軽作業のみ」って感じますね。

  2. 真面目 より:

    BMAX Y11(Celeron N4100)という機種は極端にベンチ低いと思います。TECLAST F5と同様の理由なんですが、11インチの大きさに無理やり詰め込んだということ、薄すぎるために排熱が追いついていないのでは?
    なので比較する場合は、同一サイズで排熱がきちんとしているノートパソコン同士で行う方が正確です。
    次に、N4100は第8世代でiGPUがインテルUHDグラフィックス600です。m6は第6世代でインテルHDグラフィックス515です。N4100の方がグラフィックス性能は高いと思います。
    そして、ドラクエベンチもFF14ベンチ同様、同一バージョンでないと比較にならないんですよね。バージョンが上がるたびに要求する性能が上がってしまいますから。
    参考ですが、F5の場合N4100でもCINEBENCHR20でマルチ216ptsでした。同メーカーの同一CPUのX4なら557ptsです。同じCPU採用なのに倍ぐらい異なるんです。排熱、サイズを見直した方が良いかと思います。

    • wintab より:

      こんにちは、貴重なご意見ありがとうございます。ベンチマーク結果については「掲載しないと物足りない」ですし「掲載しても妥当ではない」というのもありますし、対応が難しいところです。また、例えばN4100なら全て似たようなスコアになるとわかっているのなら毎回ベンチマークを取る必要もないですしね。あと、ドラクエベンチに関してはバージョンの違いによってそこまで大きなスコア差は出ないと考えています。

      • 苦言 より:

        cpuの性能を示すのに(Y13ではなく)妥当ではない機種(廃熱と電池持ちのために消費電力を犠牲にしている)を持ち出してN4100を貶めるのは不公平でしょうし、
        > 個人的にはAntutuのように、バージョンが変わるとスコア体系も少しずつ変わっていくのだろうと思います。
        というのも、全く何の根拠もありません。
        むしろ、passmarkは過去から変わっていないcpuベンチだからこそ、グラフィック性能の差やメモリアクセスの向上に起因する体感性能の改善が反映されないだけなのですが…

        公平な記事が書けないのは、金銭やレビュー機の提供といった便宜を図ってもらっているからなのでしょうか。そうであれば、それを明確にして欲しいです。比較時にその分割り引けるので。

      • 真面目 より:

        似たようなベンチマークスコアになるからこそ信頼性があると思います。しかし提示しているN4100のベンチ結果が低いので、???となるわけですね。
        明らかに低すぎる第8世代N4100のデータは比較対象になるのでしょうか?
        そして第6世代CPUである6Y54のほうが良いはずだと決めつけるのはまずいんじゃないでしょうか?
        11インチY11はF5と同様、低すぎる性能なのは11インチだからなんです。13インチ以上のN4100なら本来の性能出るんですね。ちょっと偏ってるかなあ。
        こういった低性能CPUにリプレースすることって多いんですよね。Rを後ろにつけた型番で全く同じ金額で出てしまう。こういったことが多いので、注意しましょうってレビューになると読者に有益だと思うんです。知らないで購入した人にとって、少しとはいえ性能が下がっていることは可愛そうなのかなと思います。
        自分はこのblog好きだからこそ、読者のためになるレビューを期待します。

        • wintab より:

          Y11のスコアは「低くない」ですよ?他のN4100機のレビュー記事を見てもらえればわかります。なぜ「低い」と決めつけるんでしょうか?

          • 真面目 より:

            これを最後にしますね。
            11インチだと排熱の問題で低いんです。長時間のベンチマークテストになるとサーマルスロットリングが起きるからです。Cinebench R15ぐらいの短時間ベンチマークテストだと善戦します。R20やゲーム系だと長時間なので下がります。ベンチって排熱の問題で取るたびに下がるんですよね。
            そして第8世代のiGPU 600と第6世代の515を比べて後者のほうがスコアが高いはずだと決めつけるのは流石にまずいんじゃないかな。
            特にゲーム系ベンチマークテストの場合は同一条件でないと比較できないです。バージョンが上がると別物だからですね。

            • 真面目 より:

              今ググって11インチY11のベンチは高いということがわかりました。同じ11インチのF5のような低い数字ではなく、おっしゃるとおりY11は性能高いです。大変申し訳ないです。

    • 匿名 より:

      Intel HD 515 – 617
      Intel UHD 600 – 330

      これはPassMarkのVideo Card Benchmarks-Average G3D Markの値ですが、グラフィック性能はHD515=m5-6Y54の方が上ですね。
      ドラクエベンチはゲームのベンチソフトなので、当然ながらグラフィック性能で数値が上がります。
      PassMarkのCPU Benchmarksの値だけを比較するなら、内蔵GPUは関係無いので、ドラクエベンチと結果が逆転するのは当然ですね。
      CPUのみのベンチ結果とグラフィック性能を含むベンチ結果を比較して記事を書かれているのが、混乱する原因かと。

      これは私見なのですが、ローエンド(あるいは古い)CPUの場合、内蔵GPU性能(とメモリ容量)で快適さが随分と変わると思います。
      逆にCPU性能のみを見た場合、立ち上がりなどに差はあるものの、4スレッドあれば現行のローエンド帯CPUの性能差はあまり気になりません。
      ローエンドCPUでそこまでCPU処理が必要な事をしませんから。
      なのでドラクエベンチを参考にして、PCの総合性能を推測するのは個人的にはありかな、と思います。

  3. 匿名 より:

    passmarkはcpuのみの計測なので4コアのCeleronが有利なんでしょうね

  4. てつやん より:

    USB Type-C2つは機能が違うとの事ですが、いずれからも充電は出来ず、付属の専用電源を使うしかないのでしょうか?
    USB Type-Cの機能についていまいち理解出来ておらず、質問しました。
    映像出力やデータ転送ができるポート=充電もできる高機能なポート、という認識でよいのでしょうか?

    • miz より:

      横から失礼します。
      USB Type-C、複雑ですよね…。ですが使いこなすと便利なので、助力させてもらいます。

      記載頂いているようにUSB Type-Cには、従来からあるUSBのデータ転送機能、映像出力などのUSB以外のデータ転送機能、充電機能の3つの機能を持たせることができます。
      ただしこれらは、メーカーが個別に選ぶことができるので、
      ・USBデータ+映像出力機能のあるUSB Type-C
      ・USBデータ+充電機能のあるUSB Type-C
      も存在します。
      USBデータと映像出力があるから充電も出来るでしょ!とはならないのがややこしいですね。

      本題のこの製品は、片方がFor data、もう片方がFull functionと書かれているので、USBデータ転送機能のみのポートと、全て(USBデータ+映像出力+充電)ができるポートを持っているということになります。

      ただし、正確なところ(USBデータ転送の速度、映像はDisplayPortかHDMIか、充電は何ワットまで可能か等)は仕様書を見ないとわかりませんので注意してください。
      もしくは写真では曖昧に書いて、Full functionと言いつつ機能が欠けているなんて言うことも中華メーカーではあり得るので、気をつけなければいけません。
      ざっくり何が出来るかは上のように写真からでも判断できます。

      • てつやん より:

        よく分かりました。中華PCなので心配しつつ、購入を検討しようと思います。ありがとうございました。

        • natsuki より:

          参考までに、同ブランドのBMAX X14のUSB Type-Cは、間違いなくUSB PDでの充電と、映像出力に対応していることを、実機にて確認済みです。

      • wintab より:

        こんにちは、とてもわかりやすい解説をしていただき、ありがとうございました。大変助かりました。