iiyamaが14インチで重さ1キロを切るモバイルノート「STYLE-14FH056-i5/SOLUTION-14FH056-i5」を発売しました。「STYLE」というのは特定の用途を定めない「普段使い用」で「SOLUTION」というのは「ビジネス用」という区分になっていますが、両者は外観もスペックも価格も全く同じです。ウインタブが確認した限り、ロゴが異なるのみなので、この記事では主に「STYLE」のほうで説明します。
1.スペック
この製品、確証はありませんがマウスコンピューターの法人向けモデル「MousePro NB4」と同一筐体ではないかと思われます。
iiyama PCは注文時に構成のカスタマイズができます。この製品の場合、主要構成ではOSのバージョンとストレージ容量がカスタマイズ対象です。CPUは第10世代(Comet Lake)のCore i5-10210Uで、Core i3やCore i7の設定はありません。またRAMに関してもオンボードで8GBという構成になっていて、増設注文はできません。MousePro NB4には空きスロットがありますし、RAMの増設注文は可能ですが、この製品は対応していないですね。また空きスロットがあるのかどうかもわかりません。
ストレージはM.2 SSDで、ベースモデル(3種類あります)にどれを選ぶかによりますが、1TBとか2TBという大容量なものにすることもできます。
ディスプレイは14インチのFHD解像度、ノングレア液晶で、IPSなのかTNなのかという点については開示されていません。ちょっと話がそれますが、Lenovo ThinkPadのスペック表を見ていると、IPS液晶のほうがTN液晶よりも軽いようなので、軽さがセールスポイントでもあるこの製品の場合、IPS相当の液晶が使われている可能性が高いと思います。
通信系ではWi-Fi 6に対応し、入出力ポートも14インチモバイルノートとしては標準的と言えます。これらの構成もMousePro NB4と全く同じです。しかし、異なる部分もあります。Webカメラは顔認証に対応しません(NB4は全モデル顔認証対応)。また、バッテリー稼働時間が決定的に異なります。NB4が25時間という超長時間稼働が可能なのに対し、この製品は約9.4時間となっており、「割と普通」です。
おそらく搭載されているバッテリーの容量に大きな差があるのだろうと思いますが、それは筐体重量にきっちり跳ね返っています。1.1 kgのNB4(これでも十分軽量です)に対し、この製品は0.99 kgと、1キロ切りを実現しています。それと、筐体サイズはNB4と若干異なります。
STYLE-14:321 × 216.5 × 19 mm
NB4:322 × 218 × 16.9 mm
タテ・ヨコは1 mm~1.5 mmと、ごくわずかな違いですが、厚みは結構な差になっています。しかし、NB4の16.9 mmというのは「突起部含まず」で、STYLEのほうは「ゴム足含む」なので、測定基準が異なります。なので、実際にはほとんど差がないと思われます。STYLEのほうは筐体画像があまり公開されていないのですが、外観はNB4にそっくり、というかほぼ同じなので、私の推測ですが両者は同一筐体であると思います。
2.筐体
上に書いたように、この製品は筐体画像が少ししか公開されていません。ただ、これを見る限り、上部と左右のベゼルが細く、スタイリッシュに見えます。
筐体素材や天板デザインは公開されていませんが、1キロ切りを実現するのはプラスティックとかアルミだと難しいと思われますので、おそらくNB4と同じマグネシウム合金製でしょう。また、天板に関してはiiyama PCによく見られる「ロゴなし」にカスタマイズ可能(無料です)なので、「黒無地」のシンプルなものになっているはずです。耐久性に関してもNB4と同様、米国国防総省調達基準「MIL-STD-810G」のうち、10項目をクリアしています。
3.価格など
iiyama STYLE-14FH056-i5/SOLUTION-14FH056-i5はiiyama PCの直販サイトと言えるパソコン工房で販売中で、2月7日現在の価格は91,980円(税込み101,178円)から、となっています。最低価格の構成でもCore i5/RAM8GB/240GB SSDですし、主要なカスタマイズ項目が「OSのバージョン」と「ストレージ容量」のみなので、2TB SSDとかにしない限り、あまり高額にはならないと思います。
記事中に引き合いに出したMousePro NB4との主な差は「OSのバージョン、顔認証カメラ、バッテリー稼働時間(それに伴って筐体重量も)」です。OSがPro版で顔認証カメラと大容量バッテリーを搭載するNB4のほうが少し高価ですが、顔認証カメラとバッテリー容量はカスタマイズ項目ではありませんので、あとはニーズに合わせてどちらかを選ぶ、ということになるでしょう。14インチでこの軽さ、というのは本当に魅力的だと思います。
4.関連リンク
1kg以下 軽量・薄型 14型ノートパソコン:パソコン工房