HPが折りたたみ式のディスプレイを搭載する「HP Spectre Foldable 17」を発表します。海外で先に発表されましたが、先日日本のHP公式ストアでも製品ページができ、「12月以降販売開始予定」と記載されていますので、少し先になりますが日本でも購入ができます。
折りたたみ式のPCはASUS Zenbook 17 Fold OLEDが販売中、Lenovo ThinkPad X1 Fold(16.3)が昨年末に短期間だけ販売され、その後ずっと販売休止中というステイタスになっています。どうしても製品価格がかなり高くなってしまうので、その先進性とか機能性は高く評価できても、いざ買うとなったら躊躇してしまうような製品だと思います。このSpectre Foldable 17はどうなるでしょうか。
1.スペック
Spectre Foldable 17-cs0000 | |
OS | Windows 11 Pro |
CPU | Intel Core i7-1250U |
外部GPU | なし |
RAM | 16GB(LPDDR5、5200MHz、オンボード) |
ストレージ | 1TB SSD(M.2, PCIe Gen4 ×4) |
ディスプレイ | 17インチOLED(2,560 × 1,920)タッチ |
ネットワーク | Wi-Fi 6E(ax/ac/a/b/g/n)、Bluetooth5.3 |
入出力 | USB4 Type-C (Thunderbolt 4) × 2 |
カメラ | Webカメラ(5MP)顔認証対応 |
バッテリー | ノートブックモード:最大12.5時間 デスクトップモード:最大11.5時間 |
サイズ | 折りたたみ時:277×191×21.4 mm 展開時:277×376×8.5 mm |
重量 | ディスプレイのみ:1.35 kg キーボード込み:1.62 kg |
Spectre Foldable 17は上記スペック表の単一バリエーション展開です。OSはPro版、CPUは第12世代の超省電力タイプ(PBP9W)Core i7-1250Uです。この型番はちょっと意外ですよね。パフォーマンスよりもバッテリー駆動時間を優先した感じです。
RAMは16GBでオンボードメモリなので購入後の増設・換装はできません。またSSDは1TBと大容量です。
2.折りたたみ式ディスプレイ
ディスプレイは17.3インチの有機ELで解像度は2,560 × 1,920(アスペクト比4:3)です。発色性能も高く、99.5%DCI-P3、VESA True Black SDR 400nit/HDR 500nit、EyeSafeブルーライトカットと開示されています。もちろんタッチ対応。
Spectre Foldable 17はディスプレイを折りたたむことができ、付属のキーボードと組み合わせることによって多彩な使い方が可能です。
まずは通常ノートブックモード。ディスプレイを半分に折って、片側に付属のキーボードを載せたスタイルです。この際はディスプレイサイズが12.3インチとなり、モバイルノートのサイズ感となりますが、本体とキーボードの合計重量が1.62 kgありますので、結構重いです。
次に1.5画面モードです。通常ノートブックモードからキーボードを前方にずらし、画面を広く使えるようにしたもので、この際のディスプレイは14インチサイズとなります。また、付属のキーボードはパームレストとタッチパッドのある部分が「折れる」ようですね。
これが2画面モードです。1.5画面モードから、さらにキーボードを完全にディスプレイ部分から外してしまった形態ですね。画面を上下2分割して使うのに便利です。
デスクトップPCモードです。ディスプレイ部分を完全に展開し、手前にキーボードを置いて使います。
背面にはキックスタンドも内蔵していますので、ディスプレイを完全に開口しても自立ができます。
ラストはタブレットモード。その名の通り、17インチの広大なディスプレイをタッチ操作・ペン入力で使えるモードです。なお、Spectre Foldable 17には4,096段階の筆圧と傾き検知に対応(Microsoft Pen Protocol2.0)するHP MPPアクティブペンが付属します。
3.筐体素材とポート構成
筐体は金属とプラスティックで構成され、再生素材が活用されています。HP製品なので強度もしっかり確保されていると思います。
側面(折りたたみ時)です。それぞれの側面に2つずつスピーカーグリルがついていますが、Spectre Foldable 17はBang&Olufsenのクアッドスピーカーを搭載していますので、音質にも期待できそうです。
入出力ポートはUSB Type-C(Thunderbolt 4)が2つのみ。イヤホンジャックすらありません。しかし、ポート不足を補うべくUSB Type-C スマートハブ(USB2.0、USB3.0、HDMI2.0ポートを拡張)が付属します。
画像がすごく小さくてすみません、キーボードです。残念ながら英語配列のみで日本語配列を設定する予定はないとのこと。ディスプレイ面に装着しておけば自動的にワイヤレス充電されます。
4.価格など
HP Spectre Foldable 17は12月以降販売開始予定で製品ページ記載の価格は税込み798,600円です。やはり相当なお値段ですね。
先行して販売されている(販売された)ASUS Zenbook 17 Fold OLEDやLenovo ThinkPad X1 Fold(16.3)と比較して、はっきり言ってそれほど目新しさを感じません。…いや、この形態こそが目新しいのかもしれませんが、競合製品の差別化という点ではイマイチなのかなと。付属のワイヤレスキーボードと組み合わせて様々な形態で使える、という点は競合製品と変わらないです。じゃあどうすれば差別化できるのか、というのは私にもわからないんですけどね。
そうなると実売価格に期待したいところですが、この手の製品は「数を売る」というのが第一の目的じゃないみたいなんで、あまり大きな割引も期待出来なさそうです。