こんにちは、natsukiです。どう使うかは発想次第、手のひらサイズのデスクトップともいえるミニPC。さて、このところウインタブでもよく注目している中華新興ブランドのBMAXですが、そのミニPCについて、旧来から発売していた「BMAX B1」に加え、よりスペックアップしたバージョンを相次いで発売しました。Banggoodでそろってプレオーダーセール対象となっていて、いずれも、スペックと価格ともになかなか魅力的な製品となっていますので、まとめて紹介してみたいと思います。
目次
1.ラインナップ比較
ラインナップのスペックを一覧表にしてみました。製品名の命名規則が「Plus」だったり「Pro」だったり、統一しろよという感じはありますが、要は、低スペックから順にB1~B4ということですね。
スペックは、基本的にBanggoodの商品ページを参考にしています。商品ページでは情報が不明だったり誤っていると思われるものには、「(?)」マークを付けておきました。
ざっと見ていただいて分かるように、構成のバランスが非常によい。ミニPCにとって必須のポート類は十分な数と種類を備え、ストレージの拡張にも対応しています。
以下、各製品の目安として、CPUとそのPassmarkスコアを並べてみます。ただし、BMAX B2 PlusのCeleron J4115は特殊なので、近い製品のCeleron J4105のスコアを借りてきました。
BMAX X1 ― Celeron N3060:982
BMAX B2 Plus ― Celeron J4115:2644(Celeron J4105のスコア)
BMAX B3 Plus ― Pentium 5405U:3148
BMAX B4 Pro ― Core i3-8145U:5466
参考までに、有名どころCPUのPassmarkスコアもあげておくと、
Atom x5-Z8350:1276
Celeron N4100:2242
Core m3-8100Y:3759
です。では、各製品の特徴をもうちょっと見てみましょう。
2.エントリースペックの「BMAX B1」
最廉価版の「BMAX B1」です。昨年中に先行して発売済みの製品で、ウインタブでも詳しい紹介記事がありますので、そちらもご覧ください。
これは、Windows10が稼働するミニマムスペックですね。とはいえ、ストレージは64GBあるので、大型アップデートでつまずいたりすることはありません。
処理能力からも、RAMからも、ブラウザで調べ物をしながらオフィスワークというのにすら不安なスペックなので、デスクトップ的な使い方は厳しいように思います。ファイルサーバーやデジタルサイネージなど、「このスペックでも使える」使い方をどう見つけるか次第ですね。
3.ライトユース向けの定番スペック「BMAX B2 Plus」
ワンランクスペックアップしました。CPUに採用されているCeleron J4115というのは、あまり見ない型番ですが、Celeron J4105のマイナーチェンジバージョンという認識でいいでしょう。Passmarkを目安にすると、Celeron N4100に近い能力のようです。さらに、RAM8GB、ストレージはSSDで128GB。このくらいの構成は、ウインタブでもよくレビューしてますね。中華エントリーPCの定番スペックです。動画編集のような重たい作業は厳しいですが、ブラウジングや軽いオフィスワークなら十分にこなせます。これなら、簡易デスクトップとしても使えるし、応用範囲はグッと広がりました。
このB2 Plusに関しては、スペックの詳細についていくつか曖昧な点がいくつかあります。まず、ストレージ拡張スロットが、M.2 2280が1つなのか2つなのか、いまいちよく分からない。これは、1つと考えておいた方が無難でしょう。重量0.71Kgは絶対おかしいので、表記ミスだと思います。おそらく、B3 PlusやB4 Proとほとんど変わらないものと思われます。USB Type-Cポートについては、「full features」との記述がありますが、映像出力に対応しているかは分かりません。まあ、いずれも、製品の評価にはさほど影響しない些細な点でしょう。
4.オフィスワークならこれだけあれば十分?「BMAX B3 Plus」
さらにワンランクアップ。CPUが強化されるとともに、ストレージが2倍になりました。あと、品質には期待できませんが、スピーカーも付きました。SSDスロットは、この書きぶりだと、おそらくデフォルトのSSDがM.2 2280スロットに刺さっているのだと思います。筐体は、B2 Plusとほぼ同じようですが、映像出力関係のポート構成が微妙に異なります。また、こちらはUSB Type-Cからの映像出力が可能なことが明記されています。
これだけのスペックがあれば、オフィスワークや簡単な画像編集用としては、安心して使えるでしょう。また、デフォルトのRAMとSSDを交換可能という、カスタマイズ性の高さにも注目ですね。
5.処理能力をさらにグレードアップ「BMAX B4 Pro」
B3 Plusからの変更点は、CPUだけです。しかし、第8世代のCore i3ともなると、CeleronやPentiumとのパワーの差は歴然。たいていの画像編集なら楽々。簡単なものなら、動画編集もこなしていけます。ここは、目的に応じて選ぶとよいでしょう。
6.価格など
価格については、先述のようにBanggoodでプレオーダーセール対象で、例によって予約数が増えるとともに価格が上昇していくスタイルです。このうち、BMAX B1は昨年中に発売した製品にもかかわらず、なぜかあらためてプレオーダーセール対象となっています。兄弟機が出たので仕切り直しってことかな? 記事執筆現在、まだいずれも初期価格のままで、また、Aliexpressなどでも大差ないので、これで比較してみます。
BMAX B1:13,402円
BMAX B2 Plus:22,338円
BMAX B3 Plus:33,507円
BMAX B4 Pro:44,676円
きれいに、ほぼ100$ずつアップといったところですね。それぞれのスペック差を考えると、シリーズ全体としての価格バランスも納得かと思います。BMAX B1に関しては、これのみやや割引幅が低めで、過去のセール時にはもうちょい下がったときもありました。
BMAXブランドは、新興ながら、このところウインタブでもノートブックを何件か実機レビュさせていただいており、私も14.1インチノートブック「BMAX X14」をレビューさせていただきました。中華PCメーカの水準でですが、それなりに堅実な製品作りをしているブランドと評価していいと思います。
1点、Windowsのライセンスがちゃんとしたものがついてくるのかが懸念点ですが、とりあえず、BMAXブランドのノートブックについては、レビュー機については問題ありませんでした。また、BMAX B1については、昨年の時点では、Banggoodより大丈夫との情報もあったようです。ただ、それから時間も経っていますし、新しい分のB2~B4については、正直なところ不安はあります。こればかりは、はっきりとしたことは言えません。
ともあれ、このシリーズは、価格がリーズナブルというだけでなく、ご覧の通りCPUのランクに応じて構成バランスが優れている点にも注目です。4段階で、分かりやすく性能が分かれているので、用途に応じて選べる楽しみもあります。他のミニPCを見るときにも、このシリーズはスペックや価格のひとつの基準になるんじゃないでしょうか。
7.関連リンク
BMAX B1:Banggood
BMAX B2 Plus:Banggood
BMAX B3 Plus:Banggood
BMAX B4 Pro:Banggood