記事にアフィリエイト広告を含みます

HP ENVY 15の実機レビュー - 15.6インチのハイエンドなクリエイターノート。ディスプレイの美しさは感動的です

HP ENVY 15
こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。6月29日に発表されたニューモデル「ENVY 15」をいち早く実機レビューさせていただきます。HPの個人向けPCでは「Spectre」と「ENVY」の2ブランドが「プレミアム」という位置づけになっているのですが、今後はENVYが「クリエイターPC」としての性格を強めていくことになるそうです。今回レビューするHP ENVY 15はノートパソコンとして「紛れもないハイエンド」で、クリエイター、それも「本職のクリエイター」のニーズを満たせる製品です。

スポンサーリンク

1.スペック

  ENVY 15
OS Windows 10 Pro
CPU Intel Core i7-10750H / Core i9-10885H
外部GPU NVIDIA GeForce GTX1660Ti Max-Q
GeForce RTX2060 Max-Q
RAM 16GB/32GB
ストレージ 512GB / 1TB / 2TB SSD
光学ドライブ なし
ディスプレイ 15.6インチIPS(1,920 × 1,080)タッチ/ OLED(3,840 × 2,160)タッチ
ネットワーク 802.11 a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.0
入出力 USB 3.1 Gen2 Type-C(Thunderbolt 3)× 2、USB 3.0 × 2、HDMI、microSDカードリーダー、オーディオジャック
カメラ Webカメラ(物理シャッター付き)
バッテリー 稼働時間 6.5-15 時間
サイズ 358 × 237 × 18 mm
重量 2.15 kg

冒頭に記載したとおり、HP ENVY 15はハイエンドなスペックと言えます。CPUは第10世代(Comet Lake-H)のCore i7/Core i9、外部GPUはGeForce GTX1660Ti/RTX2060で、ともにMax-Qデザインです。CPUにCore i9を設定しつつGPUはRTX2060 Max-Qまでにとどまるのは、ENVY 15がゲーミングノートではなく、クリエイターノートであるというのが理由だと思われます。

RAMは16GB/32GBで、32GBの設定があるあたりも大容量RAMを必要とするクリエイターのニーズに合わせたものと言えます。ストレージは最大2TB SSDとかなりの大容量です。

ディスプレイは15.6インチのIPS液晶・FHD解像度と有機ELの4K(3,840 × 2,160)解像度が設定されています。このディスプレイは「VESA認定のHDR400 規格」「100%DCI-P3の広い色域」「ΔE <2のカラーキャリブレーション」と、クリエイターのニーズに応える品質になっています。また、4Kディスプレイモデルには「RTX2060/RAM32GB/2TB SSD」という構成しか選べません(CPUはCore i7とCore i9を選べます)。なので、4Kモデルは「本職の人」向けと言えるでしょうか。

通信まわりではWi-Fi6に対応し、入出力ポートでは2つあるUSB Type-CポートがともにThunderbolt 3と高規格です。ただし、ゲーミングノートのように多種類のポート構成にはなっていません。また、SDカードリーダーも装備されますがフル規格ではなくmicro規格となっています。

それと、注意したいのがバッテリー稼働時間で、「6.5時間から15時間」と、やたらと大きな幅があります。ENVY 15はディスプレイの形式によって稼働時間が大きく異なります。後述する「使用感」のところでも記載しますが、有機ELの4Kディスプレイの稼働時間がIPS液晶・FHDのディスプレイに対し、かなり稼働時間が短くなります。

HP ENVY 15 システム情報

HP ENVY 15 ストレージ情報

HP ENVY 15 GPU情報
レビュー機のシステム情報です。「Core i9/GeForce RTX2060 Max-Q/RAM32GB/2TB SSD」という構成の上位モデルでしたが、OSのバージョンは「英語版のWindows 10 Home」でした。

HP ENVY 15
また、ディスプレイは4K解像度の有機ELで、デフォルトの表示拡大率は225%になっていました。

2.筐体

今回のレビュー機は米国仕様でした。そのため、同梱物のご案内はできません。あらかじめご了承ください。ちなみに、国内仕様と同じかどうか断定はできませんが、ACアダプターはゲーミングPC用と同じような大型で、200W、重量の実測値は624 g(電源ケーブル込み)でした。

HP ENVY 15 天板
天板です。筐体はアルミ製で表面に梨地加工(ほんの少しザラついた加工をして、手に馴染みやすくする目的です)が施され、非常に美しく、手によく馴染むものになっています。HPのロゴはもちろんプレミアムタイプです。

HP ENVY 15 底面
底面です。ENVY 15は天板だけでなく「オールアルミ製」です。Core i9の設定もあり、かつGeForceを搭載していることから、やや積極的に通気口があいています。また、画像下が手前(開口部)なのですが、両サイドにスピーカーグリルが見えます。底面は開口可能と思われますが、ユーザーが気軽にアクセスできるようなハッチはありません。

HP ENVY 15 右側面
右側面です。こうしてみると筐体が角ばっているのがわかると思います。ENVYシリーズの既存モデルと少し雰囲気が違うかな、と思いました。この面には入出力ポートは少なく、USB Type-Aポートとイヤホンジャックがあるのみです。

HP ENVY 15 前面
前面には特になにもありません。こうしてみるとヒンジ開口用の「手がかり」がないように見えますが、エッジ部分がわずかに凹んでいて、ヒンジの開口は容易です。

HP ENVY 15
左側面です。こちらに主要なポート類が集中しています。画像左からDC-IN、USB Type-A、HDMI、USB Type-C(Thunderbolt 3)× 2、microSDカードリーダーです。なお、有線LANポートはありません。

HP ENVY 15 背面
背面です。ハイスペックマシンながら、ゲーミングノートとは明らかに異なる上品なデザインになっています。通気口も見えません。

HP ENVY 15 背面
背面のENVYロゴは相変わらずカッコいい!

HP ENVY 15 キーボード
キーボードです。15.6インチサイズですがテンキーはありません。また、両サイドにスピーカーグリルがあります。ENVY 15は底面とキーボード面に合計4つのスピーカーを搭載しています。音響システムはもちろんBang&Olufsenです。

お断り:メーカーサイトでは、ENVY 15のスピーカーは「デュアル(2つ)」との記載になっていますが、私が確認した限り、この製品のスピーカーはキーボード面に2つ、底面に2つ、合計4スピーカーであるとしか思えませんでした。少なくとも底面の2つは明らかにスピーカーです。そのため、以降の記述では「4スピーカー」として進めさせていただきます。どうかご了承ください。

HP ENVY 15 キーボード

クリックで拡大します

キートップが見にくいので、バックライトを点灯させてみました。レビュー機は英語配列ですが、日本仕様は日本語配列となります。HP製品によく見られる、Enterキーの右に一列あるタイプですね。配列に大きなクセはありませんが、スペースキーの右側、ALTキーと左矢印キーの間に指紋センサーがある、というのが面白いところです。

HP ENVY 15 キーボード
キートップはフラットです。キートップの印字はバックライト消灯時は黒っぽく、バックライト点灯時は白く光りますので、視認性は高いです。

HP ENVY 15 ディスプレイ
ヒンジを開口し、正面から見てみます。グレアタイプのディスプレイなので、背景が少し写り込んでしまいました。すみません。下部ベゼルを除く3方のベゼルが非常に細くなっています。ENVYシリーズらしい、シンプルで上品なデザインです。

HP ENVY 15 横から
ヒンジを最大開口してみました。ENVY 15は底面のゴム足がやや厚くなっていて、筐体後部が少し持ち上がった格好になります。一見すると「リフトアップヒンジ」に見えますが、ヒンジを開けても閉じても、側面の高さは変わりません。

一通りHP ENVY 15の筐体を確認してみました。オールアルミ製で「ナチュラルシルバー(実際には少しゴールドが入っているように見えました)」の筐体色がシンプルで上品な印象です。また、特に後部が角ばったデザインになっている点にも個性が感じられます。ENVY 15は「クリエイターPC」という位置づけになりましたが、HPのプレミアムブランドらしい高級感はしっかりと感じられました。

3.使用感

ディスプレイ

HP ENVY 15は15.6インチの有機EL、4K(3,840 × 2,160)解像度、グレアタイプのディスプレイを搭載しています。いつもなら「手持ちのIPS形式のディスプレイと比較」という流れになるのですが、今回はそれをしません。表現に困るくらいに圧倒的な差になっていますので。「感動的に美しい」というのが素直な感想です。

有機ELの4Kディスプレイ、ということで発色等の水準は非常に高くなっていて、あとはクリエイターの人が「静止画」を扱うのか「動画」を扱うのかによって、必要とする発色の傾向(お好み)が変わるだろう、ということですが、

HP ENVY 15
このように「HP Display Control」というアプリで「sRGB」「Adobe RGB」「DCI-P3」を切り替えることができます。それぞれ発色の傾向、というか見え方が若干異なり、その違いは私でも理解できる感じですね。それぞれの指標についてHP側でしっかりキャリブレーションしてありますので、あとはお好みに合わせて、ということになると思います。まさにプロ仕様ですね。

また、このディスプレイは輝度が非常に高く、100%にしてしまうとまぶしいくらいです。

キーボード

今回のレビュー機は英語配列のものでした。日本仕様は日本語配列になりますので、使用感は多少異なると思います。

配列は素直なほうだと思います。ただし、ENTERキーの右の一列に関しては、このレイアウト(HPのモバイルノートでは一般的なものになります)を使い慣れていないと少し戸惑うかもしれません。といってもPgUPとかPgDnとかEndといった、個人的には全然使っていないキーなので、私は特に戸惑うこともありませんでしたけどね。

キーピッチは19 × 18.7 mm、キーストロークは1.3 mmと開示されていて、十分な余裕があります。もちろん15.6インチサイズにしてテンキーなしなので、当然といえば当然ですね。

打鍵感ですが、やや押下圧がやや大きめ(重いという意味です)で、個人的には気持ちよく打鍵ができました。「やや重い」と言ってもストレスになるほど重くはありませんし、そのぶんしっかりとした打鍵感になっていると思います。また、打鍵音も小さめですね。「パチパチ」という音はしません。なので、比較的静かな場所で使用しても周囲に気を使うことはないと思います。

スピーカー

HP ENVY 15は底面とキーボード面に合計4つのスピーカーを搭載し、音響システムはBang&Olufsenです。音質をテストするのが非常に楽しみだったんですが、「いやこれ、ノートパソコンの音じゃねえだろ?」というのが感想です。弱いのは重低音くらいで、ただ重低音って外付けの、よっぽど大型のスピーカーが必要になると思うので、それを考慮すればこれ以上望めないくらいの音質です。

HP ENVY 15

クリックで拡大します

もちろんBang&OlufsenのAudio Controlアプリで細かい音質の調整も可能。私の場合、低音をブーストしてダンスミュージックを聴くのが好きなんですけど、作業中にBGMとして音楽を聴いていると、手が止まって仕事の効率が落ちるレベル。

バブルの名曲「Turn Around and Count 2 Ten(Dead or Alive)」などを懐かしく楽しませてもらいました。あ、もちろんダンスミュージックだけだとまずいので乃木坂とかも聴いてみましたよ。ともあれ、ノートPC用スピーカーとしては最高評価でいいと思います。

バッテリー

HP ENVY 15は調整項目が結構多いのですが、まずHP Display Controlで「省電力」モードに、ついでHP Command Centerのモードを「静音」に設定し、ディスプレイ輝度を70%、バックライトをOFFにしてテストしました。

スポンサーリンク

ブラウザーからYouTubeにアクセスし、ボリューム30%でバックグラウンドで30分間音楽を流し、その間Web閲覧やテキストエディターでの文書作成をし、トータルで1時間使用しました。この場合だと1時間に18%ほどのバッテリー消費となりました。単純計算で5時間~6時間ほど使えることになります。

ただ、ENVY 15の場合、GeForce RTX2060が動作を始めるか否か、という点と、ディスプレイの性能をフルに使うか否か、ということがバッテリー消費に大きく影響すると思われます。特に後者ですね。GPUをぶん回すような場面なら電源に接続すると思いますので。

次にディスプレイ輝度を100%、ディスプレイは省電力モードではなくsRGBモードにしてフリーソフトのGIMP2で画像加工を30分ほどやってみたところ、バッテリー消費は15%に達しました。1時間だと30%、稼働時間は3時間強くらいですね。やはりディスプレイの設定(省電力モードのオン/オフや輝度の設定です)でバッテリー消費量がかなり変わってきます。このことから、クリエイティブな作業に使う場合、バッテリー消費量は大きくなると思いますので、バッテリー稼働の場合は短時間で済むものにしておくか、あとは常に電源を確保するように心がけるといいと思います。

4.性能テスト

HP ENVY 15

クリックで拡大します

HP ENVY 15

クリックで拡大します

HP ENVY 15には「HP Command Center」という設定アプリが入っていて、画像のようにパフォーマンス・コントロール(パフォーマンスモードの切り替え)や使用するタスクのネットワーク優先順位付けをすることができます。ただし、パフォーマンスの調整についてはゲーミングノートほど細かい設定はできず、基本的に上の画像にあるメニューからひとつ選択する、という形式です。

このレビューのベンチマークスコアは「パフォーマンスモード」で測定しています。

HP ENVY 15
参考:
MSI GE66 RAIDER(i7-10875H、RTX2070):7,882、18,288、46,133
Lenovo Legion Y740(17)(i7-9750H、RTX2080Max-Q):7,655、16,867、39,482
HP OMEN X 2S 15(i9-9880H、RTX2080 Max-Q):7,545、16,652、40,212
ドスパラ GALLERIA GCR2070RNF(i7-9750H、RTX2070):7,219、16,668、35,109
マウス NEXTGEAR-NOTE i7901BA1(i7-7700K、GTX1080):6,703、17,345、37,589
ASUS ROG Zephyrus S GX502GV(i7-9750H、RTX2060):6,566、15,229、36,469
Lenovo Legion Y740(15)(i7-9750H、RTX2070 Max-Q):6,508、14,067、36,491
MSI GP65 Leopard(i7-9750H、RTX2060):6,397、14,646、35,296
OMEN X by HP(i7-7820HK、GTX1080):6,283、15,476、30,804
MSI GL63 8SE(i7-8750H、RTX2060):6,205、14,838、33,985
ASUS ZenBook Pro Duo UX581GV(i9-9980HK、RTX2060):5,850、13,667、28,140
GALLERIA GCR1660TNF-E(i7-9750H、GTX1660ti):5,837、13,402、34,468
Lenovo Legion Y540(15)(i7-9750H、GTX1660Ti):5,777、13,259、34,332
ドスパラ GALLERIA GCR1660TGF-QC-G(i7-9750H、GTX1660Ti):5,610、12,852、34,583
ドスパラ GALLERIA GCF1070GF(i7-8750H、GTX1070):5,583、15,146、36,268
ドスパラ GALLERIA GCF2060GF-E(i7-8750H、RTX2060):5,453、13,800、33,609
ドスパラ GALLERIA GKF1070NF(i7-7700HQ、GTX1070):5,280、14,030、30,686
ASUS ROG Zephyrus G14(Ryzen9 4900HS、RTX2060 Max-Q):-、13,719、31,513
DELL ALIENWARE 17(i7-7700HQ、GTX1070):5,257、13,233、29,845
HP Pavilion Gaming 15-dk0000(i7-9750H、GTX1660Ti Max-Q):5,096、11,802、26,814
ASUS ROG Zephyrus G GA502DU(Ryzen7 3750H、GTX1660Ti):4,219、10,223、20,073
ドスパラ GALLERIA GCF1060NF(i7-8750H、GTX1060):3,965、10,506、29,442
ドスパラ GALLERIA GKF1060GFE(i7-7700HQ、GTX1060):3,808、9,888、26,344
Lenovo Legion Y7000(i7-9750H、GTX1650):3,722、8,164、26,019
GALLERIA GKF1060NF(i7-7700HQ、GTX1060):3,717、9,989、24,824
DELL G7(i7-8750H、GTX1060):3,703、9,743、26,843
ドスパラ GALLERIA GCR1650GF7(Core i7-9750H、GTX1650):3,686、8,290、26,358
ASUS TUF Gaming A15(Ryzen5 4600H、GTX1650):3,637、8,779、25,063
ドスパラ GALLERIA GCR1650GF(Core i5-9300H、GTX1650):3,627、8,240、24,774
GALLERIA GKF1060GFE(i7-7700HQ、GTX1060):3,625、9,784、24,233
ドスパラ GALLERIA Mini 1060(i5-7500、GTX1060):3,583、9,276、22,203
MSI GF63 Thin(Core i7-10750H、GTX1650Ti):3,530、8,372、26,065
ドスパラ raytrek RKF1060TGK(i7-7700HQ、GTX1060):3,518、9,207、23,689
ASUS TUF Gaming FX505DT(Ryzen5 3550H、GTX1650):3,441、8,036、19,066
MSI Prestige 15(i7-10710U、GTX1650 Max-Q):3,286、7,326、23,978
MSI Prestige 14(i7-10710U、GTX1650 Max-Q):3,111、6,973、22,126
ASUS ZenBook 15 UX534FT(i7-8565U、GTX1650):2,988、6,789、20,260
ドスパラ GALLERIA GCF1050TNF(i7-8750H、GTX1050Ti):2,528、6,776、17,005
ドスパラ GALLERIA GCF1050TGF-E(i5-8300H、GTX1050Ti):2,523、6,802、20,045
GALLERIA GKF1050TNF(i7-7700HQ、GTX1050Ti):2,492、6,858、18,179
NEXTGEAR-NOTE i4400GA1(i7-7700HQ、GTX1050Ti):2,449、6,852、20,453
Lenovo ThinkPad X1 Extreme(i7-8750H、GTX1050Ti Max-Q):2,393、6,490、19,506
GALLERIA QSF965HE(i7-6700HQ、GTX965M):–、5,344、16,987
ドスパラ Critea VF-HGK1050(i7-7700HQ、GTX1050):1,826、5,553、17,109
HP Pavilion Power 15(i5-7300HQ、GTX1050):1,797、5,230、14,052
※左からTime Spy、Fire Strike、Sky Diverのスコア

グラフィック性能を測定する3D Markのスコアです。ENVY 15のCPUはCore i9-10885H、GPUはGeForce RTX2060 Max-Qですが、スコアはRTX2060 Max-Q搭載機としては標準的なものになったと思います。Max-QのつかないRTX2060を搭載する製品よりも若干低めかな、という感じですね。

HP ENVY 15
参考
Lenovo Legion Y740(17)(i7-9750H、RTX2080Max-Q): 4,491
HP OMEN X 2S 15(i9-9880H、RTX2080 Max-Q):4,216
ドスパラ GALLERIA GCF2070NF(RTX2070): 4,198
ASUS ROG Zephyrus S GX502GV(i7-9750H、RTX2060): 3,641
MSI GP65 Leopard(i7-9750H、RTX2060): 3,503
MSI GL63 8SE(i7-8750H、RTX2060): 3,246
ASUS ROG Zephyrus S GX502GV(i7-9750H、RTX2060):3,123
ドスパラ GALLERIA GCF2060GF-E(i7-8750HRTX2060 Max-Q): 2,955

続いてリアルタイムレイトレーシングの性能を測定するPort Royal(3D Markのテストの1つです)のスコアです。こちらもRTX2060 Max-Q搭載機としては普通くらいのスコアですね。ただ、RTX2060というGPUはリアルタイムレイトレーシングに対応はしていますが、スコアが3,000点台くらいだと、テスト中に画面がカクついたりして、あまり挙動がよろしくありません。ENVY 15の直接的な評価とは言えませんが、リアルタイムレイトレーシング性能を重視するならRTX2060でも少々厳しい、とは言えますね。

HP ENVY 15
参考:
MSI GE66 RAIDER(i7-10875H、RTX2070):8,230
ドスパラ GALLERIA GCR2070RNF(Core i7-9750H、RTX2070):7,440
MSI GL63(i7-8750H RTX2060) :6,982
ドスパラ GALLERIA GCF1070NF(i7-8750H GTX1070):6,691
ASUS ROG Zephyrus G14(Ryzen 9 4900HS、RTX2060 Max-Q):6,041
MSI GS65(i7-8750H GTX1070 Max-Q) :5,821
ドスパラ GALLERIA GCF1060GF-E(i7-8750H GTX1060):4,675
MSI GF63 Thin(Core i7-10750H、GTX1650Ti):3,911
ASUS TUF Gaming A15(Ryzen5 4600H、GTX1650):3,872
ドスパラ GALLERIA GCR1650GF7(Core i7-9750H、GTX1650):3,865
MSI Prestige 15(Core i7-10710U、GTX1650 Max-Q):3,350
MSI GF75 Thin(i7-8750H GTX1050Ti Max-Q):2,990
ドスパラ GALLERIA GCF1050TNF(i7-8750H GTX1050Ti) :2,914

ゲーム「ファイナルファンタジー15(FF15)のベンチマークテスト結果です。こちらもRTX2060 Max-Q搭載機としては標準的かと思われます。

ここまではGPU性能が大きく影響するテストでした。ENVY 15はゲーミングPCという位置づけではないので、ゲームソフト系のベンチマークスコアでどうこう言うのもどうかとは思いますが、搭載GPUの性能に見合う結果になったと思います。

HP ENVY 15

クリックで拡大します

参考:
HP OMEN X 2S 15(i9-9880H、RTX2080 Max-Q):6,447
Lenovo Legion Y740(17)(Core i7-9750H、RTX2080Max-Q): 6,151
MSI GE66 RAIDER(i7-10875H、RTX2070):6,081
ASUS ROG Zephyrus G14(Ryzen 9 4900HS、RTX2060 Max-Q):5,852
Lenovo Legion Y740(15)(Core i7-9750H、RTX2070 Max-Q): 5,830
ASUS ZenBook Pro Duo UX581GV(Core i9-9980HK、RTX2060): 5,727
Lenovo Legion Y7000(Core i7-9750H、GTX1650): 5,618
ドスパラ GALLERIA GCR1660TGF-QC-G(Core i7-9750H、GTX1660Ti): 5,573
ASUS ROG Zephyrus S GX502GV(Core i7-9750H、RTX2060): 5,506
ドスパラ GALLERIA GCR2070RNF(Core i7-9750H、RTX2070): 5,505
DELL G7(Core i7-8750H、GTX1060): 5,401
MSI Prestige 15(Core i7-10710U、GTX1650 Max-Q):5,350
ドスパラ GALLERIA GCF2060GF-E(Core i7-8750H、RTX2060): 5,328
MSI GP65 Leopard(Core i7-9750H、RTX2060): 5,299
ドスパラ GALLERIA GCF1070GF(Core i7-8750H、GTX1070): 5,122
MSI GF75 Thin(Core i7-8750H、GTX1050Ti): 5,009
ドスパラ GALLERIA GCF1060GF-E(Core i7-8750H、GTX1060): 4,976
ASUS TUF Gaming A15(Ryzen5 4600H、GTX1650):4,959
ドスパラ GALLERIA Mini 1060(Core i5-7500、GTX1060): 4,906
ドスパラ GALLERIA GCF2070GF-E(Core i7-8750H、RTX2070): 4,893
ASUS ZenBook 15 UX534FT(Core i7-8565U、GTX1650): 4,709
ドスパラ GALLERIA GCF1050TGF-E(Core i5-8300H、GTX1050Ti): 4,545
ASUS ROG Zephyrus G GA502DU(Ryzen 7 3750H、GTX1660Ti): 4,365
OMEN X by HP(Core i7-7820HK、GTX1080): 4,290
iiyama STYLE-17FH054-i7(Core i7-8750H) : 4,281
HP Spectre x360 13(Core i7-8565U): 4,223
Lenovo ThinkPad T490(Core i7-8565U、MX250): 4,158
ASUS VivoBook S15 S531FA(Core i7-10510U): 4,155
Lenovo ThinkPad X1 Carbon(Core i7-8665U): 4,132
ASUS TUF Gaming FX505DT(Ryzen 5 3550H、GTX1650): 4,124
Lenovo ThinkPad X1 Yoga(2019)(Core i7-8665U):4,120
ASUS X545FA(Core i7-10510U): 4,114
HP Elitebook x360 1040 g6(Core i5-8265U):4,038
ASUS ZenBook 14 UX434FL(Core i5-8265U、MX250):3,933
Lenovo ThinkPad X280(Core i7-8550U): 3,909
ドスパラ raytrek VF-HEW(Core i7-8565U、MX150):3,861
ドスパラ Altair F-13KR(Core i5-8350U): 3,778
HP Spectre 13(Core i5-8265U): 3,766
HP ENVY X360 13(Ryzen 7 3700U): 3,728
Lenovo ThinkPad E595(Ryzen 5 3500U): 3,714
NEC LAVIE Direct NEXT(Core i7-8550U): 3,704
ドスパラ Critea VF-HEKS(Core i7-8550U、MX150): 3,704
ASUS ExpertBook B9: 3,674
マウス X5-B(Ryzen 5 3500U): 3,673
マウス m-Book X400B(Ryzen 5 3500U): 3,659
HP ENVY x360 15(Ryzen 3500U): 3,617
DELL Inspiron 17 5000(5770)(Core i7-8550U、Radeon 530): 3,607
東芝 dynabook AZ65/G(Core i7-8550U): 3,546
HP ENVY 13(Core i7-8550U):3,534
DELL XPS 13(9370)(Core i7-8550U): 3,518
ドスパラ Critea VF-HGK1050(Core i7-7700HQ、GTX1050): 3,492
東芝 dynabook VZ82/F(Core i7-8550U): 3,491
富士通 LIFEBOOK WS1/B3(Core i7-8550U): 3,479
Microsoft Surface Pro 6(Core i5-8250U): 3,399
東芝 dynabook DZ83/J(Core i7-8550U): 3,353
マウス m-Book J(Core i5-8250U): 3,350
東芝 dynabook UZ63/F(Core i7-8550U): 3,341
Microsoft Surface Laptop 2(Core i5-8250U): 3,199
HP Spectre Folio 13(Core i5-8200Y): 3,108

グラフィック性能だけでなく、表計算ソフトやビデオチャットなど、ビジネスシーンもシミュレートするPC Markのスコアです。GPU性能が全く関係ないということはありませんが、どちらかと言うとCPU性能が重視されると言われています。

スコアのほう、決して悪くはないというか、十分高いものになったとは思いますが、Core i9-10885HというCPU型番からすると少々不本意か、と思います。ただ、PC Markというテストの性質上、ビジネスシーンなどで使うぶんには全く不満がない、というか非常に快適な使用感になるとは言えますね。

HP ENVY 15
参考:
ASUS ROG Zephyrus G14(Ryzen 9 4900HS Max-Q):485、4,226
MSI GF63 Thin(Core i7-10750H): 466、2,572
MSI Prestige 15(Core i7-10710U): 458、2,528
ASUS TUF Gaming A15(Ryzen 5 4600H):451、3,189
HP Elitebook x360 1040 g6(Core i5-8265U): 396、1,177
CHUWI Hi10 X(Celeron N4100): 153、404

「CPU性能だけ」を測定するCINEBENCHです。ウインタブでこのテストを使い始めて日が浅いので、まだサンプル数が十分に集まっていませんが、注目の「Ryzen 9 4900HS」との比較ができます。シングルコアに関してはほぼ互角と言っていい結果になりました。一方、マルチコアではRyzenに水を開けられてしまいましたね。

PC MarkにしてもCINEBENCHにしても、あくまで「指標のひとつ」でしかないと思いますので、絶対的な性能の断定は難しいです。しかし、ENVY 15のパフォーマンスが非常に高い、というのは間違いのないところでしょう。また、クリエイターPCということではやはり「ディスプレイ品質」というのがCPUやGPU性能以上に重量になると思います。ディスプレイの「性能」を数値的に検証するのは難しいですが、上の「使用感」のところで述べたとおり、ENVY 15のディスプレイはクリエイターのニーズを高水準で満たすものと考えます。

HP ENVY 15 CDM
ストレージの読み書き速度を測定するCrystal Disk Markです。これはPCIe ×4接続の数値ですね。非常に高速です。クリエイターの用途だと、大容量の画像データや動画データに頻繁にアクセスし、加工・保存を繰り返すことになると思いますが、この速度であれば現状ノートPCに望みうる最高速度に近いと言っていいでしょう。

発熱について

ENVY 15は「ベイパーチャンバー(真空液体冷却技術)」を搭載し、エアフローの最適化にも注力していて、基本的に発熱対策はしっかりと施されています。しかし、今回のレビューで繰り返しベンチマークテストを実施した局面ではやや発熱量が大きめと感じました。キーボード面上部に結構な熱を感じます(危険を感じるようなものではありません)。また、HP Command Centerのモードを「パフォーマンスモード」にすると、ファンの風量が大きくなりますが、ファンの音もやや大きめと感じました。一般的なゲーミングノートと同じくらいかと思いますので、ここも想定外にうるさい、ということではありませんが、上品で高級感ある筐体の割にファン音は大きめ、と理解していただければ、と思います。

5.まとめ

HP ENVY 15は7月下旬の発売予定で、6月29日現在、HP Directplusでアナウンスされている価格は下記のとおりです。

Core i7/GTX1660Ti/16GB/512GB:179,800円(税込み197,780円)
Core i7/RTX2060/32GB/2TB/4K DP:239,800円(税込み263,780円)
Core i9/RTX2060/32GB/2TB/4K DP:289,800円(税込み318,780円)

今回、実機をしばらく試用させていただいて、もちろんハイエンドなノートPCらしいパフォーマンスも発揮してくれましたが、特にディスプレイの美しさに感動を覚えました。ENVY 15を購入するなら絶対に4Kディスプレイでないと!と言いたくなりますね。ただし、4Kディスプレイ搭載モデルは「RTX2060/RAM32GB/2TB SSD」というスペックしかありませんので、Core 7モデルを選んだとしてもかなりのお値段になってしまいます。プロのクリエイターならばこのくらいのスペックは必要だと思いますが、ビジネス用ということなら少々オーバースペックかもしれませんね。あと、ExcelとかWordを使うのなら必ずしも4Kである必要もありませんし。

HP ENVY 15は、プロのクリエイターやディスプレイ品質に強いこだわりのある人には素晴らしい、というか最高のノートPCだと思います。

6.関連リンク(HP)

HP ENVY 15 製品詳細icon

スポンサーリンク