Dynabookの13.3インチモバイルノートパソコン「dynabook GZ/HP」の実機レビューです。この製品は1キロを切る超軽量パソコンで、CPUに第11世代(Tiger Lake)のCoreプロセッサーを搭載する高性能マシンでもあります。
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目次
1.dynabook GZ/HP スペック
スペック表
dynabook GZ/HP, GZ/HR | |
OS | Windows 10 Home / Pro |
CPU | Intel Core i3-1115G4/Core i5-1135G7/Core i7-1165G7 |
外部GPU | なし |
RAM | 8GB/16GB |
ストレージ | 256GB SSD/ 512GB SSD/ 1TB SSD |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 13.3インチIGZO(1,920 x 1,080) |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.1 |
入出力 | USB Type-C(Thunderbolt 4)× 2、USB 3.1 Gen1 × 2、HDMI、LAN(RJ45)、オーディオジャック、microSDカードリーダー |
カメラ | Webカメラ(92万画素)顔認証対応 |
バッテリー | 稼働時間 24.0時間 |
サイズ | 306.0 ×210.0 × 17.9 mm |
重量 | 888 – 908 g |
バリエーションモデル
●Core i3/RAM8GB/256GB SSD
●Core i5/RAM8GB/256GB SSD
●Core i5/RAM8GB/512GB SSD
●Core i7/RAM8GB/256GB SSD
●Core i7/RAM8GB/512GB SSD
●Core i7/RAM16GB/512GB SSD
●Core i7/RAM16GB/1TB SSD(レビュー機の構成)
OSはWindows 10 HomeとProを選べますが、Homeだと製品型番が「GZ/HP」、Proだと「GZ/HR」となります。また、筐体色は「オニキスブルー」と「パールホワイト」の設定があり、オニキスブルーは全バリエーションモデルを選べますが、パールホワイトは一部のバリエーションモデルのみ選べます(GZ/HRはオニキスブルーのみ)。
ポイント
●第11世代Core i3/Core i5/Core i7搭載
●IGZOディスプレイの高い発色性能
●Wi-Fi6対応で高速なネットワーク通信が可能
●Thunderbolt4を2つ搭載し、高速なデータ伝送が可能
●最小重量888 gの超軽量筐体
2.dynabook GZ/HP 筐体と使用感
同梱物
dynabook GZ/HP、ペーパー類はやや多めです。右上のスタートアップガイドを読めば戸惑うことなく使い始めることができます。ACアダプターはモバイルノート用らしくコンパクトなサイズで、重量の実測値は244g(電源ケーブル込み)でした。また、左上のクリーニングクロス(メガネ拭きと同じ素材)がついてくるのは親切だと思います。
天板と底面
天板です。お借りしたレビュー機は「オニキスブルー」という、落ち着いた濃紺の筐体色でした。筐体素材はマグネシウム合金で、Dynabookに限らず、重量1キロを切るような超軽量パソコンに使われることが多い素材です。
また、dynabook GZ/HPは単に軽いだけでなく、MIL規格準拠のテストをクリアした堅牢性も備えています。さすがに実機レビューではわざと落下させたりといったテストはできませんが、Dynabook製品はマニアックなまでの耐久テストを施すのが「お約束」なので、ビジネスシーンでも不安なく使うことができます。
底面です。このdynabook GZ/HPは私が確認した限り、筐体全体がマグネシウム合金製です。底面の開口は可能ですが、ユーザーが気軽にメンテナンスできるような開口部(ハッチ)はありません。この画像の上部が開口部(手前側)で、スピーカーグリルが2箇所あるのがわかると思います。
スピーカーの使用感
dynabook GZ/HPのカタログモデル(量販店などで販売されています)「dynabook Gシリーズ」ではスピーカーはONKYO製と明記されていますが、直販モデルであるレビュー機にはONKYOのロゴはなく、メーカーサイトでもその旨の記載はありませんでした。
スピーカー音質は「可もなく不可もなく」というのが感想です。軽量なモバイルノートというサイズ面での制約があるので仕方がないとは思いますが、他社のハイエンド機と比較するとやや薄っぺらい音質です。高音が強めに出る、よくあるノートパソコンのスピーカーという感じですね。また、スピーカー位置が底面の前側にありますので、キーボードに手を置くと微妙に音質が変化してしまいます。
音響アプリは「DTS Audio Processing」が入っていました。簡単操作で好みに合わせた音質にすることができますし、グラフィックイコライザーで細かい調整も可能です。このアプリを使えば音質はある程度改善されます。ただし、上にご説明したとおり、スピーカーの素の品質と位置がイマイチなので、BGM程度で聴く分には悪くありませんが、じっくり音楽を楽しむのならイヤホンや外付けスピーカーを使うのがいいと思います。
側面
前面です。ポート類やボタン類はありません。
背面です。ビジネス系モバイルノートとしてはやや目立つ通気口があります。
右側面です。画像左からmicroSDカードリーダー、USB Type-Aポート、有線LANポート、そしてセキュリティロックスロットがあります。超軽量に仕上げつつ有線LANポートをしっかり装備しているという企業姿勢が素晴らしいです。ちなみに私は自宅のWi-Fiの回線速度が遅いので、有線LANポートがあると非常に重宝します。
左側面です。画像左からUSB Type-C(Thunderbolt 4)× 2、HDMIポート、USB Type-Aポート、イヤホンジャックです。なお、dynabook GZ/HPのUSB Type-Cポートは充電/給電ポートも兼ねていて、どちらのポートでも充電/給電が可能です。
キーボード
キーボードです。Dynabookをはじめ、日本メーカーはキーボード設計に強いこだわりがあります。dynabook GZ/HPのキーボードは「86キー(JIS配列準拠)、キーピッチ:19mm、キーストローク:1.5mm」と開示されていて、バックライトはつきません。
キートップは中央に0.2 mmのへこみがあります。タイピング時に指のかかりを良くする効果があります。
キーボードの使用感
キーボードのサイズ感は上でご説明したとおりですが、使用感としては「十分なサイズ感でストロークは浅からず深からず、軽いタッチでタイピングできる」というものでした。キー配列にも強いクセのようなものは感じられず、使い始めてすぐにスラスラと長文を入力できました。打鍵音も「静音」とまでは言えませんが、比較的小さめです。
なお、dynabook GZ/HPはDynabookの上位モデルながら、バックライトはありません。しかし、キーの印字は見やすく、薄暗い場所でもディスプレイの光を頼りに、特に問題なく入力ができました。
ノートパソコンでもデスクトップパソコンでも、キーボード品質というのは非常に重要です。デスクトップパソコンの場合は自分の気に入ったキーボードを購入したり、手持ちのキーボードに取り替えたりできますが、ノートパソコンの場合、キーボード品質が気に入らなければ「万事休す」です。その点、dynabook GZ/HPのキーボードは非常に高く評価できます。さすが日本メーカー!だと思いました。
ディスプレイ
正面から見たところです。左右のベゼルは十分に細いですが、他社のハイエンドパソコンのような極細なものではありません。また、上部ベゼルがやや太めになっていますが、WebカメラがIR(赤外線、顔認証対応のため)であることもその理由と思われます。
dynabook GZ/HPのディスプレイ仕様はIGZOパネルのノングレア(非光沢)タイプ、ですが、映り込みというか光の反射はやや大きめです。ただ、グレア(光沢)タイプのような激しい映り込みはありませんし、実用性を大きく損なうというほどではありません。
ディスプレイの使用感
非常にキレイです!解像度こそ一般的なFHD(1,920 × 1,080)ですが、発色品質は非常に高いです。私は視力が悪く、GZ/HP単体で画面をボーッと見ていても「あら捜しができない」ので、レビューに際し、下記の手順でテストしました。
●手持ちのディスプレイ2つ「MSI GP65 Leopard(ノートパソコン、15.6インチFHD解像度、IPS相当の液晶)」と「MSI Optix G27C4(モニター、27インチFHD解像度、VA液晶)」を横に並べて
●ブラウザーのEdgeで「花」を画像検索し、同じ画像を表示させて比較
手持ちのディスプレイもかなり品質がいいのですが、dynabook GZ/HPの発色性能はそれらに全く劣りません。GZ/HPのほうがほんの少し原色の色が淡いと感じられましたが、それが悪いことには思われません。どちらがより自然な発色か、と言われれば判断に困る感じです。
発色性能については全く不満がありませんでしたが、上でご説明したとおり、「ノングレアなのに少し光の反射が気になる」というのはありましたね。本来の視野角は十分に確保されているのに、角度をつけて見ると余計な反射が感じられ、ちょっと気が散りました。もちろんディスプレイを正面から見る場合は全然気になりませんし、太陽などの光源を背にしてノートパソコンを使い、それで見にくいというのは「ディスプレイが悪いんじゃなくて、使う人間が悪い」んですけどね。
ヒンジ
dynabook GZ/HPはヒンジが180度開口します。また、画面表示の上下を回転させることも可能なので、対面でのミーティング時などに便利です。この構造(180度開口)を採用するノートパソコンはどんどん増えています。
こちらは普通にヒンジ開口したところです。リフトアップヒンジ(ヒンジ開口時に筐体後部がせり上がる構造)の採用はなく、ごくプレーンな外観ですね。
バッテリーについて
dynabook GZ/HPは公称値で「約24時間」という、非常に長いバッテリー稼働時間を誇ります。また、「お急ぎ30分チャージ」と称し「わずか30分の充電で、バッテリー駆動時間の約40%を充電」することもできます。
dynabook GZ/HPには「dynabookセッティング」というアプリが入っていて、「ecoユーティティ」という調整項目もあります。ここで「ecoモード」をオンにすると、自動的にディスプレイの輝度が下がり、スリープに入る時間が短くなります。デフォルトではディスプレイ輝度が21%になってしまいましたが、さすがにこれだと見にくいと思ったので、利用シーンに合わせて輝度を調整する必要があります。
実際にレビュー機をしばらくの間使ってみて、バッテリー消費を測定してみました。
●Ecoモードオン(輝度は28%に上げた)で画像加工(約20分)
●音量30-50%に調整しつつ、YouTubeで音楽を鑑賞(約20分)
●輝度を100%にし(この時点ECOモード自動解除)、ディスプレイの画質チェック及び文書作成(約40分)
トータル80分の使用でバッテリー消費は16%でした。この使い方の場合、単純計算で8時間半程度使用可能と思われます。ディスプレイ輝度を100%にして使った時間が長かったため、実際にはもう少し長い稼働時間になる可能性もあります。公称値の約24時間というのは難しいと思います。しかし、この性能であれば終日バッテリー稼働が可能と思われます。お昼休みにちょっと充電できるのであれば万全でしょう。
3.dynabook GZ/HP 性能テスト
スコアの目安(2021年水準)※あくまで「目安」です | |
GeForceなど外部GPU搭載機 | 5,000以上 |
高性能なビジネスノートパソコン | 4,000以上 |
中位のノートパソコン | 3,000以上 |
エントリーノートパソコン | 2,000以下 |
表計算ソフトやビデオチャット、画像加工など、実際のビジネスシーンをシミュレートしたテスト、PC Markのスコアです。テスト項目にグラフィック処理も含まれるので、(そんなに露骨ではありませんが)外部GPU搭載機のほうが高いスコアとなる傾向があります。
dynabook GZ/HPの4,471というスコアはCore i7-1165G7搭載機としては「標準的」です。同じCore i7でも第8世代とか第10世代になると確実にスコアが下がり、4,000点を切るものが珍しくありませんので「実際に使ってみての体感差」は別としても、スペック表から期待されるパフォーマンスはしっかり出ていると言えます。もちろんビジネスシーンでもたつきを感じることはまずないでしょう。
次にグラフィック性能を測定する3D Markのスコアです。GeForceなどの外部GPUを搭載するゲーミングパソコンなどでは重要なテストと言えますが、dynabook GZ/HPはゲーミングパソコンではありませんので、スコアの方も参考程度に考えていただければいいと思います。また、FireStrikeのスコアに注意記号(赤い三角)がありますが、これは「スコアをオンラインにアップデートできませんでした」という内容なので、スコアがおかしいということではありません。
FireStrikeの3,402というスコアはCore i7-1165G7搭載機としては「標準からやや高め」くらいです。IntelのCoreプロセッサーは第10世代と第11世代でグラフィック性能が大きく変わり、第11世代のほうがずっと高性能です。第8世代や第10世代のCore i7では2,000点すら切ることが多いです。
このスコアであればオンラインゲームのプレイも一部可能です。当然画質設定を落としてのプレイとなりますし、ゲームプレイを前提とした冷却機構も備えていませんので、長時間のプレイも難しいとは思いますが…。まあ、本来ビジネスノートなので、ゲーム用としてはあまりおすすめしません。むしろ動画編集とか画像加工、凝ったエフェクトバリバリのパワポ資料の作成などでは威力を発揮してくれると思います。
続いてCPU性能のみを測定するCINEBENCH R23のスコアです。このスコアはCore i7-1165G7としては「かなり高い」です。直近の同等クラスのCPUを搭載する製品のスコアを見てみましょう。
ASUS VivoBook S15 K513EA(Core i7-1165G7):1,342、5,788
Lenovo Yoga Slim 750i Carbon(Core i7-1165G7):1,227、3,363
Lenovo IdeaPad Slim 750i(Core i7-1065G7):1,183、4,174
Lenovo IdeaPad Flex 550 14(Ryzen 7 4700U):1,140、6,710
MSI Modern 15 A10RBS-600JP(Core i7-10510U):1,136、3,249
※左からシングルコア、マルチコアのスコア
こんな感じです。実際のビジネスシーンでの体感差はそれほど大きくはないと思いますが、期待を裏切らないパフォーマンスと考えていいでしょう。
最後にストレージ(SSD)の読み書き速度を測定するCrystal Disk Markのスコアです。これは「文句なしに速い」です。おそらくPCIe ×4接続と思われますが、ビジネスノートとしてはオーバースペックと言えるくらいの水準で、ゲーミングパソコンと比較しても引けを取りません。
4.dynabook GZ/HP レビューまとめ
dynabook GZ/HPはDynabook Directで販売中です。また、ウインタブ読者向けに「クローズドサイト」をご案内いただいていますので、通常価格、会員価格よりもさらに安く購入可能です(この記事の冒頭と末尾にリンク先をご案内しています)。クローズドサイトでの4月6日現在の価格は税込み105,380円から、となっていますが、あいにく現時点では在庫切れがかなり多くなってしまっています。レビュー機の構成「Core i7/RAM16GB/1TB SSD/Office Home&Business」だと税込み173,580円ですが、このモデルも現在在庫切れです(再入荷されると思います)。
なお、ここに記載している価格は「クローズドサイトにおける会員価格」です。Dynabook Directは無料で会員登録ができ、登録すると一気に価格が下がりますので、購入される場合は必ず会員登録をするようにしてください。また、クローズドサイトでも会員のほうが安く買えるケースがあります。
dynabook GZ/HP、現時点で在庫切れが多いのが残念ですが、モバイルノートとしての品質は抜群だと思います。パフォーマンス、ディスプレイ品質、キーボード品質といった、ビジネスノートに重要な項目がすべて高水準で、期待を裏切りませんでした。また、このレビューでは実機を外に持ち出すことはしていませんが、手で持った感じ「明らかに軽い」ですね。この軽さなら毎日持ち歩くのは苦になりませんし、むしろ毎日持ち歩きたくなります。
弱点、というほどでもないですが、「光の反射がやや気になり、実質的に少しディスプレイの視野角が狭いと感じる」「スピーカー品質がそれほど良くない」ということは指摘できます。ただ、それを踏まえてもメインで使うモバイルノートとしては最高の製品だと思いますし、Dinabook Directのクローズドサイトで割安に購入できるというのも大きな魅力だと思います。
5.関連リンク(Dynabook Directクローズドサイト)
【特定サイト限定】クローズドサイト
ID :dyna204cls
パスワード:T8Y7GRSV
クローズドサイト開設期間:2022年1月7日(金)17:00まで
Dynabookのレビュー記事はこちら
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