HPが15.6インチの大型コンバーチブル2 in 1「ENVY x360 15」をリニューアルしました。ほぼ同じ製品コンセプトというか、「サイズ違い」の13.3インチ版「ENVY x360 13」も同時にリニューアルされていて、この記事に先立って紹介記事を掲載済みです。
HP ENVY x360 13-ar0000 - 13.3インチでAMD Ryzenを搭載するコンバーチブル2 in 1、よりコンパクトに、より高性能になりました!
15.6インチ版と13.3インチ版は外見もシステム構成もそっくりではあるのですが、個人的に「いや13.3インチと15.6インチだと使い方がぜんぜん変わってくるでしょうが!」と思っております。コンバーチブル2 in 1のサイズ感として13.3インチは「ちょうどいい」というか、モバイルPCとして最適サイズだと言える一方で、15.6インチのほうは「ちょっと重いんだよなあ。このサイズでコンバーチブル2 in 1って意味あるのかな…」という感想も正直持っておりました。さて、新しい「黒いENVYの15.6インチ」はどんなもんでしょうか…。
1.スペック
先に紹介したENVY x360 13と同様、この製品も見た感じ従来モデルから全然変わっていないように思われますが、やはり筐体は一新されています。また、システムスペックにも少し手が入っています。
CPUは第2世代のRyzen 5とRyzen 7です。従来モデルは第1世代のRyzen 5 2500Uのみでしたから、ニューモデルになってCPUの世代が新しくなっただけでなく、より高性能なRyzen 7も選択できるようになりました。また、RAMが8GB/16GBというのは従来モデルと同じですが、ストレージは従来モデルの256GB SSD + 1TB HDDから512GB SSDに変更されています。トータルのストレージ容量は減ってしまいましたが、個人的には「1TBもいらんがな」と思ってまして、それなら高速なSSDのみにしてもらうほうがいいかな、と思います。ただ、画像(写真)とか動画を加工・編集するような人は少し残念な変更になるかもしれません。
ディスプレイは15.6インチのIPS液晶、FHD解像度です。2 in 1なのでもちろんタッチ対応し、「Spectre アクティブペン」「Spectre アクティブペン2」のいずれも使え、1,024段階の筆圧対応ペン入力が可能です(アクティブペン2のほうは傾き検知にも対応します。なお、ペンは別売りです)。それと、ニューモデルはディスプレイガラスがゴリラガラスになりました。
入出力ポートの構成は従来モデルから変わりません。13.3インチのENVY x360 13に対し、HDMIがプラスされるのと、SDカードリーダーがmicro規格ではなくフル規格になっていますので、使い勝手としては15.6インチのほうが上だと思います。
サイズも少し変わりました。
ニューモデル: 359 × 245 × 17-18 mm / 1.98 kg
従来モデル: 359 × 245 × 19-20 mm / 2.11 kg
タテ・ヨコは同じですが、少しだけ薄くなったのと、重量が2 kgを切りました。1.98 kgでもモバイル利用をするには少し厳しいですが、心理的に「2キロを切った」というのは大きいと思います。
その他、やはりENVY x360 13と同様、カメラがIR(赤外線、Windows Helloの顔認証用)ではなくなり、顔認証ができなくなった代わりに指紋センサーが取り付けられています。
2.筐体
新筐体にはなったものの、外見上の相違を探すのは結構難しいです。それくらい見た目は変わっていません。ただし、従来モデルも決して設計が古いわけではなく、2019年の2月に発売されたばかりなんですよね。
筐体はアルミ製です。ENVYはHPのプレミアムブランドなので、ロゴマークもプレミアム用が使われていますし、天板には「梨地加工(わずかにざらついた手触りで、手によく馴染むような加工)」が施されています。また、筐体色は「ナイトフォールブラック」で、従来モデルの「ダークアッシュブラック」から色名が変更されていますが、個人的にはほとんど差がないと感じられました。
ウインタブ読者には説明不要かと思います。コンバーチブル2 in 1筐体の場合、この画像のようにタブレットモードやテントモードに変形して使うことができます。特にこの製品は1,024段階の筆圧に対応するペン入力が可能(Microsoft Penプロトコル、旧N-trig)ですから、15.6インチの大画面でイラストを描きたい、という場合はタブレットモードにすると、とても使いやすくなります。ちなみに、私の経験上、筐体がクラムシェルノート(普通のノートPC)の場合、いくらペン入力の性能が良くても使いにくくてまともに絵なんて描けません。
記事の冒頭に書いた、「15.6インチでコンバーチブル2 in 1にする意義は?」ということだと、やはり大画面でのペン入力の快適さが筆頭に挙げられると思いますし、テントモードなどで映画を観たりする際にも威力を発揮してくれると思います。
側面と入出力ポートの配置です。やはり「プライバシースイッチ」がついています。ENVY x360 13のところでも説明しましたが、「カメラを無効化する」機能というのは近年一般的になりつつあり、「PC乗っ取りによってカメラを遠隔操作されるリスク」のほかに、気持ちの問題として「なんか覗かれているような気がして不安」ということを言っている人のニーズにも応えるものです。
それと、めっちゃ細かい話になりますが、通気口が増えました。ENVY x360 13の紹介記事に書いたとおり、HPの説明によれば第2世代のRyzenは発熱のことを心配しなくても大丈夫、ということなのですが、ニューモデルでは左右の側面に通気口がついています(従来モデルでは左側面のみ)。
と、いうことで、6月19日にHP本社で開催された説明会に行って、実機に触れてきました。製品の写真も撮影しましたが、HPの製品ページはかなり親切に製品画像を掲載しているので、正直私の写真よりも製品ページの画像のほうがずっとわかりやすいですね…。
キーボードです。15.6インチサイズとしてはコンパクトな筐体ながら、しっかりテンキーも装備します。アルファベットキーのキーピッチは上下左右とも18.7 mmと余裕があり、キーストロークも1.5 mmを確保しているので、しっかりした打鍵感が得られます。また、バックライトも装備され、明るさを2段階に調整できます。配列にも無理しているところが感じられないですよね。
従来モデルでは背面に「ダマスカス鋼をモチーフにした模様」が入っていましたが、ニューモデルではそれが廃止され、スッキリとしたものになっています。
3.価格など
HP ENVY x360 15-ds0000はHP Directplusで販売中で、6月21日現在の価格は104,800円(税込み113,184円)から、となっています。また、上位モデルは税抜きで12万円を越えるものがありますので、ウインタブ限定クーポンの対象となり、7%の割引が受けられます(限定クーポンの使い方はこちらをご覧ください)。要するにこちらのリンクを経由して製品ページにアクセスするだけでOKです。
個人向けPC:ウインタブ専用リンク(クーポン)_個人向けPC
新しいENVY x360、13.3インチ版と15.6インチ版がありますが、パーソナルなモバイルマシンとしては13.3インチのほうが使いやすいのは間違いないと思います。一方で15.6インチは大画面を使ってのペン入力が楽しいと思いますし、家族共用のPCとしてリビングで映画を観たりするのにも向くと思います。もちろんスタンダードノートとして普通のノートPCと同じようにして使うのにも全く支障はありません。言っちゃえば「毎日持ち歩くのはしんどい」ということで、それ以外の用途ならオールラウンドに仕事をしてくれるでしょう。