中国メーカーのBMAXが15.6インチノート「X15」を発売しました。この製品は以前紹介記事を掲載した「BMMAX S15」とほぼ同スペックですが、変更点もあり、かつ価格もお買い得になっています。BMAX製品の中では今ひとつ影が薄い15.6インチながら、「使えるスタンダードノート」だと思います。
1.スペック
BMAX X15 | |
OS | Windows 10 |
CPU | Intel Celeron N4100 |
外部GPU | なし |
RAM | 8GB |
ストレージ | 128GB SSD |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 15.6インチIPS(1,920 × 1,080) |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.0 |
入出力 | USB 3.0 × 2、miniHDMI、オーディオジャック、microSDカードリーダー |
カメラ | Webカメラ(0.3MP) |
バッテリー | 38.0Wh(10000mAh/3.8V) |
サイズ | 375 × 243 × 20.0 mm |
重量 | 2.0 kg |
CPUは中華ノートでは非常に採用例の多いCeleron N4100です。N4100は4コアCPUで、よく似た型番の「N4000(2コア)」よりもずっと高性能です。ウインタブでもこれまでにN4000搭載CPUとN4100搭載CPUを何度か実機レビューしていますが、両者の性能差は顕著です。N4100なら何でもできる、ということではありませんが、ExcelやWordでの(膨大な関数とかめんどくさいマクロが入っていない)文書作成やWebブラウジング、動画視聴くらいなら十分こなせます。
RAMは8GBでストレージは128GBです。CPU性能から見てRAMは十分な容量だと思いますし、ストレージに関しては底面にM.2 スロットがありますのでDIYでのSSD増設、もしくは換装が可能です。
これが底面のM.2 スロット。ただ、ここは不明なのですが、このM.2 スロットが空きなのか、それともすでに128GB SSDが入っているのか、という問題があります。空きになっていれば「増設」となりますが、すでにSSDが入っている場合は増設ではなく「換装」となりますので、OSやデータの入れ替えなどの作業も発生し、ちょっと面倒なことになります。中華ノートの場合、「どっちもありうる」んですよね。
ディスプレイは15.6インチのIPS液晶、FHD解像度です。Banggoodに「BMAX S15との相違点」として説明があったのですが、X15のほうは「グレアタイプの液晶」になっているとのこと。ということはS15はノングレアタイプということになりますね。一般にグレアタイプの方が発色がよく、鮮やかな画面が楽しめますが、そのかわり映り込みが激しくなりますので、ここは一長一短ある、ということになります。個人的には、ノングレアタイプの方が好みですね。
入出力ポートは15.6インチノートとしては物足りません。USBポートが2つありますので、最低限の数は確保されていると思いますが、できればUSB Type-Cポートを1つくらい追加してほしかったところです。
サイズは「思ったより大きい」です。最近の15.6インチノートは横幅が360 mmくらいですから。また、重量はBanggoodの製品ページに2.0 kgと記載されていて、スリムな筐体の割にはちょっと重い、という気がします。
2.筐体
正面から見ると、ベゼル幅が細く感じられますが、左右ベセルは15 mmと開示されていますので、決してナローベゼルということはありません。また、左右のベゼル幅から考えると、横幅375 mmというのは妥当なサイズかと思います。S15の紹介記事には「375 mmよりも小さいのではないか」ということを書いたのですが、おそらく375 mmで正しいでしょう。
天板です。X15の筐体素材は「アルミ合金」です。この点もBanggoodの製品ページに説明があり、「S15とは異素材である」ということでした。筐体重量がS15の1.8 kgから重くなっているのは素材が変更されたためと思われます。
キーボードです。上のほうで「ベゼル幅15 mmということなら375 mmの横幅は妥当」と書いたのですが、このキーボードの画像を見ると再び疑問が生じます。ご覧のようにキーボードの左右の余地(余白)が非常に狭いんですよね。通常横幅375 mmのノートPCだと、キーボード左右に結構大きめの余地ができます。
ということで、X15のキーピッチが一般的なノートPCの19 mmよりもかなり広いことが予想されます。キーピッチが広めなのは悪いことではありませんが、「程度問題」でもあると思うので、「ちょっと広すぎ」と感じるかも知れません。
配列を見ると、アルファベットキー部分とテンキー部分の境界がはっきりせず、慣れないうちはミスタイプしやすいように思われます。それとタッチパッドが大型なのはいいとして、テンキー付きのキーボードなのであれば少し左にオフセットすべきところ、それがありませんので、ひょっとすると使用感を損ねてしまうかも知れません。
側面と入出力ポートの配置です。左右のバランスは悪くないと思いますが、いかんせん絶対数が少なすぎますよね。
3.価格など
BMAX X15は中国の通販サイト「Banggood」で販売中で、8月23日現在の価格は299.99ドル(32,271円)です。筐体説明のところで、特にキーボードの部分について少し懸念を書かせてもらいましたが、価格は文句なしに安いと思います。
個人的には、エントリークラスでもCeleron N4100搭載なら「そこそこ使える」と思っていまして、その意味でX15は期待を裏切らないパフォーマンスを見せてくれると思います。RAMやストレージも当座不満を感じるような構成ではありませんし、ディスプレイもIPS液晶なので発色・視野角とも価格の割に満足できる品質になっていると思います。
テレワークが普及したことにより、サブPCが欲しい、と思っている人は少なくないと思います。そんな人におすすめしたい低価格スタンダードノートですね。
4.関連リンク
BMAX X15:Banggood