HPのスピーカーフォン「HP Poly Sync 20 USB-A MS」の実機レビューです。Polyというのはビデオおよび音声コラボレーションソリューションを提供する企業したが、2022年にHPに買収されています。現在HPでは今回ご紹介するスピーカーフォンのほか、ヘッドセットやビデオ会議ツール(カメラ、マイク、スピーカーが一体となったビデオバーという製品など)をPolyブランドで販売しており、最新のノートPCの音響システムでもPolyの技術を使っています。
今回のレビュー機Poly Sync 20 USB-A MSはHPの法人向けストアで扱われている製品ですが、個人向けストアでも販売されており、パーソナルな用途にも向く、デザインのいい、コンパクトサイズのスピーカーフォンです。
なお、このレビューは日本HPより機材の提供を受けて実施しています。
・コンパクトで軽量、質感の高い筐体
・持ち運びに便利なキャリングケースとストラップが付属
・マイク品質が高く、クリアな音声
・2メートル離れても普通に音声を集音可能
・音楽用スピーカーとしても素晴らしい音質
・モバイルバッテリー代わりになり、スマホの充電が可能
ここはイマイチ
・ノイズキャンセリングは最新PCのAIノイズキャンセリング機能に及ばない
・品質が高いぶん、お値段はちょっとお高め
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※レビュー機にBluetoothドングルがついたモデルです
※Poly Sync 20の製品概要については下記をご覧ください
Poly Sync 20 製品詳細:HP
1.製品概要
スペック表
Poly Sync 20 USB-A MS | |
---|---|
接続 | USB有線 / Bluetooth |
電源供給 | USB |
連続通話時間 | 最大約 20時間 |
充電時間 | 4時間 |
マイク | 3 マイク ステアラブル アレイ |
マイク集音範囲 | 2m |
音声処理 | ノイズやエコーを低減 全二重音声機能 |
スピーカー | 1 x 40mm 高性能音楽用スピーカー |
USBソケット | スマートフォン充電器 x 1 |
重量 | 360g |
サイズ | 34 x 95 x 182 (mm) |
ケーブルの長さ | 715mm |
IP64 等級防塵、防水性能 | 〇 |
設定ツール | Plantronics Hub Poly Lens Desktop |
クラウドでの集中管理 | Plantronics Manager Pro Poly Lens |
保証期間 | 2年 |
その他 | ・スリムでポータブル。どこにでも持ち運び可能 ・携帯用ケースとストラップが付属 ・インスタント アクセス用の専用 Teams ボタン付きの Microsoft Teams バージョン |
バリエーションモデル
・Poly Sync 20 USB-A
・Poly Sync 20 USB-C
・Poly Sync 20 USB-A MS(レビュー機の構成)
・Poly Sync 20 USB-C MS
これら4つのバリエーションモデルは同じ機能、同じデザインですが、本体から伸びる接続用ケーブルの端子形状が異なります。製品名にUSB-AとあるものがUSB Type-A端子、USB-CとあるものがUSB Type-C端子です。接続するデバイスのポート構成によってどちらかを選ぶことになります。
また、製品名にMSとついているものは「インスタントアクセス用の専用Teamsボタン付きのMicrosoft Teams バージョン」です。4つのバリエーションモデルの通常価格はすべて同じ(26,400円)です。また、これらの製品はHP法人向けで販売されていますが、個人向けストアにて「Poly Sync 20+RTL +Cbl+BT700+Pouch MS CP」という、Bluetoothドングルが付属するモデルも販売されています。
コメント
HPのノートPCの上位モデル、例えば先日レビューをしたEliteBook 860 G11などにはAIノイズキャンセリング機能が搭載されており、極めて優秀なノイズキャンセリング性能です(ウインタブのレビューでデスクをガンガン叩きながらWebミーティングをしてみましたが、私の声以外の騒音を見事にカットしました)。Poly Sync 20は本体に「AI」機能を搭載しておらず、デスクをガンガン叩くような騒音はキャンセルできませんが、そのかわりに自分の音声を「非常にクリア」に相手に伝えることができます。
また、Poly Sync 20のスピーカーはモノラルで、一応会議用ではありますが「音楽用」としても非常に高品質です。このレビューでは実際にPoly Sync 20を使ってWebミーティングをしたり、音楽を聴いたりしていますので、私の感想については後述します。
その他の機能面では「3,200 mAhのバッテリーを内蔵しており、連続通話時間最大約20時間を実現しているほか、スマートフォンの充電も可能」という点が挙げられます。つまり、モバイルバッテリーとしての機能も備えている、ということです。
つまり、Poly Sync 20は「ポータブルスピーカーフォン+ポータブル充電器+高性能音楽スピーカー」という特徴を備えた製品です。
2.外観
本体の他にキャリングケース、ストラップ、クイックスタートガイドが入っていました。
本体をケースに入れるとこんな感じです。片手で掴めるサイズ感で、本体重量も360 gなので持ち運びは容易です。
上面です。ここにスピーカーがありますが、ファブリック(繊維素材)で覆われており中身は見えません。手触りはとてもいいです。
また下部にはボタン(センサーボタン)が並んでいます。各ボタンの機能は下記の通り。
画像左から
ロケットボタン:カスタマイズボタン(Poly Lensアプリで操作割り当てを変更可能)
Teamsボタン:Teams連携ボタン(型番に「MS」がつくもののみ)
マイナス・ミュート・プラスボタン:音量調整
受話器ボタン:発信・着信
底面です。中央やや左にスピーカーグリルか通気口のようなものが見えますが、Poly Sync 20はパッシブラジエターを2つ搭載していますので、おそらくここがパッシブラジエターだと思います(耳を近づけると実際に低音が鳴っています)。
底面にはUSBケーブルが巻き付けられています。この画像はケーブルをほどいた状態です。レビュー機はPoly Sync 20 “USB-A” MSなので、端子形状はUSB Type-A、ケーブル長は715 mmです。
下側面です。上側面も全く同じ外観なので掲載は省略させていただきます。こちらには特に操作系のボタン等はありません。この画像を見るとPoly Sync 20の両端が下がった形状がよく分かると思います。また、巻きついているUSBケーブルも見えますね。
右側面です。こちらにはいくつかのボタン類があります。画像左からBluetoothペアリングボタン、USB Type-Aポート(パッキンで覆われています)、電源ボタンです。ここのType-Aポートはスマホなどのデバイスを充電する際に使います。ただし、充電用のUSBケーブルは付属しません。
左側面です。こちらには同梱物のところでご説明したストラップを取り付けるためのホールがあります。
筐体(の外装部分)のほとんどは樹脂製ですが、かなり硬く、頑丈そうに感じられました。ゆえに質感(手触り)もしっかりした、好感が持てるものです。
3.アプリ
各種設定にはPoly Lensアプリを使います(ダウンロードはこちら。スマホアプリもあります)。
Poly Sync 20の音声ガイダンスは初期状態では英語です。これはこれで「気持ちのいい発音」を聞かせてくれるので個人的には悪くないと思いますし、めっちゃ複雑なことは喋らないので英語のままでいいような気もしますが、Poly Lensの言語設定を日本語にすることによってガイダンスも日本語化できます。
スピーカーフォンの「設定」で最も気になるのは「ノイズキャンセリング」だと思います。しかしPoly Lensにはノイズキャンセリングの設定はありません。このあたりは最新PCのWebミーティング系の諸設定とは大きく異なる部分です。設定できるのは通話関連(トーン音とか着信音、ミュート時の通知など)とカスタムボタンの操作割り当て(再生・一時停止、リダイアル、GoogleアシスタントやSiriの呼び出しなど)、それとイコライザー(低音重視かフラットか)くらいです。
では肝心の「音質」についてご説明します。
4.使用感
まず「肝心の」Webミーティングでの音質です。ライターのかのあゆさんとSkypeでしばらく会話してみました。Skypeを選んだ深い理由はありませんが、彼とのWebミーティングではいつもSkypeを使っているので、これまでの経験と比較しやすいというのがありました。また、画像にぼかしを入れていますが、かのあゆさんも私も特に顔出しを嫌がっているわけではないです。ただ、お食事中にこの記事をご覧になっている方もいると思うので、忖度しています。
マイク性能については私の声をかのあゆさんにチェックしてもらったわけですが、彼いわく「ああ、間違いなくいつもよりも声がクリアに聞こえます。ただし、ノイズキャンセリングが効いているという感じはありません。近くにご家族がいるでしょ?ご家族の声も(はっきりと内容まではわかりませんが)拾われています。」とのことでした。ちなみにこのとき、別室に私以外の家族3名がおり、全員女性なのですが、多少大きな声で会話をしていました。その際、私には「単なる生活音」と感じられ、Webミーティングに支障はないと判断していました。
つまり、最新PCのAIノイズキャンセリング機能とは明確に性格が異なります。周囲の音も拾いつつ、ミーティングの主役であった私の声をクリアに届ける、という性格ですね。また、ミーティング中にPoly Sync 20から2メートルほど離れて話しましたが、かのあゆさんによれば「Polyから離れているのがわかりません。同じ音量で声が聞こえます」とのことでした。
コンパクトな筐体でキャリングケースも付属するPoly Sync 20ですが、屋外の雑踏で使うような製品ではありません。マイク品質を引き出すにはやはり「会議室などの静かな場所」が最適です。それと、今回Poly Sync 20から2メートル離れて会話してもミーティングには全く支障がなかったので、「テーブルの中央にPoly Sync 20を置いて、複数名でWebミーティングをする」ような使い方だとその品質を実感できると思います。
次にWebミーティングから離れ、「音楽鑑賞」で使ってみました。この画像のようにデスクトップPC(ミニPC)に接続し、Spotifyで「往年のユーロビート」を聴いてみたのですが、音質は素晴らしいです!ちょっとびっくりしました。私の好きな重低音の迫力も感じられ、音量も近所迷惑になるくらいに大きくできます。
音楽用スピーカーとしても間違いなく高品質です。ただし、「モノラル」なので、この画像のようにPoly Sync 20は身体の正面に置きたいところです。本来はスマホとかノートPCとセットで使うと活きるんでしょうけど、(スマホの場合は問題ないと思いますが)ノートPCの場合は身体の正面にPolyを配置するのはちょっと難しいので、このあたりは多少妥協して使うことになります。
5.まとめ
Poly Sync 20はHPオンラインストアで販売中で、レビュー機「Poly Sync 20 USB-A MS」の通常価格は26,400円です。このレビュー記事公開にあたり、HPから読者クーポン(専用の購入リンク)を頂いており、このリンクから「Poly Sync 20+RTL +Cbl+BT700+Pouch MS CP」を購入される場合、30%OFFとなります。
20+RTL +Cbl+BT700+Pouch MS CPというモデルはレビュー機にBluetoothドングルを追加したもので、それ以外はレビュー機と同じです(USBケーブルの端子形状もUSB Type-Aと同じです)。Bluetoothドングルが付属するぶん通常価格は少し高くて32,230円なのですが、専用リンクから購入する場合は22,561円とお買い得です(専用リンクの有効期限は10月31日23:59まで)。
Poly Sync 20は「Webミーティングをする頻度がそれなりにある方、また複数人でWebミーティングに臨まれる機会のある方」におすすめです。例えばリモートワークをされている方、フリーランスなどで顧客とのWebでコミュニケーションを取る機会があり、会議・通話の品質がそれなりに重視される方などです(顧客とのWebコミュニケーションで失礼があるとマズイですし…)。また、必ずしも仕事用ということではなく、お友達やご家族とのWebコミュニケーションを大切にしたい、という方にもおすすめですね。
記事中でも触れましたが、Poly Sync 20は音楽用スピーカーとしても非常に優秀です。ただし「音楽専用で2万円出すならステレオで高音質なサウンドバー(ソニーやヤマハ、JBLのサウンドバーも2万円前後から買えます)のほうがいい」でしょう。なので、Webコミュニケーションの機会が全くない、あるいはほとんどないという方にはおすすめしません。
個人利用の場合、普段使いでは音楽や動画の鑑賞に使い、Webミーティングに備える、という感じになるかな、と思います。
6.関連リンク
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※レビュー機にBluetoothドングルがついたモデルです
※Poly Sync 20の製品概要については下記をご覧ください
Poly Sync 20 製品詳細:HP